ということで初日の夜のレイトショーの回に行ってきました。もう恒例になりつつありますけどM.C.U作品の初日鑑賞、どこまで続く?って感じですがここまで来たら続く限りと思っています(笑)。M.C.U作品としては31作目(劇場公開作品)今回のアントマン&ワスプとしては2作目、アントマンシリーズとしては3作目で3部作という訳ではないんですが3作目としてはこれまでサンフランシスコという狭い地域での話が急に大きさを増した感じです(舞台は極小の量子世界なんですけれどね。)今回のざっくり感想としては「アントマン」らしさとキャラクターそれぞれはやっぱり好きだなと思ったのとルイス出なくて残念という事。そしてカーン役ジョナサン・メジャース凄いな!って事でした。気になった点も多く米映画で多いファミリーの話か!(ワイスピ、GoTGのような血縁ではないファミリーではなくリアルファミリーですけれど)となったのもあるんですが、ともかくあらすじの後に思ったところを書いてみたいと思います。
Marvel Studios’ Ant-Man and The Wasp: Quantumania | Official Trailer/YouTube/Marvel Entertainment
※多少ネタバレに配慮はしていますが完全シャットアウトしたい方は観た後で読まれた方が良いかと思います。話の流れでついうっかりがあるかもしれませんので。その辺り何卒よしなに願います。
「征服者カーン現る!」/あらすじ
アントマンことスコット・ラングはアベンジャーズの一員として地球を救った。そして街の人気者となり回顧録を出版したりして楽しく暮らしていた。ホープはハンクから受け継いだピム・テックを財団化しその技術を人々の達の役に立てるために活動。ハンクとジャネットは失った時間を取り戻すために日々を暮らしている。そしてスコットの娘キャシーは父の背中を見て人々の役に立ちたいと活動していたがやりすぎて警察のお世話になったりしていた。そんなキャシーとの距離間を計りかねているスコット。一方キャシーはハンクやホープから手ほどきを受け量子科学の技術を使って量子世界の探査機を作っていた。
しかしその探査機が信号を発信していると知るとジャネットは血相を変えて機械を止めるように言う。だがスイッチがOFFになったはずの探査機が突然再起動しスコット、キャシー、ホープ、ハンク、ジャネットの5人は探査機の作り出したポータルに吸い込まれてしまった。スコットとキャシー、ホープとハンク、ジャネットは別々の場所へと放り出されてしまった。スコットたちが放り出されたのは量子領域(クアンタム・レルム)にある小さな宇宙。その領域にも生命がいていろいろな人種、動物などが生息し世界を形作っていた。ホープたちと合流しようとするスコットとキャシーはある集団に囚われジャネットが以前にしてしまったことで量子世界が今征服者に支配されていると知る。一方ホープたちもスコットを探すため量子世界に長くいたジャネットが先導し大きな都市へ手がかりを求めて向かう。そこで以前一緒に戦っていたクライラーという人物とジャネットたちは接触するが彼は既に征服者の軍門に降り彼の手先となっていた。辛くもその場を脱出する3人。そしてジャネットはホープとハンクに量子世界にいた時の秘密を明かす。それは彼女の過ち、この世界に落ちてきた男を助けた事から始まった事なのだった。ジャネットの犯した過ちとは?そしてその前に立ち塞がる征服者カーンとは一体何者なのか?スコットたちはこの困難を乗り越えこの量子世界から脱出出来るのだろうか?
