ファミリーランド/『ゾンビランド:ダブルタップ』|感想|【ネタバレ注意】-Web-tonbori堂アネックス

ファミリーランド/『ゾンビランド:ダブルタップ』|感想|【ネタバレ注意】

2019年12月18日水曜日

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 忘れていましたが(忘れるな!)『ゾンビランド:ダブルタップ』観ました。もう終わっちゃったところも多いのですが前作観た人は配信に来てからでもいいので緩くさらっと観れるのでおススメです(遅いよ!

 いやすみません、そもそも観に行ったのが結構遅くて、その上今月前半は新刊発売やらなんやらでそちらにリソースを割いていると今頃になってしまって。でもつまんない訳ではないんですよ、面白かったし、観てた最中はクスクスしておりましたが…「サプラーイズ」が無いんですよね…そこは残念ポイントでした。でも概ねダメな続編ではなく、前作をちゃんと引き継いだ続編でした。

ゾンビランド:ダブルタップ予告編|SonyPicturesJapan|youtube

10YEAR AFTER/ストーリー

 コロンバス、タラハシー、ウィチタ、リトルロックの4人は相も変わらずゾンビランドとなったアメリカでしぶとくサバイバルしていた。あれから10年、とうとうアメリカの首都ワシントンD.Cに到着、ホワイトハウスに居を構えることに。大統領専用車ビーストを手に入れたタラハシーはご機嫌だが、リトルロックは父親面をするタラハシーに対して反抗期なお年頃。いい関係になったコロンバスとウィチタも倦怠期を迎えていた。

 そんな中些細なことから仲たがいしたリトルロックとコロンバスが倦怠期を打ち破ろうとしてウィチタにプロポーズしたもののそれはご勘弁となった彼女はリトルロックとともに大統領専用車ビーストに乗って家出する。残された2人はともかく腹は減っては戦は出来ぬと買い出しという名のショッピングモールへの探検に向かうと、生存者と出会う。彼女の名はマディソン、アイスクリームの冷凍庫で難を逃れていたらしい。ヴィーガンでお喋りなマディソンにほだされたコロンバスはタラハシーが嫌がる中彼女をホワイトハウスに招待し、結局一晩をともにしてしまうが、夜半に物音で目が覚める。タラハシーとともに物音がした車庫に突入するとそこには出ていったはずのウィチタが。彼女たちは途中で生存者のヒッピーミュージシャン、バークレーを拾ったのだがリトルロックはバークレーといい仲になり2人でプレスリーの聖地であるグレースランドに向かったのだ。彼女を追いかけるため武器を取りに帰ってきたのだ。そんなわけで一か所に長くいすぎた旅ガラス3人と新たな仲間を加えてリトルロックを探す旅が始まった。

 途中で新たに進化したゾンビでちょっとだけ知能がある「ホーキンス」にタフな新種「T-800」が押し寄せてくる中無事にリトルロックを探しだすことは出来るのだろうか?

ファミリー映画『ゾンビランド:ダブルタップ』

 『デッドプール』『デッドプール2』のレット・リース、ポール・ワーニック(クレジットにはあと一人、エクスペンダブルズをスタローンと協同脚本でクレジットされたデヴィット・キャラハム)らしいファミリー(疑似家族)テーマで、前作ではそこになるという感じだったけど、2はやっぱりそうなると色々あるよね!っていうお約束な感じになってるのは否めません。でもそこを外すとやっぱりゾンビランド続編じゃないんじゃない?ってなるし、そこは物語を転がしていくための起点であり終点でもあるんですよね。だから最終的には『デッドプール2』みたいに収束してく。だから物語をひっかきまわすキャラや、ちょいと魅力的なキャラを投入して退屈させないというこれ完全にデップーやん!ってなるんですが、俺ちゃんが出てこない分、バランスはとれています。ただそこにサプラーイズはやっぱり少ないかなってなったんですよね。ちょっと無いものねだりかもしれませんが。


 でも投入されたキャラクター。アイスクリーム冷凍庫に隠れてゾンビをやり過ごしていたマディソン。演じるゾーイ・ドゥイッチ、キンキンする高い声でまくし立てる、天然系で悪意はないけど空気が読めないちょっとだらしないキャラで「普通の」ゾンビ映画だったらすぐに死ぬタイプ。彼女を上手く使っているんですよね。ウィチタのようなタフに生きて慎重な人間から見ると、アンタ、馬鹿?ってなるマディソンをデウス・エクス・マキナよろしく使って場面を上手く転がしていました。まさかのあのシーンはええ?そういうの有りなの?ってなりました(笑)

