未だCOVID-19の感染は止まらず全国に緊急事態宣言が発令され、ゴールデンウィークはステイ・ホームのこの状況。ステイ・ホームといってもなかなかそれは難しいよとは言ってられない状況になってきました。特に今日はもう金曜日(2020.04.24)ということでまずはこの土日不要不急の外出は完全に控えるモード。こういう時にAmazonプライムから一掴み。
今回はアクション系としていますが、もう頭からっぽで観れるやつを2本チョイスしました。1本目は設定からしてもうアレなんだけどのベッソン・クオリティ『LUCY/ルーシー』、そしてジェイソン・ボーンがコメディタッチだったらの『エージェント・ウルトラ』の2本です。実は今最強の脳みそ筋肉、いやブレインマッスル映画『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』がプライム特典で観れるんですが敢えてこの2本にしました。エアヘッドだけどちょっとあっさり風味で気軽に観ることが出来ると思います(ちなみに暴力描写、とくにエージェント・ウルトラはそれがあるのでそれはちょっとという方にはおすすめできかねますのでご了承ください。)
『LUCY/ルーシー』
リュック・ベッソンが主人公にスカーレット・ヨハンソンを迎えたアクション映画です。ベッソンお得意の戦う女性が主人公の映画なんですがこの映画の凄いところはその主人公が超絶アクションをこなすのは、ある組織のトレーニングを受けたり、仇を取るために養い親から殺しの手ほどきを受けたりとかそういう技能を学んだものではなく…ある体験を経て脳の使われていない領域が開眼した(!)という設定なのです。よく「人間は脳の10%しか使われておらず100%を開放するととてつもない能力を発揮することができる」というアレです。
ストーリー
ルーシーは普通の女性だったが付き合った男はクズだった。彼女はその男のために台湾のマフィアと韓国のギャングの麻薬取引に巻き込まれ腹部に麻薬の袋を縫い込まれ否応なしに運び屋にされた。そして取引のトラブルによって捕らえられた彼女はリンチにあってしまい腹部を酷く蹴り上げられたときに袋がやぶれ麻薬が大量に体内に入ってしまう。普通ならショック死するところだが、その新型麻薬の影響か、彼女は突如覚醒する。そしてその力でマフィアを撃退し、麻薬の持ち主だったチャンの事務所を襲撃し残りの麻薬の行方を掴みヨーロッパへ。フランスの刑事ピエールに運び屋を逮捕させて病院に運ばせるが、ルーシーを追ってきたチャンの手下が病院で警官隊を殺して運び屋から麻薬を回収しようとする。しかしルーシーはさらに覚醒した力でマフィアを全滅させるが、時間が無いと脳科学の権威ノーマンに会う約束を取り付ける。しかし手下を殺されたチャンは部下を引き連れルーシーを殺そうと迫っていた。
新人類と覚醒
普通の犯罪サスペンスな部分やトリップ映画(麻薬をトリガーにしているし)な部分もあるし、ある種、上位にシフトするという意味では仏教的でもある変なお話です。ベッソンが仏教徒かどうかはしりませんが(ヲイヲイ)それでもヨハンソンがどんどん超人になっていくのは凄いの一言で最初は本当にそこら辺にいそうなお姉ちゃんだったのが麻薬の影響を受け覚醒してからはどんどん人が変わっていく感じで後半なんかはサイボーグみがあってちょっとアニメ版『攻殻機動隊GHOST IN THE SHELL』の草薙素子っぽさも。その彼女が後年実写版『攻殻機動隊』である『ゴースト・イン・ザ・シェル』に少佐(素子)役で出演ってなるのも今考えると奇縁であるなと思います。
キャストにはルーシー/スカーレット・ヨハンソンのほかにノーマン博士にこの人に言われたら、ああ本当かもといういい声のモーガン・フリーマン。そして韓国ギャングのボス、チャンにチェ・ミンシク。チェ・ミンシクと言えばパク・チャヌクの『オールド・ボーイ』の演技が忘れられない韓国きっての演技派です。ステレオタイプのマフィアのボス役でも彼がやると本当に実在してそうと思わせるところが凄いです。
アクション映画ではありますがテーマは人類はどこから来てどこへ行くのかをかなりざっくりと捉えているので意味不明だよとか、そもそもの脳の機能は10%しかというのも都市伝説という事が分かっているのでそういう向きにはちょっとどうなのよってなりますが、覚醒したルーシーがポンポンと敵を薙ぎ払い、その力をふるう様はまさに超人でした。ただし新人類とかミュータント、サイキッカー(超能力者)ではなく(使う力は超能力的ですが)あくまでも「人はどこから来て、どこへ行くのか?」というものをバイオレンスと外連味だけで切り取った(しかも投げっぱなし(ヲイ)剛腕な映画です(笑)まさにベッソンって感じですけれど時間は89分で、本当にざっと観れるのでおススメです(笑)
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突如ダメ人間が覚醒したら?ルーシーとはまた違った意味で覚醒アクションですが彼の場合はある秘密の計画でそのような人物に仕立てあげられたのです。いわば『ボーン・アイデンティティー』のジェイソン・ボーン、『キャプテン・アメリカ/ウィンターソルジャー』のウィンターソルジャーのようなものですが、作戦中に記憶を失ったわけではなく、冷凍されているのでもなく作戦自体が凍結されたため記憶を操作され監視されているというのは『トゥルーマン・ショー』を想起させます。が、これはリアリティショーなどではなく合衆国の備品を管理しているに過ぎない話なんですよね。それでもズレた主人公マイクのおかげでブラック・コメディとして成り立っている。マイク演じるジェシー・アイゼンバーグがぴたりとはまっています。
