『黒騎士』/ファイブスター物語/FSS/ ニュータイプ2025年6月号/「トラフィックス~ターミナル 終着駅」|感想/考察【ネタバレ注意!】-Web-tonbori堂アネックス

『黒騎士』/ファイブスター物語/FSS/ ニュータイプ2025年6月号/「トラフィックス~ターミナル 終着駅」|感想/考察【ネタバレ注意!】

2025年5月10日土曜日

FSS manga

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 今月号を読んで思ったのは、やはりデコース格上だなという事です。あっぱれです。騎士としての生を全うしたといってもいいでしょう。非道な事をしたとしても騎士として名を遺し、さらにはファティマにもそれを覚えさせるというエゴイストだけど清々しい(ヲイヲイ)までの極道者(褒めてます)。それとエストはバーシャの時の事を全て覚えているという事実。匂わせはそれまで幾つかデコースが発していましたが、にしても残酷な運命を背負わせるなと。ただソープとラキシスが神々の側だとすると彼女は人間側に寄り添っていくヒロインであるためその過酷な運命も語り部としての役目として必要なのかもしれません。ただそれはなんと厳しい事なのかという事も併せてエストと出会いしっかり黒騎士としての生を全うしたデコースを思うとそういうものなのかもしれないですね。という事で今月号の気になるところいってみましょうか。

月刊ニュータイプ2025年6月号/KADOKAWA刊
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扉/ブラック・ファッティース/年代訂正

 先月号に続いてエスト、見慣れたブラック・ファッティースですが喪服にも見えるのがやはり「黒き死の女神」だなと。それと年代訂正がありました。「エンペラーズ・ハイランダー」が3072、「トラフィクス~ターミナル」が3073です。つまり前のエントリで勝負から5年後って先月号の扉のセレモニースーツの事を書いたけど、2年後ですからーみたいな(;^ω^)いやジョーカーの人たちって長命だから1年が24か月あんのかな?とか(な訳ない)ってことでそこら辺そういうもんなんやと、でも言われないとなかなか年代の整合みないんですよね(;^ω^)ここは反省点ではありますが、とはいえカーマントー解放戦が魔導大戦終結への呼び水のはずがCOVID-19パンデミック前後にヨーンの決着が「魔導大戦」の終わりの始まりという事になってて、まさにメヨーヨの枢軸離脱、A.K.Dの参戦という事態になったんですけど、カーマントーはどうなってるんだろう?いやヨーンはトラフィクスの「主人公」だけど、魔導大戦の締めはやはりデプレとマグダルだろうし、それにかカーマントー解放がやっぱり重要エピソードになるでしょうから。(とは言えオーラス締めるのはちゃあってのはDESIGNS7で予告されているんですけどね。)それとモルフォが一瞬停止したのが拙いという話とエストがヨーンを黒騎士として認めているのがどうなるのかってことはちょっと次の項で書きますけど、先月予想したものの番外黒騎士となるのはあまり思えなくて(ヨーンは黒騎士の銘を受け取らないだろうしさりとてエストを殺すことも出来ないだろうし(設定上でもエストは物語の最後を見届ける役回りが振られているので))アマテラスの決闘後にヨーンにどういう命を下すのか?ってとこですよね。

三代目黒騎士デコース・ワイズメル

 この勝負、決闘の勝敗としてはヨーンの勝ちですが、デコースは騎士としての名を星団史に名を刻んだと言ってもよく最後までヨーンの上を行ってたと思います。騎士としての格を超えることはできなったヨーンに対しそのひん曲がった性格のまま騎士としての一生を全うしたデコースともこれでおさばらと思うと寂しいものがありますね。

 アマテラスがソープの姿で出てきたのはどういう事だったのか?バストーニュの、あの時両断したGTMの(当時はまだMHだったけど)ヘッドライナーがその後自らの居城を襲撃し黒騎士として魔導大戦で名を上げていったその騎士がやっぱり気になっていたのか。しかもデコースは彼なりの言葉で礼を言うんですよね。ヨーンが騎士になったとしてもやはり黒騎士、その名が地に落ちるとまで自ら言い切ったけれどやっぱり黒騎士の銘は騎士の銘として残るものだなと。そしてログナーが「戦士」と認めたのも大きいですよね。ログナーは基本殆どの騎士は格下(設定上最強の騎士、戦士だから)なんですけど彼が優れた騎士、敬意をもって接する騎士に対しては戦士と呼ぶと確かリッターピクトに書いてありました(今回は本棚から引いてないのでまた後で確認しておきます。)

