戦いに備えよ|『ジョン・ウィック:パラベラム』|感想|【ネタバレ注意!】-Web-tonbori堂アネックス

戦いに備えよ|『ジョン・ウィック:パラベラム』|感想|【ネタバレ注意!】

2019年10月8日火曜日

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 ジョン・ウィックシリーズ第3弾。前作の最後で掟を犯し聖域であるホテル・コンチネンタルで殺しをしてしまったジョンは主席連合(ハイ・テーブル)から追われる事になりました。あのチャプター2からのそのまま物語が始まります。追われる身になったジョンは、まさに四面楚歌状態。相手は強大な組織でありどうやってサバイバルするのか?まさに「戦いに備えよ」な展開ですが、実際にはジョン、ずっと戦い続けている印象です。まさに殺しの博覧会というぐらいに、技を駆使して戦うジョンはまさにバーバヤガいやブキーマンでした。


ジョン・ウィック:パラベラム」TVスポット【ノーマル編】|

追放された男、ジョン・ウィック/ストーリー

 血の誓約で縛られたジョンは、それを反故にして自分に懸賞をかけて殺そうと目論んだダントニオが逃げ込んだ先のホテル・コンチネンタルNYで彼を射殺した事から主席連合より追放処分を受け、1400万ドルの懸賞金が掛けられ全世界の殺し屋から狙われる事になってしまう。コンチネンタルNYの支配人、ウィンストンから1時間の猶予を与えられたジョンはNY公共図書館へ向かう。そこに金貨と誓約のメダル。そして十字架が隠してあった。それらを駆使してジョンは執拗に生き延びるための戦いを繰り広げる事になる。


 一方、ウィンストンは主席連合の裁定人よりウィックを見逃した一件が問題となり、重大な背信として7日後に支配人の職を解任される事を宣告される、NYの裏社会の闇情報を一手に握るバワリー・キングにもウィックに銃と弾7発を渡したとして引退を宣告した。それぞれにデッドエンドが近づく中、裁定人は最強の殺し屋ゼロを雇い、ウィックたちに対して死の裁定を下す。ジョンは果たして生き延びる事が出来るか?

ガン・フー、カー・フーに続く第3のフー

 ガン・フーってのは造語だと思うんですけど、もう使えるものはなんでも使うジョン。今回は前作からのナイ・フーはもとより本に、馬、バイクに犬まで。本はまあ本で殴る以外にも…これはちょっと映像でご確認いただきたいということで(^^;馬はマってことでマー・フー、馬を使っての後蹴りは、実際に大けがや死者が出る事もある危険なアレですが、まさか殺しの技に使うとは(^^;あとはウェスタンでよく見る鞍をつかって身を隠して撃つアレです、マグニフィニセント・セブンでもデンゼル・ワシントンしてましたね。バイ・フーはバイクで撃ち合い斬り合う超絶アクション。韓国映画の『悪女』で超絶バイクアクションあったので、おおっ俺らも負けてらんねーってなったんでしょうね。


 ジョンが助けを求めて向かうモロッコはカサブランカで昔馴染のコンチネンタル・モロッコの支配人で元殺し屋ソフィア(ハル・ベリー)を訪ねますが、彼女はドッグ・フーの使い手。まあいわゆる戦闘犬訓練を受けた愛犬を飼ってて命令で襲ってくる敵を襲わせるという。これガチで狙われたらヤバいです(^^;ハル・ベリーと犬のコンビネーションアタックも決まってました。

コンチネンタル・ホテル

 世界中のあちこちにあって、その中では殺し合いは御法度。第1作目ではそれを犯した女殺し屋が組織の殺し屋に殺されるシーンがありましたよね。でもコンチネンタルが聖域というのを利用して逃げ込んだダントニオを殺したジョンもお尋ね者になってしまいましたが、今回の件でコンチネンタル・ホテルの上部に主席連合(ハイ・テーブル)がある事が分かりました。

ハイ・テーブル(主席連合)

 前作では世界中の犯罪組織のメンバーが集まってできた互助会みたいなもので、幾つかのルールを作って無秩序な状態にならないようにコントロールしていると思っていたけれど、それ以上に力を持った犯罪帝国みたいなものを感じました。特にあの主席って本当にそうなのかどうかも不明だし。どっちかというとメッセンジャーでもある裁定人の女の方が指示を出しているんでこっちの方が力があるんじゃないかとか(笑)


 前作のダントニオもハイ・テーブルの評議員になるために姉を暗殺するようにジョンに依頼したので完全に寄り合い所帯と思っていましたが今作ではハイ・テーブルという組織が強固にあってその掟に逆らうものは潰されると言うのが分かりました。荒唐無稽な世界観を維持するため一種の帝国のような構造を作り、何故殺し屋の聖域があるのかとかを説明していたものを続編が進むにつれて、一握りの上部構造が下部を支配しているという姿を見せる事により次へのヒキにもしています。最終的にはジョンの怒りはそこへ向かうのではないだろうかと。

