今回はさる2月11日に会期を終えた「DESIGNS永野護デザイン展」大阪会場の感想を残しておきたいと思います。3月に入ってしまったけれど思えば去年の2月に東所沢のところざわサクラタウンEJアニメミュージアムで始まった「DESIGNS永野護デザイン展」、その後名古屋での開催決定から開催終了後、時間が開いて大阪、福岡の開催が決まりました。巡回したいという話はEJアニメミュージアム開催時にNewtype編集長の編集後記にも言及があり何時かはやるだろうと思いつつ、名古屋開催が素早く決まり、この流れで関西にも来るか?と思いつつ2024年の11月に発表。これにはもう少し早めに情報が発表になればと思いつつも開催を喜んだものです。さすがに所沢だと何回も行けませんからね(苦笑)とは言えお財布の中身と相談しつつ結果今回4回も会場に足を運べたのはいい経験となりました。という事で今回のDESIGNS永野護デザイン展大阪会場の思い出を少し書いておこうと思います。
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永野護’86カレンダーに収録の「クローソー」原画、デスアンカーの系譜が見えます |
グランフロント大阪イベントラボ
今回の会場グランフロント大阪イベントラボにつきましてはファーストインプレッションで書いた通りですが動線に関してはいい感じだったかなと思います。地下のため、EJアニメミュージアムやテレピアホールの天井の高さは美点ではありましたが空間そのものが狭さを感じさせず良い空間でした。それに見やすかったしそこについては文句はありません。
ファーストインプレッションで照明が変わらなかったなとは書きましたが、直接間接などの照明はもう少し工夫があっても良かったかなとは思いますが油絵、水彩、アクリル絵具、セル画、線画での原画をどのように見せるのかというのは色々思案するところであり、絵画展ではないのでどれが正解なのか。実際に光線を絵に当てると劣化しますから。ただ写真撮影可エリアでの大判の表紙原画に関してはもう少し額装のガラスが反射しないような上手い照明をしてくれたらなあとは思いましたね。
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閉幕日の一コマ。いい写真が押さえられました。 |
ロケーションに関してはこれはもう文句のつけようがないかと思います。何と言ってもJR大阪駅からすぐだし、食事に喫茶、買い物など交通の便に関しては今回の会場がダントツに一番かと思います。終わった後に映画も見れるし本屋さんに行くのも便利ですし何より府外からのお客様にとっては駅からの近さはありがたいのではないかと思いました。とはいえところざわサクラタウンの開放感ってのはあれはあれで美点だなと改めて確認しましたね。
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グランフロント大阪北館/イベントラボのある建物です。 |
DESIGNS
肝心の中身については大阪会場からサンライズで発見された新規のイラストが4点追加となりそれはよかったなと思います。実のところ巡回展ではやはり会場ごとの特色というか目玉が無いと集客は難しいのではないかと思っていたので、それは永野護トークショーもですが、やはり新規の何か作品はあったら嬉しいなと思っていました。もちろん所沢でも名古屋でも見た作品を再見するのも、何度見てもいいものは良いというやつではあるんですが、やはり一度見ればそれで良しな人でも新規の絵が加わりましたとなればそれは行きたくなりますよね。その中でもサンライズ(当時日本サンライズ)面接時に提出したカラー作品というのはどんなものだったのかというのが今回発見されたのは永野護の原点を「デスアンカー」以外で再確認するという意味でも興味深い2点でした。それとともにオーラバトラーの原画もそのデザインがMHファントムになったという事は連載扉やそれこそDESIGNSなどでは言及はされていましたけどその現物が出てくるとは。これもまた動いているところが観たかったなと思うデザインでした。4点目のエルガイムのイラストはいわゆる版権画というやつですが、サンライズのカレンダーの中の1点としての書き下ろしかつMK2が正式に決定する前に描かれたものとしては貴重だし大きなサイズで描かれているため細部のディテールもじっくりと見る事が出来ました。この画もまた永野護の好むモチーフがいっぱいでそこも面白いなと思いましたね。
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ファイブスター物語/ファーストイメージコーナー(今回撮影可となったエリア) |