黒き死の女神

 どこまでも業の深いファティマ、それがエストということが今まで以上にはっきりした回でもあります。まあ何度も言っていますがエストはこれまでの黒騎士のみならず、バーシャとしてであった騎士も結局は忘れておらず全て覚えているという事が明らかに。もっとも数多くの剣聖剣技をも見ているということは早い段階で明かされており、AKD側ではない方の物語の語り部として設定されている彼女がもう一人の人格を持っていてという設定も深いものがあるんですが、結局はそれは人格崩壊を起こすため自ら上書きして消したというのも、実際の多重人格が結果的にその原因を除去することにより一つの人格に統合されていくという話を思い出しました。(専門家ではないのでそれも事実かどうかは別として、例えば「ミステリと言う勿れ」の登場人物でもそういうキャラクターがいました)とまれ、彼女の悲劇は結局は黒騎士ダッカスとのシンクロナイズドフラッターシステムというGTMとの連携システムがあることで、よりGTMとの結びつきが強く、それ故に負荷も大きいということではないでしょうか。だからこその黒き死の女神なんですね。しかしデコース、あのヨーンの腕を切り落としたあの時からエストとずっと勝負していたということかな?でもそこもデコースらしいと思います。


 今回のデコースとエストのやり取りである詩を思い出しました。マリー・ローランサンの「鎮痛剤」という詩です。夏木マリさんが歌にしててそれで知った詩です。そこにこんな一節があります。

退屈な女より もっと哀れなのは 悲しい女です。~中略~死んだ女より もっと哀れなのは 忘れられた女です。/「鎮痛剤」作マリー・ローランサン 訳:堀口大學

結局、魔性に囚われずデコースは自らの生き様をエストに遺したとも言えるし、もしかすると囚われながらもやはり自らの存在証明を遺して逝くというなんとも騎士残酷物語な結末となった気がします。

リンク:Spotify|夏木マリ|印象派コレクション|鎮痛剤

終着駅へ

 決闘は終わりヨーンの勝利で終わりましたが騎士の生き様をみせたデコースの格の違いが印象深い回でした。しかしまだ最後の最後が残っています。そうエストをどうするのか?そこにはブライド(バスクチュアル)が気が付いたモルフォの挙動(アマテラスも気が付いていた)による問題。これモルフォが一瞬止まってしまった挙動でよくないとの事でしたがその意味するところが実はよく分からないんですよね。アマテラスは良くない兆候だねとブライドに話しています。で、実際に動きが止まった回を読み直してみました。2025年4月号です。モルフォが戸惑う程に入力が止まったようです。デコースはフェイントと読みましたがもう一度あればその隙をエストとデコースが見逃すはずもなく非常に危険になる可能性もあったかもしれません。つまり何らかのトラブルを抱えている、しかも本人無意識というやつでまさかダイ・グと同じ?神経反応減退症?でもダイ・グの時のような分かりやすいフリはなかったしというのもありますが、初期ならそれもあり得るかもしれません。実際アマテラスが「兆候」と言ってる訳だし。そうなると騎士としての最初で最後の勝負であったとするとこれまた過酷な運命な気もしますが、全てはエストへのヨーンの決断やアマテラスの決断を含め完全に決着するのは来月号になりそうです。しかし今月号で騎士となったヨーンが見れるかなと思ったけどデコースに完全に持っていかれた回でした。それに予想が当たれば騎士としての活動期間はこれでお終いということもあり得ます。長い付き合いだけに一人の騎士の成長と一人の騎士の生き様と死に様を見届けたという感慨もあります。

おまけ

 ファイブスター物語コラボ九谷焼をリリースしたミッドランドクリエイションがティーカップ&コーヒーカップ、ドリッパー(フィルターでコーヒーの飲む星団民は歓喜かも)にハンガーもリリース。ハンガーがまた渋いんですよ、これ。詳しくは本誌にてご確認を。と同時にミッドストアシュハリ公式さんにアクセスしてみてください。うーんカップかなあと思っていたけどハンガーも捨てがたい。まあコレクターは揃えちゃうでしょうけど(;^ω^)しかししぶいところを付いてくるチョイスでコラボ商品としては結構よいものではないでしょうか。そうですねマの人なら、「ウラガン、あれはいいものだ、キシリア様に届けてくれよ」みたいな(届く人だけには届く)(笑)みたいなね。ハンガーが出たので次はイベントなどでよく出るベースボールキャップではなくボルサリーノみたいなかっこいいハット(ワンポイントで紋章入り、フィルモアまたはノイエシルチスのマークだとポイント高し)が出るかもしれないですね。

販売サイト/ミッドストアシュハリ:mid-store SHUHARI

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