「FSSへご新規さん、いらっしゃい」|アトロクで取り上げられた『ファイブスター物語/FSS』初級講座。-Web-tonbori堂アネックス

「FSSへご新規さん、いらっしゃい」|アトロクで取り上げられた『ファイブスター物語/FSS』初級講座。

2018年7月8日日曜日

FSS manga

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 この火曜日(2018年7月3日)のTBSラジオ、『ライムスター宇多丸のアフター6ジャンクション』ハッシュタグ #アトロク の20時台ビヨンド・ザ・カルチャーのコーナーでファイブスター物語/F.S.Sが取り上げられました。ゲストの金田淳子さんがTwitterで開催されている『ファティマ総選挙2018』の結果発表も同コーナー内で発表という盛りだくさんな内容になっているというので、radikoプレミアムに加入しているtonbori堂はリアルタイムで聴取しました。まだお聞きになっていない方は以下のページから聴取が出来ますし、ラジオクラウドからなら半永久的に聴取(ダウンロード)可能だそうです。

当日の放送ログ|TBSラジオ|アフター6ジャンクション|

1986年から続く漫画「ファイブスター物語」を今から読むならまず最新刊でいい理由とは【岡田育が断言】音声あり

アフター6ジャンクション | TBSラジオクラウド

今回はアトロクを聴いての放送の雑感などを書いてみることにします。

ファイブスター物語 トレーサー Ex.2 |KADOKAWA刊|ファイブスター物語公式ファンブック、金田淳子、岡田育両氏の記事があります。(リンクはAmazon)
ファイブスター物語 トレーサー Ex.2 |KADOKAWA刊|ファイブスター物語公式ファンブック、金田淳子、岡田育両氏の記事があります。(リンクはAmazon)


リブート

 コーナータイトルは「宇多丸よ!前から知りたがっていた『ファイブスター物語』のことを教えにわざわざNYから来たぞ特集 &ファティマ総選挙2018結果発表! feat.岡田育・金田淳子」なんですが、予め金田さんからは初心者向けな内容になるというアナウンスもあり、作品のアウトラインをという話になるかなと思っていました。が、ここで同じくゲストの岡田育さんからの発言が放送ログのタイトルになっている「今から読むならまず最新刊」発言です。これは非常に面白いなと思いました。今も読んでいるマモルマニア、ファイブスター物語ファンなら周知の話ですが『花の詩女 ゴティックメード』公開後、連載再開時にそれまでの設定の大改変がありました。


 それまでもファティマのスタイルが劇的(デカダンからプラスティック・スタイル)に変わったり、モーターヘッドの装甲が重装甲になったり、新型の積層装甲、板バネ式補助筋肉が導入されたり(これはその当時メカデザインをしていたアニメ『ブレンパワード』からのフィードバックだと思います。)していたんですが、長い休載期間中が明けてみると、モーターヘッド黒騎士バッシュは、ゴティックメード黒騎士ダッカスになっていたのです。キャラも国名もそのままでしたが、それ以外では固有名詞など一部名称にも変更が加えられ、かなりの混乱に陥った事は以前にもエントリで触れた事があります。

tonbori堂漫画語り『ファイブスター物語』|Web-tonbori堂アネックス

 tonbori堂のファイブスター物語の出会いを綴ったエントリですが最後にトゥギャッターでのリンクを入れて改変の衝撃を伝えています。これは連載再開後に星団の最高頭脳ともいえるファティマガーランドがカステポーにあるミース・シルバー・バランシェ邸で集まった時にエストの産みの親、モラード・カーバイトが飛び入りでやってきたシステム・カリギュラのGTMガーランド、エルディアイ・ツバンツヒに語ったムグミカの預言の中で描かれたモナーク・セイクレッド(銀河の中心にある人の歴史を記憶しているシステム)に到達した超帝国炎の女皇帝ユニオ2ナ・イ・ンがクローム・バランシェの母アルセニックによってモナーク・セイクレッドに送り込まれたファティマ光のタイ・フォンが発した言葉「リブート」つまりファイブスター物語はそこで一度今までの歴史とは違う再起動を行ったとファンは解釈しています。


 岡田さんがファイブスター物語の基本キーワードとして挙げた、「年表」「再起動」、再起動リブートはGTMショックとも言うべき波となって賛否両論が出ましたが永野護はそれで揺るぐことなく今もリブートした設定で連載をつづけています。だからこそ岡田さんが提唱した最新刊から掘っていく作業は理にかなっているなと思いました。14巻はツラック隊エピソードで占められており(カイエンのエピソードも挿入されてます)流れが分かりやすいとともに主人公コンビ(天照とラキシス)も出ているので、ツラック隊エピソードは群像劇として特定の主人公は置いていません。いわゆる戦記物としての体裁もあり分かりやすと思います。そして個々のキャラやその所属国家など気になったら、もろもろ戻って掘るのに申し分のない要素が揃っているのです。


