ということで『GAMERA -Rebirth-(ガメラ リバース)』後半戦の感想です。第3話『深く静かに潜航せよ』は実写にしたら凄いスペクタクルなシーンが撮れただろうになあと思いつつ、そこまで上手く実写ならやれるのだろうかとか実はジュンイチは…(クリティカルネタバレになるので)だったとかいろいろと衝撃の事実が明かされましたけど、電波塔での決戦は作中でも屈指の怪獣バトルだと思っています。そしてここから後半戦。怪獣の謎とユースタス財団の謎が露わになってくるというまさに冒険物語な展開。そして前半からずっと出ているけど活躍なしの自衛隊がここに来てというてんこ盛りながらも盛り上げどころはちゃんと盛り上げてくるところや第1話のアバンと繋がるシーンがしっかりとあって良かったですね。ということで後半3話の感想の後、まとめの感想を書いてみたいと思います。
第4話『斬る』
第4話のサブタイトルは『斬る』これまでも英語タイトルも付いているんですが、それまでの邦題訳ではなく韻をふんだ『KILL』になっていました。登場怪獣中、一番ヤバい感じのする怪獣「ギロン」の頭部がナイフ状になっている事にひっかけていると思います。ちなみに昭和ガメラの時には大悪獣という冠がつけられていたギロン。ギロチンあたりも意識したその攻撃法も大胆にスケールアップし、ジャンピングしながら頭部を降り下ろす攻撃法は無茶苦茶危険な匂いをさせていました。それよりも奥の手的に発射する鱗?を電磁投射する方が画的にはちょっと迫力不足でしたね。元のギロンも側頭部から手裏剣状のものを発射するんですけど実はtonbori堂は印象が薄くその点を思い出したりもしましたが、ギロンは元からのギロンを令和にスケールアップさせた怪獣としてはギャオス、ジャイガーともども正常進化したなという印象です。これは各話に登場した怪獣にも言えますがCGでの暴れっぷりはトゥーンレンダリングではなくフォトリアリスティックにすれば実写でもいけるのでは?と夢想もしますが、背景を含めての予算を考えると難しいのかな?それでも今後の怪獣描写の一つとして、単体ではなく複数の怪獣が町で戦う点ではこのぐらいはして欲しいというものになっていると思います。ただ到達点ではないかなとも思うのでさらにブラッシュアップされたものは観たくなりましたね。
第5話『月は無慈悲な夜の女王』
タイトルが作中で一番気恥ずかしいのですが一応内容とはリンクはしているのですよね。いやしているのか?ここに来て急展開というか、実はエミコは財団の中枢に近い人物で、その上現在の財団トップ(タザキに指示を出している4人)に反旗を翻そうと画策している人物だったというものです。これは面白い展開になったなと思いました。子どもたちのひと夏の冒険として思えばタザキって普通に大人として自分の損得勘定で動いているけど根っからの悪党ではないし言わば使われる人間。そこにエミコが実は財団を乗っ取り、怪獣による地球浄化を完遂させ新たなる地球の盟主になろうとするのは追い落とされた親に対する恨みとそれ以上に膨れ上がった尊大な野望という欲望が大人の(ある一面での)本質であるという点ではよい展開だったと思います。またそれにバイラスが絡んでくるのがいいんですよね。登場怪獣の中で発掘、休眠状態だったバイラスは設定上最強の怪獣であり衛星軌道上からでも届くビーム攻撃が出来るなど基本的なフォルムは実写映画からのバージョンアップ感がありますがその特徴的な顏が変更されパッと見てまったく違う別種の怪獣となっており一番CGでの恩恵を受けた最強に恥じない怪獣となってた気がします。元々は宇宙人が巨大化し怪獣となったバイラスを創り出されたものとしてイメージとしてのイカなどの軟体多足生物としての部分が強調された怪獣として生まれ変わったのは良かったですね。
