『ファイブスター物語/F.S.S』ジョーカー星団の主力兵器、モータヘッド(MH)は連載再開時にゴティックメード(GTM)へ変わりました。その際にフィルモア帝国の主力騎はMHサイレンからGTMユーレイへと名称が変更。フィルモアの主力騎ユーレイはホルダ31型と設定され、それぞれに型式が振られる事になり、星団識別番号と騎体番号、型式の3つの型式番号を持つ事になりました。
型式や識別番号というのは大事で例えば自動車でトヨタ・カローラレビンとスプリンタートレノは車名は別で外観も違いますが、実は型式はAE86で同じ型式なのです。また4A-GE同じエンジンが搭載されていますが、同じシャシー(車台、GTMでいうところのフレーム)でも搭載エンジンが違ったり、外装が違うというところで他の車種に転用されたりとそれぞれの差異を形作っています。ホルダ型GTMもライオン・フレームという基本設計を手掛けたブラウニー・ライド博士が自ら手掛けたカイゼリンやメロウラ(ナキメーカ)などから、シャープス博士、クルップ博士の代に至るまでの系譜というものがあり今回はそんなホルダの系譜についてちょっと書いてみたいと思います。
というのも扉で今後のフィルモアが元老院より上位機関として円卓の騎士団を置き、騎士団のGTMとしてゴーゴン・アンティンとシンキが設定。これらはホルダ41と43の型式番号を持っています。しかしフィルモアの新型GTMはドージョージ型なんじゃないのかという話があって確かにそうだったなと思いつつも、こういう事ではと勝手に補完してみたことからこういうエントリを書こうかと相成りました(笑)。もっともただの妄想です。原作者クリス(永野護)が一言「ちげーよ」というと吹き飛ぶ話ではありますが暫しお付き合いください。
月刊ニュータイプ2023年4月号/表紙はホルダ23型ダス・ゴースト/KADOKAWA刊 |
※月刊ニュータイプ連載『ファイブスター物語/F.S.S』に登場する主力兵器ゴティックメードの中でもフィルモアの主力GTMホルダ型について書いておりますが資料性は一切ありませんのでご注意ください。
円卓の騎士団使用GTMたち
今月号(2023年9月号)の扉でこの度、フィルモアはレーダー9の治世においてノイエシルチス、アルカナナイトなどを統べる最上位騎士団としてそれまでの帝国最高意思決定機関である「円卓の騎士」を「円卓の騎士団」として元老院の上位機関としての枢密院兼任させフィルモアを統べる事になったという記述が月刊ニュータイプ2023年9月号のレーダー9の解説テキストで説明されました。その中で円卓の騎士団の使用GTMも併せて表記されたのですが、その中で旗騎はゲートシオンMk4マッハ・シャルトマにホルダ21型ボリショイ・グーガント(ダス・カイザース)、使用騎はホルダ「41」ゴーゴン・アンティン(安珍)、遊撃GTMホルダ「43」ゴーゴン・シンキ(清姫)、そしてレーダー9の使用する騎体、皇帝騎は「ダッカス・ザ・ブラックナイト」、パートナーは「黒き死の女神」とあります。この中でまず目を引くのはゲートシオンMk4ですよね。システム・カリギュラのGTMでありホルダの系譜ではないですが、その経緯も気になるところではありますが、他のGTMはホルダの名を冠しダス・ラント時代からのホルダの系譜を継ぐGTMという事に。しかしゴーゴンの名を冠するGTMは現在ラミアスと呼ばれているGTMで、それはホルダ型ではなくドージョージ型じゃないのかという話があります。
ラミアスはDESIGNS4では慧茄、マドラ、ナイアスにそれぞれ引き渡されたGTMはMHファントムからラミアスという新規設計のGTMという設定になっている事がDESIGNS4で分かります。ファントムはシャープス博士が薔薇の剣聖マドラのために建造したMHで、勢い余って3騎も作ってしもうたわいとか言ってましたね(単行本11巻186P)その時にファントムはサイレンとはまた別のフィルモアとしては久しぶりの完全新規開発MHという設定がありまして、それまで古い骨格(GTMでいうところのフレーム)を使用していたが完全に新規設計という設定がありました。(DESIGNS3)そこから物語がMHからGTMへ一新されたものの、ベラ攻防戦までファントムに当たるGTMラミアスは本編に登場せず、何故かベラ攻防戦においてガマッシャーンのナオ・レイスル・リンドーの乗騎かつレイスル騎士団の旗騎として突如ハロ・ガロが登場しています。一目でカイゼリンにも似た姿を持つと分かる、このGTMはDESIGNS6にてラミアス・エリュアレという名を持つドージョージ型の新型GTMであるという事が明かされました。何故ガマッシャーンのナオにというのはDESIGNS6の説明文に譲りますが、その当時の設定ではラミアス=ドージョージ型新型GTMは3騎、うち1騎がガマッシャーンにという事で総数は変っていないという事だったのですが、これも後にラミアスは4騎(!)存在しマドラの乗騎はマドラがミラージュに行った後にフィルモアへ返還されたという事が分っています。(後述)
