虹のブーレイ|『ファイブスター物語/F.S.S』考察/備忘録【ネタバレ注意】-Web-tonbori堂アネックス

虹のブーレイ|『ファイブスター物語/F.S.S』考察/備忘録【ネタバレ注意】

2022年8月16日火曜日

FSS manga ROBOT

X f B! P L

 ということで謎の傭兵騎士団ブーレイ、通称「虹のブーレイ」これは彼らの使うMH(旧設定)が七色のカラーリングでペイントされている(正確にはペイントではないけれど)事から付けられた通称です。そして登場は早く単行本第2巻から3巻でのコーラス-ハグーダ戦でハグーダのアルメメイオス女王側に与し加勢したのが始まりでその後暫くは鳴りを潜めてて(本編上ではという話でそこかしこで暗躍はしていたかも)久々に登場した時はナイアス・ブリュンヒルデが率いて魔導大戦に参戦。フィルモア側の意を受けてというのはコーラス-ハグーダ戦の時と同じですがあの時は精鋭7騎による戦の先鋒であったのが今回は集団戦として各地での戦線を引っ搔き回す役割りを担っていましたが、とうとう今回の「緋色の雫」で本来の役目であったフィルモア側の大義名分を立てる大戦(おおいくさ)にへと躍り出ました。そんな『虹のブーレイ』についての備忘録です。

ファイブスター物語/F.S.Sの連載本編内容に触れております。お読みになる際はその点ご理解の程何卒よしなに。😌

ブーレイ傭兵騎士団

 初登場時は「虹(レインボー)のブーレイ!ボォスの死神傭兵団 セブンナイト!」と航路に割り込まれた輸送船の船員がブーレイの母艦マークを見て叫んでいましたけど何故か元傭兵騎士であるブルーノケーニヒは知りませんでしたね(笑)いやまあそこは突っ込んでいいのか悪いのか。ブルーノケーニヒも出戻りノイエシルチスといってもその間にハイドパイパー傭兵騎士団でクルマルス・ヴァイ・オ・ラ(現在のホウザイロ(ホーザイロ)・グロウダイン)を駆ってたんだから名前を知っていてもおかしくないとは思うんですけれど(各騎士団からブーレイへ選抜されるメンバーは一応の機密保持はするでしょうけど。)それにしても星団暦2989時点でしっかり「虹のブーレイ」という呼び名はメジャーでありという事は先の船員の台詞ではっきりとしています。ちなみにその時はアンスリノの宙域(アンスリノはボォスに近い惑星)で消息不明になっていたという事からその頃から神出鬼没な騎士団だったことも推察できます。

MHブーレイT232スプートニク/赤/ラルゴ・ケンタウリ乗騎。/ボークス大阪F.S.S展にて
MHブーレイT232スプートニク/赤/ラルゴ・ケンタウリ乗騎。/ボークス大阪F.S.S展にて


 ところでモーターヘッド時代にはただ「虹のブーレイ」と呼ばれていたMH(モーターヘッド)はその後DESIGNS3にてブーレイT-232スプートニクという名称が与えられました。中身がサイレン(MH)という大枠は変っていませんがいわゆる魔改造で原型を知るには難しいとも。もっともソープが見れば一発なんでしょうけれど。そして魔導大戦ではバキン・ラカンのフェードラのフレームにエンジンはAトールのコーター製エンジンが使用されているという設定に。T-233ボストークという名称が割り振られていました。そこでまたしても設定上の齟齬が浮かび上がってくる事になったのです。

