『ファイブスター物語/FSS』の「剣聖」については当ブログでも何回か取り上げています。それに連載でも剣聖に絡んでくる話は多く、現在でもやがて剣聖となるマキシ(現状でも力は剣聖級ですが使い方が分っていない)、マグダル・ガードでありカイエンの血を引くデプレ。そしてミス・マドラ。慧茄が現在剣聖預かりとなっていたはずですが正式にマドラに移ったと考えて良いのかな?の3人(どうやら預りのままのようです、今後のマドラはあくまでも剣聖として星団の騎士とやり合う事は無いままのようです。)、そしてカイエンは亡くなってもなおエピソードが語られる『ファイブスター物語/FSS』の最重要人物です。同じくファイブスター物語/FSSファンで『絶対秘密』のチークさんが今月号について剣聖問題について書かれた時にそういや剣聖多いなと思いつつ一時代に一人問題も含めこの辺りどこかでまとめておきたいなと思いまして今回のエントリを書くことにしました。
『DESIGNS5リッターピクト』/永野護著/KADOKAWA刊/©EDIT/永野護 |
チークさんのエントリ、超帝国剣聖のアトールの正体は実はデプレという考察。興味深いです。
tonbori堂の剣聖関連エントリ超帝国純血の騎士の系譜
これは既に過去の『ファイブスター物語/FSS』の扉で描かれており、リブートの6巻、99Pにあります。さらに詳しく書いたものが「DESIGNS(デザインズ)2/ADDLER:JÜNO」(リンク先はAmazon)に載っています。P124「スバース、バスコ家の家系~超帝国純血の騎士の家系」図です。ちなみにリブートの方では「エンハンスヒューマン直系の血の流れ」となっており正式な名称をどうしようかと思案していたことが伺い知れます。ナ・イ・ンとスバースはその前の「ザ・シバレース炎の女皇帝」で登場しており、キャラクターやその役割は決まっていたもののその呼称が定まっていなかったようですが基本的には超人類などと同じカテゴリの太古の改造人間、デザイナーズチャイルド。そういった作られた人がやがて人と交わりその血を残していくというのは既に1990年代頃に固まっていたようです。その中の純血の騎士の系譜はこうです。以下箇条書きにしてみます。
- 始祖としてネッド・スバースことナッカンドラ・スバース(超帝国剣聖騎士?)
- スバースの妻となったサローン・バスコ、トランの祖とされA.K.Dの典星舎の三位であったバスコの娘がアラドとネリス。
- アラドはトランの王、ジェスター・ルースの妻となりその子がディモス・ハイアラキとティティンシャ・バスコ、ウゴート・ルース。
- ウゴートの娘スジャータの子でジェスター・ルースのひ孫がミッション・ルース(ボード・ヴュラード)妹がマロリー・ハイアラキ(ディモスの弟子となり叔父の名を継いだ)
- ネリスはハスハント王ローレル・ビザンチンの妻となりその子がデューク・ビザンチン。ビザンチンの妻となったのがエイノーク・サヤステ、その子が剣聖ヘリデ・サヤステ(カラミティ/クバルカン法国)となる。
- ティティンシャは聖帝ランダの妻となり3人の子が産まれる。その一人が剣聖慧茄、フィルモア王家に嫁ぎ皇后となる。またカイエンを目覚めさせたボルサ・バスコ、ハリス(オルカオン)とユーゾッタの血に連なるクリュ・バスコ・ハリスと純血の騎士の系譜が連なる。
