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蘇った男|『タイラー・レイク -命の奪還-2』感想/tonbori堂Netflix鑑賞記【ネタバレ】

2023年8月1日火曜日

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 Netflixに再び戻りました。(またまた期限決めてですが夏の間のお楽しみです)その大きな理由は6月から配信が始まった『タイラー・レイク命の奪還』の続編を観たかったからです。今回は前作ラストシーンから物語が始まり、タイラーが挑むミッションは別れた妻からの推薦である組織が依頼する困難な救出作戦。救い出すのは妻の妹とその妹の子供たち。妹はジョージア(グルジア)のギャング組織「ナガジ」のリーダーの弟の妻であり、弟がDEA(米の麻薬取締局)の捜査官を殺害した罪で収監され、同じ刑務所に子どもたちと居住中という難しい依頼です。毎度のことながら超絶アクションが繰り出されるこのシリーズ。今回はニック姐さんとタイラーとの結び付きが横軸にあり、別れた妻との関係性。そして敵は命知らずのこれまた固い絆で結ばれた恐るべき兵士たちというアクションてんこ盛り監督、サム・ハーグレイブと製作のルッソ兄弟のマインドが炸裂している1本になってました。ということであらすじのあとに気になるポイントを上げていきたいと思います。

『タイラー・レイク -命の奪還-2』予告編 - Netflix|YouTube

※前作『タイラー・レイク-命の奪還-』の感想です。

 燃える男|『タイラー・レイク-命の奪還-』/感想/tonbori堂Netflix鑑賞記【ネタバレ注意】

燃える男|『タイラー・レイク-命の奪還-』/感想/tonbori堂Netflix鑑賞記【ネタバレ注意】

NETFLIX(ネットフリックス)オリジナル映画『タイラー・レイク-命の奪還-』の感想とか思った事を書いています。ともかくサム・ハーグレイブ監督のこだわりのアクションが全編にみなぎっている1本でした。



以下『タイラー・レイク-命の奪還2-』の内容に触れていますので【ネタバレ注意】とさせていただきます。


蘇った男/STORY

 タイラー・レイクはインド/パキスタンでの救出ミッションで銃撃されミッションは達成したものの国境の橋から落下、瀕死の重傷を負った。傭兵のリーダーであるニックはタイラーを救出、ドバイにて緊急手術のすえタイラーは一命を取り留めた。そして暫くは休みを取れというニックに新しい隠れ家を用意され一人オーストリアの湖畔にあるコテージで過ごす日々を送っていたがそこに謎の男が依頼を持ってやってくる。タイラーは窓口であるニックからでないと受けないと男に告げるが、彼はこの仕事を推薦してきたのはタイラーの妻で対象はその妹と告げる。その日、ニックに仕事を受けたとタイラーは電話する。


 対象はジョージアの麻薬の売買などをしている犯罪組織ナガジのリーダー、ズラブの弟、ダヴィットの妻ケト、そして息子のサンドロと娘のニーナ。ダヴィットはDEAの捜査官を殺した罪で収監中であり政治家を買収しているズラブの力でも釈放させる事が出来ず賄賂を掴ませている知事を殺すほどズラブとダヴィットの絆は深い。そのダヴィットのため妻のケトを刑務所で暮らすようにさせていたのだった。


 ニックには詳細を伏せて昔馴染みの仲から緊急性の高い依頼を受けたとしてバックアップを頼みジョージアの刑務所に潜入ケトら3人を連れ出すがダヴィットらに気付かれ止む無く彼を殺す。刑務所内では暴動が起こりその混乱を利用して脱出するがナカジの追跡の手が伸びてきて激しい戦いとなるがなんとか逃げおおせウィーンのセーフハウスへ向かうが、父親であるダヴィットが殺された事を知ったサンドロがズラブに連絡を取り、弟を殺されたズラブが部下を集めてセーフハウスのあるビルを襲撃する。その銃撃戦の最中、サンドロはズラブの元へ向かってしまうがケトとニーナをヘリで脱出させるべく屋上へ向かうがニックの弟でチームメイトのヤズがズラブに射殺されてしまう。からくもヘリでタイラーのコテージへ逃れる。タイラーはズラブとの決着とサンドロを連れ戻すためにズラブの潜伏している飛行場へ向かう。果たしてタイラーはズラブを倒しサンドロを救出することは出来るのであろうか?