しかし、財団が月開発を進めているという振りがあったので実は最強怪獣バイラスは月から降りてくるのかと思っていたら単純に月が地球浄化中の避難場所でしたというのは残念だったところです。タイトルと併せて考えればやはり最強の災厄は月から地上に降り立つべきでしょう。とは言え逆に宇宙(そら)へ脱出するという状況は面白く観れました。わざわざシャトル大写しにしてるし掴みはOKからのですからね。こういう外連味が無いと面白くありません。やるやる詐欺よりやるの?からのやります!でスッキリです(笑)それと財団の月基地、トップの4人以外出てこなくて保守作業員とかどうなってんのかとか、細かいところがいまいち掴みづらかったのはいただけなかったですね。ワインを入れたグラスを落とした時に割れなかったのは低重力でガラスの破片が飛び散ったら危険なのでプラスチックのグラスなんだろうなと思ったので設定はそこそこ考えられているようなんですが。そういうアンバランスさはこれまでにも散見されました。
第6話『幼年期の終わり』
まさに中二病なタイトルで恥ずかしいと思ったのはtonbori堂だけでしょうか。でも少年たちがそれまでの幼さから成長したという意味では決して的外れとまでは思わないでもないです。だからこそ、このタイトルなんでしょうけど井上陽水の「少年時代」(ちなみに同名の藤子・Ⓐ・不二雄先生の漫画とそれを原作にした実写映画があります。)という風情が凄くしたんですが、それで同じく恥ずかしい上にボコたちの仲間たちの事を考えると「少年」に限定してしまうのもまた違うかと思いつつ、やっぱりこのお話の主人公がボコならばこれでもいいのではないか!とエントリのタイトルも「少年時代」とした次第です(^^;
最終回にして自衛隊の出番が回ってきたり、おかあさんが米軍司令官に直談判したり昭和の映画っぽい展開がてんこ盛りですがバイラスがラスボスで死んだと思われていたけど、怪獣のエネルギー源であるオリリウムに拠らない地球からのエネルギー吸収で復活!と思っていただけにトリの怪獣がまさかギャオスとは、これもしかしてトリと鳥をひっかけた…ってわけではなく思うに、平成ガメラの最後のシーン、ギャオスが大軍で襲来したところをリスペクトしているのかなと(イリスも、設定上ギャオスの変異体扱いっぽいし)思いましたが。自衛隊の戦車隊の指揮官、佐々木や副官江夏も面白そうなキャラクターだったんですが出番が最後だけで特に佐々木はキャラメルの包み紙で小さな折り紙を作っていたのが何かの伏線?と思いつつ別段それは趣味だったというのがもったいないなと。財団となんらかのつながりを予想したんですが見事に外れました(^^;それでも見せ場ないまま終わりかなと思ったらガメラの援護で活躍出来たのでまあ良かったかなと。
終わりに
あーだこーだと書きましたが、ガメラと各怪獣とのバトルについては(プラス米軍&自衛隊、財団との戦闘)良かったと思います。特にジャイガ―、ジグラはリメイクの最適解を見た感じでしたね。バイラスについては、ある程度予想がついてしまうというか、最強怪獣としての凄さはあるなと思いつつ、その上が見えなかった。ジグラは良い怪獣でした。戦闘に関しても海中、陸上ともに実写で観たかった。最後のギャオス変異体は…。そうですね首が3つあれば(ヲイヲイヲイ、それキングギドラや)は冗談ですがバイラスさんがアレで終わりなの?鳴り物入りで真打ちっぽかったのに?となりましたがトリとしての役割はしっかり残したのでまあ良しかなと。
物語としてはボコたちのひと夏の物語でもうひとつ言えば『スタンド・バイ・ミー』っぽさがありますよね。それに世界の命運を左右する出来事が関わってくるような話に。ただエンディングのポストクレジットに入ったアレで続きを考えているのかとなって、それはそれでどうするのかなと。タザキのアレは苦笑しちゃいましたが。平成ガメラにガメラは「子ども」の味方であるという昭和ガメラのリスペクトを入れてはありましたが物語が大きくなったので今後どういう風になっていくのか?という興味はあるもののやっぱり新ガメラは実写でお願いしたいし、あの世紀の怪獣王との対決もしてほしいなと思いました。あ、それとアニガメ(アニメ・ガメラ、ガメラ・リバース)続きあるなら、リバース・バルゴンよろしくお願いいたします(笑)
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