- ハリスの娘が剣聖(預り)ミス・マドラ(マドラ・モイライ/アルゴン・プロミネンスが宿ってる)であり黒騎士デコース・ワイズメルとの間にもうけた子が剣聖ベルベット・ワイズメル
いや書いててむちゃくちゃややこしいなと思ったけどサローンの娘2人はナイトマスターの紋章を身に付け対外的には、といってもアラドは典星舎幻影隊の服に身を包みA.K.Dのバイア(現在はデューブル)として在籍していたり、ネリスも同様な身分でしたがその力を振るう事は稀であった、または騎士の力をふるうことは無かったとされています。となるとやはり剣聖(級)の力を持つ者はそれなりにその時代にいるけれど「剣聖」と呼ばれる人物は一時代に一人という事はその号を授けられないと「剣聖」と認められないという事だと思われます。(当然騎士として騎士がいくらかかっても倒されないという前提がつきますが)
星団暦「剣聖」
超帝国時代、いわゆるAD世紀と星団暦となってからの剣聖。共に騎士(ウォーキャスター/星団暦ではやがてヘッドライナー)の頂点としての意味を持ちますが超帝国時代には炎の女皇帝の親衛騎士団であるヘリオス剣聖騎士団の騎士であり全ての騎士の母である炎の女皇帝の最高傑作というべき存在とされています。彼らの主な任務は炎の女皇帝や総帝の兵隊蟻として内乱などを鎮圧蹂躙するのが任務であり任務のないときは冷凍保存という人間ではない扱いを受けていました。一方星団暦の剣聖はジョーカー星団を離れた炎の女皇帝が残していった超帝国騎士の1人、ネッド・スバースを祖とする純血の騎士の系譜と、セントリーライブ(LEDドラゴン)に託されたヘリオス剣聖騎士団の団長であったアサラム・スキーンズと炎の女皇帝の娘でありボォス星を統治するために派遣されたヤーン・ダッカスとの間に出来た子であり、ファティマ・クーンを母体として産まれたのがダグラス・カイエンの系譜になります。このカイエンの血脈は以後バランシェとミースの共作ともなったマキシ・カイエン。そしてカイエンとヤーボが結ばれ出来た双子マグダルとデプレがその血を引き継いでいきました。
そしてもう一つの系統があります。それがハリコンですが一代のみで特殊なコーラス王家の血筋もあいまってまだそこまでは語られていません。大きな理由はハリコンの話は本筋ではないからです。(但しハリコンのパートナーであったタイフォーンはモナーク・セイクレッドで炎の女皇帝のパートナーというイベントがあり今後もナ・イ・ン絡みで出番がありそうです。)剣聖在位期間にカリギュラの暗躍もあったものの彼の本来の目的はヴィーキュルの侵攻を喰い止め再封印をすること。それはフンフトとの会話でも示唆されていました。後のスタント遊星攻防戦に関わりがあっても本筋ではないということでいろいろカットされているんだと思います。(見開きページで想像するしかない)まあ正直どのようなことがあったのかは想像でしかないんで出来れば説明3行でもいいんでハリコンの本来の姿というか彼の目的は知りたいんですけれどね。ですがそれはアルルがになっていくのでは?と思われます。
以下星団暦剣聖たちの在位期間を箇条書きします。
- ナッカンドラ・スバース 2310~2460 AFフォーカスライト
- デューク・ビザンチン 2464~2549 AFインタシティ(ハルペル)
- ヘリデ・サヤステ 2550~2610 AFオーハイネ
- ハリコン・ネーデルノイド(メロディ・コーラス)2619~2620 AF光のタイフォーン
