本当に最後の愛すべきガーディアンズ/ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:Vol.3|感想【ややバレ】-Web-tonbori堂アネックス

本当に最後の愛すべきガーディアンズ/ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:Vol.3|感想【ややバレ】

2023年5月10日水曜日

MARVEL movie

X f B! P L

 観てきました『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:Vol.3』。ジェームズ・ガンがマーベル・スタジオで撮る最後の作品にして『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズの完結作。この後『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の名を冠していたとしてもそれはもう「別物」なんですよ。もちろんそれが大変面白い映画であればそれに越した事はないと思っています(本当ですよ)。でもジェームズ・ガンが創造した(これはマーベルのガーディアンズをクリエイトしたライターがインタビューであれば僕のガーディアンズでは無いと言っているのを読みました)ジェームズ・ガンのキャラクターたちなんですよね。そして今回はロケットにスポットを当ててガーディアンズ3部作と客演したアベンジャーズ他も含めてエンドマークを付けていったのが鮮やかで。まだ1回しか観てないけれどあともう1回はスクリーンで観たいですね。私、tonbori堂は基本映画は一期一会、1回観た作品はよっぽどの事が無いとおかわりしません。でもこれはしなくちゃと思っています。それは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』を観た時もそう思いました(結果3回観ています。)今回はあまり細かい事は掘り下げずざっとした話だけをしますが、M.C.Uの中でも『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズとしても感慨深い映画となりました。

Marvel Studios’ Guardians of the Galaxy Vol. 3 | Official Trailer/YouTube/Marvel Entertainmen


Previously on Guardians of the Galaxy/前回までのガーディアンズ

 銀河の危機を救ってきたガーディアンズ・オブ・ギャラクシー。元はケチな盗賊だったスター・ロードこと、ラヴェジャーズに誘拐され育てられたピーター・クイル。恐るべきマッド・タイタン、サノスの娘(養女)にして最強の戦士で殺し屋のガモーラ、賞金稼ぎで脱獄の名人である遺伝子改造されたアライグマのロケット。ロケットの相棒で樹木型ヒューマノイドのグルート。ロナンに妻子を殺され復讐に燃えるドラックス・ザ・デストロイヤー。凸凹で負け犬だった彼らは星を救い、宇宙を救ってきた。そんな彼らにも過去がある。クイルは子どもの頃にヨンドゥに天界人エゴのために攫われたがエゴの真の目的を知ったヨンドゥにより匿われラヴェジャーズの一員として育てられた。ガモーラはサノスの手から逃れガーディアンズの一員となって活躍していたがインフィニティ・ストーンを集めるためにサノスによってその命を奪われた。しかし過去の世界からサノスの暴走を止めるため過去のガモーラが戻ってきた。そして過去に諍いがあったソブリンの女王アイーシャが産み出したアダム・ウォーロックによって今度はロケットが重傷を負ってしまった。かつては敵だったが今はガーディアンズの一員でガモーラの義妹ネビュラやエゴの星にいてその後仲間に加わったマンティスらとともにロケットを救うべくガーディアンズは最後の冒険に出る。

ロケット・ラクーン

 今回はジェームズ・ガンから予告のあったとおりにロケットの話でした。ロケットの過去を深掘りし、彼が何故喋る事の出来るアライグマとなったのか?その理由と彼が語らない過去を振り返るフラッシュバックを挿入しながら話が進んでいきます。予告編にも搭乗する紫の服に身を包んだ人物が大きなカギを握ってるのですが、彼が何故あそこまでひねくれているのか?そして仲間を守るため、救うためにあそこまで出来るのかがよく分かりました。それとロケットのために今回は動くクイルたちにもまた泣かされます。いつの間にか無くてはならない大事な仲間になっていたロケットを救うという事は結果彼らもロケットを知る旅出会ったという事にもなっていたのも沁みました。

クイルとガモーラ

 クイルが落ち込んでいるというのは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:ホリデースペシャル』で語られていました。今はサノスとの戦いの後コレクターから買い取ったノーウェアの復興に尽力しているガーディアンズたちでしたが、クイルはめそめそとガモーラの事を思っていました。この辺り『ソー:ラブ&サンダー』などで見せた顔とはちと齟齬が出そうだけど(それなりに活動していたけどあの時はソーがいたのでカラ元気を出してたのかな?)ノーウェアに腰を落ち着けたらやっぱり隣にガモーラがいないのが堪えたようです。何と言ってもガモーラがいないという訳じゃなく過去のクイルを知らないガモーラがいるというのもクイルにとってはモヤモヤする理由になっててもう一度やり直せないかと再会したらそう言っちゃう訳です。当然ガモーラにはエンドゲーム後に辿ってきたものもあるし、クイルと知り合う前の彼女の訳ですから。で、どうするのかと思ったらそう来たかと。クイルの決断によってなるほどそうオチを付けたかと。ガモーラに関しては若干余韻を残す流れを持たせてオチを付けた事になってました。思えばここまで来るのに時間がかかったなと思います。でもジェームズ・ガンの『スーパー』から思えばいやよくぞここまでと思いましたよ。

