という事で、毎度おなじみの『拳銃は最後の武器』シリーズ、今回は『ジョン・ウィック:コンセクエンス』に出てきた銃を解説しちゃいましょうか。
チャプター2からやってるこの『拳銃は最後の武器』シリーズ。公開前にチャプター2とパラベラムのエントリがちょっと伸びたりしてやっぱり気になってる人いるんだなと思いました。今回も色んな銃が出てきましたが弾薬も前回は12ゲージのアーマーピアシングとかインフレ起してたけどそれを越えるビックリ弾薬が登場しました。しかもこれ本当にあるやつだったと聞いてビックリしましたよ。(ソースはTBSラジオ、ライムスター宇多丸『アフター6ジャンクション』でのチャド・スタエルスキ監督へのインタビュー)スタエルスキ監督のインタビューではウィックの銃についてもガンマニアの側面もある宇多丸氏からの質問で面白い解答もあったので必聴ものです。(スタントチームについても日本からスタエルスキ監督がドニー・イェンと組んだりしているアクション監督の谷垣健治氏に相談して推薦された川本耕史氏の話や『ベイビーわるきゅーれ』に主演していた伊澤沙織氏の話も出てきて『ジョン・ウィック:コンセクエンス』の裏側を知るのによいインタビューになっています。)
ソース|TBSラジオ(Spotifyポッドキャスト)/ライムスター宇多丸のアフター6ジャンクション特集『ジョン・ウィック:コンセクエンス』公開記念チャド・スタエルスキ監督インタビュー/
『ジョン・ウィック:コンセクエンス』の感想はこちら(リンク)|「 静かに瞑れ」|『ジョン・ウィック:コンセクエンス』感想【ネタバレ】-Web-tonbori堂アネックス
ジョンの銃、ピット・ヴァイパー
ピット・ヴァイパーというのは毒蛇の事でバワリーがジョンに説明する時に言ってましたが、拳銃ではコルトもリボルバーに蛇の名前を付ける事が多くコブラやパイソンが有名です。確かヴァイパー(バイパー)もあったように思います。でもこちらはオートマチックピストルで、チャプター2からテクニカルアドバイザーとして参加しているシューターでガンスミスのタラン・バトラーの手によるオリジナルカスタムです。見た目は競技用の軽量化されたスライドとコンセンペイター(反動軽減装置)を備えたハイキャパですが、色違いの銃身をもつタラン・バトラーらしいカスタム銃です。弾薬は9mmパラベラムを仕様。監督インタビューによると、ジョンの最後の武器として侍が携える刀のような銃を欲してタラン・バトラーに発注したとか。マガジン(弾倉)には21発。まさにハイキャパシティな銃をガンガン撃ちまくるけれど他の銃は捨ててもこの銃は常に携えているジョンの最後の相棒です。前回のパラベラムで利用していた同じくタラン・バトラーの手によるコンバットマスターのエアガンもあるので当然といえば当然なんですが、こちらのピット・ヴァイパーもエアソフトガンで出ています。ただし人気が高く品薄状態みたいです。マルイのハイキャパベースでカスタマイズも出来るかもしれませんがちょっと大変かも。ちなみに冒頭で主席連合の首長(旧)と対決する時にはグロッグカスタマイズのTTIコンバットマスターを使用していました。
ブランド: Generic [EMG] TTI ライセンス PIT VIPER ガスガン GBB by AW Custom/リンクはAmazon |
このピット・ヴァイパー、TTIがベースとしているのはSTI2011というスライドと1ピースグリップがセットになったモジュラーガンシステムでトイガンメーカーKSCさんがSTIラインナップを揃えていましたね。今は殆どソールドアウト状態で再生産はしているのかは調べていないので分からないんですが、信頼性の高いコルトM1911の機構をベースとしたSTI2011はシューターに愛されているというのが宣伝文句だったように思います。現在はSTACCATOと社名を変更しているというところまでは調べました(最近は殆ど銃ネタ情報から離れているので(;^ω^))
※本文中でマルイのハイキャパをって書きましたけどマルイや中華メーカーのハイキャパに組み込むスライドも発売されているようですね。こちらを使ってセルフカスタムも有りだと思います。但し自己責任になりますが。(社外品のため)リンク/【EMG】EMG/STI JW3 コンバットマスター 2011 スライドセット マルイ/WE ハイキャパGBB対応 /(Amazon)
ケインの銃、SIG SAUER P365
ケイン(ドニ―・イェン)の使うのがSIG SAUER P365です。前回のパラベラムではさらにコンパクトになっていたモデルをソフィア(ハル・ベリー)が使っていましたが、今回はケインのメインアームとして大活躍。目が見えないケインですが気配と工夫で確実に屠るスタイルで銃を撃ちまくりで不思議とそれがはまっているんですよね。さすが『ローグ・ワン/スターウォーズストーリー』で盲目の僧侶戦士チルアートを演じたドニー・イェン。しかし再び盲目のキャラクターを演じるのは躊躇したともパンフにありました。スタエルスキ監督はよろめく感じの座頭市なキャラクターを想定していたそうですが、もっとスマートにさせてくれとのオーダーでケインのキャラクターが固まっていったのだそうです。結果、後天的に視力を失ったにも関わらず、その鍛えられた能力とその後に研ぎ澄まされた感覚で健常者と変らない技を駆使する事になったケインは確かにドニー・イェンにしか演じられません。
ソース|SIG SAUER P365 - Wikipedia
SIG SAUER P365 |
