ファイブスター物語/FSSの最強の人型戦闘兵器、モータヘッドでは「ファントム」と呼ばれていた騎体はゴティックメード(以下GTM)、ドージョージ型ラミアスとなり、3騎がミノグシアに展開中、となったはずですが、ハロ・ガロ ラミアス・エリュアレがエピソード『ツラック隊』でナオ・レイスル・リンド―ことシュバイサー・ドラグーンの乗騎として突然登場してきました。今回はそのハロ・ガロについていろいろ書いてみたいと思います。という事で【ツラック隊エピソードに触れる事になりますのでネタバレです。ご了承ください。】
DESIGNS6XROSS JAMMER/永野護著/KADOKAWA刊(リンクはAmazon)/ハロ・ガロについて詳しい記述あり。 |
GTMハロ・ガロ ラミアス・エリュアレとは?
ラミアスはホルダ型の流れを汲むGTMです。ドージョージ型として3機製造され慧茄、ナイアス、そしてマドラの乗騎となっているはずですが、なにかと謎の多い騎体です。製造はバルミドラン・シャープス博士でイペル・シュバリエであるマドラ・モイライのためだけに作られた騎体でしたが、勢い余って3機も作ってしもうたわいとご本人がいってました。しかしデザインズ3にファントムの解説にもフィルモアの思惑があったからこそ開発費や建造費用がという話が書いてありました。ということでそもそも1機だけのつもりだったのかも怪しくなってきた訳です。
ハロ・ガロ登場時の説明にはフィルモアの最新フレーム「ライオン・チョッパード・フレーム」を使用したラミアスの駆逐型GTMで、ラミアス・ステンノ、ラミアス・メデューサ(共に建造中)と同等。いわゆるドージョージ型ラミアスはラミアス・ゴーゴンとなりこれらの母体となったという記述があります。いわばラミアスは今後のフィルモアGTMのひな型?とも考えられます。ホルダ31型ユーレイを継ぐ新型か?ともありますが例えばリーダー騎として配備するなど様子を見てという事なのでしょう。駆逐型としてあるのも、戦場で単騎戦闘、もしくは先陣を切るという事で経験の蓄積も多い事でしょうし。ただ気になるのがツラック隊でジィッドを助けたナオの騎体を見たソープはあれはカイゼリンと指摘したことです。それまで上半身のみで、下半身は不明でしたが、カイゼリンと同様な文様の入った、まあガーターのはいった大腿部は確かにカイゼリンです。初登場時のフライヤーにはフィルモアのマークが、そして戦場に現れたときにも各部にフィルモアの印が認められます。
ここでカイゼリンについておさらいしておきましょう。
氷の女王カイゼリン
ホルダ17型カイゼリンは他のGTMとは違い皇帝座乗騎体として建造された、いわばシンボルの意味合いもある騎体です。しかしただの皇帝座乗騎(旗騎)ではなく、AD世紀のGTMシュッツエンのペダン型エンジンを搭載した高性能騎体でもあります。当時の最新鋭騎体であるX-7ボルドックスと対峙してもひけを取らぬ、いやそれ以上の力を備えたGTMであるのは『花の詩女 ゴティックメード』で見せたとおりです。2騎のボルドックスを相手に回して瞬殺(対GTMの戦いというのは基本瞬殺なんだなと思います。)していたのは乗り手も含めてのGTMの実力なのでしょう。
もともとGTM(モータヘッドの時も)はGTM自体にはそれほどの差はないと作者の永野護から明言されています。懐かしのマグロウが、サイレンに勝つことも十分にあり得るのです。それはクリスティンの父であるバーバリュース・Vの駆るサイレンと黒グループのサイレン2騎をバルンシャで屠ったデコースが証明しています。黒騎士に乗る前の話ですから、この事からGTMには差はない。としてもやはり特別な騎体はあるということです(天照のアプターブリンガーなどは別にして)
カイゼリンはドナウ帝国のシンボル、旗騎として知られている騎体ですが、不戦の証として惑星カーマイン(後のボォス)の詩女に渡されました。その後統合されたフィルモアの旗騎にはメロウラとディー・ウィリーズがその座に入りました。
メロウラ-スクリーマー
元々はハロルドラント王騎で『花の詩女 ゴティックメード』ではシャンディー・マーカス王女が駆った騎体です。(実際に起動しているシーンはありませんが)現在はレーダー王家のもとに行きレーダー8からクリスティンに渡されハイランダーとしてクリスティンが乗る事になりました。エンジン以外はカイゼリンと同じですが、外装が違うのは戦術が違う騎体だからです。
このGTMは駆逐GTMに分類されるGTMですが、原作者である永野護の解説によると基本的にGTMは万能兵器で駆逐用だからといって大きな違いがあるわけではないとのこと。軽量化され対GTMに特化したGTMというのが駆逐用GTMということだそうです。ホルダ19型です。
ディー・ウィリーズ
