さて今回は『ゴジラ』シリーズですよ。っていうのも『ゴジラの逆襲』(1955)の公開からなんと(2020年で)65周年を迎えたんだそうで。それを知ったので、じゃあ次は『ゴジラ』シリーズにするかと(単純です(笑))。とは言え『ゴジラ』シリーズむちゃくちゃいっぱいあります。そしてAmazonプライムビデオではほぼ全作(ハリウッド、レジェンダリーのゴジラ最新作とアニメの『ゴジラ』は除く)がプライム特典で観れるのです。みんな大好き『シン・ゴジラ』もプライム特典です。(追記:エントリの2020年4月現在の話で、2023年現在でシン・ゴジラを除くすべてが特典見放題から外れています。)
ただ残念ながら『ゴジラ』シリーズ以外の東宝特撮作品、例えば『海底軍艦』や『美女と液体人間』などはプライム特典には入っていないんですよね。そこが残念なんですがともかく観れる『ゴジラ』シリーズだけでもなんと29作品もあるのでゴジラ・マラソンも可能です(笑)もっともそりゃ大変だよーという話もありますしとりあえず、これ押さえとけなゴジラ・シリーズとtonbori堂がレコメンドするゴジラ・シリーズ作をご紹介したいと思います。
追記:20200915|Amazonプライム特典に『海底軍艦』、『美女と液体人間』など東宝特撮作品が数多く追加されました。詳しくはAmazonのプライムビデオのページでご確認のほどを。(配信終了になっている作品もございますのでまずはご確認を。各作品見放題は終了していてもレンタル、販売されている場合もあります。)
リンク|Amazonプライムビデオ
※2021.10.02タイトルを変更『|解説|tonbori堂映画語り』を追加しました。
ゴジラ(1954公開)
何と言っても第1作目ははずせません。いろはの「い」だし実は上映時間も2時間切ってます。(97分)全てのゴジラ映画の始まりであり、東宝特撮作品としても重要な作品です。突如太平洋から現れた謎の生物。その生物は深海に潜んでいた古生代の恐竜の生き残りだったが相次ぐ列強の原子爆弾の実験による放射能(当時は放射線も放射能も同義として使われていました)の影響で変異し巨大化したものと判明。太平洋の漁船、船舶を次々と沈めやがて東京に上陸、防衛隊の防衛線を易々と突破し首都を蹂躙せしめた後再び海中に姿を消しました。かの怪獣(最初に目撃された大戸島の伝説にちなみゴジラと命名)に対抗できるのは芹沢博士の作った水中酸素破壊剤、オキシジェンデストロイヤーのみ。ここに人類とゴジラの生存を賭けた戦いが切って降ろされたというストーリーです。
あらためてあらすじを書くとむちゃくちゃ勇壮な感じですが実はそういうシーンはそれほど多くありませんし、基本勇壮なのは防衛隊の出撃シーンと備えているところだけ。あとはひたすら淡々と。そして恐怖が迫ってくる様はある種のドキュメンタリータッチで活写されていると言っても過言ではありません。本多猪四郎監督はそういうリアリティ重視の派手ではなく落ち着いたタッチが得意な監督というのも大きいでしょうが、それがかえってゴジラという異形が登場し東京を蹂躙していく様は異常な迫力を産んでいます。この辺りはさらに特殊撮影を担当した円谷英二特撮監督(この頃はまだ特殊技術というクレジット。)の面目躍如といったところでしょう。モノクロもあいまって非常に迫力のあるシーンとなっています。もっとも今の技術からすれば着ぐるみが街を壊してるだけじゃないのという方もいらっしゃるかもしれません。だが画面を見るとその迫力がただ単純に着ぐるみが街を壊しているだけとは違うと感じるはずです。そして『シン・ゴジラ』との相似やリズムなどなど今なお古びない1本です。
ゴジラの逆襲(1955公開)
次に紹介するのは『ゴジラ』のヒットを受けて製作された第2弾『ゴジラの逆襲』です。『ゴジラ』でゴジラは東京湾でオキシジェンデストロイヤーによって藻屑と消えたんじゃないのというところではありますが、山根博士の有名な「あれが最後のゴジラとは思えない」からの素早い登場と相成ったわけです。もっともWikipediaには製作準備期間がとれなかったという田中友幸プロデューサーの言葉が書いてあるように、確かに観ると話がガバガバです。ちなみにyoutubeの公式の予告編(リンクあり)も途中でばっさり終わっているのはこれだけしか現存していないからだとか。(しかも半分は『ゴジラ』の使いまわし)
リンク|【公式】「ゴジラの逆襲」予告|youtube|Godzilla Channel
