「受難のマグダル」/ファイブスター物語/FSS/第6話「カーマントーの灯火」 月刊NT2020.12月号連載分:感想/考察|【ネタバレ注意!】-Web-tonbori堂アネックス

「受難のマグダル」/ファイブスター物語/FSS/第6話「カーマントーの灯火」 月刊NT2020.12月号連載分:感想/考察|【ネタバレ注意!】

2020年11月10日火曜日

anime FSS manga

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 月刊ニュータイプ2020.12月号連載『ファイブスター物語/FSS』は、やがてカーマントー解放戦に繋がるきっかけとなる出来事が描かれるであろうストーリー第6話/時の詩女/アクト4-4「カーマントーの灯火」が開幕しました。マグダルとデプレはそのイメージソースに『安寿と厨子王』がある。って聞いたように思います(敢えて今回は調べませんでした。詳しい方いらっしゃるでしょうし。)で、そうなるとマグダルの受難はまだ始まったばかり。過酷な労働環境にある星というとエルガイムで言うと資源衛星パラータ・スターの出来事を思い出します。

月刊ニュータイプ/2020.1月号/KADOKAWA刊
月刊ニュータイプ/2020.12月号/(リンクはAmazon)/KADOKAWA刊/表紙は『鬼滅の刃』


 そして今回は表紙が『鬼滅の刃』むちゃくちゃ人気ですよね。一か月たらずで200億。そんな超人気作品ですが今月号のランキング、やはり作品も含め鬼滅の刃の主人公、竈門炭治郎、禰豆子が堂々1位ですが2位ヴァイオレット・エヴァーガーデンの次につけているのが『ファイブスター物語』が入りラキシス、ベリン、カイエンがランクインしています。いや実はランキングのページは何時もとばして(コラッ)いたんですがやっぱり『ファイブスター物語』は月刊ニュータイプの看板ですよね。


 そんな月刊ニュータイプ/Newtype35周年、アニメ・クロニクルというイベントが東所沢のところざわサクラタウンで開催中です。このところざわサクラタウンはKADOKAWAと所沢市が共同で進めている「COOL JAPAN FOREST構想」の中核施設として作られたポップカルチャーの発信基地という位置づけの施設だそうで、そこで開催されているこのアニメ・クロニクルで「ファイブスター物語」の原稿と原画もその一展示として行われているということで既に星団民で行かれた方もいらっしゃるご様子。残念ながらtonbori堂は諸般の事情でガチで金欠状態ですので(景気の悪い話ですみません)いけそうにないのですが、星団民なら行かないと一生の損とまでいう話と聞き及んでおりますので行けるのであれば是非足を運んでいただきたいと思います。(盛況になれば富野由悠季展のように巡回の目も?という思いもあります。)では今回の気になるところいってみましょうか。毎度のことながら月刊ニュータイプ(NT)2020.12月号ファイブスター物語/FSS連載内容に触れておりますので【ネタバレ注意】です。何卒よしなに😌

ダンダグラーダ

 今回は頭から謎のベールにつつまれていたGTMバーガ・ハリ/ダンダグラーダが登場です!場面はどうやらドーマ連合との合同演習のようです。元AP騎士団から離脱したSPK隊オロダムド・ハル支隊長とドーマ連合のオッカ総督。ドーマ連合もぼちぼち名前が出ていますがウモスとの繋がりしか見えなかったので今後どういう立ち位置なのか本編でも明かされるのかなと期待ですね。


 そのダンダグラーダ。素体というか本体はバーガ・ハリだけどもそのシルエットが大きく違って見えるのは肩部から伸びるアイドラ・フライヤーが大型化しまるで翼のように見えるようになっているところです。っていうかハルペルがインタシティだった事は既に周知の事実のようですね。しっかりとハル支隊長が「あの”インタシティ”が開発した高機動アイドラ・フライヤーに90度回転するコックピットシステム」と言っていますから。って90度回転?変形こそしないけれど360度の空間戦闘をこなすため90度回転し常に水平に保つ?って事なんでしょうか?このコクピット描写も欲しいですね。

漂流のマグダル

 赤十字の救護ステーションで襲撃にあってから32年間(ジョーカー→地球時間換算でいうと8年ぐらいの感覚ですが1年は1年カウントなので)ずっとコールドスリープ状態で救命ポッドで眠っていたマグダルを救助したのは演習中に信号をキャッチしたSPK隊のダンダグラーダ。演習中ためドーマ連合の救命艇が救命した訳ですがこの救難信号をキャッチしたら助けるってのはシーマンシップを感じる話です。実際宇宙航行が普通なものになったらこういう事はあると思うし。宇宙空間はそれだけ過酷であり、ドーマ連合のオッカの反応を見るに戦力としては期待しているが「宇宙の民」は下に見ている感があります。『ロスト・マグダル』の時にジャコーがそれぞれの星の人々と宇宙の民との格差に触れていたし、イズモの錫華御前も今は浮遊城にいるタイト・ネイブもカーマントーのシージラック王国の姫でありそれにまつわるエピソードがありました。ただしそれまでカーマントーをはじめとする過酷な環境にある資源惑星や鉱山小惑星などは殆どファイブスター物語での舞台となっていなかったのでどのような描写がされるのか?そこも『カーマントーの灯火』の見どころの一つになってくると思います。


