M.C.Uドラマからマーベル・シネマティック・ユニバース(M.C.U)に思う事|tonbori堂M.C.U語り-Web-tonbori堂アネックス

M.C.Uドラマからマーベル・シネマティック・ユニバース(M.C.U)に思う事|tonbori堂M.C.U語り

2023年8月10日木曜日

drama MARVEL movie

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 ということで実は『シークレット・インベージョン』に絡めてこの話も書こうと思ったら『シークレット・インベージョン』雑感(<当該エントリのリンク)が思いのほか長文になってしまったので改めてディズニープラスで配信されたM.C.Uドラマ全般『シークレット・インベージョン』まで観て、M.C.U映画も含め最近思った事を書いてみたいと思います。M.C.Uの多産体制(ディズニープラスローンチのためのコンテンツ製作)から今後のM.C.U全体の展望についてにも話が飛びそうですが何卒お付き合いのほどをよしなに。

 Marvel Studios Announcements at D23 Expo 2022/Marvel Entertainment/YouTube

・動画は2022年、ディズニーファンイベントD23でのマーベル・スタジオのケヴィン・ファイギによるプレゼンテーションの一幕。2023年公開予定のM.C.U映画の他にディズニープラスのドラマの紹介もあり、『シークレット・インベージョン』からはドン・チードル、『ロキ』シーズン2トム・ヒドルストン、キー・ホイ・クァン他キャスト、『エコー』キャスト、アラクア・コックス他『デアデビル ボーン・アゲイン』からは『エコー』にも出演のヴィンセント・ドノフリオにマット・マードックを演じるチャーリー・コックスが登壇していました。

現在のM.C.Uの状況

 ディズニーのCEOに復帰したボブ・アイガー。辣腕でマーベル・スタジオが今の形で安定して制作できるようになった功績は彼にあることは否めません。ケヴィン・ファイギを降ろそうとマーベルの会長であるアイザック・パルムッターが動いた時にそれを阻止したのがアイガーです。もちろんビジネスマンとしてスタジオが結果を出しているのにその体制を崩して自らの影響力を行使するような独善的なビジネスパーソンは危険と判断したからだとは思うのですが、結果M.C.Uはフェーズ3を無事に乗り切り『アベンジャーズ/エンドゲーム』で有終の美を飾りました。(フェーズ3の最終作は『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』ですが。)その後を継いだボブ・チャペックがCOVID-19パンデミックの影響などで収益を伸ばす事が出来ず、彼の退任後再びアイガーが辣腕を振るうようになり、損切やコストカッターとしての側面が出てきているように思います。だいたい、調子のいい時はいい面が強調されますが業績悪化すると悪い面が頭をもたげるのは仕方が無いとしても協業するクリエイターや俳優たちのストライキに対してのアイガーの言説はあまり聞いていて気持ちの良いものではありません。もっともそれとは別にMCUの多産体制についても、「集中力と注意力が希薄になった」と発言しています。それについては同感と思う部分もありますが他方、ドラマであることの有利な点や世界を拡張する有効な映像作品ではあると思っています。


 『ワンダヴィジョン』はそのスタイルといいワンダ・マキシモフを深掘りする作劇は好感をもって迎えられたかなと思う反面、積み残した問題やラストのアクションについての不満が多かったようにも記憶しています。tonbori堂としては悪く無かったけど(ウー捜査官やダーシーとかそれまでのMCUサイドキャラクターが登場したのも嬉しかったし)今思うと積み残した問題のうちワンダの話が『ドクター・ストレンジ:マルチバース・オブ・マッドネス』でいや解決してへんやないかーいってなったのと白ヴィジョンが放置状態な事で、思えばあの頃から既にクリフハンガーや伏線をばらまいておいても次作で回収出来て無かったり監督変更やシナリオ変更でそうなってしまったかという状況が頻出しているという事が見て取れると思います。


 その中でも『ホークアイ』は過不足なくホークアイとしてのクリント・バートンの物語とクリスマスまでの物語。過去のローニンであった時の因縁を持つヴィラン、エコーやナターシャの件での映画『ブラックウィドウ』でのエレーナの因縁の決着。新キャラクターであるケイト・ビショップの紹介が行われていて好感が持てています。そんな『ホークアイ』でも鳴り物入りで登場したキングピンがNetflixマーベルで製作された『デアデビル』のあの恐怖、サイコパス感が薄れてコミックキャラになってると非難が。いや元々マーベルのコミックキャラなんですがというツッコミはさておき、それだけシリアスで大人の鑑賞に耐えうるNetflixマーベルシリーズの凄さも感じるんですがマーベル・スタジオはその頃のマーベル会長パルムッター体制でのマーベル・エンタテインメントに関してはちょっと冷淡な感じがします。もちろんパルムッターの事やエンタテインメント傘下のテレヴィジョンでの話など噂レベルでの話は色々耳に入っているけれどそれにしても無かったことにしつつも人気が無視できないのでキャスティングはそのままというアンバランスさやそれ以上に秘密主義と多数生産の行き過ぎでの情報交換が出来ていないところでのハンドリングにほころびが見え始めたのがこのMCUのフェーズ4、フェーズ5端緒ではないかと思っています。

