『そして騎士となる』/ファイブスター物語/FSS/ 月刊ニュータイプ2023年11月号/第6話時の詩女「TRAFFICS4」アクト5-2|感想/考察【ネタバレ注意!】-Web-tonbori堂アネックス

『そして騎士となる』/ファイブスター物語/FSS/ 月刊ニュータイプ2023年11月号/第6話時の詩女「TRAFFICS4」アクト5-2|感想/考察【ネタバレ注意!】

2023年10月10日火曜日

FSS manga ROBOT

X f B! P L

 覚醒ではなかったですね。ヨーンは騎士の宿命を悟ったという事ではないかと思います。その代償はあまりにも高いものでしたが。今後彼がマスターとして新たなファティマを娶る事は無いのではないかという気もします。それでも騎士という宿命を受け入れ、黒騎士を倒した後、アマテラスの騎士として恐怖をもたらすミラージュとして星団を駆けるのか、それとも別命を受けたとして何かしら歴史の表舞台からは退くのか(本編には今後も登場するでしょうけども)は分りませんが、騎士というものはスーパーヒューマン、超人でありながらもやはり「忌むべき人たち」であるという部分も見えましたね。ということで今月号の気になるところ、行ってみましょうか。

ファイブスター物語連載掲載月刊ニュータイプ2023年11月号/KADOKAWA刊
ファイブスター物語連載掲載月刊ニュータイプ2023年11月号/KADOKAWA刊


※毎度のことながら月刊ニュータイプ(NT)2023年11月号掲載/連載分の「F.S.S/ファイブスター物語」の内容に触れておりますので【ネタバレ注意】です。何卒よしなに😌

※先月号の感想はこちら。(リンク先は2023年10月号の感想です)

扉/ルナ・アインハイト

 ブーメラン・ユニット、ルナ・ユニットはL.E.Dミラージュが万能になったので無くなりましたとかからやっぱりありますけどブーメランで出来るからルーナ(と言ってたように思う)は無くなりましたとかフラフラしているアタッチメント・システムだと記憶しているんですが、やはり作中で設定されている出来事。ここではスタント遊星攻防戦ということが示唆されていますが、それに単騎、または複数騎で宇宙空間を騎行するシーンが想定されていて、そこにフィックスさせるためにはこの巨大システム、「Z.A.P空間高速移動モジュール ルナ・アインハイト」が必要なんだと思います。用兵、戦術としても衛星軌道からの高速展開、ルナ・アインハイトから切り離されてブーメラン・アインハイトで降下というエアボーン(空挺展開)も画的にド派手になりそうです。ですがそこまで普通の戦闘では(対黒騎士での単騎戦闘とかで無い限り)ほぼ無敵のスーパーロボットであるZ.A.Pがするというのは、大侵攻でも衛星軌道からの砲撃後、それに紛れて敵陣を蹂躙するというシーンもあるのだろうなと思うと、スタント遊星攻防戦だけではない真の恐怖が空から舞い降りるところもやっぱり描かれるのだろうなと思うのですが…。


 そして随伴騎がMk2リッタージェット改めスピード・ブリンガーMk2のカラーリングが暗赤色の飛行ユニットとなり、ルージュ・ミラージュの役割を引き継いだのかなと思いましたね。ブリンガーシリーズにルージュ・ミラージュがいないのはそこに充当されたからと考えるのが良さそうです。実際単体飛行能力を持っているので随伴騎としてはうってつけ。これから出番も増えそうな予感がありますね。それとこれDESIGNS7に掲載決定なのでそちらの発売日もそろそろ気になるところです。発表は来年かな?でもこの調子だと単行本18巻の声も来年出るでしょうからその辺りのスケジュールも再来月当たり出てくると良いなと思っています。

そして騎士となる

 結局、何者になりたかったのか?きっかけはちゃあのダークチェリーパイだとしても、結局は自らが悟るしかないのではあるんだけど、結局騎士というものは因果なものでその負うものは大きく、パルスエットを喪ったヨーンはやっと騎士というものの本質が分ったのですが、その後の事を思うと「孤独に歩め。悪をなさず、求めるところは少なく。林の中の象のように。」としか思えないのですよね。当然A.K.Dミラージュ騎士となったからにはアマテラスの命令で動く騎士なのでどういう展開が待ち受けているかは分からないんだけど、他のミラージュとは違う道を歩みそうなのは以前のメンバー表での「別命」が何によるかになります。当然新たなファティマを娶る事も考えにくいのでミラージュとしてGTMを駆る時は基本的にブライド(バスクチュアル)なんだろうなとも思うし。

