公開からそろそろ4週間も過ぎたということでそろそろ完全ネタバレも込みで『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』の色々気になったところを書いてみたいと思います。感想についてはやっぱり色々モヤモヤしますね。10日間は経つというのに嫌もう少し何とかならなかったの?(主にワンダ/スカーレットウィッチ)とかアース616のモルドは何をしているのか?とか。あの牛さんは普通にカマー・タージに馴染んでいるけどどういう事?とか。いや牛さんはそういうもんだろって言われても多分普通の人なら色々気になると思うんですけどもそこも含めて暫しお付き合いのほどよろしくお願いいたします。
※注意:このエントリは『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』の内容について触れています。
Marvel Studios’ Doctor Strange in the Multiverse of Madness | Phenomenon/YouTube/Marvel Entertainment
アメリカ・チャベス
今回登場した新たなキャラクターでその力はマルチバースを自由に行き来できるポータルを開くことが出来るというもの。演じるソーチー・ゴメスは若干16歳だそうでこれから先もマーベル・シネマティック・ユニバースを牽引していく事は間違いなさそうです。そしてその力も「マルチバース」を行き来できるというのは今後の大きなストーリーラインに関わることはもう間違いないでしょう。これは2022年6月にディズニープラスで配信が開始する『ミズ・マーベル』のカマラ・カーンや『ブラック・ウィドウ』のエレーナ・ベロワ『ホークアイ』のケイト・ビショップ、まだ配信時期は決まっていませんが先に『ブラックパンサー2ワカンダ・フォーエバー』登場すると噂されている『アイアンハート』の主人公リリ・ウィリアムズらと共にM.C.Uフェーズ5以降を引っ張る原動力になる事を予感させる若い俳優えす。これは多くの方がネットで語っておられますが明らかに代替わりを意識したキャスティングですよね。そんな中ストレンジの後を継ぐマスターズ・ミスティック・オブ・アーツを引っ張るのか?チャベス、カマー・タージではスリングリングで魔術の練習をしていましたよね。でもポストクレジットに出てきたキャラクターが事はそう単純ではないと示しているのです。
謎の女
ポストクレジットの謎の女、実は演じた本人がネタバレツイートしていたりします(といっても観た人でないと分からないんですが…)突然ストレンジの前に現れ剣で空間を切り裂いたかと思えばインカージョン(これは後でまた書きます)が発生しそうだとストレンジに告げ一緒に来るように促します。彼女の名は「クレア」、切り裂いた先から覗く空間は明らかにダークディメンションのようでしたがクレアはドルマムゥの姪。ドルマムゥの妹の娘なんだとか。あのデカい顔の魔物の妹ってのも凄いけどその娘という設定が既にとんでもない😅そしてコミックスではストレンジの恋人になるという設定で、やがて彼の死後ストレンジの名を継ぎ至高の魔術師ソーサーラー・スプリームとなるんだとか…。いや情報量多すぎでしょってなりますが現在のところM.C.Uでは「謎の女」です😅ストレンジと繋がりが深くなるかもしれないけれどそれを示唆するものは無いしコミックスファンはワクテカかもしれないけど、メイクといいコスチュームといい行き先がダークディメンションってところもガチで危ない人なんじゃないかって思いますが…「ドクター・ストレンジは帰ってくる」の文章が出たのでストレンジの物語もトリロジーとしてまとめられる感じであり次章での重要人物ってのは間違いないですね。
イルミナティ
M.C.Uストレンジのいる世界がアース616で中盤チャベスの能力で飛んで行った先がアース838。そこではストレンジは世界を救った英雄となっています。そしてその世界をあらゆる脅威から護っているのが「イルミナティ」です。世界最高の頭脳を持つミスター・ファンタスティックことリード・リチャーズ。ザ・ファースト・アベンジャーことキャプテン・カーター。キャプテン・マーベルことマリア・ランボー、至高の魔術師モルド、インヒューマンの王ブラッカガー・ボルタゴンakaブラックボルト、そしてプロフェッサーXことチャールズ・エグゼビア。出オチのようにモルド以外はワンダに瞬殺されてしまったんですが実は相当な実力者です。リードは当然ファンタスティック・フォーのリーダーですしキャプテン・カーターは「WHAT IF」で大活躍したのは記憶に新しいところ。マリア・ランボーは『ワンダヴィジョン』のモニカの母で『キャプテン・マーベル』でキャプテン・マーベルことキャロル・ダンバースの米空軍時代の同僚です。
