今回のお話はクリスティン・Vの想い、そしてダイ・グには後にサイレンと呼ばれるトリハロンの想いが脈々と受け継がれているという事が伝わる話と、この戦いにある裏の示唆。それをクラーケンベールは嗅ぎ取っている、そんな描写がありました。全体的にはこのエピソードは短いと言いながらも既に3回に渡って「序破急」でいうところの「序」の部分をやっています。ただ「破」につながる不穏さも増してきた回でした。というところで今月号の気になるところいってみましょうか。と、その前に巻末のアンケート、今月号のプレゼントにダ・ヴィンチストアで販売中のファイブスター物語トートバッグが5名様に抽選で当たるそうです。締め切りは7月7日七夕までですのでお忘れなきよう、方々ぬかりなく。
月刊ニュータイプ2022年7月号とDESIGNS4/KADOKAWA刊 |
※毎度のことながら月刊ニュータイプ(NT)2022年7月号掲載/連載分の「F.S.S/ファイブスター物語」の内容に触れておりますので【ネタバレ注意】です。何卒よしなに😌
※先月号の感想はこちら。(リンク先は2022年6月号の感想です)
扉、GTMコックピット
おや、これはお懐かしやDESIGNS4やゴティックメードワールドガイドでも解説されたGTMコクピットなんですがカットはスクリーンドームが下がっているシーン。雑誌、書籍媒体では初出?な気がします。騎士の顔が見えているカットがよく使われているんですがこれは見えないのでちょっと新鮮だなと。
各部解説は特段に特筆するところはないのですが今回、クリスティン・V(クリス)の描写でどうなっているかというのを分かりやすくするためにこのコクピット解説を掲載したという事が書いてあるんですがそこにこのコクピットはホルダ13型「ライン」のコクピットであると明言されました。もっともあの時のシワルベの格納庫描写ってメロウラだけでカイゼリンはステーブルごと射出。ラインはコクピットのみでしたが…基本的には今のユーレイに近いシルエットなんでしょうか。こうなるとホルダ型全機種のキャラクターシートが見たくなるのが星団民の性というものです。もっとも現役のホルダは31,33ですから出番はないんでしょうけど。ダス・カイザースからのホルダ23型ダス・ゴースト、DESIGNS4ではウィリーズ略称ヴィリと記されていましたがそれについては続いてのクリスのモノローグで名称の変遷が明かされています。
ホルダ19型ナキメーカ
なぜホルダ19型メロウラがナキメーカとなったのか。モノローグからクリスの初陣の頃はまだメロウラだったと思われます。ですが初陣のショックから一時PTSDを発症し戦えなくなったクリスを慧茄が訪問しイヤリングの秘密を明かしてからは笑わなくなったクリスはメロウラで獅子奮迅の戦いでフィルモア帝国にハイランダー・クリスティン・V在りとまで言われる事になりました。そして何時しかクリスがメロウラを駆る時泣き叫ぶ音を出すと…。いやそもそもドナウ帝国の頃から起動音は女性の泣き叫ぶ声じゃありませんでしたっけ…いやそれは起動音であって戦闘中ではないから…やはりクリスの戦いぶりにハーモイドエンジンの音がそう鳴っているとしか。そしていつしかスクリーマー(これはDESIGNS4にも表記されてます)そしてナキメーカ(泣き女)と呼ばれる事になったのだとか…。ナキは泣き、それは分かりました。でもメーカで女…。メは詩女のメでいいけど…伸ばしてカですか…うーむ。でもこれは完全に音先行なネーミングではないかと感じます。メロウラみたいな富野イズムなネーミングも良いのですが(ドムとかザクとかの系譜を感じますが…なんか元ネタあるのかな?バンド名?)しかしMH時代のV・サイレン/ネプチューンの頃からGTMへの変遷を経てナキメーカとなった事に色々あったなと改めて感じるところがあります。
ダイ・グの想い
これはもう単純に「国」と「国」の条約ではない「約束」と言う名の想いを未来に向けて残す。ナカカラを守ったフィルモア帝国が未来で難渋した時にナカカラの人たちが思い出し手を差し伸べてくれる…。確かに子供っぽい想いです。とは言えこれは『日本沈没』で小松左京が問いかけた事とも通じると思うんですよね。何時かは無くなる亡国の民になるか、それとも新しく道を切り拓いていけるのか?そのための「種」をダイ・グは蒔こうとしていると思います。
大ポカ、3年前とは一体何年?