 そして結局のところこの展開は、ヨーンがトラフィクスで登場した時、デコース・ワイズメルはボクが倒す!といった時に既に決定していたんだろうなと思うと、本当に長い道程であったし、必然として抗う事も出来ずヨーンはこの道に辿りついたのだなと思いました。常々、原作者である永野護は全てのシナリオは出来ているとインタビューで語っています。この展開を示唆していると思しきシーンも記憶の一部として描かれた事もあります。そこへようやく辿り着いたという事なんだという事ですね。


 そして天照の勅命を受けたヨーンもまた騎士という因業の深い者たちへの中に踏み込んだというのがはっきりしましたよね。それは冥府魔道の道でもあり引き返す事は出来ない修羅の道。全てを断ち切る剣を手に入れ、ダッカスを倒す事になるのか…と思うと、あくまでも騎士というのは「残酷」なものなのだというところは外さないんだなと言うのも強く感じたエピソードとなったと思います。


 またアマテラスはずっとヨーンを見ていたと言ってましたね。確かに東の君がヨーンが最初にデコースに腕を切り落とされたのを見ていて、腕を犠牲に首を守ったのを見て誰ぞ追者を付けておくかと言ってたから、それこそ東の君を通してずっと見ていてその上で(ある意味お膳立てが整った状態で)デコース討伐の命を出すのはやっぱり神様というか今はまだマシーン的なアレで、情も何も無くそれが最大効果を得るからと命を出すのも、ああそうだった、陛下はそういう人でしたわーってなりましたね。

AUGE=HA

 ヨーンに与えられたGTMは天照家のGTMモルフォ、AUGE=HA(アゲハ)つまりネイパーがダイオードとアルルのHL1とやらかした騎体はGTMではこの騎体なんですね。ラウンドバインダーは無くなりましたが、その代わりとなるアイドラフライヤーがまた特徴的で、腕のソードストッパーらしきものから、アウトレンジではなく近接戦闘を得意とする駆逐型というのもまさに王の専用騎体という風情。最初の見開きで思ったのは、MMTデモンと印象が似てるなという事です。それぞれ違うロボットなんですが第一印象としては、異界の感じがあるんですよね。そのモルフォ対ダッカス戦の結果どうなるかは分っていても、それは結末だけでなく過程がどうなるのか、モルフォの真の実力も気になります。


 しかしアゲハってAUGE(オージ、オージェ)を入れるためのものか!とちょっとクスっとなりました(笑)まあたしかにアゲ=ハ、なるほどなって(ヲイヲイ)そしてブライドの悪い顔(ヲイヲイヲイ)、ブライドにこの顔をさせているのもやっぱり、騎士というものはともすれば、カッコいいという人種になりかねないし、ファティマは騎士のサポーターで万能な恋人であるように思うけど本質は「戦闘兵器」なんですというのをくどいほどに思い出させるところが、『花の詩女 ゴティックメード』でウォーキャスター(騎士)を忌むべき人々とベリン様に言わせた永野護だなあと改めて思いました。

終わりの始まり

 言っちゃったなーって感じがしましたが…主人公が言うんだから仕方がない(ヲイヲイヲイ)それもシナリオ込みで決め打ち感があるけれど、マグダルとデプレとマキシがこの戦いを双頭の竜とともに締める(条約締結)としてもですよ。やっぱり主人公なんだからってのもあるだろうし、トラフィクスに絡ませてきたのはそういう事だったのかと今更に思いますね。ある意味ブラフォード枠で入団したヨーン(目を付けられていたという事で)ですがこれで長きに渡った魔導大戦も終息に向かうこととなりました。

次号「エンペラーズ・ハイランダー」

 双頭の竜、ジークと茄里、そしてクリスティン、ダイ・グやナイアス、アルカナナイトに元老院の連中などなどの決着という事になるんでしょうけど、あのジークが夢に見るシーンが回収されるのか。天井が持たないとかラブを呼んでってのはまた別のような気もするし…。とにかく古き大国に最後の皇帝が誕生し血の雨が降る感じは先月号でありましたからね。こちらも非常に気になるところです。先々月号のレーダー9のテキストやこれまでの小出しのテキストを鑑みるに、守旧派というべきバジルを筆頭にした者たちは排除されるのは必定でしょうから。レーダー8陛下は引退しているしレーダーの名を持つ事を考えれば去り行く者として成り行きを見届ける事になりそうですね。その辺りも注目して来月号を楽しみにしたいと思います。

月刊ニュータイプ2023年11月号(リンクはAmazon)

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