ファイブスター物語/F.S.Sコミックス(単行本)第16巻、2021年10月8日に無事全国で発売の運びとなりました。いや目出度い事でございます。前回15巻の発売は2019年の12月10日2年弱で発刊の運びとなったので17巻に置いては再来年の10月前後かもしれないですね。何にせよこのペースで新刊が読めるというのは有り難いし連載時と違い改めて通して読む、そしてスリーブノートの解説テキストでさらに深掘りできるのが単行本の楽しみというものです。また連載派ではありますが星団民の中には単行本派の方もいらっしゃるし、入り口は単行本という方もいらっしゃる。そういう意味でもコミックス(単行本)新刊の発行はやはり一つの大きな契機でもあると思います。ということで毎度お馴染み第16巻の気になるところいってみましょうか。
月刊ニュータイプ(NT)2021年11月号/ファイブスター物語第16巻/KADOKAWA刊 |
※ファイブスター物語/F.S.Sコミックス(単行本)第16巻の内容に触れておりますので【ネタバレ注意】です。といってもクリティカルなネタバレは避けるようにはしました。何卒よしなに😌
※月刊ニュータイプ2021年11月号のファイブスター物語/F.S.S感想はこちら(リンク先は11月号の感想です)
スリーブカバー/ゴリリダルリハとヴォージュ・トー
今回のカバーイラストはゴリリダルリハとアンカーの熾権使ヴォージュ・トーが描かれたものでタイトルは「Anchor・For」と名づけられていました。『ショウメ争奪戦』を象徴する印象的なキャラクター2人が描かれたこのカバーイラスト。今回はゴリリダルリハか再度デモン・ダ・インプレッションかと思っていたんですがゴリリダルリハでしたね。ヴォージュ・トーが入ってきたのはいろいろ深読みしちゃいますが、タイトルにAnchorと入ってる以上、タイカ宇宙と次元は違えどジョーカー宇宙のヴィーキュルにも何か?とか考えてしまいます。なにしろツインテールな頭部はナ・イ・ンもそうだし(笑)ちなみに今回色々とネタ元として角川からでた1986カレンダーもあらたにまた再発(年号を2022に起して)しないもんですかね?あのカレンダーに描かれた者たちも今回大挙登場している訳ですし。一度トイズプレスからダウンサイジングして上製本で2002カレンダーブックとして再発はされたんですがそれももう20年前の話になる訳ですから。どうでしょうかKADOKAWAさん<(_ _)>
ショウメ争奪戦/マジェスティック・スタンドの真髄
今回改めて読んで思ったのはこの「ショウメ争奪戦」って『ファイブスター物語/F.S.S』のおとぎ話を全力でやるという部分とそこに込めた人の生きる意思というものは神にも覆せないという事を強く感じましたね。いや主人公は神様なんですけれどね(笑)そしてラキシスも人ならざる生命体。人を越えたファティマという人工生命体なんですがこれはもうナ・イ・ンと同じで炎の女皇帝はその生命を半永久的な光子結晶へ移しましたが心は人のままと後の収光帝であるAKDの祖帝フォーカスライトに語りかけた言葉がここでも繰り返される訳です。ダイ・グとクリスティン、システム・カリギュラのマウザーとツバンツヒ、スパークでありマドラでありプロミネンスであるミス・マドラ。タワーを産み出すためにフンフトよりブリッツの命の水を受けポリメリゼーションキャスターになってまで見届けようとするモラード。そしてラキシス。それぞれに思いがありそれに忠実に生きたいと願う意思。その意思のあるものが人間であると。
それと同時に別次元からやってくる者たちヴィーキュルやタイカ宇宙の魔太子までも巻き込んでの大騒ぎは(アレを大騒ぎで済ましていいものかという話もありますが結果的には死者ゼロなんですよねアレ)何故かブラウニングの詩篇の一部を思い出しました。「神、そらに知ろしめす。なべて世は事も無し。」それぞれがその思い、感情を持つ者が「人」であると。アマテラスとラキシスが融合した大神ではなく光の神であるアマテラスと人工生命体ダブルイプシロン型ヒューマンであるラキシスが主人公なのもそこなのかなという誠に作者自身は大盤振る舞いの中身スカスカというショウメ争奪戦ではありましたがだからこそ『マジェスティック・スタンド』の真髄を見た気がします。世の摂理に抗う者たちの抵抗がどんな結末に向かうのか?その前の派手な打ち上げ花火でありレクイエムでもあった…。ファイブスター物語/F.S.Sという沼の深さはまだまだはかり知れません。