で過去の回想シーンが挟まれるんですが「3年前」って入るんですが現在の星団暦は3069、そしてシャルデファーの頃って単行本16巻だとするとですね「ショウメ争奪戦」で3037年となって32年前の話なんですよ。ジョーカーの人たちが地球人よりも長生きでクリスはこの3069年では101歳地球人で24歳相当なんですよ。ちなみにダイ・グは126歳で30歳前後。いやダイ・グ30歳にしては若くないか?ってなりますけどDESIGNS4では前年に天照と会い帝国の未来を決めるとありましたがそれがシャルデファーでのラキシスとの邂逅にスライドした?ってことでいいんでしょうか。基本『ファイブスター物語/F.S.S』は全てのストーリーのシナリオは全て上がっているとの事なんですが物語の進行上でカット(ハリコンの登場はもっと前からあったけど物語の進行に関りが薄いのでカットされたことは作者が語っています。)はあるんですがその役割を別の人物にというのは結構大きい話ではあると思います。ただ天照よりはラキシスに会ってというのは腑に落ちるんですよね。天照は神様でラキシスもそうなんだけど「人間」をよく知っているのはラキシスだと言うのは幾つかのシーンでも明らかだと思うのです。何せ狂人とはいえ人に造られしダブルイプシロン型ヒューマノイドなので。あとこの大ポカ起こったのは多分現実世界の3年前のエピソードなのでそうなったのかなと思われます。これ以前にも同じ事ありましたよね?『ファイブスター物語/F.S.S』は長大な時の流れの話なので年表や用語の専門校閲が必要なレベルではないかと思います。担当編集さんも大変でしょうが一考して欲しいところかもしれません。
そう言えばその昔、ポカを発見して投稿するコーナーがテールズ・オブ・ジョーカーっていうトイズの雑誌であったんですけど…あれ?別のだったかな。(だからといって間違いしてもOKという話ではない)結構その辺り人数カツカツで回しているのかも…なんて思ったりもしました。
茄里、アラン・リー
子どもだとは思っていたけど…子どもでした(ヲイ。もっとも茄里もアラン・リーも次に登場する時は成長してるんだろうなあ…。それにサクリファイス/ニーゼルとしての璃里のあの甲冑姿もどこかで出てくるんだからDESIGNS4の最後の茄里やリッターピクトのアラン・リーもどこかで出てくる…はず。基本キャラクターシートが起されているのは登場するからなのですから。ということでクリスだけでなく三色の娘、茄里とケンタウリ家の血を引くアラン・リーにもその種が託されたというのは大きいと思います。何せその想いをさらに引き継ぐのはあの青年だから。そこに物語が行くためにもこのナカカラの戦いがある訳です。しかしダイ・グの言葉は今のロシア侵攻にもダブってしまいますね。もう既に10年も前にそういう種が蒔かれていたにも関わらずそう思ってしまう台詞でした。
南部戦線、異常あり
南部側はアルカナナイトがおらず帝国第2騎士団と第6騎士団のみという若干の手薄感がありますが6月号の戦況図を見ると王都に近いため抜かれた場合はディスターヴ隊が矢面に立つ事も。ただこのお膳立てが本陣を狙っているのであれば来月号で「破」からの「急」があり得るかもしれません。南部に気を取られバッハトマが北部からシャデルファーを抜いて接近する作戦は有り得るのではないかとぼんやり戦況図を見ていて思ったので。
それにしてもクリスの初陣時にもその力を見せつけたメヨーヨ。GTMになってもやりづらい相手と評されているようです。そこにコーネラのデモールも加わるとは。そして顔出しはないけどレーベンハイトも久しぶりの登場です。しかし大帝、相変わらずのウォーモンガー(戦争狂)っぷり。傾奇者ですね。彼がワクワクする戦いはこの後あるのか?(ハスハント解放戦には参加しているようですが)そこも気になります。
クリス
全く関係ない話なんですがtonbori堂はこれまで『ファイブスター物語/F.S.S』関連エントリではクリスはクリスティンと書いてたと思います。クリスと書くときは大抵、永野護の事でそれは永野護が仲間内からクリスと呼ばれていたからなんですがそれは初期のインタビューでもよく出てくるので何時からかクリスと書けばそれは(『ファイブスター物語/F.S.S』関連で)永野護の事でしたが今回はクリスティン・Vがメインで彼女の略称はご存知のとおりクリスのため混同を避けるため作者という書き方をしました。今後もエントリによっては変わるかもしれないですがどうしても永野護と言えばクリスってなってしまいますね。佐野元春を元春って言ったりするのに近い?いやあまり近くない?まあ関係ない話なので最後に持ってきました。という事で来月は一体どうなるのか?そう言えば悪巧みチームやナイアス、それにカリギュラもミラージュに来る前の請負仕事として誰かが来ているはずではないかと憶測しているんですが来月号でそれらは描かれるのか?楽しみです。
※月刊ニュータイプニュータイプ 2022年7月号/(リンク先はAmazon)
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