ストーリー
アメリカのとある片田舎。24時間のコンビニエンスストアでバイトしているマイク。少しぼやっとした特段夢もなく日々をバイトに明け暮れて過ごしているダメ男。しかしそんな彼の前にある女性客がやってきた事で彼の運命は一変する。彼女は「戦車は進む、マンデルブロ集合が動く、コーラスは破られボールを受け止める」とマイクに告げるが彼は彼女に何か言いました?と尋ねると彼女は失望した感じでと彼に謝るとその場を後にした。その後駐車場で一服しようとしたマイクは自分の車にいる男たちを見つける。車上狙いの泥棒だと思って追い払おうとしたらいきなり銃を抜いた2人組。その時マイクは何かのスイッチが入ったように彼ら2人を返り討ちにする。同僚で恋人のフィービーを呼び出すが保安官事務所に連行されてしまう2人。しかしそこにも追手がやってきて激しい銃撃戦となるがまたもやマイクはスイッチが入ったように彼らと互角に戦う。
マイクは冷戦より続くMKウルトラ計画により産み出されたスーパーソルジャーの成功例であったが冷戦後、計画は縮小。彼は能力を封印して片田舎で監視状態にあったのだ。しかし計画の廃棄が決定、同時に失脚した責任者であるヴィクトリアが彼の能力を惜しみ彼が廃棄処分になる前に彼への覚醒のキーワードを告げに来たのだった。しかし何故か完全には覚醒せずフィービーの前では何時ものダメなマイクのままで2人は保安官事務所から逃亡する。しかしCIAのイェーツはマイクを抹殺するために2人を追跡していた。果たしてマイクはフィービーを守ってこの窮地を脱出できるのか?というお話です。
洗脳と覚醒
ルーシーは麻薬で覚醒しましたがマイクは普段は大麻で一服しているダメな男で彼の覚醒はある暗示でした。この物語のベースになってるMKウルトラは何度が映画にもなっているしネタとしても有名です。ちなみに『ボーン・アイデンティティー』のトレッドストーンでの暗殺者養成プログラムもこのMKウルトラ計画みあります。(原作は全然関係なくてただ記憶喪失になっただけなんですけれどね。)このMKウルトラ計画は都市伝説めいていますが実は実際にあったものでアメリカが戦後極秘にすすめた洗脳研究の一端でした。関わっていたのはナチスの戦犯と目されながらもペーパークリップ作戦などで米についた者たちもおりその計画が明るみに出た時に騒ぎになったとか。
ソース|MKウルトラ計画 - Wikipediaペーパークリップ作戦については『キャプテン・アメリカ/ウィンターソルジャー』でも出てきましたね。この作戦で連れてこられたヒドラの科学者がという話がそうです。このペーパークリップで連れれ来られた中にはフォン・ブラウン博士などもおり戦後の米の宇宙開発のけん引役ともなったのですが戦後70年が経過してもなおまだこういう負の部分が取りざたされる話でもあります。
ソース|ペーパークリップ作戦 - Wikipediaこの映画マイク自身視点で見ると転生ものに近いものがありますよね。目が覚めると勇者になってたとか、魔法使いになってたとか(笑)ただ転生先は異世界ではなく、しかも現実で殺しの達人っていう(^^;アクションも『ボーン・アイデンティティー』に準じていますがもう一つ、この流れは舐めた相手が実は殺人マシーンでしたの系譜もあります。最近では『イコライザー』や『ランボー』もそうです。もっとも彼らは追い詰められたり、もしくは見逃せない悪に対してその力をふるっていますけど。つまりこの『エージェント・ウルトラ』は舐めた相手が実は系に記憶はないけど何故か強い自らのアイデンティティーを探る系の合わせ技1本とも言えます。こちらも『LUCY/ルーシー』より長いですが100分切りなのでサクッと観れると思います。
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これ選んでから気が付いたんですが両作品とも『覚醒』がテーマになっていましたね。自分の知らない自分の本当の姿というやつです。もっとも映画は主人公が自らのアイデンティティーを確立する。またはそれに拠って立つというのが基本なのでべつに珍しくも無いのですが特に『LUCY/ルーシー』はそこに「人はどこから来て、どこへ行くのか」をぶち込んでいるのが凄い所で、しかもそこに対して深くは掘り下げているようで掘り下げてない?のかともかく凄いというインパクトだけで勝負という。それでもスカーレット・ヨハンソンやチェ・ミンシク、モーガン・フリーマンという役者で整えてるところが凄いです(笑)一方の『エージェント・ウルトラ』は完全に『ボーン・アイデンティティー』を少しおちょくった感じですが妙にオフビートで残酷シーンがあるのであまり多くの人にはおススメ出来ないかもしれないけれどなかなか味わい深い1本です。キャストもくせ者俳優ジェシー・アイゼンバーグにクリステン・スチュワートが主演コンビ。脇にウォルトン・ゴギンズにジョン・レグイザモなども出演しています。どちらも100分を切っているのでさっくり観れるのでお時間あるなら是非ともご覧ください。
さて次は何にしようかともかくCOVID-19感染拡大を阻止するにはステイホーム。また何本かをご紹介してステイホームの一助になればと思っています。
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