ダイ・グとクリスの2人の時間。短い時間ではありましたがクリスにとっては永遠の時ではなかったでしょうか…。それとともに扉の前のページにも悲しいお知らせがありました。既に知っている方も多いかと思いますが、アニメーター、イラストレーターで数々のキャラクターデザインでも知られている(特に永野護とのジョイントでは富野由悠季監督との『ブレンパワード』のキャラクターデザインも手がけていらっしゃる)いのまたむつみさんが3月10日お亡くなりになりました。いのまたさんは「DESIGNS永野護デザイン展」の内覧会にもお見えになり、サインボードにメッセージを残していかれています。tonbori堂もそのメッセージを見ています。なので急逝の報せをX(Twitter)で見た時には信じられませんでした。訃報と追悼のページにはくりす(永野護)のメッセージはありませんでしたが、訃報を聴いた翌日に「永野護デザイン展」会場を訪れたくりすはいのまたさんのメッセージのヒメ(宇都宮比瑪)のイラストの上にすえぞうの画を書き加えたこととそのカットが掲載されていました。2人の仲を誌面でしか知らないとはいえこのすえぞうに込められた想いが追悼の言葉であるかと思います。改めていのまたさんのご冥福をお祈りいたします。
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という事で今月号の気になるところ、行ってみましょうか。
扉/ダイ・グ
薄いスクリーンがかかった状態でグレーの感じのダイ・グが扉でテキストは無しでした。タイトルと作者名のみ。ダイ・グの最後を否が応でも感じる表紙でした。その前のいのまたさんの追悼ページも含めて喪に服す感じがありました。
そして花の種は託された
最後にクリスはダイ・グよりベリンの花の種を託されました。そしてクリスの温もりを感じながらダイ・グはその短い一生を閉じました。その顔は安らかでした。最後に愛する人の腕で眠りについたダイ・グは大変な時代を生きたフィルモア皇帝でしたが、愛する人に看取られたというのは『ファイブスター物語』の登場人物の中では幸せな亡くなり方をしたのではないかと思います。実際、看取られて逝く登場人物の死と言うのはバランシェとハルペル(インタシティ)ぐらい?じゃなかったかなと思うのですが戦場で華々しく散るのも人生ならば激動の時代に静かに逝くというのもダイ・グという人物の一生であったなと感慨深く思います。もっともバランシェとハルペルは悔いなく人生を送ったという体(てい)なんですがダイ・グに関しては死については受け入れていたとはいえ悔いはあるだろうなと思うんですよね。それこそクリスをずっと見守る事はもう叶わないのだから。
そしてダイ・グからあの花の種はクリスの手に渡りました。これが蒔かれる時、それがあの時かと思うと実はこの4月21日(日)、関西のTOHOシネマズららぽーと門真で『花の詩女 ゴティックメード』の復活上映に鑑賞に行くので余計に感慨深いものがあります。またレーダー9となったドナウ・ガァ・ラント陛下いや改めドナウ・ガァ・レーダー9陛下は今後内外ともに難しい治世を預かることになるんですが最後の最後にミヤザが持っていくのはちょっとズルいなと思いましたね。ダイ・グの遺志をクリスとともに継げるのは実はこの人だったりしますから。そのための仕込みとしてのネタフリは若干分かりづらいところもあったけどもシャデルファーにダイ・グの護衛としてクリスを付けた辺りからそうなの?という感じもありましたんで、まあ結果オーライという事で。しかしやっぱりおっさんキャラが好きなのかもしれませんね、くりすは(笑)
エンペラーズ・ハイランダー
クリスが皇帝が付けるゴルゲットをダイ・グから贈られ、璃里よりトリハロンのガットブロウを渡され、そして慧茄からはダイ・グの后になるものへと作っておいた冠をと、なんだろうクリスティン・Vという少女がこれでダイ・グ(そしてフィルモア)という呪縛に縛られるのではないかという事も頭によぎりました。それでもクリスがこの道を往く事は既に分っていた事。アルカイックスマイルのような微笑みのみで悲しみも全てを受け止めて修羅の道を往く事になるんでしょうね。それは彼女がフィルモアであるということにも通じてくるかと思います。またそれは「フィルモアの終わりの始まり」でもあるんです。実はtonbori堂はジークのレーダー9となり皇帝に就く事がそうかと思っていましたが今月号を読んで改めてクリスが「エンペラーズ・ハイランダー」となった事がその始まりなんだなと。もっと言えばレーダー8がクリスにハイランダーの号を授けた時にそれは始まったのかもしれません。そんな事を思いました。
それとは別に一つ気になった事があります。ジークの(ドナウ・ガァ・レーダー9陛下)の襟元、右ナイトマスターとフィルモア帝国紋なんだけど、左はナイトマスターとシュペルターマーク?DESIGNS7によるとこの変形十文字、シルバーシュバリエまたはシルバーシバレースの紋で詩女ジキジディから授けられたとのことで、まさかフンフト様から授けられた?んでしょうか?で剣聖カイエンのトレードマークっぽいけれど実はという設定がDESIGNS7で開陳されたという事は、今後の展開に関係しそうですよね。という事で来月号はとうとうもう一つの決着の話だったか?それともカーマントーだったか。手元に資料が無いけれどクリスのハイランダー就任とともにまた一つ終わりの始まりの歯車が回りました。次の章ではどんな物語が紡がれるのか?
※所謂、表3(裏表紙の前のページ)に『DESIGNS永野護デザイン展』の名古屋会場での広告が入っていました。まだ前売り券は買っていませんけれどゴールデンウィーク後に名古屋を訪れたいと思っています。ちなみに前売り券はテレピアホールの公式サイトからチケット販売のサイトに行くようになっています。イープラスではないのでご注意を、無料の会員登録が必要なようです。ちなみに近い時期に庵野秀明展も名古屋で開催されているようですのでどちらも未見の方ははしごするチャンスかもしれないですよ。
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※先月号の感想です。
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