「ゴティックメード、ハロ・ガロの秘密」|『ファイブスター物語/FSS』考察【ネタバレ注意】-Web-tonbori堂アネックス

「ゴティックメード、ハロ・ガロの秘密」|『ファイブスター物語/FSS』考察【ネタバレ注意】

2017年10月14日土曜日

FSS manga ROBOT

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 ファイブスター物語/FSSの最強の人型戦闘兵器、モータヘッドでは「ファントム」と呼ばれていた騎体はゴティックメード(以下GTM)、ドージョージ型ラミアスとなり、3騎がミノグシアに展開中、となったはずですが、ハロ・ガロ ラミアス・エリュアレがエピソード『ツラック隊』でナオ・レイスル・リンド―ことシュバイサー・ドラグーンの乗騎として突然登場してきました。今回はそのハロ・ガロについていろいろ書いてみたいと思います。という事で【ツラック隊エピソードに触れる事になりますのでネタバレです。ご了承ください。】


DESIGNS6XROSS JAMMER/永野護著/KADOKAWA刊
DESIGNS6XROSS JAMMER/永野護著/KADOKAWA刊(リンクはAmazon)/ハロ・ガロについて詳しい記述あり。

GTMハロ・ガロ ラミアス・エリュアレとは?

 ラミアスはホルダ型の流れを汲むGTMです。ドージョージ型として3機製造され慧茄、ナイアス、そしてマドラの乗騎となっているはずですが、なにかと謎の多い騎体です。製造はバルミドラン・シャープス博士でイペル・シュバリエであるマドラ・モイライのためだけに作られた騎体でしたが、勢い余って3機も作ってしもうたわいとご本人がいってました。しかしデザインズ3にファントムの解説にもフィルモアの思惑があったからこそ開発費や建造費用がという話が書いてありました。ということでそもそも1機だけのつもりだったのかも怪しくなってきた訳です。


 ハロ・ガロ登場時の説明にはフィルモアの最新フレーム「ライオン・チョッパード・フレーム」を使用したラミアスの駆逐型GTMで、ラミアス・ステンノ、ラミアス・メデューサ(共に建造中)と同等。いわゆるドージョージ型ラミアスはラミアス・ゴーゴンとなりこれらの母体となったという記述があります。いわばラミアスは今後のフィルモアGTMのひな型?とも考えられます。ホルダ31型ユーレイを継ぐ新型か?ともありますが例えばリーダー騎として配備するなど様子を見てという事なのでしょう。駆逐型としてあるのも、戦場で単騎戦闘、もしくは先陣を切るという事で経験の蓄積も多い事でしょうし。ただ気になるのがツラック隊でジィッドを助けたナオの騎体を見たソープはあれはカイゼリンと指摘したことです。それまで上半身のみで、下半身は不明でしたが、カイゼリンと同様な文様の入った、まあガーターのはいった大腿部は確かにカイゼリンです。初登場時のフライヤーにはフィルモアのマークが、そして戦場に現れたときにも各部にフィルモアの印が認められます。

 ここでカイゼリンについておさらいしておきましょう。

氷の女王カイゼリン

 ホルダ17型カイゼリンは他のGTMとは違い皇帝座乗騎体として建造された、いわばシンボルの意味合いもある騎体です。しかしただの皇帝座乗騎(旗騎)ではなく、AD世紀のGTMシュッツエンのペダン型エンジンを搭載した高性能騎体でもあります。当時の最新鋭騎体であるX-7ボルドックスと対峙してもひけを取らぬ、いやそれ以上の力を備えたGTMであるのは『花の詩女 ゴティックメード』で見せたとおりです。2騎のボルドックスを相手に回して瞬殺(対GTMの戦いというのは基本瞬殺なんだなと思います。)していたのは乗り手も含めてのGTMの実力なのでしょう。


 もともとGTM(モータヘッドの時も)はGTM自体にはそれほどの差はないと作者の永野護から明言されています。懐かしのマグロウが、サイレンに勝つことも十分にあり得るのです。それはクリスティンの父であるバーバリュース・Vの駆るサイレンと黒グループのサイレン2騎をバルンシャで屠ったデコースが証明しています。黒騎士に乗る前の話ですから、この事からGTMには差はない。としてもやはり特別な騎体はあるということです(天照のアプターブリンガーなどは別にして)