ブーレイ・ロウカン

 MHブーレイ・スプートニクの名称はDESIGNS6クロスジャマーの対比表によるとGTMブーレイ・オデオン。そしてブーレイ・ボストークは対比表によるとブーレイ・ラムアドとなっています。ラムアドは単行本13巻に登場、青銅騎士団のオリバー・メルシュ率いる小隊と戦闘になりヘアードとマグダル、ランドやティスホーンが巻き込まれました。その時にボストークがラムアドとは知りませんでしたけどもボストークっぽいカラーリングと言われてみるとって感じでしたね。でオデオンが今回初登場したのも束の間ロウカン(琅玕)という新型が登場しました。肩部に木や朱という刻印が見えます。そして(これがブルーノケーニヒに教える体をとった本当の意味だと思いますが)パラーシャの説明によるとオデオン、ラムアドともにパンターフレームのGTMでありロウカンはライオン・フレームのGTM、今回のロウカンはツインスイングにバーガ・ハリのものを使用しているようですが、これは補給の事を考えての事でしょう。そしてかつてコーラス王朝を襲った虹の7色のGTMであるとパラーシャのモノローグで示されました。ちなみにMHの7騎のブーレイ・スプートニクは予備騎含めて全部で9騎が存在。コーラス-ハグーダ戦にて5騎が失われ残ったのは4騎。それぞれ色の名前が付けられ赤・橙・黄・緑・青・紫・朱・空・茶。朱と空は予備騎のため戦闘に不参加、赤はラルゴがサイレンで出撃のため戦闘に参加せず。黄もギエロがコーラスⅢ世を追い詰めながらも騎体から離れ戦死したためブーレイ側が回収し戦闘に不参加でした。これをGTMに置き換えると7騎のロウカンはツインスイングはホルダ型ユーレイを使用し同じライオン・フレームを使用していると言ってもユーレイベースのロウカンだったのかなと。そしてラルゴはホルダ35型アムールなのかな?妄想しています。でも35型アムールってどんなのでしょうね。ホルダ33バイカルのようなスタイルとナキメーカの中間にあるようなホルダ型を想像しているんですけれど。指揮官用なので普段は後方で指揮を執りつついざ戦線に出ると駆逐型として軽装で単騎での突破力のあるGTM。もうそれはヴィリとかナキメーカでいいやんってなるんですけれどね(ヲイ。この戦いはまだまだ新型がDESIGNSまるまる1冊出来るぐらいにでるそうなのでヴィリもアムールも出てくるとは思うんですが…と脱線。

謎多き傭兵騎士団

 ラムアドなどのパンター・フレームのGTMならば汎用GTMからの改造もしくは基本設計をそれこそウモスやロッゾ、ガマッシャーンを経由してもいいでしょう発注するという事が考えられますが国家でないとその維持運用に莫大な経費がかかると言われるライオン・フレームを用いるGTMを生産出来るのは何処なのか?普通に考えればそれぞれの国家なんでしょうけれど毎回その所属国家が変わるのにその度に生産し直すというのも大変な話で、確かにギエロはこいつの中身が何か知ったら驚くだろうと言いパラーシャに救出されたブルーノにギラが後で使う者の身になって欲しいものだなと言いつつ我が邦のA・トールから作り直すとは言いました。あの頃のMHってメインのフレームはそのままで外装を取り替えるというエルガイムのHM的発想もあったからこそ出てきた発言なんでしょうけど(実際エルガイムの外装をバッシュに、その逆も出来るという発言がエルガイムのムックか資料集であったように思います。今回は出典が見つけられませんでしたが)ですがGTMとなってからはGTMを構成するフレームが大きな要因となり、外装の着せ替えではなくメインのフレームと各関節のツインスイングはライオン・フレームならライオン・フレームのものをセッティング。それらを駆動するハーモイドエンジンの型式などを併せこれらをマネジメント出来るバックボーンが必要となってくるはずなのです。