元はクバルカン太閤の騎体で『花の詩女 ゴティックメード』にも出ていたクバルカン太閤、ルドルフ・サヤステの騎体でした。現在は、ぼったまことダイ・グの乗騎となりフィルモアの旗騎となっている騎体でもあります。ホルダ23型です。
プリンシバル”ジー・ボリショイ・グーガント
まだ連載にもデザインズにも登場していないホルダ型GTM。乗っているのは聖騎士「サクリファイス」ニーゼル、つまりジークの母親であるリリことクィーン・オブ・ショルティの搭乗騎のはずが、エピソード『ダイ・グの花嫁』エピローグで三色の娘と呼ばれる皇女が持ちだそうとしていました。(追記*ダス・カイザースという指摘があり確認しましたところそうでした。単行本13巻にて。ダス・カイザースがホルダ25型がそこに相当するとすればもろもろぴったりピースが埋まりますがまだ確認はとれていません。DESIGNS4にはメリンダ・クルップ博士が建造中とありましたが…)未だ魔導大戦ではその姿が確認はされていませんがトラフィックス3が終わったころに登場するやもしれません。ウィリーズよりも型式は古くホルダ21型です。
謎のゴティックメード、ラミアス。
そもそもフィルモアのマークが打ち込んであるほどのGTMを何故にシュバイサー・ドラグーンが持っていたのか?ガマッシャーンってこれまでルビコン(モータヘッド)が主力モータヘッドですというくらいしか情報が無くシュバイサー・ドラグーンもロードス公と同じ名前を持つ事からそういう家系のくらいの認識しかありませんでした。ほぼ『ツラック隊』のエピソードが国家としても初めての登場だったと思います。そのためまだまだ謎が多いお国柄ではありますが、パワーバランス表では星団6位の軍事力の地位ながら実際にはバッハトマと同規模の兵力を擁しており、工業力も高く、GTMもライセンス生産が多いがその工業力を使い他国へ輸出し外貨を稼いでいるとか。
そういった国が何故、星団1の軍事力を持つフィルモアのしかもある意味カイゼリンの写しともいえる騎体を所有しているのか?しかもガマッシャーンはボォスの国家です。フィルモアも寿命を迎えつつあるカラミティからボォスの国家の移住を考えてはいますがそのための足掛かりとなるようにガマッシャーンと結託している?という事なのでしょうか。それとともにまた新たなイングニシアGTM、フィルモア帝国の旗騎として開発されたのではないかという疑問もでてくるのです。ゴーゴンには慧茄、マドラ、ナイアスと搭乗していますがテストも兼ねているのは公然の秘密でしょうが、ハロ・ガロにはあきらかにフィルモアの十字マークが打ち込まれていますし、フライヤーには超帝国の紋章がしっかりと入っていました。まあナオの前世のこともあるのでと思いましたが発言からはこの世になじむ事が大前提のためわざわざナオが超帝国の紋章を入れるとは考えにくいのでこれは彼の入れたものではなくフィルモアからのという気がします。璃莉ことニーゼルも円卓の騎士の紋章はファロスディーの紋章を身につけていましたしこれは間違いないかと思います。ゴーゴン型ラミアスともやがて呼ばれるこのGTMは見かけ以上に滅びゆく大国の最後の兵器として重いものを背負っている気がします。その運命がドイツの興亡を共にした戦車、ポルシェ・タイガーやフェルディナントのようになるのかどうかは分かりませんが。
あ、そう言えば単行本のスリーブや、デザインズなどで巻末に載る星団パワーバランス表には「シベリード1型」という風に表記されていたりするのでこれまた別のゴティックメード?ってなりそうですが、モータヘッドからの大改変で名称は未だ混乱しているのか2つ名をもっているのか?モータヘッド時代にもクルマルス=ブランジ、これは偽装名でしたがそういうものなのかはまだ不明です。
ただの誤植っていうオチがあるのもファイブスター物語ですから(苦笑、いや本来ならばあってはいけない事なんですが、作者の創造したものに名前をつけて、しかもそれは元ネタあったりするといろいろ引っ張られて文法の校正ならまだしもゴティックメードの名称は一度データベース化しないと校正難しいのではないかと思う位です。とこれは余談でしたね。
ラミアスの語源
余談ついでに、ラミアスってのは人蛇の妖精(造語)とDESIGNS4にありますが、ギリシャ神話のラミアの事ではないかと、ライルンレーやらドージョージと同じく妖怪なんですがそうなったのも可哀そうな身の上がありました。この夏公開の『ワンダーウーマン』にも関係していたギリシャ神話の最高神ゼウスと関係をもったために女神ヘーラーによって子どもを殺され妖怪になったのですが…。この語源もなにか意味深ですね。
