『チャンダナの覚悟』/ファイブスター物語/FSS/ 月刊ニュータイプ2022年10月号/第6話時の詩女アクト5-1緋色の雫|感想/考察【ネタバレ注意!】 -Web-tonbori堂アネックス

『チャンダナの覚悟』/ファイブスター物語/FSS/ 月刊ニュータイプ2022年10月号/第6話時の詩女アクト5-1緋色の雫|感想/考察【ネタバレ注意!】

2022年9月10日土曜日

FSS manga ROBOT

X f B! P L

 今月号(月刊ニュータイプ2022年10月号)で『花の詩女 ゴティックメード』公開10周年という事で11月にTOHOシネマズ50館での特別限定上映があるそうです。どこのTOHOシネマズで公開かは順次お知らせがあるとの事。Twitterの公式アカウントなどをこまめにチェックするのが良いかと思います。しかし詩女様の都行きから10年経ったかと思うと感慨深いものがありますがその間、COVID-19パンデミックによるDESIGNSや単行本作業による休載はあったものの殆ど止めずにここまで来たのは永野護どうした?みたいな。ただファンとしては嬉しい限りではあります。そしてエピソード「緋色の雫」もとうとう大詰めです。今回はAFチャンダナの覚悟と、ダイ・グの決意が印象に残るエピソードとなりました。その辺りも含めて気になったところ行ってみましょうか。

月刊ニュータイプ2022年10月号/KADOKAWA刊
月刊ニュータイプ2022年10月号/KADOKAWA刊


※毎度のことながら月刊ニュータイプ(NT)2022年10月号掲載/連載分の「F.S.S/ファイブスター物語」の内容に触れておりますので【ネタバレ注意】です。何卒よしなに😌

先月号の感想はこちら。(リンク先は2022年9月号の感想です)/虹のブーレイについてのエントリはこちら。

ブーレイM103Lロウカン

 扉はGTMロウカンの解説と線画キャラシートです。この辺りは先にブーレイ傭兵騎士団についての備忘録エントリを立ち上げたんですが気になる点が幾つかありました。まずは型式のM103Lです。オデオンがM133、ラムアドがM113、数字が即古い順が先に開発されたかどうかは分かりませんがロウカンの英語表記がモデル(Model)になっていたので、まずライオン・フレームのロウカンが指揮騎として開発され、その後大規模集団戦闘などを行うためのGTMとしてパンター・フレームのラムアド、オデオンが開発されたという流れでそうなるとDESIGNS6クロスジャマーでの対比表に若干修正が入ったという考えは間違いないかなと思われます。ここに来て新型が登場したのはオデオン、ラムアドのうち虹のブーレイだったスプートニクに対応するラムアドがロスト・マグダルのエピソードで青銅騎士のオリバー・メルシュの駆るX-9紫苑鋼とやりあったラムアドは2騎いました。そして登場時はそこまで想定していなかったけれど、いやまてよこれ通常のルーティーン攻撃をしているのってそんなに格上の騎士がやることじゃないなという流れからロウカンが産まれた?ってのは勘繰り過ぎ?でしょうか。とは言え頭部が羽のような形をしている以外にもロウカンの頭部は個性的な騎体が多いようでそれは説明文でも量産されている兵器と言えど戦艦クラスのコストがかかるため頭部形状の変更は放熱さえ出来れば自由なのだとか。実際バーガ・ハリも頭部形状が違ったりしていますもんね。それとロウカン各色ごとの使用状況表があるんですが今回の急襲に参加しているのは4騎、紫紺、翠、茶、朱。この内搭乗者がはっきりしているのは朱のドリュー・ゼレのみのようで後の3人は不明だという事です。もっとも2989での戦闘でもギエロ、ブルーノ、ラルゴ以外は名前も出てこず結局やられてしまいましたし。そして驚きなのが空の担当はジャスタカークのアイオ・レーンだった事。でもこの設定なんか覚えがあるような…無いような(ヲイ。そして驚きなのがゼレ少将、2989コーラス-ハグーダ戦に参加していたそうです(笑)思わず2巻読み返すと鼻ピアスの人物の服に「朱」の文字が。ブーレイの傭兵騎士たちは一種の紛争やタトゥー(タトゥーシールかもしれません)総髪で姿を変えていました。(ラルゴはマスクにつけあご髭まで)そのため服に入った文字で見分けていたんですが結局「朱」は出撃せず予備騎扱いで待機していたようです。でもそのゼレも謎の多い人物のようです。

