『敗北と別離』/ファイブスター物語/FSS/ 月刊ニュータイプ2023年7月号/第6話時の詩女「TRAFFICS4」アクト5-2|感想/考察【ネタバレ注意!】-Web-tonbori堂アネックス

『敗北と別離』/ファイブスター物語/FSS/ 月刊ニュータイプ2023年7月号/第6話時の詩女「TRAFFICS4」アクト5-2|感想/考察【ネタバレ注意!】

2023年6月9日金曜日

FSS manga

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 月刊ニュータイプ今月号(2023年7月号)、デコースの圧勝ということで止めを刺さずに放置してその場を立ち去るデコース。まんまヒーローものの悪役ムーブ(主人公を敵役が追い詰め一度は倒すものの止めを刺さずそのまま放置し、一敗地に塗れた主人公が艱難辛苦の末、立ち直り敵役をその後討ち果たすという定型パターン)をしてて、ヲイヲイヲイ大丈夫かと思いましたが実はデコース、以前にもクリスティンの父であるバーバリュース・Vを含む3人のノイエシルチスの騎士を倒し(当時はサイレンでしたが今の設定ではユーレイ3機相手に中古のデヴォンシャにコントロールはエトラムル、現在はGTMライモンダで倒した。)その時バーバリュースには止めを刺さず見逃したのは自分の強さの生き証人として残したという話でした。今回もそのムーブかと思いましたが、エストの言う「さらに残酷で怖ろしいものを見ながら死んでいく」というのを望んでいるということでデコースが本当に心底の悪人だなと再認識したと同時に、それは悪役ムーブになる可能性があろうが無かろうが「自分」の人生が楽しければそれで良しという登場時からブレないデコースの面目躍如といったところです。ということで今回の気になるところ行ってみましょうか。

月刊ニュータイプ2023年7月号/KADOKAWA刊
月刊ニュータイプ2023年7月号/KADOKAWA刊


毎度のことながら月刊ニュータイプ(NT)2023年7月号掲載/連載分の「F.S.S/ファイブスター物語」の内容に触れておりますので【ネタバレ注意】です。何卒よしなに😌
先月号の感想はこちら。(リンク先は2023年6月号の感想です)

扉/ファティマ・マルター

 今回の連載の扉は、アーリィのファティマ、マルター。モラード製作のファティマです。エストは姉にあたり仲が良いということですが、重要なのは生存スキルの方ですね。元々ファティマは戦闘経験を蓄積すればするほどその能力は凄まじいものになるというのはハルペル(ジ・インタシティ)が演算能力特化型AFであるバランシェ・ファテマ、スパリチューダの予測演算を上回る予想演算を見せた事からも明らかです。まさに今話題のChatGTPのAI、ディープラーニングに通じるものがありますよね。ただファテマってそれなりのプリセットが入っていれば剣聖剣技「飛燕剣」も使えるんじゃないのか?って(かつてツアイハイでカイエンがアトロポスに飛燕剣で峰打ち喰らったことがある)そういう話をカイエンが言ってたように思いますが、エストが数種類の剣聖剣技を知っている、そしてバーシャの時にヨーンを助けるためにブレイクダウン・タイフォーンを使った事からマスターからの伝授というのもまた大きな要素がある事が示されています。


 普通のファティマでは騎士ほどの剣技やスキルを発揮できる訳ではないんでしょうがそれでも生存確率を上げるためにそういった技術を習得しておくのはマスターにとってもファティマにとってもウィンウィンなんでしょう。それともう一つ、忍者というのは隠密であり暗殺者とは違うという認識。そういえばミラージュ騎士ステートバルロ・カイダって忍者の人だと思っていたんですが…なんと暗殺組織の頭目って…「なんやねん、それ」(笑)暗殺をアサッシンっていうところ、アサシンクリードとか、いやそこはアサッシンやろと突っ込んでいるのかな?ちなみにアサッシンについて書くとそれだけで別の話になるので割愛しますがとなればそれこぞカステポーの秘密結社ローゼンクロイツ辺りとも色々あったのかなあと気になるところです。(ちなみに2021年1月号にて既にカイダがアサッシンであると扉で言及ありです。)

※アサッシンについてはざっくりWikipediaに解説がありました。|アサシン - Wikipedia 

さらに詳しくは関連項目の暗殺教団を読むとざっくりとですが由来などが分ります。

ガス・ガルの忍者組織「地潜り」

 アーリィの所属する忍者組織(ギルド?)の名称もさらりと公開されていました。「地潜り」とはまさに白土三平や横山光輝の忍者漫画に出てきそうな名称です。大猿とかナナフシとか四貫目っていう忍びがいるとかなったらtonbori堂としては凄くアがるんですけど…まあそれはさすがに無いでしょうね。ミス・宇宙軍もここの所属というか出身と思われますのでアーリィがミラージュに捕らわれるとかそういう時に絡んでくるのかも気になりますね。

