『燻る導火線』/ファイブスター物語/FSS/月刊ニュータイプ2021.7月号第6話時の詩女/アクト4-4「カーマントーの灯火」/感想/考察【ネタバレ注意!】-Web-tonbori堂アネックス

『燻る導火線』/ファイブスター物語/FSS/月刊ニュータイプ2021.7月号第6話時の詩女/アクト4-4「カーマントーの灯火」/感想/考察【ネタバレ注意!】

2021年6月10日木曜日

FSS manga

X f B! P L

 まずは扉の3159。そして本編でハスハでの兄弟げんかが落ち着いたところでアドラーの旧超帝國星都ダッカス(DESIGNSでは旧超帝國ダッカス宮跡)となっていた場所で魔導大戦後への燃え盛る漁火のような炎がやがて星団を灰燼と化す狼煙とでも言うべきエピソード。いや恐れ入りました。魔導大戦は確実に終わり向かっているけれどそれは3159へのお膳立てにすぎぬと。かつてDESIGNS2でダジャー・ビームス、ジェネラル・ライド・ピアのキャラシートが掲載された時まさかこうなるとは。そして…。という事で今月号の気になるところいってみましょうか。

※毎度のことながら連載内容に触れておりますので月刊ニュータイプ(NT)7月号掲載/連載分のF.S.S【ネタバレ注意】です。何卒よしなに😌

月刊ニュータイプ2021.7月号/KADOKAWA刊
月刊ニュータイプ2021.7月号(リンクはAmazon)/KADOKAWA刊

※先月号(月刊ニュータイプ2021.6月号)の感想/考察はこちら


扉/ボォス3159/花の道にて

 新生ミノグシア連合(アトール聖導王朝ということになると思うんですが)超法規協定ってのがやがて崩壊するカラミティよりミノグシアへフィルモアの人々を受け入れる事…ではないかとかってに思っているんですがそれだけではないだろうしそもそもこの年アドラーへ侵攻したアマテラスはバスターランチャーの使用で(J型駆逐兵器)星団法によって告訴されたため星団委員会を離脱、以降星団法を無視しているというのにこのフィルモアとミノグシア連合との調停に立っているのが外ならぬアマテラスの帝。なんですとー!っていう話ですが調印後にカイゼリンの役目は終えたとして永久にアマテラスの帝に預けられたとか。カイゼリンがAKDに行くのは知っていた話ではあるんですがアレ?そうだっけかとなるぐらいなんという話なんだろうかと。ちなみにこの扉の3人。マグダルはともかくデプレがカイエン化してたり(胸のシュペルターマークもしっかりと確認)、マキシの懐園剣(雄)はともかくクーン…いや新しいファティマ?ともかくこれまでのマキシとまた違う感じでこれまた想像力が搔き立てられる姿です。


 それと付け加えられたホーダウンが自由都市になったという記述。確か以前に名前が出てきたので色々調べてみるとニュータイプ2019.3月号のスプラウトソング~ショウメ争奪戦への導入部でフィルモアが制圧していた地域にある工業都市であり開戦時既に枢軸によって半壊だったものを再攻撃を受け、再制圧のためノイエシルチス萌葱グループ(ナイアスが率いている)が出動したもののホーダウンは完全に壊滅、地下水脈も汚染されてしまったとか。これはミノグシアにフィルモアの領地を得るための行動では?とラキシスが示唆していましたが結果的に都市を壊滅させただけとなっているようです。そこがフィルモア・パルチザンの本拠地となり神なき次なる時代への橋渡しになる、詩女の預言の地である…という事なんでしょうか。まさに神話から人の時代への結節点にもなろうかという話ですね。

マキシとファティマ

 で、なんだかんだでミノグシア連合に加わることになったマキシとマドラ。マドラ自身はその力はラキシスを護るため、そしてこの世界の外の者たちへ振るわれる事になるため戦わないという事をギラが了解したのは単純にマキシを抑えられるのは目の前の明らかに剣聖の力を持つマドラしかいないという事だからと思います。そうでなければお引き取り願うはず。なにせ基本はAKDの騎士な訳ですから。そして自らをファティマと言うマキシはファティマが必要。とはいえ娶る気はあるのかとマドラは訝しみますが、アウクソーは何故か自信満々。そして妹がいますと急に。これアウクソーの中のフォーカスライトが言わせている。つまり妹はジ・アトラス、つまりリチウム・バランスのザ・S.S.Lであることは容易に想像が付きます。既にAKDに置いて半覚醒状態で情報収集をしているという事で登場するのも間もなくでしょう。

 にしてもですよ、マキシはファティマでもある訳ですが星団最強の騎士でもある訳です。そうなってくるとそのパートナーとなるSSLは一体どんなファティマなのか?ハルペルであったインタシティは本当にファティマらしいファティマというのも変ですがそれほど強烈な個性があった訳ではないですよね。でもマキシはファティマなのでなんとなくぶっ飛んだか反対に超冷静なアイスドールなんではないかと。いやこれは単純にふざけているかのようなマキシの言動にはそういったファティマがという単純な話ですがそこは斜め上から反転180度の我らがクリス(永野護)多分シャフトとパルテノ以上にやってくれるはず(と勝手に)ハードルを上げておきます(笑)

