『緋色の雫』/ファイブスター物語/FSS/ 月刊ニュータイプ2023年4月号/第6話時の詩女アクト5-1緋色の雫|感想/考察【ネタバレ注意!】-Web-tonbori堂アネックス

『緋色の雫』/ファイブスター物語/FSS/ 月刊ニュータイプ2023年4月号/第6話時の詩女アクト5-1緋色の雫|感想/考察【ネタバレ注意!】

2023年3月11日土曜日

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 今月号(月刊ニュータイプ2023年4月号)は17巻発売の事もあり付録が2種(ポスターとカレンダーシール)に巻頭特集。表紙はフィルモア帝国皇帝騎ダス・カイザース。これまでの17巻の内容を含めた連載を振り返る内容と単行本17巻に先んじて発売された『声優、東大に行く』佐々木望のインタビューが掲載(表紙がなんとトリハロン殿下!というのもありアフレコ時の話や永野護、川村万梨阿ご両人のお話など)と盛りだくさんです。そして連載は『緋色の雫』のエンディングと17巻の表紙は誰なのかが明かされました。その辺りも含めてこのエントリでは連載のみのお話を中心に。第17巻のインプレッションは別のエントリでという事にしたいと思います。ということで今月号の気になるところ、行ってみましょうか。

月刊ニュータイプ.2023年4月号と付録ポスター、F.S.S第17巻/KADOKAWA刊
月刊ニュータイプ.2023年4月号と付録ポスター、F.S.S第17巻/KADOKAWA刊


※毎度のことながら月刊ニュータイプ(NT)2023年4月号掲載/連載分の「F.S.S/ファイブスター物語」の内容に触れておりますので【ネタバレ注意】です。何卒よしなに😌

先月号の感想はこちら。(リンク先は2023年3月号の感想です)

巻頭特集「魂の継承」

 第17巻発売を記念してというのもあるのでここまでの17巻も通じての振り返り、引いては魔導大戦後半の振り返りにもなっており、「魂の継承」というのは、詩女ベリンと皇子トリハロンの誓いとでもいう約束、それを受け継ぐ若き皇帝ダイ・グ、そしてクリスティン。超帝國剣聖であるカイエンからマグダル、デプレへ。そして詩女たちからマグダルへにもかかっていることを俯瞰する振り返りとともにGTMもまた時代を見つめてきた者としてという扱いでした。囲み記事で魔導大戦年表があってファイブスター物語/F.S.Sのメインタイムラインである星団歴年表では始まりと終わりしか記されていない魔導大戦で、ここまでの小さくない出来事が積み重なっている事を今更ながら感じます。そして来月からはヨーンがいかにして拳から剣をとるのか?それはすなわち稀代の悪漢デコースの退場を意味するんですがその前にこれまでの振り返りとしては良い特集であったと思います。

『声優、東大に行く』

 まずはすみません。まだ購入しておりません(コラッ)でも佐々木望というと自分の中ではトリハロン殿下ともう一人重要なキャラクターがあってそれは『AKIRA』の鉄雄なんです。公開前から大友克洋の名前は知っていました。角川映画初のアニメーション、先ごろ逝去された松本零士の『銀河鉄道999』の劇場アニメーションの監督であったりんたろう監督が監督した『幻魔大戦』(原作/平井和正)のキャラクターデザインに起用されたのがその頃注目を集めていた大友克洋だったのです。幻魔大戦というと平井和正と石ノ森章太郎が協同で作った漫画作品が有名だったのでいきなりこの違和感のあるデザインは当時戸惑った人もいたんじゃないでしょうか。でもtonbori堂は何故か強く惹かれ映画はもちろん今でいうところのデザインワークスのようなムック本も購入しました。そして大友克洋の本業である漫画も(今はアニメ作家でもありますが)読むようになり当然『AKIRA』も連載から単行本も買ってその中途で映画という…そうスパンはちょっと違いますけど『ファイブスター物語/F.S.S』に近いところがあるのです。そんな佐々木望さんにもう「さんを付けろよ、デコ助野郎ォ」とはもう言えませんよね(笑)

GTMマイティ・シリーズ暁姫≠火之姫

 いやもうマイティ・シリーズとは言わないんですが、B4ヒトエフタエ火之姫は暁姫のイメージがやはり色濃くでている気がします。それはカラーリングもなんですが全体のシルエットですね。頭部のベンダーホーンやアイドラフライヤーがそれを感じさせるのです。またMk2はスピードミラージュで決定。浮遊城崩壊時のあれもMk2に置き換わる(しかも名称は雷丸)のかあとは若干新しいスピードミラージュとしてのブリンガーシリーズを見たかった気もしますが…すったもんだのすえのエルガイムMk2がここに来てそうなったかという気もしますね。あとは細かい囲みにあったデムザンバラの秘密がなんなのか?天照家のモルフォ型GTMでMHのウォータードラゴンでありカイエンのシュペルターであった騎体、その秘密も気になりますね。