ここ最近というか去年からのツラック隊エピソードで数多くのGTMが搭乗し、また2017年11月号のアクト4-3『パルスエット~ブラックプリンス』ではバイブルス・ゾロなるONE PIECEのロロノア・ゾロのお父さんみたいな名前が出てきました。これは謎の男、通称教授がコーネラのデモール(モータヘッドK.A.Nとして出てきた)の補助として付けるということはこれもゴティックメードだとは思うのですが、今後もGTM戦はまだ先になると思いますが新型GTMもまだまだ出てきそうです。そんな中でラミアスが今後の主力GTMとして物語の終焉まで出てくる騎体となるのか?今後の展開に期待です。
<追記>20171017:コーネラのデモールというのはSBB-0の事でパワーバランス表に記載のあるスケーヤ騎士団のGTMは『SBB-1』リッターピクトのカイリーダウンの項で『SBB-1バイ』と書いてありますが13巻のパワーバランス表でのちに『デモール・ゾロ』と呼ばれる事に。そしてマウザー教授が補助につけるGTMは「バイブルス・ゾロ」何かしら関係があるのかもしれないですね。『ブラックプリンス』のエントリには昨日追記しましたが、こちらにも補記しておきます。
追記20171014:
上のプリンシパルの追記部分でダス・カイザースは25型か?と書いておりますがDESIGNS4でメリンダ・クルップが建造してるとかなんとか書いてあります。うーむますまずダス・カイザースもラミアス系統?いやこれはシャープス博士の手によるものですからメリンダはホルダの改良ということで型番25のホルダを最終系ホルダの雛形として皇帝騎ダス・カイザースとしてということなのかも。さすがフィルモア、GTMに関してもカーテンの奥の奥があるようです(笑)ちなみにサイレンのエンジンは他国にもデチューンドされたりして供与あるようですが、そうでない場合はなにか裏があると見るのが妥当かもしれません。これも加えて補記しておきます。
※今回の参考図書
|Amazon.co.jp: F.S.S. DESIGNS 4 覇者の贈り物 : 永野 護: 本
|Amazon.co.jp: F.S.S.DESIGNS 6 XROSS JAMMER : 永野 護: 本
このコメントは投稿者によって削除されました。
返信削除どうもこんにちは。ブログ”絶対秘密。”やFSS塾ではいつもありがとうございます!こちらでのコメントははじめてですがよろしくお願いいたしますm(_ _)m
返信削除そういえば…とtonboriさんの記事を読み返していて思ったのですが、ホルダ25型は、バーガ・ハリBS-Rにあたる機体ではないでしょうか。
ホルダのエンジン使っているみたいですし…
あと、そういえばディー・ウィリーズはサヤステ太閤騎となっていますけど、ゴティックメードに出てくるルドルフ・サヤステ卿が乗っているGTMは”ガステス”という名前がついてます。(GTMワールドガイド参照)
これ見た時”え、ウィリーズじゃないの?”と思ったのが頭に残っていて…
ひょっとして真紅のGTMガステスは(先生の設定変更とかではなく)実際に存在していて→皇帝フィルモア2の乗騎(本来ならばここにはプリンシパルが来るはずなのですが、)→何らかの事情で改造、もしくは換装されてバーガ・ハリBS-Rになってしまい→ラーンに行ってしまった。
(そしてフィルモア2は聖宮ラーン東宮西宮の乱では聖宮ラーン側に付きカイゼリンに乗った)
なのではないかという気もしてきました^^;
(ソープが知ってるけど知らない!と言ってたのはその改造?段階でコーラス19の手が入っていてそっち側…南部系列の思想設計が彼には見えてたのではないか?というのは完全に私の妄想ですが^^;)
となるとダス・カイザースはどうなるかというと、現在建造中というD4の記述もあり長いこと使われてきたホルダ型GTMの最終版ということになりそうだから(ラミアスはフレームからしてホルダと異なる→設計思想が異なるのですよね)三色の娘が乗ってきた時は”機体番号7018・ホルダ37型”の名称になるのかなぁ…という印象を持っています。
しかしどうしてハロ・ガロがカイゼリンに似た姿を持っているのかは本当、説明にならないですよね…そういえばカイゼリンとはフレームが違うのに。
表紙設定の何処かにハロ・ガロに対しハリボテと書いてあったのでまさか(強くないらしいナオ君に威勢をもたらすための)適当な虚仮威しとしてそこら辺にあった古いパーツをくっつけたとかじゃないですよね^^;謎が謎を呼びます…
ガマッシャーンにフィルモアの最新機体があるのは、フィルモアが彼らからヘリオス結晶装甲などを輸入しているという力関係ではないかという説明が成り立つのですが…
