本放送が始まったので、ネタバレ全開で『機動戦士Gundam GQuuuuuuX Beginning』について話をしてみようかと思います。もっとも特典の小冊子も貰いにいってないし豪華パンフも買っていない上にカラーさんの対談配信も観てないので解釈的にはトンチンカンな事を言い出すかもしれませんがそこはご容赦を平によしなに<(_ _)>実はこのネタ既にnoteに書いてるんですが新たに起こしてみようと。というのも3話までの展開で1本の映画にしている訳だし、大4話も放送されまた一段ギアが入ったので前提条件としてのBeginningの話はしてもいいかなと(笑)また4話までの雑感も付け加えて置きたいと思います。
【noteのポスト】
元々は『Beginning』はそんなに観に行く気持ちでは無かったのですが(それはTVでやるのだし、どこかで配信もあるだろうと考えていました。加入しなければならない配信だと諦めますがカラーとAmazonプライムビデオの親和性を考えるとAmazonPrimeに加入してるのでいけそうだなというそろばん勘定もありました(笑))しかし何故か厳重なネタバレ箝口令、そして観たファンのこの忠誠度に何かあるのか?と気になりだして観てきたというところです。
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鑑賞者特典で貰ったカード/赤いガンダム |
で、オープニングからあんぐり、一体何が始まったんだと思いましたね。で前半の所謂Beginningパートというのは、そう来たか!となりました。なるほどこれはガノタも庵野ファンも唸るよねという展開。そして後半のパートは鶴巻監督のガンダムでした。具体的にどうと言われると実は鶴巻監督の『フリクリ』も殆ど観ていないし、『トップをねらえ!2』も未見組なのですが鶴巻監督の参加している作品はそれこそ山ほど観ているし、なんならシン・エヴァ劇場版4部作は『監督」は鶴巻さんだったりします(笑)そういう意味では『機動戦士ガンダム』という入れ物を使う時1年戦争をどうするのかを考えた時、鶴巻監督は庵野さんのつかいどころを熟知していてそこにフィックスするように作品を組み立てているなというところは強く思いましたね。以下気になるところを書いてみる事にします。
白いガンダム、Beginningパート(ジオン独立戦争編)
歴史にIFは禁物ですが架空戦記ものは、織田信長が今川義元を倒せず逆に討ち取られていたら?トラファルガー海戦でイギリス艦隊が敗れていたら?とまあ枚挙にいとまがなく、それこそドラマでも『高い城の男』っていうナチスが勝利するお話がありました。ちなみに押井守監督も『紅い眼鏡』から端を発した『犬狼伝説』もヒトラー暗殺が成功し、独と対立した日本は敗戦国となるという仮想戦記的展開でした。ですが『機動戦士ガンダム』のいわゆるUCモノでは富野由悠季監督作品以外のタイムラインでの隙間を埋めるような展開が多かったのに対し『機動戦士ガンダム』の宇宙世紀の「IF」を描いて見せたところに、そうやるのかと。もちろんそのIF今まで前例が無かったのかと言うと実はあったのです。
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朝日ソノラマの小説版『機動戦士ガンダム』3部作/富野喜幸(富野由悠季)著 |
※現在は角川スニーカー文庫より発刊されています。|Amazon.co.jp: 機動戦士ガンダム I (角川スニーカー文庫) 電子書籍: 富野 由悠季, 美樹本 晴彦: Kindleストア
まず先にtonbori堂が思い出したのは富野監督がまだ喜幸名義だった頃に朝日ソノラマで出版したノヴェライズ『機動戦士ガンダム』、小説版と言われるものです。この小説版はTV本編とは違いアムロは職業軍人(パイロット候補生で曹長)として登場し、作中でのホワイトベースも小説ではペガサス、Beginningで名付けられていた艦名となっています。結末もアニメ本編とは大きく違いBeginningで大きな役割をもって登場してきた緑の髪の男ことシャリア・ブルの存在感などが挙げられます。そういう旧作のマニアをくすぐる要素を絶妙に配置しシャアが出撃していればというIFを演出タイミングを旧作第1話をトレースして描いて見せると言うのは、確かに庵野さんしか出来ないと思いました。シン・ゴジラは言うに及ばずシン・仮面ライダーでも同一カットをわざわざやるという周到さ。思えば大阪芸術大学時代のウルトラマンでも、BGMと効果音を駆使してウルトラマンがそこにいるという見立てをやってのけたからこそ、これをやれば掴みはいける!という庵野監督の手練手管にすっかりやられたというところです(笑)
