今月号(2022年3月号)の月刊ニュータイプでの連載内容でゴリリダルリハがログナーの正体を明かしていましたけど元々ログナーって作中でアマテラスと最後まで付き合う「人間」として設定されていた言わば別格の存在でした。そのため超人である騎士の中でも剣聖というさらにずば抜けた者が出てきても彼が作中で最強の騎士であるという設定は固定されています。そんな彼の正体はゴリリダルリハが説明する前にも彼がカラミティ・ゴーダース王というのは何度か言及されていますが今回のゴリリダルリハの台詞はその「アップデート」であり「リブート」のように感じました。以下ちょっと気になる部分をピックアップしてみたいと思います。
DESIGNS1と4。今回はDESIGNS1の情報多めです。 |
DESIGNS5リッターピクト。こちらからの情報も多めです。 |
※毎度のことながら月刊ニュータイプ(NT)2022年3月号掲載/連載分のF.S.S/ファイブスター物語の内容やDESIGNSなど設定集の内容に触れているため【ネタバレ注意】です。何卒よしなに😌
※今月号の感想はこちら(リンク先は2022年3月号の感想です)
バビロン王
今回の扉のテキストによるA.K.Dの成立ではそれほどのウエイトを占めていないどころかバビロンのバの字も無いんですがアマテラスの帝の元ではA.K.Dの軍事面を司る重要国家であり、王朝の縁戚でもないにも関わらず王位継承権を持っているという特別な位置にいるのがバビロンの王でありミラージュ騎士団No.4でオレンジライト司令「バビロンの暗黒騎士(スターレス・ファイター)」ファルク・ユーゲントリッヒ・ログナー(F・U・ログナー)です。
A.K.D右大臣や軍総司令官でもある彼は最初期から謎が多く設定されていますがクリス(永野護)のお気に入りのキャラクターらしく、ニュータイプでの最初の連載『フール・フォー・ザ・シティ』、やタイカ宇宙篇でもU.R.I(ユーリヒ)の命を受けたタイカ人のログナーが登場しています。多分自身の分身の一つではないかと思うのですがどうでしょうか。そんなログナーには大きな秘密が設定されています。それはドウターチップというチップによりIDイニシャライズされ、そこから情報を受精卵に流し込むというジョーカー星団でただ一人のクローン人間です。それが可能なのも完全コントロールされた遺伝子を持つという説明でした。(普通の人間をクローニングすると脳共鳴が起こり精神崩壊を起すという説明があったかと思います。)
ログナーの正体はDESIGNS1 A.K.Dで「カラミティ・ゴーダース星団皇帝」とはっきり明言されています。なので今更ログナーはモナーク・セイクレッドそのものと言われてもという感じがありました。それは彼がモナーク・セイクレッドから送り込まれた騎士であり、カラミティ・ゴーダース王なのは散々ナ・イ・ンや、ムグミカから語られている話です。このカラミティ・ゴーダース王はボォスの昔話に出てくる人物で、しかもボォスはカーマイン、茜の星と言われていた他星からの移民の星であったため作り話だと思われていたのですが、この物語は単行本第4巻の冒頭に「ウォータードラゴン(WaterDragon)」として絵物語風に語られています。ちなみに副題として「五つの星の物語より」とまでご丁寧に添えらえています。そしてソープは同じバスに乗り合わせた子どもに本当の事だと語る訳ですが、ドラゴン(現在はセントリー)というカステポーに君臨する最強の生命体が過去にこの星系に侵略者(今ではオピクルであり仲介者モイキュードであり、サタン(悪魔)と呼ばれた異次元の者ヴィーキュルという事は我々読者は知っています。)がやってきてそれをドラゴン(セントリー)が撃退したという事が分かっています。
そしてそのセントリーはスペクターとして今はアマテラスの傍にいるジョーカーが産み出したスイレーの僕でありそれらと共にカラミティ・ゴーダース王とともに撃退したとも言われています。またログナーは青いGTMを駆り超帝國、ユニオ3ナ・イ・ンの率いるヘリオス剣聖騎士団と共にあったとも言われており一体何時からいるのだという答がゴリリダルリハから語られた訳なんですが…とは言えこれをもってして全貌が掴めたかというとそんなこともなく相変わらずログナー、今はワルツ・エンデとして活動している彼は強大な意思体の端末ではないかという示唆だけです。そもそも彼は物語の語り手の一人として設定された節があります。それはログナーがある台詞を言う時が『ファイブスター物語/F.S.S』の終わる時というものです。もっともネットなどではその役目はクローソーになったという情報もありますが(公式サイトにとの事ですが現在のサイトは何度かリニューアルされておりログナーの項目とクローソーの情報は見つけられませんでした。)
モナーク・セイクレッドの使者
何故ナ・イ・ンがフォーカスライト、収光帝にドウターチップを渡したのかは不明ですがログナーはこの星団を守る守護者超常の不死王カラミティ・ゴーダース王というのはムグミカがモラードに語った話であり、それは太古の昔、「五つの星の物語」で語られた王の娘、アイエッタ姫よりL.E.Dドラゴン(当時はまだセントリーはドラゴン設定)が亡骸より真珠を取り出し王に渡すとそれは無数に分裂し王はそれを保管し、その後、再び命の水を求めやってくる悪魔を真珠が人の姿となり人と共にそれを撃退した人物こそがそうだと言われています。