 そして掘っていって既刊の巻数から、12巻以前の所謂リブート前のモーターヘッドの世界やそれまでに描かれた広大な世界観を感じる事が出来るし、過去にはこう解釈されていたのかという考えも成り立ってくるという訳です(笑)放送でも話されていたけど「東方見聞録」で日本は黄金の国ジパングであったけれどその後にやってきたザビエルなどに紹介された日本とはという部分でまた違った日本が見えてくるという、そういった永野護がジョーカー太陽星団の歴史学者で研究成果を発表している…そんな感じは確かにあります。だから急にロボットがモーターヘッドからゴティックメードに変更になっても、最新の研究結果によりこれらのロボットは実はゴティックメードというものであったということが分かりましたという話でも何にも(笑)おかしくないわけなのです。

年表

 ファイブスター物語の大きな特徴としては年表があります。あらかじめ読者は何が起こるかを知っているわけです。もっとも魔導大戦のくだりはリブート以前、ハスハの事がクローズアップされてからの掲載になっていましたが、リブート前とリブート後では細かいところで修正が入っています。大きな出来事は予め決められた事のようで星団歴3159、A.K.Dのアドラー侵攻などは変更されていません。つまりラキシスはカラミティの戦闘でマグナパレスとともに宇宙の果てに飛ばされる事になるし、ジュノーの大帝はアトキで戦死するという歴史は変えられないのです。


 本編の漫画は第1巻が黒騎士とL.E.Dミラージュのジュノーでの死闘から始まり本編は、それに至る道程を、それこそ大河ドラマのように丹念に拾って行ったり、騎士やファティマたちの活躍を描く事によりひいてはジョーカー太陽星団を歴史秘話を覗く。そんな感覚があります。つまり年表でネタバレされていても、さらに深まる謎、意図された空白。文字だけでは分からないドラマ。そこもファイブスター物語の魅力の一つと言えるでしょう。


 多分こういう漫画は他に例がないと思います。基本的に映画と同じで先に話が分かっていると「マジック」が消えてしまうからです。ですがそれを逆手にとってあえて年表を置いたのは長大なストーリーであることと、歴史の裏にはこういう話があったという、まさに白土三平の『忍者武芸帳影丸伝』や『サスケ』のような歴史の裏で翻弄された民衆や野望を抱いて世界を動かそうとした者たちの物語が描かれています。そこがファンを魅了しているのではないかと思います。

ファティマ総選挙2018

 今回の第一位はラキシスでした。これまでおでこちゃんことメガエラ一強時代がありV3を達成メガエラが殿堂入りしていましたが去年に1位を獲得、V2を達成です。そう言えば400号記念のF.S.Sアンケート特集ではヒュートランの後塵を拝し、原作者永野護に何時も2位だなと言われていましたが、それだけにこの1位は本当に良かったなと。2位はエストでしたが、エストもファイブスター物語のイメージキャラクターの一人でありながらいばらの道をあるいているファティマ。今回は2位でしたが常にベスト3圏内のこの強さ。AKB48でいうと大島優子なポジション?でしょうか。


 しかし44分間で膨大な内容を詰め込み、脱線(暴走?)しそうになる金田さんを岡田さんが引き戻しつつ、ポカーン( ゚д゚)な宇多丸氏を徐々にディープな沼へ誘うまさに奇跡の44分間でした(笑)アシスタントの宇垣アナはお二人から散々筋がいいと言われているので新たな星団民が誕生するのは間違いないですね(笑)残りの順位などなどは放送とその後細かい結果発表が金田さんのアカウントから発表があるということです。

金田淳子|ファティマ総選挙2018は2日24時まで(@kaneda_junko)さん | Twitter

ご新規さんには

 で、放送を聴いていて思ったんですが、つくづくご新規さんには入りにくい漫画ではあるなと思いました。ただ、絵に惹かれた人や1989年の劇場版アニメを入り口に参入してきた人などいろんな入り口があるので今回の特集もそういう入り口になればいいなというのが1点。

 次にファティマ総選挙2018の結果発表が宇多丸氏のアフター6ジャンクションで放送されるということ。今まではフジテレビ系列のホウドウキョクで金田さん担当放送内特集で放送されていたのもあったんですが、今回は宇多丸氏がファイブスター物語初心者、いや貧者というか、宇多丸氏ご本人が無と言うと金田さんがナ・イ・ンを口走りという状況下でカオスな状況下で発表が行われました。

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 ここでアフター6ジャンクションという番組でこの特集が行われたのは大きいなと密かに思っています。ムービーウォッチメンなどやタマフル時代に(ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル)数々の漫画や映画に関する特集を行い、サブカルチャー関係に造詣が深く、また映画などでも鋭い分析をしてきた宇多丸氏がファイブスター物語を読みまた特集されることがあるかも!という部分では、これまた新たな入り口が出来たのではないかとファンとしてはちょっとワクワクするものがありました。実際には( ゚д゚)ポカーンな感じも伝わってきたんですが、それでも喰いつきは…うん悪くなかったと思いたい(ヲイ)いや宇垣さんは喰いつき良かったと思います(笑)

ということでまさに44分間の奇蹟の時間でした。

ファティマ総選挙2018結果発表

1位から5位までの結果発表ツイートです。ご参考までに。

5位/京




4位/アトロポス




3位/パルスェット(パルセット)



2位/エスト


1位/ラキシス


 以下のツイートからのスレッドにその他全ての結果が発表されています。気になる方はツイートのスレッドからご確認ください。





※20180927追記:若干本文を修正しました。意味が変わるとかそういうのではなく句読点、てにおはの類の修正です。

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