DARK BLUEを目指して06【考察】【ネタバレ】|『エースコンバット7』|tonbori堂『ACE COMBAT』語り-Web-tonbori堂アネックス

DARK BLUEを目指して06【考察】【ネタバレ】|『エースコンバット7』|tonbori堂『ACE COMBAT』語り

2019年8月6日火曜日

ACE COMBAT airplain GAME

X f B! P L

 前回は長距離戦略打撃群で戦争終結に向かってファーバンティに向かったトリガー達、オーシア軍とエルジア軍双方ともに突如として振りかかった「混乱」までを語りました。エルジアの首都ファーバンティへの足掛かりを得たオーシア軍は最終段階としてファーバンティ制圧をもって戦争を一気に終結にもっていこうとしますが敵に防空網を破壊するための衛星攻撃と同じタイミングでオーシア側の衛星も破壊。ケスラーシンドロームにより双方の衛星が次々と破壊されネットワークは分断され、各地で強権的にエルジアに従わされていた小国の部隊が独立を求めて反乱し、オーシア軍も疑心暗鬼に駆られ敵味方関係なく独立して行動を始めたという混乱の極みに陥った事が語られました。

 今回は最後の希望。そしてそれを断たれたものの本当の希望は空にそびえる灯台にあり、そこにはまた同時に悪魔もいました。それら全てに決着を付けるべくトリガーが最後の決戦に飛び立つところまでを紐解いていきたいと思います。



ACE COMBAT™ 7: SKIES UNKNOWN & © BANDAI NAMCO Entertainment Inc.ミハイの駆るストライク・ワイバーンに対するMig21bis(機銃チャレンジ中)/ #PS4shre
ACE COMBAT™ 7: SKIES UNKNOWN & © BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
ミハイの駆るストライク・ワイバーンに対するMig21bis(機銃チャレンジ中)/ #PS4shre

混乱<chaos>

 ファーバンティ攻略戦、最終段階に現れたミスターXことミハイ率いるSOL隊を退けたもののワイズマンは撃墜されました。しかし全体的に作戦は順調で敵の抵抗力を削いでいたのですがミハイを撃墜しようとしたところで全てのHUDの情報がダウン。オーシアとエルジアが両勢力の通信航法衛星をほぼ同時のタイミングで攻撃しあいそれがケスラーシンドローム(破壊された衛星がデブリとなって他の衛星を破壊しそのデブリがネズミ算的に増えて他の衛星を破壊する現象)を起こしてエルジアほぼ全土の通信ネットワークは断絶されてしまいました。衛星ネットに頼っていたのが裏目に出てしまい、殆どの部隊が動きを止め、またエルジア軍も内部で混乱の嵐になっていたようです。


 徹底抗戦の急進派と講和を目指す穏健派に分かれ内戦状況に陥り、さらにはエルジアに併合された小国出身者で占められる部隊が造反を起こし群雄割拠な状況を呈しています。エルジアはもともと近隣各国を併合し軍事強国としてユージア大陸に覇を唱えていた国。連携が失われた今は完全に糸の切れた凧のように混迷の度合いは深まっていきました。

 その上派遣されたINUオーシア軍も分断。錯綜する情報に踊らされ同士討ちを始める始末。またこちらでも一旦軍を退き再編し混乱が収まってからという一派とこの機に徹底的にエルジアを叩くという一派にでも別れているかのような行動もさらに混迷の度合いを増すのに拍車をかけていました。


 そんな中でのエルジアの中でもオーシア軍が開戦時から接触していた穏健派のラバルト将軍を両派入り乱れさらにはオーシア軍までという混乱のアンカーヘッド市から救出するというのがファーバンティ攻略戦の次のロングレンジ部隊の任務でした。


ACE COMBAT™ 7: SKIES UNKNOWN & © BANDAI NAMCO Entertainment Inc.アンカーヘッド市上空を飛行するトリガー機。(F-22ラプター)/ #PS4shre
ACE COMBAT™ 7: SKIES UNKNOWN & © BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
アンカーヘッド市上空を飛行するトリガー機。(F-22ラプター)/ #PS4shre