Digitallymade - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=65969600による
そんな彼が使用するSIG SAUER P365はSIG SAUERの米国法人が開発したなどは前回のパラベラムの時にも書いたんですが、今回は前回よりなんかデカくない?って思ったんですよ。前回ソフィアが使ったのは個人のガンスミスがカスタマイズした元々のコンパクトモデルで、さらにコンシール(隠し持つ)に適したものになっており、今回ケインの使用しているP365SASはコンペンセータ(銃口に取り付ける反動減衰器)が装着され大きく見えるのでした。マズルブレーキ(コンペンセータと同じようなもの)などやエクステンションバレルアタッチメントが付いていると銃が一回り大きく見える現象?のようです(笑)
ちなみにP365は本国ではCo2ガスガン出ていますが日本には入っていないようです。(Amazon&楽天調べ)SIG SAUER P320であるところの米軍に正式採用されたM17が日本向けに仕様変更したモデルが輸入されているようですがコンパクトではないので難しいところですね。中華メーカーも無いようですが今後どこからか出てくるかもしれません。
キーラの銃、Smith & Wesson M500
スコット・アドキンスが演じた殺し屋にしてベルリンのナイトクラブ『天国と地獄』のオーナー、キーラがジョン、ケイン、Mr.ノーバディとテーブルで対峙した時に取り出した拳銃はS&Wのハンドガンで最大のストッピングパワーを誇るM500です。その大きさはまさにハンドキャノンというべき大きさでした。4インチでもこの迫力。映画ではメインで出てくる事は稀ですがやっぱり世界最強クラスのピストルってのは厨二心をくすぐられます(笑)もっとも派手に活躍する事は無かったのでそこは残念です(;^ω^)
S&W M500/Wikipediaより4inモデル |
CC 表示 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=852854
Mr.ノーバディの銃、Smith & Wesson M627&Marlin Model 1894
今回の銃のチョイスでは一番いいなと思ったのがMr.ノーバディ(シャミア・アンダーソン)の銃のチョイスですね。サイドアームにリボルバー、そしてメインアームに分解式のレバーアクションライフル。クラシックな機構を備えた銃を使う追跡者はまさにプロ。故障も少なく持ち運びも容易というまさに見た目に特化した(ヲイヲイ)武器のチョイスには痺れます。プラス犬とのコンビネーションは作中、もしかすると最強クラス?
M627は.357マグナムを使用するM27のステンレスフレーム版でコンバットマグナムでお馴染みの次元大介がLUPIN THE 3RDシリーズで使っているのは実はM27であるというのもあって、またマニア魂に火が付きます(笑)、ちなみにMr.ノーバディの銃はS&Wのカスタム部門であるパフォーマンスセンターが製作したカスタムリボルバーで8連発。これを高速で射撃するシューターも米本国には存在します。YouTubeにその映像はあると思うので興味のある方は探してみてください。ちなみに木製グリップ付きでした。こちらはタナカからガスガンが出ていました。
ソース|S&W M27/PC M627
タナカ(Tanaka) S&W M627 5インチ エイトショット ステンレス フィニッシュ バージョン2 18歳以上ガスリボルバー/リンクはAmazon |
ソース|マーリンM336 - Wikipedia
マーリンM336(M1894の先代モデルM1893を近代化したもの)/Wikipediaより |
By The original uploader was Jeff dean at English Wikipedia. - Transferred from en.wikipedia to Commons by TFCforever., Attribution, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=14064153
ライフルはウィンチェスターM1873のようなレバーアクションライフル。マーリンM1894、マーリンは調べてみると結構歴史が古く買収されながらも今も色々なライフルなどを製造販売しているメーカーでした。.45-70を使用するM1895は『ウインド・リバー』(リンクは当ブログでの感想エントリ)でジェレミー・レナ―や『ジュラシックワールド』でクリス・プラットが使用していましたね。今回のライフルはカスタムされていて、銃床部(ストック)がテイクダウン(分解)出来る特殊なもので、他作品では『ダーティハリー』で殺人犯スコルピオが使用した旧帝国陸軍の二式小銃をスポータータイプに改造したライフルがそういう機構を備えていました。二式小銃は落下傘部隊のために持ち運び易いように銃身と機関部が分割出来るように設計されたライフル銃ですが、こういう持ち運びやすいデタッチャブルタイプは殺し屋映画では時々見られます。実用的なハンドガードにレイルシステム、マズルにサイレンサーを装着出来るのもよいですね。こういう多機能デタッチャブルライフルがMr.ノーバディのトラッカー(追跡者)として身軽さを演出しているのもいい感じでした。Mr.ノーバディは装備も多機能パックを背負ってベストを着て、拾ったネタ(情報)をノートに付けてて、銃のチョイスを含めて今回の新登場キャラクターでは一番美味しいところをもっていったかも?