 カイゼリンはドナウ帝国のシンボル、旗騎として知られている騎体ですが、不戦の証として惑星カーマイン(後のボォス)の詩女に渡されました。その後統合されたフィルモアの旗騎にはメロウラとディー・ウィリーズがその座に入りました。

メロウラ-スクリーマー

 元々はハロルドラント王騎で『花の詩女 ゴティックメード』ではシャンディー・マーカス王女が駆った騎体です。(実際に起動しているシーンはありませんが)現在はレーダー王家のもとに行きレーダー8からクリスティンに渡されハイランダーとしてクリスティンが乗る事になりました。エンジン以外はカイゼリンと同じですが、外装が違うのは戦術が違う騎体だからです。


 このGTMは駆逐GTMに分類されるGTMですが、原作者である永野護の解説によると基本的にGTMは万能兵器で駆逐用だからといって大きな違いがあるわけではないとのこと。軽量化され対GTMに特化したGTMというのが駆逐用GTMということだそうです。ホルダ19型です。

ディー・ウィリーズ

 元はクバルカン太閤の騎体で『花の詩女 ゴティックメード』にも出ていたクバルカン太閤、ルドルフ・サヤステの騎体でした。現在は、ぼったまことダイ・グの乗騎となりフィルモアの旗騎となっている騎体でもあります。ホルダ23型です。

プリンシバル”ジー・ボリショイ・グーガント

 まだ連載にもデザインズにも登場していないホルダ型GTM。乗っているのは聖騎士「サクリファイス」ニーゼル、つまりジークの母親であるリリことクィーン・オブ・ショルティの搭乗騎のはずが、エピソード『ダイ・グの花嫁』エピローグで三色の娘と呼ばれる皇女が持ちだそうとしていました。(追記*ダス・カイザースという指摘があり確認しましたところそうでした。単行本13巻にて。ダス・カイザースがホルダ25型がそこに相当するとすればもろもろぴったりピースが埋まりますがまだ確認はとれていません。DESIGNS4にはメリンダ・クルップ博士が建造中とありましたが…)未だ魔導大戦ではその姿が確認はされていませんがトラフィックス3が終わったころに登場するやもしれません。ウィリーズよりも型式は古くホルダ21型です。

謎のゴティックメード、ラミアス。

 そもそもフィルモアのマークが打ち込んであるほどのGTMを何故にシュバイサー・ドラグーンが持っていたのか?ガマッシャーンってこれまでルビコン(モータヘッド)が主力モータヘッドですというくらいしか情報が無くシュバイサー・ドラグーンもロードス公と同じ名前を持つ事からそういう家系のくらいの認識しかありませんでした。ほぼ『ツラック隊』のエピソードが国家としても初めての登場だったと思います。そのためまだまだ謎が多いお国柄ではありますが、パワーバランス表では星団6位の軍事力の地位ながら実際にはバッハトマと同規模の兵力を擁しており、工業力も高く、GTMもライセンス生産が多いがその工業力を使い他国へ輸出し外貨を稼いでいるとか。


 そういった国が何故、星団1の軍事力を持つフィルモアのしかもある意味カイゼリンの写しともいえる騎体を所有しているのか?しかもガマッシャーンはボォスの国家です。フィルモアも寿命を迎えつつあるカラミティからボォスの国家の移住を考えてはいますがそのための足掛かりとなるようにガマッシャーンと結託している?という事なのでしょうか。それとともにまた新たなイングニシアGTM、フィルモア帝国の旗騎として開発されたのではないかという疑問もでてくるのです。ゴーゴンには慧茄、マドラ、ナイアスと搭乗していますがテストも兼ねているのは公然の秘密でしょうが、ハロ・ガロにはあきらかにフィルモアの十字マークが打ち込まれていますし、フライヤーには超帝国の紋章がしっかりと入っていました。まあナオの前世のこともあるのでと思いましたが発言からはこの世になじむ事が大前提のためわざわざナオが超帝国の紋章を入れるとは考えにくいのでこれは彼の入れたものではなくフィルモアからのという気がします。璃莉ことニーゼルも円卓の騎士の紋章はファロスディーの紋章を身につけていましたしこれは間違いないかと思います。ゴーゴン型ラミアスともやがて呼ばれるこのGTMは見かけ以上に滅びゆく大国の最後の兵器として重いものを背負っている気がします。その運命がドイツの興亡を共にした戦車、ポルシェ・タイガーやフェルディナントのようになるのかどうかは分かりませんが。