ホルダ型の系譜
ホルダ型はAD世紀末期のダス・ラントから太陽王国とドナウ帝国という分裂期を経て再び再統合という歴史を持つため、例えば同じホルダ型でもカイゼリンは星団識別番号はPz-kpfrbt-D-17Aで騎体としてはキ-D-707、型式はケ-holda17Aとなります。ホルダ31ユーレイはそれに対してPz-kpfrbt-Fi-031A、騎体はキ-Fi-7014、型式ケ-holda31Aです。この場合Dはドナウ帝国でFiはフィルモアとなるので型式だけで見ればどちらもホルダ型GTMという事が分ります。
ここからがややこしいんですが以前の説明ではラミアス(≠MHファントム)ドージョージ型は新規設計のGTMでドージョージ・フレームという新規開発のフレームを使用しているとあります。これはMHファントムがフィルモアでサイレンバリエーションではなく完全新規のMHが開発されたという設定があったためにその設定がGTMへと変化した際にファントム≠ラミアスは新規のフレームを使用しているという設定がになり、そこからDESIGNS6ではドージョージ型はライオン・フレームをベースに堅牢にしたという説明があり、星団でも大型のフレームだったライオン・フレームをさらに堅牢というのは指揮駆逐兵器として被弾率や損傷率を考えての事かなとぼんやり想像していたんですが、今回ハロ・ガロの事を調べている時に以前にハロ・ガロが本編に初登場した時にも当ブログで考察エントリを書いたのを思い出しました。
※当該エントリ
このネタでハロ・ガロの本編時の解説では「ライオン・チョッパード・フレーム」というフレームを使用とあります。つまりまだこの時はドージョージ型はホルダに代わる型式であってフレームのネーミングではなかったのです。しかしながらフィルモアのGTMの型式名称の混乱が起こりそうなので、フレームをライオン・チョッパード・フレームからドージョージ型・フレームへと移行させたという事ではないかと考えました。それにライオン・チョッパード・フレームだと、ダッカスのライオン・デトニクス・フレームとかぶってきますよね。チョッパードとは英語のチョッパーから来ていると思われるのでつまりライオン・フレームを短縮させたものと考えるとデトニクスと同じなんじゃないとなってしまうのもその一因かと。
ですがこのエントリのためにホルダ型のフレームを調べるためにDESIGNS4を読んでいるとGTMのフレーム解説の欄(DESIGNS4.17P)でプーマ・フレームがラミアスのフレームであると書いてあってまたまた混乱してきました。プーマもチョッパードもデトニクスも殆ど同じコンセプトでライオン・フレームを小さく小回りが利くようにした分、扱いづらくなったという説明があります。これはセミオートマチック拳銃のクラシックであるコルト・ガバメントを切り詰めたデトニクス.45オートが、持ち運びや隠し持つのに便利になった反面、反動が大きく射撃時のコントロールがしにくいってところから来ていると思うんですが、この辺りも今後説明が出てくるのかな?ちなみにプーマ・フレームはライオン・フレームを圧縮したという説明があり、同じくルミラン・クロスビンとマール・クルップ(ブラウニー・ライドの子孫)が開発したコーラスのGTM、HL1が使用しているチーター・フレームもこの説明が当てはまります。ただチーターはフレームのメインの部分、竜骨にあたる背骨はライオンのサイズで四肢を長くツインスイングはごつくという説明でコーラスの王族でないと扱いづらいものの非常に強力であるという説明から基本的にライオン・フレームを短くしたものは「扱いづらい」「強力」ということが分かります。
現在の星団での主流フレームはユーレイ、バーガ・ハリのライオン・フレーム。ボルドックス(青騎士)のパンター・フレーム辺りが主流。ミラージュは一般のミラージュGTMがレオパルド・フレーム、ツゥアトラ(Z.A.P)やマグナパレスはティティン・フレーム。コーラスのHL1がチータ・フレームで肘のツインスイングの形状大きさで識別出来るものの登場GTMに対し設定が追いついていない状況。ここでホルダではない、けれどホルダ(カイゼリン)の意匠を残した新規型であるドージョージ型を出せばますます混乱(作者も(ヲイヲイ)ということで設定からドージョージ型はライオン・フレームを基にした新規設計としフレーム名にドージョージを残して型式はホルダとしたのかなと漠然と考えています。もちろん単なる取違い、大ポカでした説もありますけれどね(ギャフン(>_<))