扉「トワイス・カテリ」

 扉はドラアンデアスティルーナのマスターとしてDESIGNS2に記載されているクバルカンの騎士?と思われる人物トワイス・カテリ。見た目が少女なんですがテキストに記されている来歴は驚天動地な設定。まずトワイスの姉、ナージュグ・カテリは星団暦1700年代の詩女。「とある座標」に出現した事象を調査するためにクバルカンの騎士である実の妹、トワイスと破烈の人形をその座標に差し向けるものの帰ってきたのは破烈の人形のみ。そしてそこからまた1000年後の星団歴2770年の詩女トーティー・ジキジディは再びかの事象の調査のために剣聖カイエンを招聘。破烈の人形とともにかの座標へと送り出しました。サポートには当時の彼のパートナー、クーンがまだハイアラキからの移行中のため「超ド級」ファティマともう一人、何故か「破烈の人形が座標を覚えています、行かねばなりません」と同行を望んだファティマの二人が同行。数年後、破烈の人形、カイエン、超ド級ファティマは戻ったものの、カイエンは老化が進み精神が分離状態のためジキジディはカイエンはラーンの地下に封印、超ド級ファティマは不可思議な発言を繰り返し産みの親バランシェが匙を投げてしまうという事態に。その後カイエンはボルサにより再び眠りから覚醒させられたがその時の事は一切覚えていなかったとか。そういえばカイエンが眠ってた話は結構古い話であったように思うんですがまさかそこに繋がる?となりました。ちなみにデムザンバラではなく破烈の人形だったのは破烈の人形は恒星間航行が可能だからだそうで、さすがツバンツヒ姐さんのGTMです(ヲイ。そしてこのトワイス、消えたはずなのに何故かカーディナルスの騎士として静のマスターとなり破烈の人形を駆ることに。ただ何故か静に敬語で話すし騎士ではなく、さりとてボルテッツのようなブリッツェン・フォースでもない謎の力を使うとか巨大な機械のようなものが後ろにいるとか(キャラシートにまるで背後霊のようなシルエットが)まさに謎多き人物。しかも本編後のエピローグにてさらに驚く事態が…!

緋色の雫

 ナカカラの事態は既に先月号の時点で決着ついていましたが、今月号ではその直後からの状況が描かれました。ディスターヴ隊が参戦でブーレイ傭兵騎士団は戦闘不能、脱出も困難を極める状況になり戦局は一気に逆転。ダイ・グ陛下は容態は安定しているものの予断を許さないっていうのはもう立つ事さえも叶わぬのではないかと…。そしてチャンダナは「疲れた…ねる」で眠りに。正直力尽きたのかそれとも長い眠りに入ったのか、それは分かりませんがアウクソーやアマテラスが言ったようにかなりの負担がかかったのだとしたら…。今は彼女の長い眠りが永遠のものなのかどうか見守りたいと思います。


 そしてナカカラの状況を短くフンフト様が語っているんですが色々考えてしまいますね…。出撃の機が遅れてしまった事で結局民衆から糾弾され議会もフィルモア帝国に何も言えなくなってしまったナカカラ。これは我が国でも戦前に同じような事がありましたし、今も世界中で、ロシアのウクライナ侵攻でも形を変えて起こっている事でもあります。でもトリハロン殿下と詩女ベリン様との約束、「少しでも流れる血を減らす」その意思はダイ・グによって繋がれていっていると思います。だからこそフンフト様が緋色の雫を受け渡す相手はやっぱりジークボゥなんだろうなと。詩女とフィルモア帝国皇帝との不破の約束でもあるんだけれどブラックプリンスはそれをどう受け取るのか…。それはヨーンの話の後かプロローグで語られるのかもしれませんね。

エピローグ/バランシェ・バランスファティマリレー

 BF-24(f)ドラアンデアスティルーナはドラアンデアスティルー「テ」になっていました、マル。じゃないですよ!そのドラアンデアスティルーテはスタント遊星の不定出現太陽系バスターの第6惑星にいました。ある意味異世界、あの世ですね。トワイスの向かった先であり、カイエンと超ド級ファティマともう一人のファティマが向かった先。そもそもスタント遊星はモイキュードの巨大船であった事がゴリリダルリハの言葉で分かっています。そして過去そこからサタン、もしくはヴィーキュルと呼ばれる異世界の住人がジョーカー星団へ命の水を求めにやってきた事も。このタイミングでドラアンデアスティルーテが登場したのは3225年のスタント遊星攻防戦への布石なんでしょうが、その上もう一つ驚くべき事実が彼女から明かされます。超ド級ファティマさんは実はもう亡くFネーム・ファティマ零・零であるという事を発言。一体何があったのか?全ては推察しかないんですが、そんな事が出来るのかというと出来るんですよね。ヒュートランから産まれたFネーム・マータ・マータはザ・ウィル・スペンサードという時空を超える戦艦を建造し時間も空間も超越しているのでおよそどんなこともあってもおかしくないんですが…にしてもFネーム設定が公開されたのもDESIGNS6クロスジャマーで令令謝にある秘密が仄めかされていたり、ナオがセブンソードとしての格好の横に零・零がいたのはそういう事だったのかと…。しかし最後の最後にそういうのを投下してくるとは…。ドラアンデアスティルーナ改めドラアンデアスティルーテについての秘密がデカすぎます😅そして星団に現れたトワイス・カテリ枢機卿とドラアンデアスティルーテと共にいるスピリッター、クージャパンテラー(GjaGoruXL)と呼ばれる生命体?機械?マンティコアやクフィルインペリュンのような機械生命体?との関係は?まさか…。これもやはりスタント遊星攻防戦への布石としても最後の最後まで謎を置いていくスタイルは流石ファイブスター物語/F.S.Sだなと感じます。

ヨーンvsブラックナイト

 来月号はとうとうヨーンの話です。このエピソードもどうなるかは分からないけれどヨーンが剣を取り、アイシャは騎士を廃業する…それはもう決まっている事なんですがこのエピソードは永く続いたヨーン・バインツェルが騎士へとなる通過儀礼の最後の章になります。どんなストーリーが紡がれるのか?そしてヨーンが騎士になるという事はおそらくデコースは倒される。もしかすると命を落すかもしれません。悪漢とは言え彼もまたファイブスター物語/F.S.Sを牽引してきたキャラクター、どのような最後を迎えるのか?そして黒騎士の号は四代目バントライン・コール(ゴール)へとどう繋がっていくのか。ここでも継承の物語が語られるのではないか?ともかく来月号も楽しみです。

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