敗北と別離

 ということで、まさかこういう展開になるとは全く予想はしていませんでした。いやtonbori堂はアーリィが救助に来るかも?と予想していましたが、パルスエットがアイシャに救難コールを出しているのでアイシャが駆けつけるというのも確かにあるなとは思っていたけど…出血多量で瀕死のヨーンに自らの血液を送り込んでまさかああいう事になってしまうとは…。でも予想していなかったけどファティマの行動原理としてこれは物語でも繰り返し描かれている事なので腑には落ちました。もっとも腑に落ちたけど納得は出来ていません。ヨーンの物語としてパルスエットがいないという事は非常に重大な事でヨーンのファティマはパルスエットって書いてたじゃんよー、この後どうなるんだよーってジタバタしてしまいます。(もちろんヨーンのファティマはパルスエットであってもずっとそうだとは書いていないと言われればそれまでですが。)実際作劇として誰かの死がトリガーとなるというのは映画や漫画、小説でもよく見られます。最近ではマーベル映画『アベンジャーズ』のコールソン捜査官や『アベンジャーズ:エンドゲーム』でのナターシャ。ただ『ファイブスター物語』の死というのもは少し違っていて最強でも死ぬときは死ぬし、まさに不意にやってきたり、避けようがないものとして描写されたりしています。ただコーラス三世のパートナーであったウリクルの死によってハグーダ戦は動いたとも言えますが、その後三世がさらに命を落す事によりジュノーは深手も負いつつハグーダ戦には勝利しました。またカイエンは本能でボスヤスフォートには負けると分りつつそれまでに若い騎士たちに道を示したりヤーボとの間の子を守って死んでいったというのはありましたがそれはイレギュラーであり、通常は諸行無常な理(ことわり)であるというのがファイブスター物語での死というものだったように思います。ただヨーンは後にミラージュ騎士となる、そしてパートナーはパルスエットであるというのは公言されちゃってるとしてもそれは絶対ではないというのもファイブスター物語の不文律、何事にも「絶対はない」。もっとも天照は神様なんでそりゃ何でも有りですが。実際一度死んでいるカイエンを蘇生させ…いやあれは再構築っぽかった気もするけど…させた訳ですから何でも有りだけどヨーンとパルスエットのエピソードとしてパルスエットが蘇りましたってのは、そぐわないと思うんですよね。ただ今後の展開とヨーンのその後については桜子がジークに連絡を取っているという事、リリがこれで終わりじゃないと言ってること。これはパルスエットを蘇生させる話ではないとは思うんですけど。そしてこの状況で心が折れたヨーンが、いったいどう再起するのか?この黒騎士との対決は『緋色の雫』のエピソードが挟まるでのかは不明ですが、来月それが始まるのかどうかは欄外の柱では明記されていなかったため不明なままこのモヤモヤを抱えて来月に持ち越しです。

ナイアス

 「ナカカラ攻防戦」で叛旗を翻したものの結局全責任をおっ被されて本星に移送後、処刑を待つ身の上になったようですが「騎士に憧れてはダメなんだよ」とは重いですよね。実際ここまでヨーンはある意味バーシャの「マスター」になってというのが騎士とイコールになってたので。でもナイアスもここで終わりではないでしょう。なんてったって我々「44分間の奇蹟」のあの場面を知ってるんですから。そしてその瞬間も刻一刻と近づいているのですけれど流石にこの後どういう展開になるのかはやっぱりこの後に予定されてる『緋色の雫』エピソード絡みになってくるのかな?でもそれはダイ・グ、クリスティン、そしてジークに絡んでくる話でもあるのですが。

アーリィ

 もしかするとアーリィがこの後取る行動がその予告されていた魔導大戦終結と彼女のミラージュ入りへと繋がっていくのかもしれないと思うと…切ないですね。先の事はクリス(永野護)の中では決まってるでしょうけど…どういう事になるのかはヨーンともども気になります。まさかトモエに総括とか粛清とかで脱走とか?そういう流れでとかじゃないでしょうね…(-_-;)

シアン夫人

 シアン夫人のパルスエットへの言葉…沁みます。泣けます。なんだろうなカイエン死んだときも泣きにわざわざハスハへ来るシアン夫人、パルスエットというファティマへの鎮魂がグッと来る画すぎて…。ちなみにTwitterでシアン夫人の前にあったスーツは某国の礼装でエストカレンダーに記載があるそうです。(まだ未確認)

来月号

 もう全然どうなることやら。でもヨーンとパルスエットは本当に数多くの人たちに(東の君は酷薄だけど…まあアレはアレで普通の対応かもしれませんね)心配されたりしてて、ヨーンの復活への道標になるのかどうか分からないけどアイシャも含めてちょっと過保護すぎてて叩き上げ騎士ではあるんだけどそこを抜けないとやっぱり騎士にはなれないかなって今回余計にそう思いました。そのためのブレイクスルーが来月描かれるのか?悶々としながら来月号を待ちたいと思います。

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