- ディモス・ハイアラキ 2620~2809 2819~2892 AFサロメ、クーン
- ダグラス・カイエン 2810~2819 2970~3030 AFクーン、アウクソー
- 慧茄・フィルモア 2899~2970 AFチャンダナ
ここまではリブート6巻のP327か単行本第10巻に「剣聖の歴史」として一コマにまとめて書かれています。ヘリデも顔はこの時が初出しだったかな。ビザンチンはヤーボとボードがスクリティと止める前にちらりと触れられたりしていました。ミノグシアでは伝説的な英雄って感じで当時はまだエンプレスだったGTMカイゼリンでハスハをまとめるのに尽力したとか。カイエンの事やスバースのことその後もろもろ考えるとやはり剣聖ってのは詩女様と切っても切れない関係性なのが純血の騎士の血統も合わせて考えると強い事が分かります。
アドラーでレントをまとめた話などDESIGNS(デザインズ)を読むとハスハの巫女、聖宮ラーン(ネリスの項のところにしっかりとラーンとあります。)現設定での詩女様が大きく関りを持ちハスハをもまとめあげた事が分かります。現在は空位の剣聖ですがミス・マドラ(薔薇の剣聖)が剣聖預りとしていますがマキシに剣聖になるというか名乗る日はDESIGNS(デザインズ)4に記述があります。その年は3075カーマントー解放からミノグシア解放戦の終結と共に剣聖を名乗るのは44分間の奇蹟の最初で示されていました。この間、実に45年もの間剣聖位は空位であったことになります。当然剣聖級のおばあちゃま(慧茄)やカイエンの血筋を持ちマグダル・ガードのデプレ(カイエンより天位を授けられている)もまた剣聖級の力の持ち主ではあるのですが、それぞれの力の優劣よりは剣聖という位で何を成すのかが重要になってくるのではと思います。ただ今のマキシは殆ど暴走マシーンでしかないですけれどね(^^;
星団暦に入ってからの剣聖は、同時代の騎士(天位持ちを含む)とは違う次元を持つ騎士であると設定されています。パワー表に意味は無いという話をしばしば作者の永野護はしますが以前扉でキャラクターパワーバランス、騎士の強さ相対表を上げた事がありました。その時、平均的な超帝国騎士が1000とすればMH(現在GTM)、超帝国剣聖はその上であり、カイエンとスバース(星団暦覚醒後)は500ぐらい。歴代剣聖は300ほどで、天位騎士は150。アイシャは平均的な騎士が1とすれば天位騎士までの力と激しく変動とありまして、火事場の馬鹿力を出せば平均的な騎士でも天位騎士にというのはありそうです。でも剣聖はそういう域ではないというのだけははっきりしているのです。ちなみにマキシだけはさらに番外で覚醒後は炎の女皇帝と同レベルの強さを持つとありますがそれが星団ではなくタイカ宇宙なのかどっちなんだろうと。サタンよりも弱い設定になっていますので現状ではタイカ宇宙にてその真の力を発揮しそうなので今のマキシは基本的にはカイエンクラスと考えてよいと思います。ちなみにそれより強いのが物語設定上最強の男ログナーでして、そこはブレておりません。つまり剣聖が束になってもログナーは撃破出来るんですがそれでもサリオンを護るために身を挺して氷結されて死亡してしまうので(周りの事を考えずに戦えば多分ボスヤスフォートを瞬殺出来たはず。)けっこう制約無しで戦う事は稀なんじゃないかなとは思います。そこは星団暦に合わせてるのかな?
