ベリンの花の種が再び蒔かれる時/『花の詩女 ゴティックメード』復活上映にて。/『ファイブスター物語/F.S.S』考察【ネタバレ】-Web-tonbori堂アネックス

ベリンの花の種が再び蒔かれる時/『花の詩女 ゴティックメード』復活上映にて。/『ファイブスター物語/F.S.S』考察【ネタバレ】

2022年1月19日水曜日

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 COVID-19オミクロン株の感染者数が拡大しておりますがそんな中、なるべく外出での接触機会を減らしてそそくさとドリパス復活上映で鑑賞してきました。何度目だろうかと思いつつ履歴を調べるとドリパスで18回に及んでおりました。そして公開時に少なくとも4回は観ましたので20回以上は観ている勘定です。多い少ないは関係ないとはいえソフト化と配信されない「映画は映画館」という原作/脚本/監督他のクリス(永野護)の御意向のまま現在まで来ているので再見できる時にはやはり観ておきたい作品、しかも現在本編にも薄っすら関わっているとなれば尚更です。ということで今回久しぶりの再見で気が付いたことと、ちょっとしたことが頭に浮かびましたので今回はその事について少し書いてみたいと思います。

氷の女王カイゼリン/ボークスF.S.S展にて(アブソメック)/©EDIT/永野護
氷の女王カイゼリン/ボークスF.S.S展にて(アブソメック)/©EDIT/永野護


※『花の詩女 ゴティックメード』と月刊ニュータイプ連載中『ファイブスター物語/F.S.S』の内容に触れますので【ネタバレ注意】です。何卒よしなに😌

今回のハイライト

 何回も観ると何時も何かしらの発見がある。映画鑑賞は1度だけでは終りません。観るたびに違った顔を見せてくるものです。もちろん1回だけ観るというスタイルもありますが繰り返して観たい映画というものもあります。『花の詩女 ゴティックメード』もそういった映画なんですが、実はこの作品『ファイブスター物語/F.S.S』のリブートと密接な関係があり『ファイブスター物語/F.S.S』が『DESIGNS4覇者の贈り物(ゴティックメード)』と単行本第13巻から基本は同じままで外見に大幅な改変が成されました。当然ファンの間では大きな騒ぎとなりましたが現在は落ち着いてきたかなと思われます。


 そんな『花の詩女 ゴティックメード』まずは作者がツバンツヒは劇中2度描かれているという事でラスト以外での「ツバンツヒを探せ」となりました(これはワールドガイドにもそのシーンが掲載されています。)それ以外ではセイラ―のハーモイドエンジン基部やバザールのネギうどん、不死身のラブなどなど。もちろんMk2、Mk3の登場シーンも目を皿にして確認したものです。それでも見落としはあるもので、今回はセイラ―が湖沼地帯を進んでいるところの後から追尾しているレモーハ(皇帝旗艦ダランスのバージセイラー)が小さく描かれていた事を発見したことです。それまで何度も同じシーンを観ていたはずなのに認知していなかったものを今回認知したというのは、やっぱり1回観ただけでは分からないなと思った出来事でした。そしてそれを見つけたからこそその後のベリンがガットブロウを素振りするトリハロン殿下を注意するところから始まる2人の舌戦のシーンから雨の中の哨戒シーンがまた深く理解できました。


 映画というのは長かろうが短かろうがそれぞれのシーンには意図があるはずなので特に70分というタイトな時間で作られた『花の詩女 ゴティックメード』は移動のシーンでさえも色々と込められたものがあります。次々と変わる風景。荒野を進むセイラ―などカーマインという星の現況を移動シーンに込めている訳です。そんな事を思いつつラストに差し掛かったところでふと思った事があります。

花の種はどうなっていたのか?

 ベリンはトリハロンに2度種を蒔きませんかとすすめ彼は2度遠慮しました。しかしベリンは2度目の時にトリハロンに殿下の星に蒔いて欲しいと彼に種を渡しました。その種は2500年以上の時を経て再びボォスと名前を変えた惑星カーマインに蒔かれる事になったのですがその間フィルモアでサイレンは種をどうしていたのか?ベリンのような種をいれた籠をクリスティンが持っているという事は誰かが育てていたのか?そこが気になりました。というのもベイジで花壇に水遣りをしていたのはヘアードです。ヤーボに花壇の水遣り(とお手入れ)が一番の仕事というのはグリントツゥインゲンの力を持たぬヘアードの心中の言葉かと思いましたが、『花の詩女 ゴティックメード』でこの花の事を知ると「花の水遣り」って何をおいても最重要な案件だと分かります。となればやはりトリハロンが持ち帰った花の種は誰かが育てていたはず。最初はトリハロンが育てていても朴念仁な殿下では枯らしてしまうかもと周りが育てかもしれません。そこで誰かが花壇を作っていたはず。となればそれは帝国のどちらかでもあり得るし、ふと思ったのはそう言えばバーバリュース・Vの邸宅って庭園あったなって。(バーバリュースの妻とクリスティンの判決を伝えに来た判事が邸宅の外でお茶していたのはV家の庭園?だと思うのです。)しかもV家はシャンディ・マーカスのマーカス家から分家した家でもしかすると両家で花の種が伝わってたりしないかとまで思ったんですね。だからクリスティンが花の種をもってレーダー9世皇帝陛下とあの花の道に降り立った。ダイ・グと共に歩いた道を再び花の種を持ち…。そう考えると(妄想なんですが)さらに今回のカーテンコールでのあの花の道が感慨深いものになったのでした。

ベリンの花の種が再び蒔かれる時

 でもその時は星団が大きく動くときなんですよね。アドラーへのA.K.D大侵攻。そしてスタント遊星戦を挟み、カラミティでの戦い。ラーンとカステポーではフィルモア王家やその他の血が残っていく事になるしそれはこの魔導大戦の終結時にはっきりする話なんですが『花の詩女 ゴティックメード』ってそこまで見越してる?のだとしたらやっぱり『花の詩女 ゴティックメード』は今後も事あるごとに観返したくなる作品だなと思いました。

※現状、物語を反芻するにはワールドガイドは必携の書ではないかと。

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※またサントラも必聴モノだと思います。劇中で歌われる歌詞もまた中々興味深いですよ。

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