決闘用ピストル/トンプソン・センターアームズ/アンコール
物語の決着を付ける決闘用ピストルはトンプソン・コンテンダー、かと思ったら海外のサイトで調べて見るとコンテンダーを改良してさらに強力な弾薬を使用できるようにしたアンコールというタイプでした。形としてはコンテンダーなんですけどそのクラシックなスタイルと単発であるところが現代の決闘用ピストルとしてはぴったりです。口径を様々な大きさに選択出来るので.22ロングライフル弾から上はワンオフですが.600ニトロエクスプレスという象撃ち用のハンティングライフルに開発された弾薬を発射出来る銃身に換装したものもあるそうです。今回も古式銃のような趣のある感じでまさに「最後の武器」という風情でした。ちなみにグリップをライフルストック化して、銃身を長銃身にしカービン銃化したものもあるそうですよ。こちらもそれを使う殺し屋とかが出てきそうな勢いです(笑)昔デジコン・ターゲットというエアソフトガンがそのトンプソン・コンテンダーを模したものでライフルストックタイプもありました。以前はAmazonでも販売されていたんですが、威力が強すぎる事と、現在は生産が終わり入手は困難かと思います。どこぞのセコハンショップでの中古商品狙いしかないでしょうが、威力が出過ぎる、改造が簡単という事で条例違反になっているという事も聞き及んでいます。くれぐれもご注意ください。でもどこぞでレギュレーションを守ったコンテンダー出ないでしょうかね。マルゼンのAPSあたりなら出してもおかしくないと思うのだけれど。
ソース|デジコン - Wikipedia
劇中に登場した銃の同じメーカー、機構を持つトンプソン・コンテンダー/シングルショット、Wikipediaより |
英語版ウィキペディアのMike Searsonさん - https://en.wikipedia.org/wiki/File:TC-Contender.JPG からコモンズに移動されました。, CC0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=88858962による
追記:拳銃は最初の武器。今度は銃器のパラダイス!【パラベラムに出た銃器チェック】|『ジョン・ウィック:パラベラム』|解説-Web-tonbori堂アネックスをチェックしてたら、今度は旧式の対戦車ライフルとかトンプソン・コンテンダーとか出ないかなとか書いててちょっと(◎_◎;)していました(笑)まあそれだけ画になるし単発というのが燃えるんですよね。
今回も
多彩な銃が登場しましたけれど気になったところは以上でしょうか。最後に使用されたトンデモ弾薬について。これはドラゴンブレス弾という弾薬でショットガンの弾薬に込めて使用されます。見た目が派手ですが実際にはマグネシウムを使った低威力なものらしいんですが(Wikipedia情報)とは言え作中では対称を炎をで包み、非常に高威力に見せているのもまさにアクション映画らしい外連味ですよね。パリでの決闘に急ぐジョンを懸賞金目当てで狙う連中が用いるのを逆襲したジョンが使うのですが、古びたアパルトマンを天井からの視点で追うアクションシークエンスはそのドラゴンブレスの効果と相まって迫力がありました。今回は上映時間が長尺になった分、パラベラムがジョン・ウィックのおつかいみたいな感じになっていたのが、今回はケインや大阪コンチネンタルの激闘、ベルリンでの死闘、そしてパリでの追跡と階段落ち、そして決闘というシークエンスで言うほど気にならなかったのも大きかったけど、それぞれのアクションシークエンスでのアイデアやドラゴンブレス(火の玉)のような視覚効果も持ち込んだりでのとにかく詰め込めるだけ詰め込んだアクションの玉手箱という風情になっていたのも大きかったと思います。そこにピット・ヴァイパーを携え、最後はトンプソン・コンテンダー(アンコール)で締める、ガンアクション映画としてはもうお腹いっぱいでごちそうさまでしたの1本になっていました。
※タナカからM500出ていますね。(Amazonより)
※マーリンのエアソフトガンやモデルガンは出ていないけれど例えばウィンチェスターのモデルなんかでMr.ノーバディを気取るのもありかもしれません。台湾のトイガンメーカーDOUBLE BELLさんのランダルカスタム(ソードオフタイプのウィンチェスターレバーアクション)にハンドガードをレイルシステム、そしてフラッシュハイダーを装備したタイプならいい感じになりそうです。|リンク|DOUBLE BELL ウィンチェスター ランダル&M-LOK Co2 ガスガン リアルウッド ハイダーセット No.107C/Amazonより
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