MCUフェーズ5への展望

 インフィニティ・サーガ後の新たなサーガ、マルチバース・サーガとしてのフェーズ4は大型クロスオーバーイベントとしての『アベンジャーズ』シリーズにつながる種まきフェーズとこれまでは説明されていました。それぞれの独立した作品がそれぞれの脚本家、監督の作風で味付けされるのは大歓迎なのですがそれをまとめ上げる余地というかのりしろがこの所悪く言うと、がばがばでくっつかないかも?と思わせているのが問題ではないかなと思っています。今はストライキ中で色々ストップしているので完成して公開時期が決まっている『ロキ』シーズン2と『エコー』以外は製作は全ストップ状態。ここから建て直しを計るという感じになるんですけどもその全体像はまだ見えてきません。

 それに製作状況だけでなく役者の問題(ジョナサン・メジャースのDV問題の決着もついていません)も抱えている状況ですから、ストライキ後はさらに俳優陣への身辺調査とかが入るかもしれません。そうなるとトニー役ロバート・ダウニーjrがそもそもドラッグ乱用とアルコール依存症でキャリアを棒に振りかけていた時期から立ち直ったところでトニー役にという話が皮肉めいてしまいます。それでもメジャースがその行為のはっきりしていない状況下で疑わしきでも白黒はっきりついてから(司法の場で)だと思われますのでこの問題が解決するのも時間がかかりそうです。


 一ファンとしては、それぞれの作品の独立性は保ちつつクロスオーバーでのキャラクターへの最低限の連携は取って欲しいし、ワンダヴィジョンからのマルチバース・オブ・マッドネスのような展開をするにしてもそこに納得のいく理屈はつけておいてほしい。作品と作品のスパンが空いてもいいからここの製作体制はきつくならないようにブラッシュアップして欲しいの2つでしょうか。ストーリーについてはこれはもう出来たものが面白いか?面白く無いか?の世界ですから。ただキャラクターシリーズであればそのキャラクターはやはり一貫性が欲しいところです。アイアンマンは少なくともあったしソーはおバカなキャラクターってのが上手く3作目につなげられた。けれど4作目は悪ノリがすぎてしまいました。ジェームズ・ガンの『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのように監督が通してやるのが一番いいんですけれど、アントマンの事もあるしケミストリーとシナリオもじっくりと練って欲しいというところでしょうか。


 ファンの間からはユニバース疲れという話も聞こえてきましたけれど、tonbori堂は『シークレット・インベージョン』でもう見限るぜとはなりませんでした。もちろん今後も全部網羅するかどうかは不明なれど、『シークレット・インベージョン』は短いというのもあったし、ただM.C.U作品がディズニープラスで配信されても何度も見直す作品ってやっぱり『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズや『アイアンマン』だし、ドラマだと『ホークアイ』だし、人によっては『ファルコン&ウィンターソルジャー』『ロキ』『ムーンナイト』だったりすると思うのです。tonbori堂としてはリピート出来る、そういう作品がもうちょっと増えてくれればいいかなと思うのです。配信見放題といっても結局新作1回観てそれっきりなのか、何度もリピートするのかでその作品の人気というか作品が面白いという証左になるのではないかなと思っているので。


 その点でも今回ハリウッドの脚本家と俳優ストライキでの要求の一つである配信での視聴回数とか、細かいデータの公開は必要なんではないでしょうか。実際ストリーミングサービスは数多くありますけど米で言えばディズニープラス、AmazonPrimeビデオ、Netflix、その後ろにHulu(これは米ではディズニー傘下なのですが日本では別法人となっています)HBOMAXなどで囲い込みが激しく、それは日本でもAmazonPrime、Netflix、ディズニープラスに加えてのU-NEXTの4強的な戦いででもオリジナル作品の話ってあまりされないです。それは当ブログでの映画のエントリと配信作品でのアクセス数を見てもはっきりしています。当ブログのFSS以外のエントリは殆ど100以下のPVしかないお寒い状態ですが配信作品はさらにお寒く一部を除いて50以下です。(ネトフリなどのアクション映画の武器解説ネタは積み増ししていってPVが1000越えたりすることもありますが)結局、配信作品はドラマ、映画ともに語られてなさすぎる気がします。その中でもMCU作品はまだクロスオーバーイベント(アベンジャーズや他作品への客演)があるのでまだ語られている方だと思います。その強みがあるうちにスマッシュヒットを飛ばして欲しいと思いますね。


※インフィニティ・サーガはやっぱり奇跡のシリーズだったとなりそうな昨今ですが個々の作品で観るとやっぱり凸凹しているというのはあるので、やっぱり始まりと終わりが大事なんだなという事ですね。

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