イルミナティのあの瞬殺加減は無いわーっていう向きもありましょうがこのお話はあくまでストレンジとチャベス、ワンダの物語のため少々かませ犬的になってしまったのはtonbori堂としては納得というかそれほどまでにワンダの力が強大になっているという描写として効果的だったと思います。特に歩く最終兵器ブラックボルトをまさに瞬殺からのミスター・ファンタスティックもというのが、続く女性陣2名は多少は善戦したもののという流れもありましたが極大にまで達したスカーレット・ウイッチの力には及びませんでした。そしてテレパシーで戦うプロフェッサーまでも…。けっこういけそうになってからのっていうのはホラーの定石ですがプロフェッサーああいう事が多いですよね😅でもこの「イルミナティ」という組織、今後ストレンジがアース616でこれを手本にアベンジャーズでは対処できない脅威に対して組織するという事は考えられないでしょうか。ちなみにコミックスではトニー・スタークの呼びかけで各勢力の代表が集まりそれぞれで対処できない巨大な脅威に対して共に対処に当たろうと呼びかけたんですがM.C.Uアースでは既にトニーは故人です。なのでコミックスでもイルミナティに参加しているストレンジが呼びかけるというのは自然かもしれないなと思います。というのもインフィニティ・ウォーからエンドゲームへの流れでトニーとストレンジは似たパーソナリティを持っている事なんですが、あと2人はシャーロック・ホームズですし(演じた人という意味でってヲイ!)。でもイルミナティというと雑誌「ムー」とか陰謀論とかでお馴染みの名前なんでそもそもその名前でいいのか?ってのはありますけれどね😅
ウルトロン
イルミナティで警備員代わりに稼働しているロボットはウルトロンなんですよね。良いウルトロン(笑)、いや機械に良いも悪いもないですが、少なくともマインド・ストーン由来ではなくこの世界でのトニーが作ったのか?それともイルミナティが集まった建物がバクスター・ビル(ファンタスティック・フォーの本拠地)なのでリードが作ったものかも知れません。ちなみにコミックスではハンク・ピム博士が作り出したとされています。今後も別のアースでピム博士が作り出したウルトロンが出てくる可能性もゼロじゃないですね。
インカージョン
アース838でなんとかワンダを止める糸口を見つけたかったストレンジは838のダークホールドを探すためサンクタム・サンクトラムを尋ねそこでモルドと出会いイルミナティに拘束されちゃう訳ですが、そこで聞かされるのはこの世界で英雄とされながらもストレンジが危険人物とされたのは彼の独善的で秘密主義で物事を進めるその性格からでした。こちらのストレンジも同じようにサノスのインフィニティストーンによる世界の破壊を止めるため禁忌とされたダークホールドに手を出しそのの力を使おうとしたものの上手くいかずマルチバースにある別アースの崩壊(アース同士の衝突でその世界が破壊された)を招いてしまったためイルミナティのメンバーとともにサノスを倒した後、危険視する彼らの裁定を受け入れブラックボルトのパワーで消滅したのでした。そのなかで別アースの崩壊、それぞれの宇宙が衝突して消滅してしまう現象をインカージョンというそうです。
原作コミックスでも大きなクロスオーバーイベントで取り上げられた現象だそうでマーベルのソーシャルゲーム、マーベル・フューチャーレボリューションではコンバージェンスという名称で別のアースがぶつかる事で対消滅することを喰い止める事がゲームの主眼になっています。多元宇宙が引かれ合い衝突を回避するため衝突先を先に崩壊させるのか?などM.C.Uの今後でも宇宙(コスミックスペース)や地球側も含めて大きな物語に接続していくための大きな危機として今後も出てきそうなキーワードがさらりと語られしかもやらかしてしまったストレンジは殺されたという話までをざっくり。いや情報量多過ぎです。しかもポストクレジットではそれを止めに行くからあなた来てですからね…。
これで『ドクター・ストレンジ3』かそれとも次の客演登場でそんなことはあったけどすぐに片付けたぜとなったらそれこそファンから暴動起きそうな😅ですが実はマルチバースの問題は『アントマン&ワスプ: クアントゥマニア』に登場するヴィラン、征服者カーンとも大きく関係しているのではないかと見ているファンは多いのです。カーンは未来人です。雑な知識で言うと『フューチャー・アベンジャーズ』に登場したカーンは未来人でした。彼は地球は既に征服したものの宇宙を制覇するためにそれを阻んでいる種族のエネルギーであるテリジェンクリスタルに対抗するためそれを模したエネルギー源エメラルドクリスタルを精製するために必要な未来では枯渇してしまったヴィブラニウムを確保するためにやってきました。オリジンはファンタスティック・フォーのヴィランであり未来からやってきたヴィランであるところは一緒です。そういった未来人である彼はクアントゥマニアの前に既にM.C.Uに登場しています。ディズニープラスのドラマ『ロキ』の最後、剪定された変異体が最後に送られる場所。