ホルダ型GTM一覧
ホルダ型は円卓の騎士団使用GTMのところで書いたようにダス・ラント時代からのGTMが基本となり型式番号については「奇数」のみ。(ブラウニー・ライドの設計したものも含めて)DESIGNS4では以下のGTMがあるとされています。
ダス・ラント時代
- ホルダ7型クィーンズ・ホルダ・ライルンレー
帝国分裂時代(ドナウ帝国、太陽王国)
- ホルダ9型ライルンレー・オーデル(太陽王国GTM)
- ホルダ11型ライルンレー・エルベ(バルバロッサGTM)
- ホルダ13型ライルンレー・ライン(ドナウ帝国GTM)
- ホルダ17型ディー・カイゼリン(ドナウ帝国皇帝騎/現在は聖都ラーン、詩女預り)
- ホルダ19型メロウラ(ハロルドラント王騎/現在はボルガ・レーダー王家皇帝騎/ハイランダー・クリスティン・V乗騎ナキメーカ)
- ホルダ21型”プリンシパル”ボリショイ・グーガント(ブラウ・フィルモア王騎)
- ホルダ23型ウィリーズ(ヴィリ/ダス・ゴースト)(クバルカン法国太閤騎/現ダイ・グ乗騎・皇帝騎)
ホルダ17から19、21、22は皇帝騎としてブラウニー・ライドが設計、建造。
帝国統合後
- ホルダ31型幽霊(ユーレイ/本国仕様A型/輸出仕様K型/ダッカスの元になったM型)
- ホルダ33型バイカル(重装型ホルダ/アルカナ・オーデル/バイカルはアルカナナイト専用騎ではなく指揮官用に大隊長クラスに配備されている。アルカナナイトが乗騎としているのがアルカナ・オーデルか?)
- ホルダ35型アムール(指揮型ホルダ)
- ドージョージ1型ラミアス(ホルダ37、39→ホルダ41型/43型?)
ちなみにホルダ27、29はバージョンアップされ31に統合。25のみ不明というのがDESIGNS4に記載されていました。この25型問題については現在バーガ・ハリBSコブラのカスタム騎という触れ込みながらその発動機がホルダ19型ナキメーカと同じHL550を使用しているバーガ・ハリBS-R(ヤーボ・ビート乗騎で現在はワンダン・ハレー乗騎)ではないかという説もあります。これは年式的には無きにしも非ずかなとは思いますが、まだ帝国のカーテンの奥の奥に隠されたGTMが…どうかはまだ謎のままです。またダッカス・ザ・ブラックナイトも型式はケ-holda-DTN31、ホルダ型なとなりますがこれはホルダ31のM型をベースにしてライオン・デトニクス・フレームが開発されたことによるもので、アイオ・レーンのオスカードも型式だけでいえばホルダ31型系統という事になるかと思います。
35のアムールは未だ本編に登場していませんがラミアスについては月刊ニュータイプ2022年8月号にてナイアスのGTMラミアス・Isi~ステンノが登場しラミアスは識別のため別名が付けられているとの事(これがややこしさをさらに増長しているのでは?)この時の説明ではラミアスはエリュアレ、ステンノ、メドゥーサの3タイプが生産、メドゥーサは2騎ありうち1騎がマドラの乗騎であったものの彼女のミラージュ行きでフィルモアに変換、ノイエシルチスの赤グループリーダー、ブラウマ・イクの乗騎となったという事です。ハロ・ガロはタイプ・ゴーゴン・エリュアレ、慧茄の乗騎がゴーゴン・メドゥーサなので、必然的にナイアスの乗騎はゴーゴン・ステンノという事になるんでしょうけどIsiはなんだ?となりますよね。これはDESIGNS6にの対比表にあったイー・ズィー・イーではないかと思われます。そこにはファー・インマーってのもあったんですがそれはメドゥーサの事でしょう。そこから2023年9月号の円卓の騎士団使用GTMを見ると、ホルダ41ゴーゴン・アンティン、ホルダ43ゴーゴン・シンキの前のラミアスはホルダ37、ホルダ39と分類される?そして41、43へ統合という27、29と同じ道程を辿っているとも考えられますね。
もちろんホルダでなくドージョージ型なんでは!というのも分るんですが、ここまで書いてきて思ったのはドージョージはフィルモアの開発コード、所謂Xナンバーのようなものではないかと。なのでフィルモアのGTM型式としてのホルダは引き継がれていくと思えばやはりこれが一番落ち着くのかなと思いました。
※今回もお世話になったF.S.S DESIGNS4覇者の贈り物(Amazon)F.S.Sの世界に深くはまるにはおススメですが色々設定が変わる事もあるので注意です。
※そしてF.S.S DESIGNS6XROSS JAMMER(Amazon)
※ダス・ゴーストが表紙の月刊ニュータイプ2023年4月号(Amazon)
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