超帝国「剣聖」
そして超帝国剣聖セブンソードの転生体であるマドラ、レンダウト、ナオ・レイスルはマドラはともかくレンダウトとナオはトホホな力しか発揮できない(AF補正はあるんでしょうけど)との事ですが結局、何かを護るため、その時に真の力を一時的に発揮できるようになることはレンダウトで証明済みです。あのルシファーが創り出した不思議空間でMGPを元の姿で駆ることが出来た訳だし。ただ現状では普通の人でしかないけれどそこは大侵攻後のスタント遊星攻防戦に向けての布石なのかも。
実際マキシが命を落とす事になるほどの激戦で結局ラキシスとアスタローテを通じてのヴィーキュルの王との手打ちで終局に至ることになりそうなんですがそうとうな総力戦であることには変りなくこの戦いも相当な事になりそうです。そして現在物語に登場しているのはマドラ=プロミネンス、レンダウト=ミキータ・オージェ、ナオ・レイスル=ディオ・クルマルス、コーラスⅣの中で再構成されつつあるララファ・ジュノ―ン。リッターピクトに掲載されたコロッサス・バング。「DESIGNS(デザインズ)6クロスジャマー』ではララファの項で登場していないのはフラーマ・アトールという事でもしかすると転生したのがデプレでは?というのがチークさんの見立てでした。
tonbori堂は現状では何とも言えないんですが、デプレはマグダルとセットというか2人で一人、バロム1じゃないけどそういう関係性を考えると違うのではないかと考えています。ただ既に登場している人物にという事なら余計に分からないしフラーマ・アトールという名前はアトールの名を冠する聖導王朝に相応しい気も確かにします。そこは物語が進むのを待つしかありません。(コロッサスについても同様です。というか彼がバングの名を冠しているんならクバルカンの人に転生してもおかしくないですよね。一時はハイト君じゃねえかという話もありましたが。ただデコースがハイトに何かを感じたんで可能性はゼロではない感じです。)ということでセブンソードが揃うのはまだまだ先の気がします。
そして超帝国剣聖ではないにせよ、カリギュラのメンバーもそれなりに超帝国騎士の力を保持しています。これは殆ど弱体化した今の騎士から見れば剣聖級と言えなくもないですが彼らは剣聖というのとはちょっと違う気がします。ただカリギュラの仮想敵が超帝国剣聖であったことはショウメ争奪戦(運命のラキシス)で語られている通りで完全変形体としてGTM形態まで変形出来る事を考慮にいれるとそれほどまでに超帝国剣聖は恐ろしいという事になりますが。しかもこの形態になったとしても超帝国剣聖に勝てるのかというと…ちょっと難しそうな気がします。まあはっきりとはクリス(永野護)も明言したわけじゃないけどリッターピクトの書き方見ると普通にGTMを素手でという話がありますから(^^;ちなみに彼らもこのヘリオス剣聖騎士団とともにスタント遊星攻防戦に参加しますので(それは年表に明言されていますし去年の休載中のDESIGNS(デザインズ)ではヘリオス剣聖騎士団と明記されています。)ショウメ争奪戦以上に相当な激戦が繰り広げられるかと。その前にAKDの星団侵攻があるんですが…。
ちなみにこの辺りの超帝国剣聖の凄さと騎士との関り合いはDESIGNS(デザインズ)5リッターピクトを読めば詳しいと思います。ちなみに一般騎士と剣聖の間合いの違いも載っているのでいわゆる格の違いがよく分ると思います。
剣聖とは
少なくとも『ファイブスター物語/FSS』では現在マキシ、マドラ、そしてデプレも剣聖としてDESIGNS(デザインズ)などで表記されていますので3人の剣聖「級」が物語にいることになりますが、マドラが預りとしているのはミマスが剣聖の力とそのシバレースの血を見抜いてフンフトがスパークとマドラに分けたもののいろいろあって現在は統合されたミス・マドラなったとしてもやはり過去の凶状から剣聖という訳にはいかず「預り」としているという事がDESIGNSに書いてありました。だからこその「番外」それに現在のマドラ自身もジョーカー星団の人には剣を振るう事は出来ないと言っています。そしてデプレは剣聖級の力を持っていてもそれはマグダルのためという事を分っています。彼は詩女の守護でありそのために生を受けたという記述がこれまたDESIGNSにあります、本人はそれを分かっていると。だからこそ今の時代の剣聖はファティマでありながら超帝国純血の騎士であるマキシ・カイエンであるという事だと思います。ただまだ正式に剣聖ではないですが。『カーマントーの灯火』はカーマントー解放戦からミノグシア解放へ向かう魔導大戦の終結の物語、そしてマグダルの詩女就任という大きなイベントがあるんですが、もう一つ、マキシが剣聖になるための物語でもあるのではないか?ということではないかとここまで剣聖の系譜を紐解いてみて強く思います。全ては今後の展開次第ですが剣聖がここまで物語に関わってくるとはこれも長大な物語ゆえの楽しみですね。
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