 そしてこの任務はファーバンティ攻略作戦の前に封緘された作戦前に策定された任務でラバルトをオーシア側で保護し、抵抗を続けるエルジア軍の戦闘行動を停止もしくは暫定政府による停戦命令あたりがオーシア軍の目論みだったのでしょう。そしてこのミッション中でいろいろと種明かしとでもいう話が飛び出てきます。

1.ハーリング暗殺とIFF偽装

 トリガーが誤射したとされるハーリングの撃墜は急進派によるIFF偽装無人機による暗殺であったことがラバルトから明かされました。まあトリガーの扱いを考えると早い段階で知られていたのかもしれないのですが、IFF偽装の真偽やもしそうならスパイの恐れもあるため渦中のトリガーを引き離すために444航空基地飛行隊へというのは…無理筋でしょうか?

 このIFF偽装、実は2周目するとあのハーリング搭乗機撃墜の真相につながるヒントに気が付くんですよね。トリガー(自機)の横をすり抜けるF/A-18スーパーホーネット。はっきりとはしないけれどミハイの後席にいるあの機械がちらりと。通常機を無人機として運用できるコプロと呼ばれるAI搭載のメカですが、を搭載した『顔のない兵士』と同じくIFF偽装をして混乱した戦場に紛れ込んだのでしょう。そしてここでいろいろなものがつながりだしてくるのです。

2.灰色の男たち(ベルカの影)

 無人機ではオーシアの10年以上先を行くエルジア。その技術力の背景にはどうもベルカ人がいるようです。これもラバルトが語った事によりますと彼らのもたらした魔法の如き技術でミハイの戦術機動をAIに学習させ戦闘にもちいられたことが分かりました。つまりEASAのドクター・シュローデルはベルカの人間であると。ちなみに南オーシアのグランダーI.Gもつながっているのは、彼が本社と連絡が取れなくなったという事でベルカのといえばグランダーですからこれもほぼ確定でしょう。5もベルカの亡霊の仕業でありましたがここでもまたベルカ人が関わってくるとは…これはもうエースコンバットのストレンジリアルの宿業のようにも思えます。

 こうなってくると大陸戦争のメガリスにもベルカが関わっているのではないかとかいろいろ考えてしまいますね。そしてこのあとの最終決戦に出てくるラスボスの姿がその結び付きを証明しています。そしてミッションの終盤でちょうど脱出中に空域に侵入してきたシュローデルとミハイの孫娘2人の乗った輸送機を守るミッションが発動。護衛につけていた無人F/A-18がロングレンジ部隊を敵性と判断し、撃墜困難となれば地上のエルジア軍無人邀撃機をハックして攻撃など、AIの自動判断能力が徐々に人知の手に余る描写も含まれてきます。


ACE COMBAT™ 7: SKIES UNKNOWN & © BANDAI NAMCO Entertainment Inc.アンカーヘッド市上空を飛行するトリガー機。奥はラバルトの乗ったヘリ(F-22ラプター)/ #PS4shre
ACE COMBAT™ 7: SKIES UNKNOWN & © BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
アンカーヘッド市上空を飛行するトリガー機。奥はラバルトの乗ったヘリ(F-22ラプター)/ #PS4shre

作戦自体は無事に終了したものの、結局混乱した擬装情報に踊らされた別のオーシア軍機がラバルトの乗ったヘリを撃墜してこの混乱を収める鍵は失われてしまいました。

鏖の島

 一方、エイブリルたちが到着したタイラー島ではオーシア軍は島を制圧どころか散発的な戦闘が繰り返されいたるところで戦闘が巻き起こっていました。タイラー島は起動エレベーターに近いため、アーセナルバードの補給を担うサプライシップのマスドライバー発射基地があるためエルジア急進派と穏健派とオーシア軍双方を制圧しようと戦闘を繰り返しており、逆らうものは容赦なく虐殺しているという描写が…。

 エイブリルはここで逃れてきたものの不時着しどうやら国を見捨てた裏切り者としてエルジア軍双方から粛清対象として見られているコゼットと出会うことになります。穏健派はともかく急進派だとすると何故にコゼットを殺そうとしているか?これもまたラバルトと同じでオーシア軍に捕えられると停戦交渉やプロパガンダに使われる事を恐れた…その辺りが思いつきます。