蘇ったタイラー

 今回の物語は前回のような請負仕事よりももっとパーソナルな話になっています。というのもケトは言わばタイラーの義理の妹になる訳で、そこには元妻ミアがこの厳しい任務に彼を推薦したというのが大きく影響しています。タイラーとミアが別れた原因は一人息子の死。小児がんの彼の死が迫るのが耐えられなくなり軍務でアフガニスタンへ向かったタイラーはそれを負い目として感じており、前回の任務での無鉄砲な救出任務への情熱もそういう負い目が大きくありました。今回はもっと直接的に彼の元妻が妹の難儀を助けて欲しいという依頼(依頼はいわゆるミスター・ノーボディという政府関係者多分、米か英の情報機関関係者、演じるのはイドリス・エルバ!これまたよい感じで今回ドンパチはしませんでしたけど。)は背を向けられない仕事で言わば自らが進んでやらなければならないとでも思っていたように思います。だからこそニックにはその部分は伏せていたけれどニック姐さんもタイラーとの付き合い長いだけに、そんな大事な事は最初から言っておいて欲しかったというし、断られると思ってたタイラーにそんな訳がないでしょというのもニック姐さんらしい。普通なら前回のあの状況で死んだとして放置ですよ。でも救出したし、落とし前を付けに行くし(前回ラスト)ニック姐さんもまたいいんですよね。


 今回はそのニック姐さんの弟ヤズ(前回にも登場してましたけどバックアップで出番はそこまで多く無いです。)にもフィーチャーされており、ニック姐さんの深みも出てきたんですよね。ヤズは軽口を叩く若者らしさもあるけれど命のやり取りをしている稼業を姉と共にして来ているからこそのリアリスト。そして2人きりの家族だからこそ、家族との絆というものがタイラーとミア、ケトとサンドロ、ズラブとダヴィッド、ヤズとニックという対称性があってそれぞれの立場と想いが交錯しており、そこも前作よりも物語を深化させようという試みが感じられます。だからこそ前作よりもさらに危険があっても憎まれ口を叩きながらも信頼関係のあるニック姐さんとタイラーの絆というのも戦友感があってチェックシックスは任せる感じがあって凄く良かったですね。

キレキレのアクション

 今回の白眉は何と言っても刑務所からの脱出と列車での逃走というシークエンスを疑似的ワンカット長回しで廻したことでしょうね。前回はダッカの市中を逃走から自動車へのワンカットを途切れることなく廻していくシーンに度肝を抜かれましたけど、今回は刑務所の中庭で起こっている暴動鎮圧の最中にケトを守りながら刑務所出口へ。そこから4WDに乗り込みランデブーポイントへの逃走からの列車内でのワンカット、前のようにグルグル廻してないけれど要所要所で使ってくるので臨場感と戦闘シーンが半端ない感じは前回を踏襲しつつパワーアップさせてきています。


 その分クライマックスでの戦いが物凄くこじんまりとした感じになってしまっているのが観ようによってはマイナスポイントだけれど、ボロボロのタイラーがこれまた手下の大半を失いそれでもなお、自国を出ても追ってくるズラブの執念深さが相まって迫力のあるシーンでした。もちろんそこにもう一つスパイスを含ませているんですが。今回はパーソナルな関係性がアクションにも影響しているように思います。思えば前回もサジュやギャスパーというそれぞれの関係性をもったキャラクターが出てきましたが今回は逃げる側と追う側のパーソナルな関係性がこの救出作戦のスパイスになっていると思います。

タイラー・レイク・ユニバース

 そしてこの作品もまたシリーズ化しそうな終わり方をするわけです。最初はやさぐれタイラーが元締めニック姐さんから斡旋をうけて作戦に従事するというスタイルでしたけど、1作目でのクライマックスでの戦闘でニック姐さんのかっこよさから2作目はもうガッツリ戦闘に参加していく訳です。となれば今度はワイスピのミスター・ノーボディのような政府の男、メン・イン・ブラック、またはスモーキングマンなんでもいいけど味方だけどとりあえず命令を持ってくる人が必要でそこにイドリス・エルバをあててくると、これ3作目でやっぱりエルバも戦闘に参加する気だろと(笑)順調にワイスピのようなユニバースを目指しているなと思います。もっとも同種の作品は飽和状態なのでどう味付けしていくかは今後の脚本次第でしょうけど個性的なキャラクターの過去を深堀するか(Wikipediaには真偽不明ですが前作に出てきたサジュのスピンオフを考えているとかなんとか)スピンオフをするかでしょう。それでもこのシリーズ。硬軟で言えば硬のクリス・ヘムズワースもなかなか良いと再び思わせてくれた貴重なシリーズなので今後も期待したいですね。同じくルッソ兄弟の『グレイマン』とともに(あっちはもっと奇天烈なんですけど)Netflixのアクション看板シリーズとなりそうです。

リンク/Netflix/タイラー・レイク-命の奪還2-

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