もう一つは月刊ニュータイプで連載されていたエディターでライターの大塚ギチ氏がメインで立ち上げた『フォー・ザ・バレル』です。これはアムロが亡くなった小説版をベースとした物語を解体し新解釈として再度紡ぎだすという大胆な試みでした。残念ながら未だに1冊のものとしてまとまっていないので当時のニュータイプなどを手に入れないと読めないし、覚えている人ももう少ないかもしれません。ただマニシング・スキンというメカニックやその他、非常に尖ったキャラ造形にはこのGQuuuuuuXに通じるものを少し感じました。ちなみにララァがラスボス的な立ち位置だったりジオンのニュータイプ部隊が全員変態だったりとか刺激的な設定でした(当時)。
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月刊ニュータイプ/2001年1月号/表紙フォー・ザ・バレルよりララァ・スン |
『フォー・ザ・バレル』も既に4半世紀近くになってGQuuuuuuXという作品が出来るとは色々感慨深いものを感じてしまいます。
赤いガンダム、クランバトルのマチュパート
これはもうエヴァンゲリオンでも鶴巻監督演出回の手触りというか、情念ドロドロでもなくさりとて軽く明るくだけではなく、端々に情報を埋め込みつつ本筋を転がす手練手管はやはりエヴァンゲリオンを引っ張ったもう一つのダイナモでもある鶴巻監督らしさが見え隠れしています。とは言えやっぱりガンダムという器でこれからどうするのかというのはまだ未知数。ただマチュとニャアンという2人はコンビとなるのかそれともライバルとなっていくのか?(なんかライバルというか敵対すると言う言説もXのタイムラインでは見かけました。)それよりも面白いなと思ったのはシュウジ。赤いガンダムをどこで入手したのか?あのゼクノヴァの光の中で消えた赤いガンダム。当然搭乗していたシャアの行方も気になるし、掴みはOKって感じでしょうね。
TV本編放送時にはサブタイトル『赤いガンダム』マチュとニャアンの邂逅シーンから始まりサイド6軍警ザクが難民のスラム街(もう少し九龍城砦っぽさがあれば『トワイライトウォリアーズ』!!ってなったかもしれませんが同じ空気はあるかも、ってことはアンキーが龍兄貴?ってヲイヲイ)を破壊しマチュがジークアスクにというところから始まりました。赤いガンダムはこの時はサイド6に出没しストリートアートペイント(ってもコロニー外壁なんですけどね)していくMSです。つまり1年戦争後のようだけどジオン独立戦争と呼ばれてたりジオンが戦勝国だしホワイトベースはソドンって艦名になってるし、これは『Beginning』が無かったら初回放送でざわざわしたかもしれません。その後での「白いガンダム」で種明かしされるという事で『Beginning』が無くとも本放送時のタイムラインは沸いたと思いますが、映画にしたことでさらに多くの人を巻き込めたのと、リピーターを増やしたというのはビジネスモデルとしては面白い手法です。放送前に章立てしてシネコンで上映するというのは『宇宙戦艦ヤマト』のリメイクシリーズがやっていますが、あれはそういう戦略ではなく、TV用に作っているものの、放送するメインの局や放送枠が未定の中、ショーケース的に限定上映という流れだったように記憶しています。『宇宙戦艦ヤマト2199』はその後26話で放送、総集編とオリジナル作品を1本作成し一定の成果があったことで続く白色彗星帝国との戦いを描いた『宇宙戦艦ヤマト2202愛の戦士たち』という旧作リメイクシリーズも出来、今は『宇宙戦艦ヤマト2205』を経て『ヤマトよ永遠に REBEL3199』に続いています。もちろん『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』がその道を通るのかどうかは別にしても正史(ここではUC世界としておきましょうか)に対しIF世界(XのGrokにGQuuuuuuXの今後を聞いてみるとAUCオルタネイトユニバーサルセンチュリーという認識を示されました。)であるAUC世界が今後拡張していく可能性も無きにしも非ずかなという気がします。もちろん鶴巻監督が語るべき事をこの1作でやりきったらあまりその道は無いかなとは思いますがガンダム世界はスピンオフも含め拡張され続けているので別の媒体や展開はあるかもと思わせます。と大きく脱線してしまいました(;^ω^)