 ロングレンジ部隊も作戦は終了したものの戦争を収めるためのキーパーソンであったラバルトは死んでしまい混乱を収める方法もなく、このままでは周りのエルジア軍に飲み込まれてしまうため自衛と帰還のために移動することをイェーガーが提案します。向かう先はオーシア本土に飛んでいくにしても燃料も通信も繋がらない状況では味方のいる拠点に一旦移動するしかない。そこでカウントが444航空基地飛行隊が向かったタイラー島はどうかと。行き場がない一同はともかくタイラー島に向かいますが島の現況は先に書いた通り混沌としており、オーシアの揚陸艦は撤退準備を進めていました。


 そんな中で到着したトリガーたちは撤退するオーシア軍を護りつつ追撃するエルジア軍を排除することに。この時のエルジア軍は味方がいるにも関わらず無差別爆撃を敢行しようとしたり、ほぼ自由エルジアのような完全にテロ組織的な行動をとっています。その中でエイブリルからの通信で囲まれた彼女たちを救出。代わりにサプライシップが飛び立つという情報をエイブリルが保護していたエルジアの捕虜から掴みます。


ACE COMBAT™ 7: SKIES UNKNOWN & © BANDAI NAMCO Entertainment Inc.タイラー島を飛行するトリガー機。(F-22ラプター)/ #PS4shre
ACE COMBAT™ 7: SKIES UNKNOWN & © BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
タイラー島を飛行するトリガー機。(F-22ラプター)/ #PS4shre

 これ以上アーセナルバードに補給させては手が付けられなくなるとロングレンジ部隊は判断しサプライシップを撃墜。アーセナルバードの補給を断ちました。この島ではもともとはオーシア軍がアーセナルバードの運用のための研究開発が行われていたようでサプライシップ撃墜時には、激しい光とともに爆発したことから積み荷はヘリオスであったことが分かります。

 ここでもうっすらとグランダーIGの影を見る思いが。散弾ミサイルや高威力で非核の兵器群の開発にはここが関わっているというのはほぼ間違いなくオーシアのIFFを偽装する事も、グランダーなら可能です。(形式的にはオーシアの兵器製造会社ですから)そして裏ではユークトバニアと通じ、シンファクシ、リムファクシの無人機、そして散弾ミサイルなどの技術協力。エメリア・エストバキア戦争時の重巡行管制機アイガイオンのニンバスなどももしかしたら、これらはほぼヘリオスと同じ根っこを持つように思えます。


 アイガイオンもベルカ人の影はちらついている事は各種の冊子などで示唆はされていますし、ベルカ人はベルカ戦争後、ゴルド隊のメンバーが各地に散っている事も6のアサルトレコードなどでこれまた示唆されています。ちなみに7のアサルトレコードは割とシンプルで詳しい経歴やその他が描かれていないので背景がいまいち掴みづらいんですがその辺りも今後明かされると嬉しいですね。ちょっと逸れましたがアーセナルバード、無人機ともにグランダーI.Gが関わっていたとすると『彼らはまだこんなものを作っていたんだね』と5のおやっさんのように言うしかないですね。

天空の王

 結局タイラー島も安住の島ではなく、さりとて武器弾薬も乏しい中、敵軍の集積地が現在拠点としている基地から近いため、拝借する作戦を立てたイェーガー。ロングレンジ部隊は生き残るためにその作戦にのります。場所はエルジア領内にあるシラージ城に置かれたエルジアの集積物資。フーシェンの言う通り、体のいい強盗のような作戦でしたが背に腹は代えられないロングレンジ部隊はシラージへ。現地の守備隊が抵抗してきますがこれをなんなく排除していきます。

 しかし基地にはミスターXことミハイ率いるSOL隊がいました。ワイズマンの仇でもある因縁のSOL隊、しかしトリガーの猛攻に1機、また1機と撃墜されていくなか、あたりを切り裂く轟音が。それはミハイの搭乗する新型試作戦闘機、ストライク・ワイバーンでした。