 その中心になるマグダル。現状では相当な深手を負っている事が改めて分かりました。詩女の力で大脳はシールドされたものの視覚野や内耳機関、眼球などが破裂し肉塊になっている状態。ヘレン・ケラーのように目も見えず、耳も聞こえないという状態、しかも機械的な処置も視覚、聴覚の部位がないために処置が出来ない状況というのは…厳しいですね…。でも大脳さえ護れればというのはマグダルがグリント・ツヴィンゲンの全ての力「ボルテッツ」「スコーパー」「オペラ」「グレイン」が使えるという事になり、特に物を創造するグレインや精神感応であるスコーパーがあればその状況でも打開は出来るということでの処置でしょうが…ここから彼女がどうなっていくのか艱難辛苦がマグダルには待ち受けているのは間違いありません。


 そしてマグダルをドーマから引き取ったアンビラン鉱山西地区監察官サンサ・ホウレ。耳のイアリングがキラーンと光っているの、あれなんだろうと思ったら預かり屋のおやじがヘアードに渡したヤーボのアレだったという、泥棒かよ😓そしてマグダルを引き取ったのは働き手としてでしょうが障碍をもったマグダルでは使い物にならないと言いつつその器量などかなり擦れた人物ですがヘアードの偽名アデムを知っているといい只者ではないんじゃないでしょうか…いや只者かもしれないけど(どっちやねん!)なんとなくダークな預かり屋のおやじ感を感じるのですが(分かりにくい)預かり屋のおやじはいい人だけどこちらはいい人ではないけれどっていう。でも出自がどうもミノグシアの人っぽいんですよね。元は難民で連れてこられて紆余曲折の末ああなったとか?それも回を追って明らかになるとは思いますが、今のところ名前からして山椒大夫なのかなあ…ということは…😓

エフィーとボーと天照

 典星舎橘組とはお笑い組の事でしょうか(ヲイヲイ。いやまあエフィーとボーはマウザー麾下ではなくツバンツヒ姐さんの部下のようですのでスライドして天照の直下でも不思議はないかと(最初マウザーはラキシスガードナーになったんやしなんで?と思ったけどツバンツヒ姐さんは天照LOVEだからそっちの流れですよね。)そして予告通りに制服(^^;そこはちゃんとやるんだと。でもボスヤスフォートはわりかし放置っぽいのに(それなりに典星舎を動かしてるとはいえ)マグダルとデプレに関してはいきなりカリギュラからの転籍組を使うのは何か気になる部分があるのか。天照としても次期詩女の中でもカイエンの子という不確定要素を見極めたいと思っているのか。

そしてエフィーらだけでなくベラにはアイシャを再度派遣し、マドラはイースト・カステポー、マエッセンはベイジ、バイズビスとウラッツエン(!)がカステポーってことはウラッツエンくーん、久々に出番ありかこれ?と懐かしい面子も出てきそうな感じです。

灯火

サブタイトルの灯火の指す意味は導きの灯り。それは英文訳がlighthouseとなっているからです。これは基本的には灯台と訳されます。そのためカーマントー解放戦への希望の光となるのがマグダルなのではないか?と思うのですがそれまでにはまだまだ受難が待ち受けています。それとともにSPK隊とともに最強の宇宙騎士団イオタ宇宙騎士団、ジャコー、三条らと共に行動をともにしていると思われるヘアードの動向も気になります。それだけに魔導大戦終結の始まりとも言われるこのエピソードがどう展開していくのか来月の2021.1月号も楽しみですね。

おまけ

ファイブスター物語アップデートとして今回もクリスとぼっちゃまのmomokoドール情報とともにアニメ・クロニクルについての情報が記載されていますけれど巻頭にアニメ・クロニクル関連記事としてKADOKAWA代表取締役CAOの井上伸一郎、『まもしん』のしんの字のインタビュー記事が掲載されています。井上さんの『マモルマニア』を読んでいる方なら知っている人も多いでしょうけどそもそもが富野由悠季監督と永野護を強力に応援していこうという話が掲載されています。是非ご一読してほしいですね。特に表紙の版権セル画へのこだわりはなるほどと35年目にしても思わされる事があります。(ちなみに最初は袋にいれていないままでも持っていて恥ずかしくないアニメ誌を目指したって話をどこかで聞いたような…懐かしい話ですね。)あらためて35年を経てもなお『ファイブスター物語』という長大な物語を楽しめているのは月刊ニュータイプのおかげだなあと。という事でアニメ・クロニクル、本当に行ける方は是非是非。

・momokoドールのPetWORKsさんのツイートとアニメ・クロニクルを伝える永野護作品公式アカウントのツイート↓





2020.11.20:タイトルを変更しました。(並び順番を変更し一部削除、その分本文内にも追記しています。)
2024.01.14:タイトル元に戻して感想タイトルを先にしました。

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