ネビュラ

 エンドゲームでガーディアンズとともに戦い、サノスのブリップをロケットと共に生き延びた2人。今回ロケットがフィーチャーされ裏主人公とまで言われていましたけど物語の推進力は実はネビュラだったりするんですよね。ガモーラを亡くしてポンコツになったクイルのケツを叩き、ノーウェアの危機にもすぐに対処し、ロケットのピンチに助っ人としてラヴェジャーズと交渉してと八面六臂の活躍だし、しっかり見せ場も作ってるし…1作目の時にこうなると思ってました?いや全然そう思っていませんでしたよ。でもVol.2(リミックス)でもしかしてVol.3で共闘するかもなって思ったらインフニティ・ウォーからエンドゲームを経て今作ですよ。完全にヒーローポジションだしなんならクイルに代わっての主人公でもあったなとも思えるネビュラは今作のロケットとともにメインキャラクターだったと思います。

マンティスとドラックス

 この2人がフィーチャーされてた『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー;ホリデースペシャル』、落ち込むクイルのためにクリスマスプレゼントにリアル・ヒーローとしてのケヴィン・ベーコンをプレゼントしようとする2人の凸凹奮闘記。ここで2人の凸凹っぷりだけじゃなくマンティスの秘密というか公然の秘密みたいなものが明かされて(ここでは何かは書きませんけどリミックス観てたらなんとなく想像は付く話です。)そうなのかってなったんだけど物凄く心温まるシーンがあったんですよね。でもそれだけじゃないマンティスの芯の強さってものがどんどん開花していったというか、成長著しいキャラクターになりました。そしてドラックス。朴念仁で頓珍漢な事をいう脳筋キャラなのに時々ズバッといい事を言う。便利キャラじゃねーかと思った事もあったけど最後の最後でそう来るのと。家族という事について、特に父親というものについて否定的でもありつつ、じゃあ良い父親とは?という事も追い求めるジェームズ・ガンが出した答えかと素直に思いましたね。

AwesomeMIX

 今回もご機嫌な内容の曲がフィーチャーされています。各音楽配信サービスでもプレイリストが公開配信されているので聴いてほしいけれどパンフレットでのジェームズ・ガン監督のインタビューでこれはヨンドゥが選んだプレイリストなんですよという発言が。確かにこれまでクイルの母であるメレディスが選んだので70年代前後が中心のヒットチューンになっているんですが今回は明らかに年代が拡がっています。それはヨンドゥがクイルのためにジャンク屋でかったZune(ズーン)という携帯音楽プレーヤーに入ってる楽曲をヨンドゥが自分の好きな曲だけ残しているという話をしているんですね(パンフレットより)そのため70年代だけじゃなく80年代の曲もかかったり前2作に劣らないバラエティに富んだプレイリストになっているし訳詞に目を通すとまた味わい深いのです。このアルバムもやはり抑えておきたい1枚になりそうです。(前作の2枚は既に持っておりヘビーローテーションの一角です。)

紆余曲折と別離

 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズトリロジーがここまで来るのに色々紆余曲折がありました。ジェームズ・ガンが過去のツイートの件で(この件もトランプ大統領への批判を公然と口にするガン監督を疎ましく思ったトランプシンパのインフルエンサーによって過去のツイートが掘り返された。)ディズニーを解雇され製作が危ぶまれましたがファンダムの動きや『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のキャスト陣の働きかけでスタジオ側も動き結果復帰する事になりました。あの時は半ば諦めかけてもいたけれど一縷の望みを託してネット署名にも参加したので復帰は非常に喜ばしいニュースでしたけれど、その空白時にジェームズ・ガンはマーベルのライバルでもあるDCで『ザ・スーサイド・スクワッド』を撮りました。そして『ピースメーカー』という配信ドラマシリーズを製作。結果混迷を極めていたDCの新たなかじ取りをピーター・サフランとともに執ることが決まったのです。なのでジェームズ・ガンがマーベル・スタジオの作品を撮るのはこれが最後になるかもしれません。栄枯必衰の激しいハリウッドの事ですから10年後の事は分かりませんけれど少なくとも今後5年間に関しては無いものだと思います。


 その上『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』トリロジーのキャスト陣も卒業するというアナウンスもありました。ドラックス役のデイヴ・バウティスタはドラックスを演じるのはこれが最後と明言していますし、ガモーラ役のゾーイ・サルダナも役からの卒業を表明しています。(ただガモーラはまだまだ語るべきことが多いので誰かに引き継いでもらいたいとも発言しています)それにジェームズ・ガンが製作監督する新しいスーパーマンの映画に『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』キャストから誰かが出るという話も出ているように現行メンバーでの『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』はこれが最後なんですよね。それだけにもう一度、彼らの活躍を目に焼き付けたいと思っています。それぐらい今作にはやられました。心に残るエンドマークだったと思います。

 ということでヴィランのハイ・エボリューショナリーや初登場したアダム・ウォーロックのこと、そしてロケットの相棒グルートについて、まだまだ語り足りないんですがそれはネタバレ直結になってしまうのでもう少ししてからネタバレ全開のエントリで綴っていきたいと思います。ということで『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:Vol.3』最高のトリロジーの締めくくりでした。

※何と言っても『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』はそのサントラ。ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3 オーサム・ミックス Vol. 3(オリジナル・サウンドトラック)/Amazon/一部に雑とか言われてますけど今回のプレイリストもいい曲入ってます。上に書いたようにヨンドゥが選んだ曲という体になっているとか。味わい深いです。

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