ACE COMBAT™ 7: SKIES UNKNOWN & © BANDAI NAMCO Entertainment Inc. ミハイの駆るストライク・ワイバーン/ #PS4shre
ACE COMBAT™ 7: SKIES UNKNOWN & © BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
ミハイの駆るストライク・ワイバーン/ #PS4shre

 ストライク・ワイバーンはエルジアの切り札として大陸戦争時に開発されたものの間に合わず戦後に接収されることに。しかし協力していたと見られるベルカ、そしてグランダーI.Gに設計データが流れオーシア事変では改良され国籍不明機としてユークトバニア、オーシアともに使用された流転の戦闘機ワイバーンの改良機です。

 ワイバーンは可変前進翼を備え2機の強力なエンジンを持ち、制空から対地攻撃までをこなすマルチロール艦上戦闘機として開発されました。強力な艦隊を備えるエルジアの槍として猛威をふるうべく期待されたもののそこまでの威力を発揮することなく消えていった悲運の戦闘機でしたが、ワイバーンの基礎設計を元にさらにマルチロール戦闘機として再設計されたのがこのストライク・ワイバーンです。オプション武装にEML(レールガン)を装備することが出来、扱いは難しいものの使いこなせれば空戦では空前無比の力となります。


 このミッションの最後にトリガーとの一騎打ちとなりますが撃破すると最悪の悪魔を解き放ったとミハイからの通信が入ります。それが何かが分かるのはもう少し後になるのですがこのミッション、ミハイが案外あっさりとやられてしまうという声をよくみかけます。実はtonbori堂もこれまでの後ろを取ってもロックオンを外す強敵や超絶機動を繰り返してミサイルをかわすACECOMBATのボスキャラは幾つも対峙してきました。確かにそれからすると倒しやすいけれど、思うにこれは真のラスボスへの布石でありミハイはこの時点では既にボロボロだったのではないかと思うのです。激烈な空戦機動を繰り返し既に彼の肉体は限界に近いのに(加齢による衰えと高空に長いが間いたために蝕まれている肉体を耐G倍力化スーツで騙しだまし戦っている)それでも空の王であろうとした男。かれはZEROのケラーマンのように降りる時を見出せず、空戦で倒されることが無かったために空に留まり続けたのでしょう。それでも年齢で空に上がる事は年々少なくなっていたはず。 ですが無人機のデータ取りのため久しぶりの戦闘機動で一瞬は高揚したものの相手のいない空では空虚な心を満たすことが出来なかった。だから無人機の損害が増えているという口実であの戦いの空へと帰還した。しかし空虚を満たす真の相手には巡りあえなかった。だからここに来てトリガーという好敵手に巡りあえたことで全てをかけて戦う事を選択したのだと思います。

ACE COMBAT™ 7: SKIES UNKNOWN & © BANDAI NAMCO Entertainment Inc.トリガーSu-30M/ ミハイの機上での最後の通信。#PS4shre
ACE COMBAT™ 7: SKIES UNKNOWN & © BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
トリガーSu-30M/ ミハイの機上での最後の通信。#PS4shre

最後のトリガーへの通信は空虚を満たすためのエゴの産物が怖ろしい怪物を産みだしたことによる贖罪だった…そう思います。

灯台へ

 今回で締めようと思っていましたがなんとも灯台まで行けませんでした。ですがお膳立ては整いました。次の07でキャンペーンの考察を締めたいと思います。またシーズンパスによる追加コンテンツも架空戦闘機がリリースされ、秋には追加ミッション(ストーリー)が追加される模様です。これはまた別にリリースされてから考察したいと思いますがまずはメインを次回できっちりを終わらせたいと思います。もう少しお付き合いのほどをよしなに😌

※DARK BULEを目指して/前回エントリは以下のリンクから。

DARK BLUEを目指して01|

DARK BLUEを目指して02|

DARK BLUEを目指して03【考察】|

DARK BLUEを目指して04【考察】|

DARK BLUEを目指して05【考察】|

DARK BLUEを目指して07【考察】|

※エースコンバット7シーズンパスSPミッションに関して(1.2)の考察もしています

DARK BULEを目指して08

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