 ブーレイ傭兵騎士団は謎が多いとされ、その謎が明かされるのは今後とDESIGNS3では書かれていますが(正確には次巻以降)、コーラス-ハグーダ戦の介入時はノイエシルチス主体であったりその後は旧ハスハや、魔導大戦ではウモス側やフィルモアのもえぎ騎士団の隠れ蓑になっていたりという事で大国が直接介入すると問題になる場合にその隠れ蓑として逐次投入される騎士団として用いられている事が推察できます。また使用するGTMの生産、補給や部隊編成管理はシステム・カリギュラが担っていると思われます。となれば『花の詩女 ゴティックメード』での詩女ラーンの襲撃をフィルモア初代皇帝サイレンが撃退した話も相手がテロリストと処理されてはいますがカリギュラのマークが入っていた事から察するにブーレイ傭兵騎士団の最初期の形態ではなかったのではないでしょうか?ちょっと突飛な考えかも知れませんがあの時点ではユーゴ・マウザーの最新GTMボルドックスという事でボットバルトは驚いていました。結果的にはあの場では惑星連合のシンボルが残っていた事からトリハロン殿下とベリンは惑星連合の直接介入による陰謀と結論付けてましたが実際に惑星連合が動いたとなればそれこそ大事になります。多分惑星連合に雇われた騎士だったのではないかと思うのですが。それについては、この襲撃のお膳立てはベリンたちをずっとトレース(追跡)していたMk2リッタージェット、Mk3リッタージェット破烈の人形を駆るマウザー教授とツバンツヒ姐さんらシステム・カリギュラ、シオの門番であった事は『花の詩女 ゴティックメード』を観た方ならご存知のはずです。また使われた最新鋭GTMボルドックスについてもウモスが今後これを元にヘッケラー・バシントンがハルシュカや青騎士などのバリエーションラインを開発していく事になりマウザーよりパテントが貸与され国の基幹産業としてGTM開発が興っていく頃の話とすればカリギュラの手が入ってると考えるのが自然です。となるとウモスとしても列強諸国がボルドックスを毎度ブーレイのような傭兵騎士団のGTMとして運用されても困るので幾つものパテントを持つカリギュラのマウザーやストーイ・ワーナーの力を借りてフレーム(メインのフレームはその運用国家に合わせホルダであったりバーガ・ハリであったり)に別のツインスイングを組み合わせた一種のキメラGTMを組み上げたという事になるかもしれません。とは言えそれはGTMの生産供給と他の情報支援などの後方の話であり下手をすると最終的なブーレイ傭兵騎士団の背景というのは星団会議(惑星連合)という事も浮かび上がってきます。じゃあなぜA.K.Dなりコーラスが知らなかったりするのだ(ベリンの襲撃はA.K.Dも関与というのは単行本やDESIGNS4で明かされています。)というのは、ここもシステム・カリギュラの仲介により星団会議内で各運用国家が契約を結んでブーレイを使うという事になっているので、契約しない限りはその運用は分からないと推察したのですがどうでしょう。もちろんカリギュラが全てを仕切り母艦やGTMの維持管理だけをしていて契約を結んだ国家に随時貸し出すシステムになっているという方が分かりやすいと思うんですがそれなら余りにも謎を引っ張りすぎている気がするのでちょっと捻って考えてみました(笑)

※2022.08.24:ブルーノ→ケーニヒでした。パイドパイパー傭兵騎士団に所属しグロウダインを駆っていたのはイアン・ケーニヒで元ノイエシルチス、現アルカナナイト。ブルーノ・カンツィアンはノイエシルチス青グループ騎士でラルゴ・ケンタウリとともにブーレイ傭兵騎士団としてジュノーにてコーラス-ハグーダ戦に。その後パラーシャと共にフィルモアに帰還しダイ・グから青グループを任される。

コーラス王朝とハグーダの戦いを描いた運命の3女神クローソーの物語に関わってくるのがブーレイ傭兵騎士団です。初登場は『ファイブスター物語/F.S.S第2巻』(リンクはAmazon)

F.S.S2巻と3巻はセットで読みたいですね。今でも読み返す時はセットで読みます。ということで『ファイブスター物語/F.S.S第3巻』(リンクはAmazon)

ファイブスター物語/F.S.S第17巻絶賛発売中

ファイブスター物語/F.S.S第17巻絶賛発売中
永野護著/KADOKAWA刊月刊ニュータイプ連載『ファイブスター物語/F.S.S』第17巻絶賛発売中(リンクはAmazon)

このブログを検索

アーカイブ

QooQ