とは言え本編的にはモラトリアムなマチュの成長譚であり、ニャアンとの友情というには不安定なつながり、しかしやり場のない鬱屈を抱えた2人の冒険や世間の綱渡りの物語と印象付けているし、さらに根幹部分へ話を進めるための導き手であり、語り部(あまり喋ってないけど)謎多きシュウジという3点と彼女らの外から影響を与えていきそうなもう一方の語り部シャリア・ブル(彼は探索者でありシャアという人物に取りつかれていると描写されます。)と彼を師とする事になるであろうエグサベ、コモリなどのソドン(ジオン組)の2つの勢力が描かれて行く事になると思いますが、正直伝え聞いている11話だったかな、1クール程の話で描ききれるのかな?と思っていました。そしてタイトルがガンダムシリーズの前作『水星の魔女』を想起させるサブタイトル、第4話『魔女の戦争』が放送されました。
魔女の戦争
これまた過去の戦争に囚われたシイコという100機撃墜のスーパーエース(GQuuuuuuXのAUC世界ではエースの事を唯一という意味を持つユニカムという名称がつけられています。)が登場し、童顔で東洋系の風貌で予告ではAUC世界のミライさん?という話もありましたが別人かつ、人妻で子どももいるのにガンダムと決着をつけるためだけにクランバトルに参加すると言う強烈なキャラクターでした。しかもニュータイプの素養があり明らかに先読みもしていたし、シュウジやマチュともキラキラ(NTの観念的精神世界のようなものファーストでも度々描写されている)を通じ今わの際にシュウジを理解して散るという何ともとんでもない人でした。しかもシュウジが止めを刺したの見て、そこまでいかないとシュウジに近づけないというマチュはルビコン川を渡ってしまいそうな前のめり感を出していて如何にも危なっかしい。そんな次の話は「ニャアンはキラキラを知らない」ですからね。案外毎回情報をこれでもかと詰め込んできそうな気がします。とは言えジオン組がどんどん解説及び空気感を醸している気がしないでもないので5話では何か動いてほしいところですが。
アンキー姐さん
いきなり素人のマチュをGQuuuuuuXに乗せたり、シイコと知り合いだったみたいでイズマコロニーでジャンク屋をやっててその裏ではクランバトルにも参加しているという裏世界にも通じているアンキー。やっぱり元軍属なんでしょうかね。謎の多い人物です。他の人物は多かれ少なかれだいたい背景が見えているけどアンキーとニャアンだけはちょっと分からない。ただニャアンはマチュに大きく関わってくるキャラクターなので過去は謎のままでも(難民ということだけ分かっている)人となりが多分見えてくるんだろうけどアンキー姐さんはちょっとまだ見えないところがありますね。言うなれば戦争を生き延びて、ウッディと結婚せずなんかやさぐれたマチルダさんっぽさがあります(こんなので伝わるかどうかは分かりませんが)
重力の井戸の底に薔薇はあるのか?
とりあえずのシュウジの目的は薔薇を探しているという事。そしてそれは赤いガンダムの意志でありそのために死ぬわけにはいかないと言います。普通に考えれば機械が喋る訳もなく、搭載されたオメガ・サイコミュに関係が有りそうなんだけどそこが謎を解く鍵になりそうなのは観ていれば分る事ですが、その目的とマチュの目的(今のところはシュウジの事を知りたい、その隣に立ちたい、そうすれば世界の見え方が変わるかもしれないという願望)のズれが今後際だってくるとどういう事になるのか?その辺りが肝になりそうです。あとガンダムでは親が結構酷い目にあうのでマチュがあまり母親に対して感じが薄い事も有りお母さん大丈夫かなと。そこが心配です(ヲイヲイ)いや、あんなことを言っといていざ巻き込まれ何かあったらというのは実はあり得る話ですから。来週もサブタイトルはジュブナイル感あるけどどうなるか。5話も楽しみです。
※ブクログ/Amazon/BANDAI SPIRITS
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