ナ・イ・ンはモナークの秘密を追い求めていましたが実はその使者が傍らにいたという話はどうなっているのか?そしてカラミティ・ゴーダース王はログナーというのは詩女の記憶の継承で先刻承知のはず。そして彼女もまたスターバーストの果てでタイフォンとモナークに行きついたはず。そうログナーが機械神(モナーク)であってもその秘密は何も明かされていません。いや正確には彼は何故最後までアマテラスと付き合うのか?「人」の守護者であり悪魔を退けてきた彼が。そこはこれからの「五つの星の物語」を最後まで読んでみてそれぞれが考えて欲しいという事ではないかと思っています。
ただ時間軸が前後するので読んでいる方は混乱しますよね。その極みがショウメ争奪戦からの運命のラキシスエピソード。アレはもう既に過去と未来がごっちゃになっていました。おまけに神様の話だし(笑)いや『ファイブスター物語/F.S.S』は御伽噺であるというのは重々承知の上なんですが。そんなモナーク・セイクレッドの使者であるログナーは今回のゴリリダルリハの言によれば20億年に渡る4つの時代の管理者とあります。これ普通に考えてもながい年月ですよね。モナーク紀(想像でしかないけれどモナークが成立したと思われる時代。)にその元が産まれ、伝承紀、アズデビュート紀(モンソロン帝の時代)、AD世紀(超帝國ユニオの時代)、星団暦と歩んできたのではないかと推察しています。以下余談として今回のゴリリダルリハ姐さんのお話から
スタント遊星
スタント遊星、モイキュードの宇宙船だったそうで?えっ?でもそこから這い出る者たちを撃退という話ありましたよね?それを考えるとゲートみたいなもの?高次空間ゲートとかハイパージャンプゲートみたいなもんなんでしょうか。それとナ・イ・ンがスタント遊星に向かったりカリギュラがスタント遊星の近傍惑星を本拠地にしているってのは色々思うところがありますよね。スタント遊星自体は光を発しない暗黒太陽と称されてはいますが「ブラックホール」とは言われていないし。ブラックホールは理論的には重力井戸の底で底なしだけど「出口」は無いそうです。つまりなんたらジャンプみたいな超空間航法とかには使えないです。物理現象を使ってのスイングバイは出来るみたいですが(映画「インターステラー」でやっていました。これは理論上可能なんだそうです)。ちなみにブラックホールに集積恒星という字を当てていましたが何を集積するのか?また三位一体のというのはマニウ様として吹き出し外のログナーの台詞でモナーク紀よりもはるか前の超集積恒星の意思体というのも妄想が膨らむ空想ワードですよね。
統制システム
ゴリリダルリハはログナーを統制システムになったといい、それがモナーク・セイクレッドを指すのかどうか?という話はモナークは「数式生命体」であり作られたものではないとあります(単行本第16巻のスリーブノートより)その「数式生命体」ってのはFネームファティマもそうではないかという示唆がなされておりモンソロン帝アズデビュートも数式生命帝として台詞がありました(単行本第16巻)それまではアズデビュートにしろカラミティ・ゴーダース王は少なくとも「人間」であったように思いますがもしかすると「人」と「人」を定義づけるものは「記憶」であるとかたったムグミカとモラードの対話(単行本第13巻、正確には人間の記憶を受け継ぐものが人間である)がここに来て回収されたのかと思いました。つまり人の記憶を受け継ぐ数式生命体がモナーク紀に発生しそれらがこの宇宙を、人を守り続けてきた。世界創世式を次の時代へと。それらを見守るのが多分ログナーという事なのではないかと。
そして統制システムと言えば超帝國のユニオがありましたよね?リッターピクトにはこうあります。ユニオは人が作り出した人工統制制御システムとして「モナーク・セイクレッド」レベルにまで昇華したと。そんなユニオをモナーク・セイクレッドが世界創世式を受け継がせるためにログナーが超帝國ユニオに派遣されたのではないかと。実際には行動を共にしてウォッチするウォッチャーとして、その方向へ向くように。剣客としてGTMシュッツィエンを駆っていた。そしてユニオ3ナ・イ・ンがアズデビュートの残したメッセージを見つけ(DESIGNS1モナーク・セイクレッドの項にあります。)彼女はセントリーと契約を交わしモナーク・セイクレッドを目指した。そしてドウターチップを更なる時代のためフォーカスライトに託し、スバースを託した。その2つの巨大なシステムの邂逅はドウターチップ、騎士の血(スバースを含めた)、GTM、そして自らの記憶の継承、ドウターチップではない記憶の継承システムとして詩女を出現させた事につながっていき、そう思うと『花の詩女ゴティックメード』にもつながってきてしまうんじゃないかと思うんですよ。そして20億年に渡る時代の管理人としてモナーク・セイクレッドが記録を止める時7777年が物語の最後であるとするやはり彼が発する言葉によって『五つの星の物語』は完結するのではないかなと思うのです。
今回の参考図書/
※F.S.S.DESIGNS 1 EASTER;A.K.D.(Amazon)
※F.S.S. DESIGNS 5 LITTER.pict(Amazon)
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