今年もあと2日というか実質1日な30日に今年の話は今年にしようということで、12月18日に最終回を迎えたフジの『全領域異常解決室』の事をつらつらと語ってみようかと思います。『全領域異常解決室』はtonbori堂が秋ドラマで最もはまった1本です。初回の感想は『SPEC』みたいなのか?と思いきや、実は『TRICK』なドラマかな?でしたが回を重ねていくうちにみるみるうちに引き込まれていました。ターニングポイントの5話やギアが一段上がった7話など、最終回まで楽しませてくれたドラマでした。
神ドラマ
元々の着想は脚本の黒岩勉さんがお伊勢参りに行ったときに神様のドラマは面白いかもというところから始まっているそうで、下手をすると『聖☆おにいさん』みたいな話になっていた可能性もゼロじゃなかったかもしれません(ヲイヲイ)
リンク|『全領域異常解決室』脚本家・黒岩勉氏がドラマの構想経緯明かす 神VS神の全面戦争…物語の全貌明らかに 【コメントあり】 | ORICON NEWS
でも実際に出来上がったお話は壮大なジャンプ漫画のようなお話でした。初回は軽くジャブを打ち、言わば特殊能力を持つ人が引き起こした異常な事件と思われたのが実際には人が起こした事件でしたと言う建付けはTBSの『SPEC』っぽいんですがオチはテレ朝の『TRICK』でしたという(そう言えばどちらも『SPEC』『TRICK』ともに堤幸彦監督演出ですが堤監督の得意とする出オチなギャグは無くほんのりクスっと笑わせるところも塩梅が良かったです。正直、堤監督くどい時がありますから)話なのかなと4話まで思わせておいて(もちろん福本莉子演じる豊玉をちょいちょい出しておいて『SPEC』のニノマエっぽさを出してきていましたが、5話でガラリと様相が代わり7話でギアが一段上がっていったという。よく出来た作品を神作品とか言いますけど神様が主要登場人物ということでまさに「神」ドラマでしたね(笑)
全領域異常解決室とは?
最初は大和朝廷の時代からある日本最古の捜査機関として神隠しや狐憑きなど人智を越えた事件を解決する部署として活動していたという説明が第1回にありましたが、そんなに昔からあるのに「室」なのはこれ如何に?と実は思っていました。この「全領域異常解決室」という部分は米にある未確認飛行物体などの案件を解決するために国防総省に設立された全領域異常解決室から来ていると思います。確か黒岩さんやスタッフインタビューでもその話出ていたような気がします。だから『全領域異常解決室』なんですが(ちなみに陰陽師も所属していたとかで、朝廷にあった陰陽寮はどうなるんだよとか少し思ってしまったのでそこらへんは昔は検非違使とともにあった〇〇〇司とかそれっぽいの作ってくれればとは思いました。(要するに背景的なアレですね。)とは言えご維新後に「室」の体裁になった感じがありますが神の生まれ変わりが続いている中で存続しているからそれは確かに長い間続く組織で、東京だけではなく京都、出雲、伊勢にも設置されているという事が明かされていました。(局長会議などで宇喜之局長が言及)突如最終回に出てきたカグツチ(日野克己)は京都の室長であり、偉そうなのでどうも京都の方が全決の中ではトップのようです。というのもアマデラ局長というのが天照大神を連想させますから多分京都がトップで伊勢、出雲、東京の順番って感じでしょうか。神様だけに底知れない組織ではありますがヒルコとの戦争状態の前は基本的に生まれ変わりを果たした神様が起こした人智を越えた力で起こしたトラブル案件を人の世になじませるように丸くオチを付けて解決する部署だったというのが6話で語られています。
絆と愛の物語