2人のNYの王

 ウィンストンも今回は狸っぷりを発揮しましたけど、あれ最後のは死なないの分かってたんじゃないかなあ…。ただ今後は敵に回るかもしれないけれど。ただそうなった場合、割とあっさりと殺されそう…。後コンチネンタルのパニックルームがほぼ金庫室な扉だったのが面白かったですね。コンシェルジュのシャロン。彼もまたガン・ソムリエでもあったんですね(笑)さすがコンチネンタルのコンシェルジュ(笑)最新の防弾を抜ける9㎜の高速弾。それが通じなかったらさらに強力な12番ゲージのアーマーピアシング(装甲貫徹弾)のスラッグ弾をモリモリだしてくる辺りもう変な笑いが止まりません(笑)


 バワリーは前作でNYの裏を情報で支配する顔役として出てきましたが、今回は主席連合の力の前に組織のみならず、自身も痛手を負わされ傷だらけになってしまいました。それでもしぶとく生き延び、続編へ駆動するエンジンとなっています。2人のNYの王のうち一人は領土を安堵されましたが一人は堕とされました。この部分の決着も続編へ持ち越しですね。

ゼロ

 制作時のニュースで真田広之と交渉しているという話を聞いたんですが、出たのは『エンドゲーム』の方でしたというオチで、もしかするとこの役(ゼロ)なのかなあと推察したんですが。実際に演じたのはマーク・ダカスコス。ドラマ『HAWAII-FIVE0』の主人公の宿敵、ウォー・ファット役や『エージェント・オブ・シールド』でもヒドラ側のインヒューマンズとして出演しているアクション俳優です。複数の出自を持つ血の混血で母方から日本の血も持ち両親が武術家で指導していたことから武道をたしなんでいたとか。なので型がきれいに決まっているのですが今回のマークは何時ものニヒルだったり、寡黙な修行僧然としたタイプではなく、少し面白いところもある腕のたつ殺し屋を楽し気に演じていました。でもゼロが開いている寿司屋、KILL BILLリスペクト?ってちょっと思っちゃいましたよ(笑)BGMがきゃりーぱみゅぱみゅの「にんじゃりばんばん」だし(笑)いわゆるちょっとおかしな日本感(笑)弟子には『ザ・レイド』の強敵ヤヤン・ルヒアンがいてカランビットを使ってジョンを苦しめます。っていうか弟子だけでもういけるやんってなるぐらい強烈でしたね。もう次は日本から坂口拓を招へいするしかないかも(真顔)


 監督のチャド・スタエルスキとキアヌ・リーヴスは日本には思い入れ(惹かれている)があるとインタビューで語っているのでこれはもしかすると…、ただインタビューでは「撮影」が難しいとも(^^;まあ日本で撮るの本当に許可をとるの大変なんだそうで、街での大規模な封鎖とかも出来ないですからね。突破してなんとかやってほしいけど、そう言えば福岡は結構そういう撮影に協力的だとか、ダメかな…。もしそうなら日本のアクション系俳優総動員かかるかもしれないし是非やってほしいんですけど…。

ソース|「僕らは日本に惹かれている」:映画『ジョン・ウィック:パラベラム』キアヌ・リーブス&チャド・スタエルスキ監督インタビュー | ギズモード・ジャパン

IMAXで迫力の音響

 今回IMAXで観たんですけれど、画面の迫力もさることながら、音が凄い。3Dでないのに弾丸がそこに着弾したかのような音響。大迫力すぎて手に汗握ります。これはさすがに家では堪能できません。スクリーンならではの音響でした。ピストル、ライフル、ショットガン、全ての音がちゃんと違う音として耳に刺さってくる。銃撃戦映画としてもこれは至福の体験です。ライフルの弾が眼前をかすめていくという体験は『ダンケルク』以来です。余裕があるなら是非IMAXでご覧頂きたいですね。

そして闇の男は闇へ帰る。

 今回はそれまで仄めかされていたジョンの過去がはっきりとしてきました。何故ロシアン・マフィアお抱えの殺し屋をしていたのか?ベラルーシの孤児で地域との結びつきが強いジプシー系の組織に入り、そこで生きる術を身に付けた事が分かりました。そして妻との愛がより一層深い事も。


 しかし組織との戦いが激化しジョンは結局指を失い指輪も捧げてしまった。もはや彼に残されたのは怒りのみ。そんなジョンのよすがはもう犬しかいないのかもしれません…。でもラストシーンを観るとモーフィアスとネオをどうしても思い出してしまいます。再び闇に堕ちたジョンを救い出す手は差し伸べられるのか?それとも修羅の道を往くのか?今回、ジョン・ウィックの集大成という話でしたが実はさらなる戦いへの序章であり、まさに『戦いに備えよ(パラベラムの意味)』な話になっていました。もっともシリーズファンとしては、次回作は何・フー来るの?っていうところなんですが(ヲイ!

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