 あ、そう言えば単行本のスリーブや、デザインズなどで巻末に載る星団パワーバランス表には「シベリード1型」という風に表記されていたりするのでこれまた別のゴティックメード?ってなりそうですが、モータヘッドからの大改変で名称は未だ混乱しているのか2つ名をもっているのか?モータヘッド時代にもクルマルス=ブランジ、これは偽装名でしたがそういうものなのかはまだ不明です。


 ただの誤植っていうオチがあるのもファイブスター物語ですから(苦笑、いや本来ならばあってはいけない事なんですが、作者の創造したものに名前をつけて、しかもそれは元ネタあったりするといろいろ引っ張られて文法の校正ならまだしもゴティックメードの名称は一度データベース化しないと校正難しいのではないかと思う位です。とこれは余談でしたね。

ラミアスの語源

 余談ついでに、ラミアスってのは人蛇の妖精(造語)とDESIGNS4にありますが、ギリシャ神話のラミアの事ではないかと、ライルンレーやらドージョージと同じく妖怪なんですがそうなったのも可哀そうな身の上がありました。この夏公開の『ワンダーウーマン』にも関係していたギリシャ神話の最高神ゼウスと関係をもったために女神ヘーラーによって子どもを殺され妖怪になったのですが…。この語源もなにか意味深ですね。

参考|ラミアー - Wikipedia

 ここ最近というか去年からのツラック隊エピソードで数多くのGTMが搭乗し、また2017年11月号のアクト4-3『パルスエット~ブラックプリンス』ではバイブルス・ゾロなるONE PIECEのロロノア・ゾロのお父さんみたいな名前が出てきました。これは謎の男、通称教授がコーネラのデモール(モータヘッドK.A.Nとして出てきた)の補助として付けるということはこれもゴティックメードだとは思うのですが、今後もGTM戦はまだ先になると思いますが新型GTMもまだまだ出てきそうです。そんな中でラミアスが今後の主力GTMとして物語の終焉まで出てくる騎体となるのか?今後の展開に期待です。


<追記>20171017:コーネラのデモールというのはSBB-0の事でパワーバランス表に記載のあるスケーヤ騎士団のGTMは『SBB-1』リッターピクトのカイリーダウンの項で『SBB-1バイ』と書いてありますが13巻のパワーバランス表でのちに『デモール・ゾロ』と呼ばれる事に。そしてマウザー教授が補助につけるGTMは「バイブルス・ゾロ」何かしら関係があるのかもしれないですね。『ブラックプリンス』のエントリには昨日追記しましたが、こちらにも補記しておきます。

追記20171014:

 上のプリンシパルの追記部分でダス・カイザースは25型か?と書いておりますがDESIGNS4でメリンダ・クルップが建造してるとかなんとか書いてあります。うーむますまずダス・カイザースもラミアス系統?いやこれはシャープス博士の手によるものですからメリンダはホルダの改良ということで型番25のホルダを最終系ホルダの雛形として皇帝騎ダス・カイザースとしてということなのかも。さすがフィルモア、GTMに関してもカーテンの奥の奥があるようです(笑)ちなみにサイレンのエンジンは他国にもデチューンドされたりして供与あるようですが、そうでない場合はなにか裏があると見るのが妥当かもしれません。これも加えて補記しておきます。

※今回の参考図書

Amazon.co.jp: F.S.S. DESIGNS 4 覇者の贈り物 : 永野 護: 本 

Amazon.co.jp: F.S.S.DESIGNS 6 XROSS JAMMER : 永野 護: 本 

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