昨日に引き続き今回は第3話と第4話について書いていきたいと思います。tonbori堂は「ホワット・イフ…?/What If…?」の全エピソードでは第2話と最終話が大好きなんですが嚙めば嚙むほど味が出るといいますかこの第3話と第4話も非常に重要なエピソードです。どちらもビター・エンド(苦い結末)いわゆるバッドエンドとも言われる終わり方でハッピーな終わり方ではありません。とくに4話は本当に苦い砂を嚙むような結末です。ですがそれも有り得たストーリーとしてまた今後のマルチバース展開でも何かしら関わる可能性をも持つエピソードです。
“The Lost Books” Official Clip | Marvel Studios’ What If…? | Disney+|YouTube
※本編内容に触れておりますのでネタバレ注意とさせて頂きます。
※前回のエントリはこちら→マルチバースの扉は開かれたVol.1
「もしも...世界が最強のヒーローたちを失ったら?」
これはなかなかショッキングなエピソードで映画『アベンジャーズ』になる前にそれぞれの『アイアンマン2』、『インクレディブル・ハルク』『マイティ・ソー』で描かれるヒーロー達が死んでしまうという「ホワット・イフ…?」です。あまり想像したくない事でも起こり得るのがこの「ホワット・イフ…?」なんですがトニーが死んでしまったのは一時的な解毒剤の代わりに毒を打ったという事でナターシャが容疑者とされる中、これは誰かの陰謀ではないかとフューリーとナターシャが手を打ち始める中、次々とヒーローが殺されしまうという連続殺人事件を解き明かすミステリー仕立て。二転三転し命を落としてしまうヒーローたち。でもまかり間違ったら有り得る状況ではあるなと思わせるところ脚本が上手いなって思いました。
逃亡しつつバナーに接触し彼も目前で死に至ってしまい自分も真犯人に肉迫しながらも落命するナターシャの残したヒント。そこから導き出される真犯人。それに関りソーが死んだことによりアスガルドが侵攻し、ロキと交渉するフューリー。まずは真犯人を突き止めるのが先ということで犯人が分った後にはロキを使って追い詰めながらも結局そのロキに地球が支配されてしまうなど本当にてんこ盛りすぎて結末も含めいわゆるビターエンド(苦い終わり方)っていうヒキですがしっかりまだ希望はあるという(フューリーにはまだヒーローが2人もいる)という流れでした。この世界ではその後のSHIELDとのヒドラの一件とかはどうなるのか想像膨らむ話でしたし。まさに公式の2次創作ここに極まれりといったエピソードでしたね。特に真犯人についてはこれまでのM.C.Uに登場している人物です。是非とも推理して欲しいです。tonbori堂は真犯人を知ってそうか!そうだったか!となりました。(ナターシャがバナーの恋人であったベティのところに注射器を持ち込んだときの結果で気が付く人もいるかも。)
「もしも...ドクター・ストレンジが手の代わりに恋人を失ったら?」
これまた何ともショッキングなエピソードでした。それはストレンジがカーマタージを目指したのは天才的外科医としてその手術を可能に出来る両手を取り戻す事でしたが分岐イベントとして起こったのはあの交通事故に一緒に行かなかったはずのクリスティーン・パーマーが同乗していた事。彼が表彰される時に一緒にどうだいと誘った時に彼女が乗った事から分岐が生まれたと推察できますが映画ではストレンジの単独事故だったのがここでクリスティーンが命を落す事になります。そうストレンジの動機が変わってしまった。カーマタージでの出来事やドマルムゥも撃退したもののふと思い出した最初の動機をアガモットの眼による禁術で時を巻き戻しやり直しを試みるもののそれは一向に上手くいきません。
そこにエンシェント・ワンが現れてストレンジを諭します。(まだエンシェント・ワンが生存しているところまで時間を遡ったので魔術の力を感知してやってきたという事のようです。)クリスティーンの死は絶対点(アブソリュート・ポイント)として変える事が出来ない出来事。それを変える事は世界を崩す事になりかねない。しかし取り憑かれてしまったかのようにクリスティーンを救い出す事に固執するストレンジとエンシェント・ワンは激突。そしてストレンジはある場所に飛ばされます。そこは古えの魔術師カリオストロたちが現した魔術の禁書を収めた書庫。