ドリュー・ゼレ

  ノイエシルチスの中でも元老院直属で暗殺など裏の仕事を遂行する元氷グループの指揮官とは言え氷グループは裏のグループのためその存在は公式には認められておらず、三色の娘茄里の一件以降、責任をとって解散させられたというのは建前ですが実は根っからのフィルモアの騎士ではないという話も急に出てきており、ブーレイがシステム・カリギュラの運用する実力行使部隊でありその配下の騎士であると明言されちゃいました。やっぱりブーレイはシステム・カリギュラがやってるのかー…とは言えマウザーとかツバンツヒ姐さんとか結構フリーダムにしてるし契約した国家のためにという部分では並みの部隊にも勝るとも劣らないと言えると思います。そうなってくると思い出すのがミミバ族。彼らは実は「ボォス」の少数民族なんですよね。つまりミノグシアの民でもある訳ですが…まさかそれもカリギュラの仕込み…。まあ其処までは詰めてなかったのかな(ヲイヲイ。ですが…ゼレ将軍、歴戦の騎士って風格を漂わせています。今はクリスのナキメーカを追い詰めていますが来月号の展開如何では直接対決やダイ・グとも剣を交える?かもしれません。

ダイ・グの決意、チャンダナの覚悟

 さすが元軍参謀のティルバー女王、包囲網に手抜かりなし。そこに手練れのゼレを配置しているため分断されたアルカナナイトはクリスの救援に迎えず、クリス自身もダイ・グの撤退が無い限り後退はあり得ない。もちろん脱出無し。凶状持ちのクリスは戦場で戦って死ぬ事こそがフィルモア帝国に殉じる唯一の救いであるから。それ以上にダイ・グがいる限りそこを死守することが彼女の想い。だからこそドナウ帝国から続く耳飾りをクリスに与えたダイ・グはそんなクリスを見捨てる事は出来ません。例え命を削る事になっても出撃する。その横顔は敢えて死地に身を置きその上でまだフィルモア皇帝として為すべきことを行う決意を感じました。そんなダイ・グの決意をチャンダナも分かっているからこそアシリア・セパレートに身を包みダイ・グの前に進み出ます。


  このままではダイ・グは確実に命を縮めるのが分かっていてもファティマとして戦場に出るマスターを止めることなどファティマには出来ません。GTMを駆る者こそが騎士であり皇帝である前にハイランダーであり一人の騎士であるダイ・グ。命が尽きるまでにその炎をGTM「ダス・ゴースト」(旧名のヴィリはどうなったというは登場してから解説あるかと思いますが)を駆る彼のために「チャンダナ、がんばる」はグッとくるシーンです。度々『ファイブスター物語/F.S.S』ではそういうグッとくるシーンがありますがこれは近年でも一番でしょう。ずっと少しずつ積み重ねて来たシーンとしてその数は多くはないけれど全てがそこに収斂していく。一見無駄に見えるシーンがそこに来るのかとも思えるし、『花の詩女 ゴティックメード』というアニメーション映画さえも関係してくるのですから。でも同じモチーフじゃないかという人もいるかもしれません。思えば運命のラキシス、クローソー、アトロポスからトラフィックス、そしてマジェスティックスタンド。でも同じ事が繰り返されるのはリフレインのように人というのは連綿と続く時間の繰り返し。だからこそ神と対峙出来るのはその繰り返しだけなのだとも聞こえるんですがそれはtonbori堂だけでしょうか。もっとも『ファイブスター物語/F.S.S』の主人公はその神様なんですが(ヲイヲイ)今この長い物語の今のメインを張っているのは人間たちなのです。それは神の仕掛けた「44分間の奇蹟」へのためだと思うといったいどこまで仕込んであるのかな?と思うのですが来月号どんな展開が待ち受けているのか。多勢に無勢な局面。しかもただブーレイを倒しても自らがそのまま命が尽きては元老の思惑にそのままのってしまうだけに次の一手が気になります。