ザ・ウィル・スペンサードのひみつ
ここからはF.S.Sメカマニアとしての気になった点というか連載時にちょっとスルーしていた部分なんですけどカイゼリンがちょこっと出てました。タワーがウィル・スペンサードに搭載してきてMGPと対決とかポーターにはボコられるとこまで演算したとかも(やっぱりブリッツだからポーターの方がタワーをボコれるのねというのも流石だなと(笑))そうかーってなったんですけどスペンサードの概要部分で搭載兵器類がよくよく読むとJ型以外にß(エスツェット)型駆逐戦闘兵器というグラビトン・バスターランチャー2門搭載の新型が搭載されているとあったりスターンシュヌーペ・ファローレナーMk14という(これはツバンツヒのMk系列の最終型か?だが「流れ星の忘れ物」っていう文章が??)GTMが12機などなどそちらはDESIGNS(デザインズ)7に掲載はされないかもしれませんけど何かの拍子に(アマルカルバリのように)ポンッと出てくるかもしれませんよね。(ジュラスターン・アプターブリンガーはスタント遊星攻防戦に参加(多分タワーが乱入)とあるのでそれが連載で描かれるのではあればその時に何が出てきても不思議は無いしそもそもスペンサードもちょくちょく星団に来てそうですからね、ちょっとそこに期待したいです。)
スリーブノート/おとぎ話と神様
なんみょうほうれんげーきょーなんまいだーのアーメンとか書くとこの罰当たり!といわれそうですがどちらかというとファイブスター物語/F.S.Sでの神様は私たちの考える神様とは違うのですよという話が書かれているのでこの辺りはじっくりと読み込んで欲しいかなと思います。また分かりにくいFネームファティマについても長めの説明がびっしりとありますが神様の説明と共にここは月刊ニュータイプ2021年11月号の巻頭特集永野護インタビューと合わせて読むといいかもしれません。と言ってもtonbori堂は結局tonbori堂の理解でしか読み解けていないんですけれどね(ヲイヲイ。それでもいわゆる神様とはまた違った理解です。といってもマーベル映画の神様ソーとかも違いますけどね、あ、当然ウォッチャーがコズミック・ビーイングとなったウルトロンやエターナルズとも。でもセレスティアルズは近い?うーん。まあ明らかにそれらとは違うのは最終的に宇宙を統べているのはアマテラスなんだけどジョーカー星団にいるアマテラスと全能神アマテラスはイコールであってイコールではないというだから面白いんですけれど。まだまだ読み解きがいのあるスリーブノートは今後の展開を紐解くときにも必要になってくるかもしれません。
次はDESIGNS7「灰の勲章」
次のお楽しみはDESIGNS(デザインズ)7「灰の勲章」です。ツァラトゥストラ・アプターブリンガーやJ型駆逐兵器ツァラトゥストラ・グローサー・デトネーターなど天照家GTMやミラージュ騎士も掲載されるとアナウンスされていますがその「灰の勲章」はアダマス神聖皇帝が口にした「滅びの言葉」となれば大侵攻へのプレリュードがいよいよ高らかに鳴り響く事になり、それはトランの大統領の最後も近いという事になります。ダイ・グもなんですがルースはその最後が最初から明確に示されていた登場人物でtonbori堂はファイブスター物語/F.S.Sの中でもアイシャ、カイエンと共に好きなキャラクターなんですがそれだけに彼の死は既に知っているとしてもダメージが大きいと思います。それでもファイブスター物語/F.S.Sの余白に踏み込んでその先を知りたい、そういう意味ではシステム・カリギュラのような知りたいという欲望にまみれた饕餮なのかもしれないなと思う事もあるのですが…。それでも先を読みたい知りたいというのはこれからも止まらないでしょうね。今後の展開と共にDESIGNS7「灰の勲章」楽しみです。
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