都合よくゴジラが再登場そしてまた日本を襲撃するというプロット自体前触れもなくなんかあっさりとしすぎていますし、なによりオキシジェンデストロイヤーがない状況でどうするのかとか。前回は東京が炎上したので今回は大阪は舞台となるというのもちょっと安直?とも思えなくも無いですが後のゴジラ・シリーズで上陸が東京以外を選ばせる事になったという点ではこの映画が果たした役割は大きいかもしれません。それと後に続く新怪獣登場。これもまたゴジラと同じく古代のアンキロサウルス、通称「アンギラス」が登場。このアンギラスもまた原水爆の影響で巨大化したものとされています。これまた後のゴジラ対〇〇やゴジラvsの走りとなっているという点ではエポックメーキングと言えるかも?ちなみにアンギラスだけタイトルロールに入っていません。また後の作品ではゴジラの相棒ポジションになったりと今も人気の高い怪獣なのでそこが不憫と言えば不憫かも。ちなみに先ごろ公開されたレジェンダリーのモンスターバースシリーズ『ゴジラ:キングオブモンスターズ』ではイースターエッグ(隠し要素)として一瞬だけその骨格が映っているとか。(まだ本編で確認はしていませんが)ただ大阪城での怪獣対決やらン?ってなる(これは実際に観て頂いたほうがいいかも(笑))ところもあるんですが古い大阪の街並みや地下鉄淀屋橋駅のミニチュアなど力は入ってるんですよ。大阪人としてtonbori堂はそこは見逃せません(笑)クライマックは北海道へそして北海へと移動してしまいますが東京だけではなく別の地域でもという拡がりをも切り拓いた意味でも(やがてそういう作品が出たとしても)やはりダメと切り捨てられない愛すべき1本です。
Amazon.co.jp: ゴジラの逆襲を観る | Prime Videoゴジラ対ヘドラ(1971公開)
リンク|【公式】「ゴジラ対ヘドラ」予告 |youtube|Godzilla Channe
ゴジラ・シリーズ第11作目、上映時間1時間25分。ざっくりと観れますが実は一番の異色作。いやまあゴジラ・シリーズも長いのでいろいろと異色作はありますが、多分一番冒険している作品ではないでしょうか。そしてこの作品がtonbori堂が映画館で観た「最初」のゴジラ映画です。昭和40年代中ごろから50年初めにかけて「東宝チャンピオンまつり」という子供向けの夏興行同時上映があったのですがその昭和46年のラインナップの1本でした。ちなみに同時上映作品は帰ってきたウルトラマン、みなしごハッチ、いなかっぺ大将、日本昔ばなしなんですが記憶がまったくありません。いや帰ってきたウルトラマンもみなしごハッチもいなかっぺ大将も日本昔ばなしも「TV」での記憶はむちゃくちゃあるんですよ。でもこれに関しては『ゴジラ対ヘドラ』の事しか覚えていないのです(笑)まあそれぐらいインパクトがあったという事です。この東宝チャンピオンまつりは東映まんがまつりに対抗して始まったものなんですがその辺りはまた別の機会に。
とにかくこのゴジラ作品では異端で皆が知ってるあの伊福部昭のゴジラのテーマ音楽はかからないしゴーゴークラブ(喫茶)はでてくるし(ディスコの前身)とにかくそれまでのゴジラの作品とは一線を画しすぎててどちらかと言えば3段階に成長していく公害による汚染物質をとりこんで巨大化していくヘドラの方にスポットがあてられています。このヘドラ、最初はおたまじゃくしのような生命体ですがやがて工場から排出された廃液やヘドロなどと結び付き海棲形態となり、やがて陸上に上陸。脚らしきもので移動したりするようになり、やがては飛行能力を得るに至りました。このシン・ゴジラにも通じる変化や群体からなる生命体としてもまたそれまでのゴジラ・シリーズに出てきた怪獣の中でも異質です。劇中、宇宙からの隕石に付着していた鉱物起源の生命体とされており、その後の『ゴジラ2000』のオルガやゴジラの細胞が宇宙線によって変化し増殖したスペース・ゴジラなどもいますがその姿かたちの異形さは群を抜いていると思います。まるで妖怪のような赤い目玉。そして硫酸ミストで通った後は草木も生えぬ有様にするなど、多分一番厄介かつ危険な怪獣ではないでしょうか。今でもよく覚えているのは飛行体になって空を飛ぶとき、学校で運動場にいる児童や先生がバタバタ倒れたり、夜のゴーゴークラブに液状になって侵入し店内の客を白骨化させたりとか主題歌として劇中歌としても歌われる『かえせ!太陽を』や富士の裾野で若者たちの狂乱の祭りなどインパクトは未だに薄れません。主人公がヘドラと遭遇する博士の息子で子ども向きな描写もあるものの、いやこれ子どもむけでいいのかというアバンギャルドな映像や設定。そして物議を醸したというゴジラの飛行シーンなどなど(ゴジラがシェーをしたときより物議が起こったとか)ゴジラシリーズ随一の問題作として是非お時間があれば観て頂きたい1作です(ただそれによりなんじゃあこりゃああとかなってもtonbori堂は責任持てませんのであしからず。何卒よしなに<(_ _)>
今回は
この3本ですがゴジラ映画は思い出深いものも多く、まだままだ語り尽くせぬものも多くまたやりたいと思います。今回は「いろはのい」としての初代『ゴジラ』とtonbori堂の忘れ得ぬ2作品を取り上げましたが次はTVの夏休み子ども映画大会で観たゴジラ・シリーズ作品や、平成になって蘇った1984『ゴジラ』以降のシリーズ作品やミレニアム以降などなどテーマに分けておいおいと書いていきたいと思います。ということでまた次回によろしくお願いいたします。
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