この作品、なんだかアメリカでは大ヒット、上半期はぶっちぎりながら中期に『ダークナイト』がそれを上回る大ヒットを記録した。そしてどちらも日本で公開されたが期待されたほどの数字は上げられなかったそうだ。
ソース|アメコミ映画:要因は格差社会? 「ダークナイト」「アイアンマン」不振の背景(まんたんウェブ) - 毎日jp(毎日新聞)
ここでの町山さんの分析はちょっとどうかなというのはあるし、これ切り貼りされてるのでは?と思ったりするけれどバットマンというキャラクター自体が弱いし、アイアンマンに至っては日本で知っている人ってアメコミマニアに限られるんじゃないだろうか?確かに自分が観た時もレイトで僅か5人。最初は上映開始5分前に入ったら自分だけだったので『オイオイ、貸切か?』と思ったけど始まる寸前に4人も入ってきてちょっとだけガッカリ(苦笑)ちなみにコレ以下だと三人の平成の『ガメラⅢ』だったっけ(^^;
ひるがえって『ウォンテッド』のアンジーは最近ではすっかりそのスジ(笑)の人扱いで露出も高く知名度もあるというところか。また宣伝もそうやっているのが殆ど。ウィルの主演作(そういえば『ハンコック』結局見逃した)が安定してヒットしているのは日本でのウィル人気とまめなキャンペーンに他ならないからだと思うのだが。
ソース|バラエティ・ジャパン | ウィル・スミス主演2作連続30億超え
もちろん『アイアンマン』のロバート・ダウニーJrも来たけど、それほど大きくメディアで取り上げられたか?っていう話。とはいえそれと映画の出来はまた別の話で実のところエキブロお友だちのお2人がこれまた上手く言い当てている。
「ダークナイト」のバットマンも大会社のオーナーであり、ハンドメイドのヒーロースーツを着る「普通の人」なのだが、「ダークナイト」が現代にあって「正義」を標榜することの限界と代償まで描き出しているのに対して、トニー・スタークは能天気すぎるのだ。
リンク|シネマ親父の“日々是妄言” : 「アイアンマン」最強!家内制手工業(^^;!!
世界最強の家内制手工業
こっからは完全ネタバレなんでまだこれから行くぜという人はご了解下さい。
まあ上のお2人のおっしゃる、この辺りが核になっているかなと。ただ『ダークナイト』が無ければこの映画、そこそこ切り込んではいるなとは感じる。主人公、トニー・スタークは軍需産業スターク・インダストリーのCEO、そして新兵器のプロモーションを今まさに米国がタリバンのゲリラを掃討作戦中アフガンで行うというところと彼を拉致したテロリスト『テン・リングス』が外国人の混成(これは実際にソ連のアフガン侵攻の頃にムジャヒディンと呼ばれたゲリラが外からやってきたことを想起させる。)そしてそのゲリラたちもスターク・インダストリーの兵器を使っているのもまさにムジャヒディンに兵器を流していたのは西側ですをなぞらえているよなあと思うのだ。とまあここまではウェイン町山さんも言ってました(苦笑)
ソース|アイアンマンとベトナム戦争と軍産複合体 - ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記
でも結局そこから目覚めた(啓示を受けた)トニーが兵器を造る事を止め、自らはその兵器を根絶するために武力介入する(あれ?どっかのアニメもそんな話あったような)そこでやっぱり陰で糸を引いているのがスターク・インダストリーの№2オバティア(演じるはジェフ・ブリッジス頭を丸めての悪漢演技は見事)。ここにもアメリカ一般ピープルの企業への不信があまりにもでかい事を思い知らされる。つまりトニーが大きな子供のように脳天気なのは、そこに邪気が無く、だからあっさり現実を見て『悪いことは出来ない』と言いのけて、いわゆる軍産複合体(大人)のドロドロな部分をオバティアが体現しているのだと。なのでアメリカ人にはすげえ受けたのかと観てすごく腑に落ちた(笑)
なので今後は強力すぎる力を持ったピーターパンシンドロームなトニーが現実を知ってへこむ、巷間で言われる原典コミックスにあるアル中闇オチネタをやるのか(ダウニーはヤク中、アル中の過去があるので元々演技派だしリアルにやってくれるはず。『ゾディアック』でも落ちぶれていく記者を好演していた。)そこらへんは気になるが陽性のヒーローが内外の悪い者を懲らしめるというのはアメリカ人的にはツボだよねとは凄く思う。だからこそ『ダークナイト』がヒットしたのは、決して陽気なだけ、そこだけに留まれない何かがあるんだろうなと強く感じる。
それとメカ好きには製作過程もそうだけど、エネルギー源をトニーが作り上げた夢のエネルギー炉、アークリアクターっていうのを使用しているのが面白い。パワードスーツのエネルギー源って結構厄介で、まじめに考えれば考えるほどドツボにはまる代物で、大概はスルー気味になってんだけど、それがトニーの心臓(ハート)でもありスーツの動力源というのはアイアンマンとトニーの一心同体を強く印象付けた。それを一人で作り上げる様は(拉致されていた時に制作するマーク1はインセン医師の助力を得ながら)まさに家内制手工業(笑)そういうところも含めメカスキーな男子は観とくべき?かも。特にラプターとの空中戦とかもうカッコいいぜとワクテカでしたから。ただACコブラの上に落っこちるシーンは(予告編であったにしろ)クルマ好きにはちょっと痛いシーンではある(苦笑)
キャスティングについて
キャスト的にはグウィネス演じるペッパーがすっごくキュートであんな秘書がそばにいてくれるなんてー!くそートニーうらやましいぞと思ったのは秘密だぞ(笑)あとダウニーはこれは当たり役だねという感じで楽しそうに演じてた。残念なのは伝え入ってるニュースでテレンス・ハワードが2に出演しない(ドン・チードルにチェンジ)、彼のローディがマーク2に身を包みウォーマシンになるところを観たかったのだが。
ソース|ドン・チードル、テレンス・ハワードに代わって『アイアンマン2』へ出演 - シネマトゥデイ
サミュエル・L・ジャクソン、『アイアンマン2』へ出演 - シネマトゥデイ
あと今後の展開的なオマケがあったんだけれどエンドロール前にあるから席を立たないでねという注意書きが!まあ分かるけど、あれこそ前情報知らないと分からないと思うんだけど個人的には今後作られる、『キャプテン・アメリカ』『雷神ソー』に続くプロジェクトに期待が膨らんだ事は明記しておきたい。
で、どうでもいいことなんだけど『アイアンマン』って『あ~いあ~んま~ん』って言うとなんか『アンパンマン』に出れそうだな(笑)その場合はキャラが大幅に改変されそうだけど。
※エキブロ/2008/10月掲載分/改稿しておりますがほぼ同じ内容です。
0 件のコメント:
コメントを投稿
お読みいただきありがとうございました。ご意見、ご感想などございましたら、コメントをよろしくお願いいたします。【なおコメント出来る方をGoogleアカウントをお持ちの方に現在限定させて頂いております。】