で、終わってから再度観直して(実は6話の時点で1度、そして7話でさらにもう1回最初から観直しています)観るとエモーショナルな絆と愛の物語であるなというのがよく分るんですよね。脚本の黒岩さんはTBSでやった『マイファミリー』『ラストマン』でも絆と愛の物語を含ませていたけど、それが黒岩さんの隠しテーマなのかも。でも『全領域異常解決室』は悠久の時間を生まれ変わりによって生きている神様の物語なので何かとエモいんですよね。特に全決に配属された小夢がアメノウズメノミコトだと分る(とは言え興玉の名前から神隠しにあった被害者の名前がもしかして神様に関係しているのではという話が出ていた頃、あきらかに小夢ってやっぱりそうなの?という話が出てはいました)と芹田(サルタヒコ)と興玉との関係性が急にエモくなって、これは凄いなと改めて思いました。多分、最初からそうやられていたら、いやこれはうそくさいなとなって観てなかったと思うんですけど、通常の少し変わった刑事ドラマの体を装いつつ上手く仕掛けていると感じました。そしてその関係性を演じた藤原竜也に広瀬アリス、迫田孝也も良かったですね。特に演技巧者の藤原竜也に対して広瀬アリスが受けて立ってるのも良かったですね。最初は記憶を失っている訳なんだけど7話の過去話で立場逆転しているのがもう凄くてここがまたエモいんですよね。ごっつあんですって感じです(笑)ただのバディモノを越えてきてるなという感じがひしひしと感じます。
ラストシーンのもう一度、ただの人である小夢に興玉が「事戸を渡す」シーン、人差し指が浮いてた事で渡していないんじゃないかとかいう話が出てました。街で興玉とすれ違った後、全く振り返りもせずやっぱり記憶は消されたのかというところで最後に呼び出しの鈴を取り出すあのシーンは好きですね。ああいう色々妄想できるのは好きです。それにやっぱり小夢の神の記憶ももしかしてあの鈴が鍵になって取り戻す事が?神気を受けて神器となった鈴とかありそうですもん(笑)
アッセンブル感
もう一つ、八百万の神々の物語ですからいろんな神様が出てくるのが「アベンジャーズ、アッセンブル」という集合する感じ、仮面ライダーで1号、2号、V3が揃い踏み(古っ、今なら仮面ライダーガウとガッチャードとギーツ、リバイスか?)が大集合みたいな感じがあります。元から全領域異常解決室という括り考えると戦隊シリーズっぽいさも。そういうヒーロー作品の則も持っていて、そこも好きでしたね。当然全決京都も出てきた以上出雲や、実はその他の神とは違う勢力(それこそ仏教系の裏高野みたいな)、海外の神も絡んで来たら面白いと思いましたが…それは難しいかも(笑)でも全決京都が出てきた以上、そちらの物語も観てみたい気がします。特に局長誰が演じるのか。カグツチ演じた溝端淳平が以前フジの刑事ドラマに出ていた時の上司、ボス役のあの人の名前が上がってたのですが確かに天照大神なら名前的にもピッタリかと(笑)もっとも当ブログ的には『ファイブスター物語』のアマテラスがいるので天照大神は混同してしまうので放送中もどうなるかハラハラしておりました(苦笑)
続編
続編がどうなるかは正直分かりません。視聴率は苦しかったと聞いてますから数字をみると厳しいかもしれません。ですが同じ水10の『パリピ孔明』(これも面白いと思って視聴してたドラマです。ちなみに漫画原作ドラマです。)が一部で話題になったものの数字はそこまで伸ばして無かったもののどういう経緯か映画化の運びとなったようです。そこから考えると続編は映画でとかありそうですが、ここはドラマでやってほしいですね。今回の仕掛けもドラマならではだったので。例えばNetflixと組んで配信とかあれば(普通はFODオリジナルなんでしょうけど入ってないので希望的なもので)いいかなとか。もちろん地上波放送が一番なんですけれど。今後の動きも注視したいと思います。
※ブクログ/Amazon|全領域異常解決室サントラ、割と癖になるBGMです。
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