ミヤザという男

 ダイ・グから自らとクリスの事を気にかけてくれてとの謝辞が出てくるとはミヤザ本人もまさか思ってもみなかったでしょう。最初はダイ・グを若造と侮りいろいろ嫌味なご注進を奉り、クリスは凶状持ちの騎士として持て余していたミヤザ。それでもシャルデファーへの静養中のダイ・グへクリス一人を護衛につけた時からこの男、もしや変心したか?と思っていましたが…そのあとやっぱり元老の悪巧みに乗っかっています。もっともあの時点でダイ・グに鞍替えしても彼の命運は尽きそうなのは目に見えて明らか。それに元老に逆らえば消されるだけ。だからクリスの犠牲でナカカラの一件が落ち着けば少なくともダイ・グはその短い命を削る事はないと考えたのだと思います。それで良しと思っていたのにまさかのダイ・グからの謝辞ですよ。最初はミヤザを宇宙戦艦ヤマトに出てくるゲールというドメル将軍の副官でありながら姑息なガミラス人みたいな男だなと思っていましたが(ヲイヲイ)最後にダイ・グからの謝辞がくることで皇帝の器というものを思い知ることになりました。全てを知りながらもなおそれに乗って抗うダイ・グという生き様に打たれてしまったミヤザ、彼の今後も注視したいです。

詩女様の都行きから10年

 冒頭でも触れたのですが裏表紙(専門的に言うと表4部分)11月1日(火)から10日(木)までの間、TOHOシネマズ新宿他50館にてリバイバル上映が開催されます。ちょうど今の展開を受けての事であればさらに深く楽しめるかもしれません。『ファイブスター物語/F.S.S』の原作者であり『花の詩女 ゴティックメード』の監督でもある永野護は「映画は映画館で観るもの」というのを公開直後から言い続けており配信はおろかBlu-rayなども一切出ないことを公言しています。普通なら出てもおかしくないご時世、公開から10周年もしやと思いつつもやっぱりBlu-ray発売決定でなくて良かったと思うのは、ファンとして作り手を信頼しているのかもしれません。KADOKAWAとしては出して欲しいと思うけど単行本売れてるしという事でその声を押さえているのかな?というのもなんとも反骨のロックンローラー永野護って気がします。ちなみに10周年を記念してパンフレットも再編集した記念バージョンになるそうです。そちらも楽しみですね。大幅追加があるのか?加筆修正なのか?どちらにしても公式サイト、公式Twitterアカウントを要チェックです。

= オートマチック・フラワーズ =


月刊ニュータイプ2022年10月号(Amazon)付録にB2サイズの「リコリス・リコイル」とのリバーシブルポスター、GTMダッカス・ザ・ブラックナイト、ボークスさんの1/24スケールモデルです。大阪でも見れる機会があるそうなのでその時は現物見たいと思いますがポスターもド迫力です。

ファイブスター物語/F.S.S第17巻絶賛発売中

ファイブスター物語/F.S.S第17巻絶賛発売中
永野護著/KADOKAWA刊月刊ニュータイプ連載『ファイブスター物語/F.S.S』第17巻絶賛発売中(リンクはAmazon)

このブログを検索

アーカイブ

QooQ