そして今回写真撮影エリアが拡大。earlyFSSとでも言うべき角川別冊テレビジョン/エルガイムに掲載されたFSS関係の原画も写真撮影可となっていました。これも大阪会場の目玉と言ってもいいでしょう。出来ればエルガイムコーナーの表紙イラスト原画も〜と思いましたが、「ファイブスター物語/FSS」という括りで考えればこれで良しとするべきでしょうね。ちなみにフール・フォー・ザ・シティ(FFC)のコーナーから撮影可でしたのでアラニアのセル画とゲートキーパーズも撮影可なのも良かったと思いますが、今年FSSに先駆けて40周年を迎えたFFCなのでデザイン展ではあるもののFFCはもう少しコーナー展示あってもなあとは少し思いました(;^ω^)それとフォガットの『フール・フォー・ザ・シティ』が何故かバイファム、ゴーグ、ダンバイン、エルガイムのコーナーら辺でBGMとして掛かっているのが気になりました。いやこのアルバムをモチーフにしているのはそれこそ漫画『フール・フォー・ザ・シティ』なので。結局閉幕までそのままでしたがそこは残念ポイントではありました。ただこれは『フール・フォー・ザ・シティ』のコーナーがFSS表紙原画コーナー直前に移動した事で表紙原画コーナーでかかっていたゴティックメードの主題歌である「空の皇子 花の詩女」などが流れていたので音が被る事から入り口近くのバイファムなどのコーナー近くで流す事になったのかなと思っています。ところざわサクラタウンや名古屋テレピアホールではゲーム関係の原画コーナーより前にFFCコーナーがあったように記憶しているので。
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ファイブスター物語/ファーストイメージコーナー(今回撮影可となったエリア) |
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閉幕日の一コマ。アトロポスと運命の三姉妹のセル画にピンスポットが |
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デトネーター・ブリンガーが2騎揃い踏み。さて福岡では? |
そして永野護トークショーは奥様でもある川村万梨阿さんと元角川書店社長の井上伸一郎氏、まもしんのしんの字とともにという座組はところざわサクラタウンでの開催時に抽選に漏れてしまったので、ある意味リベンジという意味でトークショーの席が取れたのは嬉しかったですね。初生永野護を拝見できたのも良かったし、内容は書けないけれど面白い内容が聞けたと思っています。福岡ではやらないのかな?でも4月に井上センム(なんかこの呼び方がtonbori堂の中では定着しているのです)の刊行される『メディアミックスの悪魔』(リンクはAmazon)という井上さん自身の自伝的書籍が3月に刊行されるのに合わせてトークショーが2部制で計画されています。その第1部は永野護トークショーと同じ座組なのでそちらに行かれる星団民も多そうですよね。どんな話が飛び出すか?はたまた脱線するのか(笑)気になりますがそちらは泣く泣く見送りですのでどこかでオフレコでお話が聞ければなと思っております(;^ω^)この『メディアミックスの悪魔』(Amazon)は昔トイズプレスから刊行された井上さんの『マモルマニア』的な内容もと思いましたが書籍説明文では井上伸一郎という人が影響を受けた物事を自分語りで書き下ろした内容のようでまさにおたく第一世代の年代記的なものになっていそうで今から読むのが楽しみです。そしてこの機に『マモルマニア』も復刻しないかなあ…。
DESIGNS巡回展
今回の大阪会場展よりローチケ(ローソンが運営するチケットサービス)での販売となりグッズも新規のものが用意された事と大阪会場の目玉として新規原画が初出し、ガレージキット展示関係もメーカーサイドから新規リリースの原型など巡回展らしくなってきたなと思いました。そこは素直に良かった点として評価できるかと思います。会場選定としても都心部ど真ん中のグランフロント大阪イベントラボを会場として押さえて開催出来た事により集客も見込めたし良い事尽くしのようにも思いましたが反面、1階カフェラボでコラボメニューがカプチーノのラテアートのみだった事(カフェラボは食事も出せたのでもう一声欲しかった。)また照明関係に関しても同じだったなという事に関しては今後も改善出来る点はあるのでは?という部分があります。それでもさすがに所沢は遠いよという事で諦めていた関西の星団民(ファン)にとっては今回の開催は僥倖だったと思います。そして大阪会場開催とともに予告されていた福岡会場も福岡三越にて開催が決定4月5日よりゴールデンウィークに閉幕日が設定されており盛り上がりが期待出来ますし九州上陸したなら次は四国、そして中国地方、当然東北北海道などもと各地の星団民も期待してしまいますよね。なので大阪はグッズも売り切れが出たという事でこの好調の波にのって他地域の開催も成就するといいなと思います。残念ながら全ての会場を追っかけるにはtonbori堂財力が枯渇してはおりますが行ける範囲であればカバーはしたいなと思っておりますので要望としては今後も魅力的な展示と開催地スペシャルを(今回は初出し4点の原画でした)用意して欲しいなというところでしょうか。コラボメニューについては飲食伴うのでハードル高めかとは思いますので出来る範囲でという感じで。
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ラキシスのオペラスーツ、原画の色の鮮やかさは是非。 |
来年は『ファイブスター物語/F.S.S』連載40年の節目となります。もしかすると40周年記念の新たな展開もあるかもしれません。そんな事に思いをはせながらもまずはDESIGNS永野護デザイン展の巡回展が各地で成功するように祈念しつつ今回の大阪での思い出を締めたいと思います。
※「ファイブスター物語第18巻」は3/10に発売(ブクログ/Amazon)
ファイブスター物語 18
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