(ガマッシャーン共和国の国力が聖宮ラーンなどミノグシアの大きな連合と対立しつつパワーバランス表でも強力なのはガマッシャーンが資源国でお金持ちであるため、という説明で成立するように思います。←彼らの記述は少ないですが、D3のバッハトマのところにそんな感じが書かれてますから多分…今までもガマッシャーン、GTMは輸入に頼ってたみたいですしね。勝手に豪州的なイメージを持ってました^^;)
ではでは長くなってしまいましたが、今後共色々な角度からFSSのお楽しみが増えることをフフフと期待しております^^;
※ちょっと文脈がおかしかったのと、付け足しが有りコメント書き直させていただきました。すみませんよろしくお願いいたします…。
チークさん、コメントありがとうございます<(_ _)>
削除バーガ・ハリBS-R ヤーボのハブですね。あれは最新型のホルダのエンジンを搭載していたと記述がありましたね。確かにその線もあり得る話です。
他にホルダのエンジン搭載型といえばダッカスとオスカード(旧グルーン・エグダクライン)がおりました。ダッカスは完全に別になっているのでオスカードという線も若干ではありますが…。
ヴィリーズ、ヴィリもまだ登場していないため謎が多いですよね。V・サイレンネプチューンにあたるメロウラもまだ本編には未登場ですし実のところGTM系統もまだまだ抜けている部分が多いです。
でもガステスがラーンにってのはカイゼリンと同じく無い話ではないので面白い仮説だと思いました。
ソープもあちこちでいろいろ見てきているので時々そういうラインを偽装してても見抜いてしまうっていうのはブランジからクルマルスで証明済みですから彼が知らないというのは本当に知らないという事でそういう空白を想像するのも面白いです。
ダス・カイザースはまあおいらの仮設では空き番の25を再建造っていう形ではないかと思っていますが今後のデザインズ6や14巻のスリープではきりすることでしょう。楽しみです。
ハロ・ガロがカイゼリンに関しては、ナイアスやマドラの騎体が出てきた時になんらかの説明があるかなと思っているんですがまだ分かりませんね。
ガマッシャーンもまたここに来て急に存在感を出してきましたが連載開始当初から国名だけは出ていたということでそれなりに重要国だったとは思います。それにシュバイサー・ドラグーンがいる国として注目度も高かったのですが連載が続くうちに表舞台に出てこない国として半ば忘れられていたのが急に大きく出てきた事により謎が深まった感があります。基本的にはウモスのような工業国でGTMの生産を手掛けてるという話だったように思うのですが。それにしてもフィルモアのある意味最高機密兵器のようなものを与えられている(供与?)は何故なのか。今後の出方も気になるところですね。
いろいろコメントありがとうございました。今後もこういう考察系は上げると思います。どしどしツッコミお願いします。割とポッと浮かんだ事を肉付けして上げちゃってるので他のデータはその時は目に入ってない事多いので(苦笑)
tonboriさま
削除早速お返事ありがとうございます。ここの項目だけやたら長くなっちゃいそうで恐縮ですが^^;
BS-Rだけ”詩女さんについてる蛇”がドーン!とついているので、よっぽど特殊なバーガ・ハリ…というか非戦をうたっているのにラーンの象徴がわざわざ(現在も)兵器についてるのって変な機体ですよね…。
ラーンとフィルモアというと、大まかにベリンとトリハロンのあとで来るのがヨミとナカカラなのでしょうから、エンジンのことも鑑みてあの時代の機体なのかなぁというのは思います。ガステスやコーラスの件は脇に置いておいても^^;
バーガ・ハリ自体はその後の時代の機体(ゼビア・コーターはファティマ誕生のころのGTMガーランドですし)ですから、このへっぽこ路線でいってしまうと、このBS-Rがプロトタイプのバーガ・ハリである可能性にも行き当たりますね。確か駆逐系のGTMなので、あとでもっと汎用性の高い設計にしたとか…
なんて考えると、バーガ・ハリBS-Rはハイブリットどころか、ライド、南部、コーターのへーーんな設計なGTMなのかも(褒めてます)知れませんね^^;ま、まぁこの三人皆さんラーンと関係してそうなのでありそうな話ではあるかもしれませんね。
チークさん、いえいえ構いませんよ。
削除BS-Rというか蛇(コブラ)の入れ墨してるスバース隊も聖宮ラーンの支隊とは別に詩女様を守る気概がめちゃくちゃ高いとか?っていうのもあるんでそうなのかなあって思っていましたが、そもそも非戦を謳っていても『花の詩女』でもボルテッツが護衛についていたりしてスイス的な立ち回りなのかな?とは前から思っていました。
ただバーガ・ハリのプロトタイプの線も捨てがたいですね。教導学院もそうですし、ダリ・キアというガーランド組織がラーンにはあるわけですから。まだまだ想像できる余地はありそうです(*´ω`)