クアンタムファミリー:アントマン
今回は宇宙家族ロビンソンとかミクロキッズとかそういう枠の作品だったかなと思います。思えばアントマンシリーズはそういう部分があってファミリーサイズの冒険物語をM.C.Uの範疇でやっているなというのが強いのです。ペイトン・リード監督の嗜好なのかどうかは分かりませんが1作目『アントマン』はスコットとキャシーを巡っての前妻との話、ホープとハンクの話、ハンクとダレンの話があってファミリーの話であるんですよね。2作目『アントマン&ワスプ』は完全にホープとハンクの話でヴィランのゴースト/エイヴァとフォスター博士もまたそうです。父と娘、そして量子世界からの母ジャネットの救出が大きなストーリーとなっておりこれまたファミリーの話。アントマンシリーズはそういう映画であって今回の『クアントマニア』もまたファミリーの話で量子世界でのアントマンファミリーの冒険譚という趣になっていたと思います。
スコットとキャシーの関係性やピムファミリーの話などがしっかりと描かれ、その前に立ち塞がる強大な敵、征服者カーンという図式も分かりやすかった。その彼が何故スコットたちを量子世界へと引き込んだのかはジャネットの失われた30年の間のエピソードとしてカーンとジャネットの間に因縁を作ったのも導入としては些か強引?と思わないでもないけれど無いなとは思わなかったし、まさかのあの男がマーベル・コミックスでは人気キャラクターであるMODOKで復活などもそう来たかと思いました。
物語の始まりとしてキャシーはスコットに憧れつつも無茶をするなという父に反発(といっても可愛いものですが)し、ちょっと暴走気味なのも、こういう作品あるあるで、『ホークアイ』でのケイトに近いものを感じましたし(そう言えばケイトがこの作品にカメオ登場するという噂もありました)スコットとホープの間にいるスーツを着たキャシーはケイトやアメリカ・チャベスらのように次世代を担うヒーロー登場感もあって良かったですよね。(彼女が今回の事件の発端、探査機のビーコンがMODOKにキャッチされて引き込まれたのは置いといて(苦笑))
征服者カーン
M.C.Uでのカーンは一度ディズニープラスオリジナルドラマ『LOKI』Season1にて登場しています。インフィニティ・サーガ終了後のマルチバース・サーガの先駆けといってもいいマルチバース、時間軸に主眼を置いた作品で多くのロキや混乱する時間軸を描いたドラマでした。tonbori堂も感想に「大混乱」(リンク)というタイトルを付けるぐらいに曰くアース616と呼ばれるタイムラインは『LOKI』では神聖時間軸としてTVAを使ってこれ以上の時間軸を増やさず剪定をして他の自分との戦争にならないようにコントロールしていた男、「在り続ける者」として登場したのがカーンでした。彼は長年に渡り未来を見てきた事でロキとその変異体で女性であるロキ、シルヴィが自らの居城にやって来る事を知っており結末を選ばせます。ロキは踏みとどまりましたが復讐を遂げるためシルヴィは在り続ける者を殺害しその結果、変異体が再び蠢き多数のタイムラインが伸び始めていく様が映し出されました。ロキもその結果また別のTVA(カーンを奉じる)に出たところで最終回を迎えた以来のカーン。演じているのはジョナサン・メジャース。とらえどころがなく飄々としている中にも虚無感と厭世観を滲ませている在り続ける者を演じていました。
今回のカーンは在り続ける者とはまた違う、静かな中にも秘めた力を溜め込み、全てを飲み込み喰らいつくそうとする王者のカーンを確かな演技力で演じています。ジョナサン・メジャースという俳優はまだ若いけれど迫力凄いですよね。彼がカーンに抜擢されたのも分かります。メジャースを初めて認識したのはティ・チャラことチャドウィック・ボーズマンが出演したスパイク・リー監督のネットフリックスオリジナル映画『ザ・ファイブ・ブラッズ』で主人公ポールの息子でベトナムに行った父を追いかけるデヴィット役でした。その時はカーン役で戻ってくるとは思ってなかったけど在り続ける者で出演(その時はカーン役に抜擢されたとは既に聞いていました)そして今回の征服者、まったく振れ幅が違ってて凄いなと。なるほど彼が何故この役に抜擢されたのかよく分かりました。
気になったところも
ほぼほぼ申し分ないけれどスコットの友達のルイスが出ていないのは残念でした。スコットのもう一つのファミリーであるルイスたち(元)囚人仲間のうちカート役のデイヴィット・ダストマルチャンはウェブという量子世界の生命体の声で出演を果たしていましたけどもマイケル・ペーニャが出てくる事は無かったです。FBIのジミー・ウー捜査官がカメオ的に冒頭出てきたからワンチャン、最後にさらっと出てくるかなとは思いましたがルイスを出すなら絡ませたい、でも今回はそこまで絡ませられないというペイトン・リード監督の思いなのかなとも。インタビュー記事で彼を出す余地が無かったと語っているのを読んだんですが…でもカメオでもみんな喜んだと思うんですよね。