アライオスという不定形生命体に護られたシタデルという小惑星からTAVという変異体を取り締まる組織を密かに操っていた黒幕。「在り続ける者」として登場したのがカーンとされています。(演じた役者さんがクアントゥマニアでカーンを演じるナサニエル・リチャーズ)「在り続ける者」はシルヴィに殺されため彼が神聖時間軸として他の自分の変異体が産まれないようにしていた世界が分岐し始めました。これが原因でマルチバースが乱れていると思われます。実際マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギもそれをインタビューで認めている発言をしています。クアントゥマニアは量子世界の話にまた関わってきそうですがそちらもマルチバースに深く関わりカーンの登場で世界の危機がまた訪れてしまうかもしれません。
スカーレット・ウィッチ
『ワンダヴィジョン』から『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』が続いているとはそういう事だったのか…ってのはありますけどそうなると解決していない謎が幾つかありますよね。一つはホワイトヴィジョンはどうしたのかって事。でも彼はもしかすると地球にいないという事も考えられます。というかテセウスの船の話をしていたという事もあり単純に同一視していいものだろうかという考えもあります。それに今回ヴィジョンについてはあっさりしすぎるのもベタニーとの契約もありますがワンダとストレンジにフォーカスしつつクリスティーンとの話やチャベスのオリジンもあるので入れる余地が無いということなのかなとも思います。これもシェアードユニバース映画の弊害かもしれません。先の作品では重要な位置を占めていたのに今回は出番無しなのか?という状況です。
これまでもゼロではありませんでしたがインフィニティ・サーガというの大きな物語のくぎりがインフィニティ・ウォー、エンドゲームで決着した今どんどんユニバースが拡大する流れが出来ています。もちろんドラマシリーズの『ファルコン&ウィンターソルジャー』や『ホークアイ』はこれまでの流れや手触りで作られていますが『ロキ』は明らかに拡張している方向性です。何せ本筋(『ロキ』では神聖時間軸と称されていますが)では死亡しているロキが、エンドゲームの時間泥棒作戦中、四次元キューブで逃亡してしまいTVA(時間変異取締局)に捕らえられます。彼らは時間の変異点を見つけ出しその分岐を阻止している機関ですが『ロキ』の最終回でその時間軸を守っていた「在り続ける者」が死んでしまったために無数の分岐が産まれてしまったのです。そのマルチバースではそれこそウォッチャーが見守っていた世界が無数にあり『WHAT IF…?』で描かれた別の世界がマルチバース・オブ・ガーディアンズとしてアッセンブルも実写であるかもしれません。インカージョンが起こる世界線(時間軸)なら尚更です。
その中でもスカーレット・ウィッチと化したワンダはワンダゴア山のダークホールドの原本たる塔を葬り自らもその中へと消えていきましたが…アース838のワンダがいたように他にもスカーレット・ウィッチがいる事も考えられるし全てのマルチバースのダークホールドを滅脚したといってもまた復活する恐れもあります。そもそも旧世界の邪神クトーンが記したものならまたクトーンが現れる事だってゼロじゃありません。『マルチバース・オブ・マッドネス』はそういう世界へ扉を開いてしまった…そんな気がします。
おまけ:リントラ
最後にひとつ簡単に彼の事を。リントラはカマー・タージの魔術師が揃ったところに一人、強烈な存在感を放っていた…というか見た目ウシの彼です。ウシ=牛。ミノタウロス?かと思いましたがかなり気のいい感じなんですが…いや君どこから来たんや?ってなりました(笑)一応原典であるコミックスでは別の次元から魔術を教えてもらうためにストレンジに弟子入り志願するそうなんですが…。めちゃくちゃ凄いキャラクターじゃないの?という割りにはインターネットで拾える情報には限りがあって、ストレンジの浮遊マントを直したとかストレンジになかなかかまってもらえないとかそんなのばかり😅モブではないが重要性を示す話もなかったんですよね…。でもリントラ気になるヤツです。次回も是非とも登場してもうちょっと活躍してくれると嬉しいですね。
※前作『ドクター・ストレンジ』も今回観直したんですが味わい深くていいですね。今作がサム・ライミ度高いのでスコット・デリクソン監督の味がじわじわ沁みてきました。(リンクはAmazon/プライムビデオ/配信中/4K UHDも発売中:Amazon)
0 件のコメント:
コメントを投稿
お読みいただきありがとうございました。ご意見、ご感想などございましたら、コメントをよろしくお願いいたします。【なおコメント出来る方をGoogleアカウントをお持ちの方に現在限定させて頂いております。】