タラハシーとリトルロック

 本作ではタラハシーにファミリー系映画の父性とかそういう部分を任せてしまったのでそこはパワーダウンしたかなと少し思っています。リトルロックとバークレーを追っかけていった先の平和的なコミューン、バビロンでこれまでなら絶対武器を手放さないタラハシーがごねながらも結局武器を手放してるってのが…ああこれ本当にタラハシー、そういう気分になってんだと、ちょっと意外でしたね。でも考えてみると10年も一緒にいてその時間が彼をちょっとずつ変えていったのか?いや本質的な部分では彼のワイルドな部分は変っていないしゾンビ全部ぶっ殺すマンなんだけどリトルロックとウィチタとコロンバスはかけがえのない家族になってんだなあとしみじみ思いいりました。でもトゥインキーはもう良くなったのかな(笑)そんなリトルロックは完全に遅れてきた反抗期って感じで。でもやっぱりタラハシーのタフっぷりには救われているというか。それが最後につながってくるのは良かったです。

コロンバスとウィチタ

 前作でいい感じになってたけどいざ結婚という文字が出てきたら何故か、無いわーってなっちゃうウィチタ、そしてマディソンと出会ってそれほど好みではないけどいたしてしまうコロンバス(^^;なんとも優柔不断な彼らしい行動ですがそれでもルールは増えて72になってるしなんでしょうね。でも結局いいパートナーだと思いますね。

ネバダ、アルバカーキとフラッグスタッフ

 ネバダはグレースランドからちょっといったところにあるモーテルの女主人でタラハシーと意気投合するんですけど、凄い出オチな人が出てきたな、しかも演じてるのはロザリオ・ドーソンだしこれは途中退場かと思ったら、意外と最後まで生き残りました。これはほうそういう感じで来たかと感心しましたね。でもアルバカーキとフラッグスタッフの2人組は完全に出オチ過ぎててああやっぱりな感じに😅でもタラハシーとコロンバスの合わせ鏡みたいなの出してきてからのネバダの身の振り方とか、ああですよねーってなる感じはありましたね。そこからエンディングのおまけでビル・マーレイの事が出てくるとは(笑)これ前作観てないとさっぱり分かりませんよ(笑)いちおうネバダの台詞として処理はされているけど。しかしガーフィールド3の看板はそういう事だったのか(笑)

グレイスランドとバビロン

 ゾンビランドとなったアメリカ。のっけから無人となったホワイトハウスに居を構え、でも結局4人だけではとなる展開やファミリーを軸にしているし、家族がいるところがホームだという事を言ってるんですけど、その過程で目指すのがグレイスランドってのが興味深いですよね。ロックンロールの神様、エルヴィス・プレスリーの邸宅であった場所。言わば聖地でそこを目指すという話をしてたのは実はタラハシーなんですよ。次第に彼のエルヴィス好きっぷりが露わになっていくんだけど、失われたものを目指すというのは前作でもありましたよね。


 そしてグレイスランドは完全に荒れ地になっていてリトルロックとバークレーはそこからバビロンを目指したとネバダに教えられそこに向かいますがバビロンの住人たちは高い壁を築き、中では武器を持たず(武器は溶かしてピースサインのペンダントにしちゃうのです。)タワーマンションの周りでヒッピー文化で平和を享受しています。しかし進化した脅威がそれを見逃すはずもなく結局最後はバビロンで大立ち回りをする事に。彼らはその後壁を再建したとは思いますがその後どうなったのかなというのは気になるとこです。実際ゾンビの進化によりバビロンも平和ではないというのがハッキリしたわけなので。このバビロンという名前も既にそこが安住の土地ではないというのを示唆していたからもっと悲惨な事になるかなと思っていましたがそこはそこまでしなかったのは意外と言えば意外でした。

最後に

 前作観た人なら楽しめるし、ゾンビ映画のお約束や映画好きならクスっとなるポイントも多い映画です。tonbori堂は上に書いたようにサプラーイズがっていうのはありましたけど相変わらずのゾンビランドの空気感でクスっと笑ったしマディソンがいい味だしてたし結構満足して観ていました。満点じゃないけどやっぱり好きなゾンビ映画です(*´ω`*)前作観て気に入ったらこれもおすすめできる1本です。

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※前作『ゾンビランド』も面白いので是非。(Amazon)

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