アドラーの導火線

 ボスヤスフォートの種火がその姿を現しましたが、システム・カリギュラの基礎は超帝國科学省の非道な人体実験の果てに構築されたものというものが示唆されましたね。そしてその研究実験で産み出された者たちの中にはメル・ズームも。ということはビューティー・ペールも…いや彼女の存在はDESIGNSでばらされていたけど結局カリギュラとは行動をともにしていないようだしボスヤスフォートの真の正体も合わせてまだ謎が多いです。ただ姿は変えられるという部分では間違いなく超帝國の系譜であることは間違いも無く詩女たちが汚辱とまでいうボスヤスフォートにも大きく関わる人物なのは間違いないです。


 そして人造騎士。重合人間も科学省の実験の果てに産み出された者である気がしますが人造騎士はまたそれとは違う者?なんでしょうか。感覚器の異常、寿命の短さ、肉体の崩壊という部分も含めて滅びゆく者として星団に大きな爪痕を残そうとするダスニカとヨーグン、思っていた以上に恐ろしい存在となりそうです。そしてそのアドラーの漁火はやがて星を焼き尽くし彼らの灰の勲章となる…。まさに恐怖のはじまりですがペールはアドラーをアマテラスに灰にしてもらおうと…いったいどこまでが彼らの筋書きなのか?そしてヴュラードは?でもこれは魔導大戦が終わってからのお話。魔導大戦はまだ続いているその裏でチロチロと漁火がアドラーで燃え盛っている…それだけで非常に危ないというより狂気を感じさせる。最初から滅びゆく者としてアドラーに自らの爪痕を残そうとするそんな者たちへトランとバキン・ラカンはどう対峙していくのか?今月号はそんな印象でした…。

人造騎士と重合人間

 この辺りはすごく気になるところで、今回の描写を見るにカリギュラの重合人間とはまた違った、デューブル(旧名バイア)としてボルテッツのような力を持っている騎士の能力を無理矢理にのせブーストさせたように思えます。ビューティー・ペールが復活に手を貸したということはグレインなど物質を作り出す能力も絡んでいそうだけど一応は騎士の力を持つ者を(それはもしかするとハイトのような最弱騎士かもしれません。)をそういう風に強化したのだとしたら…。しかしピア将軍は普通の騎士のようですがダスニカの神聖皇帝もちょっと違う雰囲気を醸しだしているしヨーグンのダジャー大統領もDESIGNS2とは違う感じで丁度ブレインクラッカーを使ってたシャフトのような雰囲気があります。彼らの国は星団でも忘れ去られたという事ですがその辺りの掘り下げは彼らの動きがアドラーを覆った時に明らかになるのでしょう。それと一部を機械化する騎士って初期にはランドがそうでしたけど(そう言えばランド以外にそういう騎士が殆ど出てこなかったような)それとは違う騎士遺伝子に色々超帝國の禁断の力を使って強化されたいかにも危ない感じの騎士たちが今後のメインになっていくのかもしれません。それは浮遊城の最後でのゴーズ騎士たちの姿を見ると彼らとどうしてもダブるからなんですがゴーズ(ゴッズ)のジョージョ博士もそっちの系譜なんでしょうか?そこも今後チェックしたいですね。

超帝國科学省とシステム・カリギュラ

 もちろんバッハトマの仕込みではありますがGTMフドウも彼らに合わせてチューンされたものだろうしそこにカリギュラが絡んでいるのはマウザー教授の言ではっきりしています。でもあくまで詩女暗殺やウモス建国などの時のように契約っぽいんですよね。それとともに滅びゆく者たちへの共感はペールと違った意味であるのかもしれないですが。その点では超帝國科学省というものとシステム・カリギュラはイコールではないのかもという気がしています。で、こういう仮説を立てました。システム・カリギュラは超帝國の総帝、ファロスディー・カナーン・トライブの移し身でありそのお膳立てをしたのが科学省の博士たち。ペールはその末裔。いやことによると粛清を逃れた者かも。重合人間とはまた別の方法でだからあの真名を持つと思えば(一応DESIGNSでは先祖がみたいに書いていましたけどもね)そういう事なのかなと。そしてペールは滅びゆく者たちの導火線で火が付いたアドラーを灰にするのはアマテラスと…。ヴュラードの最後の一言がアマテラスに侵攻を決意させたとありますが…ペールも関わってくるのか?それとも全てをジョーカーのように高みの見物しつつちょっかいも出す。そして…。ともかくまだまだ物語をひっかきまわしてくれそうです。そういう意味でも今後への布石となる回でした。

※追記:当ブログでは「超帝国」(ユニオまたはファロスディー・カナーンと呼ばれるAD世紀の星団の覇者)と表記しておりましたが今回からは原作準拠で「超帝國」と表記することに致します。先のエントリは特に修正いたしませんが何卒宜しくお願い致します。

※神聖ダスニカとディ・ヨーグンについては『DESIGNS2』に記述あり。(リンクはAmazon)

月刊ニュータイプ2021年7月号発売中/Amazon

ファイブスター物語/F.S.S第17巻絶賛発売中

ファイブスター物語/F.S.S第17巻絶賛発売中
永野護著/KADOKAWA刊月刊ニュータイプ連載『ファイブスター物語/F.S.S』第17巻絶賛発売中(リンクはAmazon)

このブログを検索

アーカイブ

QooQ