そこで絶対点を覆す方法を見つけ出したストレンジは己の魔力を高めるため別次元から召喚した魔物を取り込み己の力としていきました。しかしその力を完全にするためにはもう1人の自分を取り込まないと完成しないと分かります。エンシェント・ワンは既に強力になっていたストレンジを倒す事は出来ないため取り憑かれていたストレンジと善なる心を持ったストレンジに分けたのです。世界の崩壊を止めるためエンシェント・ワンの霊体から事情を伝えられた善なるストレンジは既に魔王と化したストレンジと対決しますが善戦むなしく魔王ストレンジに吸収されてストレンジは絶対点を覆す禁術を発動してしまいましたがその術はやがて世界を完全に閉じてしまったのでした。
これ本当に世間一般でよく言われるバットエンド(映画好きの中では例えバッドに思えるようなきつい終わり方でも伝えるべき事があってそういう終わり方にしているのだからバットと呼ばずにビター(苦い)・エンドと呼んではという話がありました、とこれは余談)なんですがこのエピソードで分かった事が多くあります。まず『ロキ』では分岐イベントが始まったらそこから多元世界が始まってしまうためそれが進んだ分岐イベントを剪定しています。でも分岐した世界でも変えられない事が起こったらそれは絶対点として固定されてしまう。(今回はクリスティーンの死)同じように「ロキ」のTVAが守った神聖時間軸でも同じような「絶対点」があるのでは?と考察しているんですがどうでしょうか。具体的にはどれがどうなのかは分かりませんがこれはM.C.U本筋にも影響を及ぼしそうな設定ですよね。ちなみに『LOKI』を観た『WHAT IF…?』の脚本家は分岐イベントの原語であるネクサス・イベントからとってネクサス・ポイントにすれば良かったと語っています。絶対点は英語ではアブソリュート・ポイント。こっちもいわゆる厨二(中二)っぽくていいと思うんですけれどね(笑)
また強力な力を得るためにその身に魔物を宿していく様はやがて闇落ちという状態に陥る正義のヒーローにもだぶります。愛する人を失い悪にその身を染めるというのは色々な作品でも語られる定番ストーリーですがまさかストレンジでそれが行われるとは。
それでも一度は引き返すポイントがあって書庫の番人であるオー・ベンがストレンジが力を得るのに夢中になっていた間にどんどんと月日が経ちやがては彼は寿命が尽きてしまうのですが時を戻そうとするストレンジを止め、その時に己の欠けた半身の事を告げられます。この時にエンシェント・ワンが何故半身分けたのか?考える事が出来れば。時間が薬にもなることがありますが完全にストレンジは取り込んだ魔物たちにより自分を見失っていたのかもしれません。そして物語は最悪の結末を迎えますがその時ウォッチャーは初めてその観察していた対象に姿を見せたと思います。そして助けを求めるストレンジに対してそもそもウォッチャーは手を出す事は無いが果たしてストレンジに忠告しても聞き入れたかと問う部分は初めてウォッチャーがその線を少し踏み越えたように見えました。それは世界の終わりだったからかもしれませんがこれが後に重要な伏線になってくるとは。本筋もよく出来た悲しい物語でしたが全体を見渡してもターニングポイントになるストーリーでした。
次はアメリカ人大好きあのエピソード。
第5話は原典コミックスでも単体作品が作られているマーベル・ゾンビーズを彷彿させるようなゾンビ回。アンデッドたちがわらわらと出てくる世界観。何故にアメリカ人はゾンビが大好きなのか?は置いといても見逃せないエピソードとなっています。そして第6話はこれまた衝撃のエピソード。もしもトニー・スタークがテンリングスに捕まらなかったら…そして助けたのがキルモンガーだったら?というエピソードです。これまた凄いストーリー展開となっていました。ということで次回をお楽しみに。
※エントリ公開しました>マルチバースの扉は開かれたVol.3(リンク)
※ドクター・ストレンジ・シュプリームっていうそうですがやっぱり魔王ストレンジか、厨二的にダーク・ストレンジがぴったりなドクター・ストレンジのホワットイフ版フィギュア/MARVEL マーベルレジェンドシリーズ What If…? ドクター・ストレンジ・シュプリーム 6インチ アクションフィギュア F0333 正規品 ビルド・ア・フィギュア・パーツ付き/Amazon
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