それともう一つ、よく巷間で言われているマスクオフ問題については役者の顔が見えないというのである程度は理解しているんですが、それよりも気になったのは何故クライラーにビル・マーレイを起用したのか?これもペイトン・リード監督の談話がネットに上がっていたので読んだのですがマーレイはこれよりもうちょっと出番はあったそうです。だけど最終的にカットしたとか。確かに作品にシナジー無かったらカットも止む無しですけれど、難しい話だけどクライラーだけは本当に何のために出てきたの?ってなりました。マーレイ呼ぶギャラでならエンディングだめでもポスクレにルイスねじ込むとか…いやそれも蛇足感ありそうですよね…
そしてホープ、タイトルロールのヒーローの一人で見せ場もあったけれど…ドラマ部分での絡みが薄いんですよ。導入部分では存在感がめちゃくちゃあったし量子世界に行くまでは主張もあったけど量子世界に行ってからはその存在感が発揮されず、その分ミシェル・ファイファーのジャネットと最後の美味しいところをしっかりマイケル・ダグラス演じるハンクが持って行ったのである程度相殺はされていますけど。それでもホープはタイトルヒーローなんだからというのはありました。ただ初代アントマンと初代ワスプが活躍ワスプはワスプで過去の過ちを、アントマンはアントマンで小さきもの達を無視するなとばかりの最後の真打ち登場感。そういうところで回収したのかなとは思いますが次はホープ活躍して欲しいですよね。
Look Out for the Little Guy
「Look Out for the Little Guy」これはスコット・ラングがエンドゲーム後のタイムラインで書いた自伝です。冒頭のモノローグは彼の書店での朗読会という体で、この本実際に販売されるそうなんですが、意味は「小さい男にご用心」なんだそうです。このタイトルが最後に回収されるとかほんとうに手堅く作ったな、ペイトン・リードっていう感じのウェルメイドなSFファミリー冒険映画でした。主人公一家が異世界でのレボリューション、革命に巻き込まれ重要な役割を果たすっていうのも定番ですしね。というところでフェイズ5まずまずのスタートだと思っていますが、ネットで感想などをそれなりに拾っていくとM.C.Uに対しての周辺の目も厳しくというより要求水準がめちゃくちゃ高くなっているなとも思いました。これがフェイズ3ならそう来たかってなってたと思うんですよ。でもエンドゲーム後でノー・ウェイ・ホームを経てしまって(NWHは反則感もあるんですが)もう元には戻れないよっていう感じがあります。それだけに今後はクオリティコントロールのために発表ペースを落すとの事ですがスタジオが一旦色々見直すのは納得出来るけれど今後もまた10年となれば正直最後まで追えるかなと色々心配です(tonbori堂も壮年越えて老年に差し掛かっておりますので😅)それでもフェイズ5まずはマルチバース通してのヴィランがスクリーンに登場し此奴は一体?となったのでまずは紹介編としてはその役割は十分に果たしたかなと思っております。
次は5月の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーVol.3』そして半年弱置いての『ザ・マーベルズ』とかく何かと言われ続けるであろうM.C.Uですが今後も引き続き追っかけていきたいと思っております。ということでもうちょっと経ったらカーンについての事とお馴染みポストクレジットを含めた何時もの「気になる2,3の事柄」をアップします。何卒よしなに。
※アントマン3部作?という訳ではないですがまずは『アントマン』(リンク:Amazon)
※前作でもある『アントマン&ワスプ』結構好きなんですよね(リンク:Amazon)
※スコットの自伝的書籍『Look Out For The Little Guy』(リンク:Amazon)も発売されるとか。ちなみに洋書なんでご注意を(翻訳版は未定万が一出版されるようならリンク追加します。)
※Amazonプライムビデオでも観れますリンク|『アントマン』|『アントマン&ワスプ』
0 件のコメント:
コメントを投稿
お読みいただきありがとうございました。ご意見、ご感想などございましたら、コメントをよろしくお願いいたします。【なおコメント出来る方をGoogleアカウントをお持ちの方に現在限定させて頂いております。】