危ない2人/STORY
米外交保安部のルーク・ホブス。追跡の名人、狙った獲物は逃さない凄腕の捜査官だ。デッカード・ショウ、元英国SAS隊員にしてMI6のエージェント、組織から知りすぎた男として追われる身だがその能力で闇の仕事を請け負っている。
ドミニク・トレットとその一党に関わる事件でかつて派手にやり合った二人にCIAがある細菌を盗んだスパイの確保を依頼する。そのスパイとはデッカードの妹、ハッティだった。彼女はスノーフレイク(雪片)という細菌兵器の取引現場にMI6のチームとともに奪取する任務に就いたが突如現れた男たちによってチームは全滅、マイクロマシンに守られたその細菌兵器を体内に取り込みその場を脱したのだが男たちのリーダーによってニセ情報が流され細菌を盗みチームを全滅させた犯人として追われていた。
デッカードとホブスはそれぞれ方法でハッティを追い、彼女のマンションで手がかりを探すデッカードには謎の襲撃者たちが襲い掛かり、そしてホブスは監視カメラの映像から死角を探し彼女の立ち回り先に先回りして彼女を押さえた。CIAのロンドンの秘密オフィスで尋問を受けるハッティだったがそこに取引現場に現れた男が手下を引き連れ彼女を奪いに来た。男たちの狙いもスノーフレイクだったのだ。デッカードもそこの現れ戦闘になるがデッカードは男に見覚えがあった。
男の名はブリクストン。元はデッカードの同僚であったがエティオンという組織に属し、かつてデッカードによって頭部に弾丸を撃ち込まれ死んだはずだったが、エティオンのハイテクで強化された強化人間としてエティオンの実行部隊のリーダーとして暗躍していたのだ。辛くも彼の追跡を振り切ったがハッティの体内にあるセルが持つのは3日間ほど、その上エティオンの情報操作でホブスもデッカードも(彼はもともとお尋ね者だが)この件の犯人とされてしまった。ウィルスをつくった博士と接触しウィルスを体内から抽出する装置がチェルノブイリにあるエティオンの秘密研究所にあることをしった3人は敵地へ乗り込む決心をする。果たして無事ウィルスをハッティの体内から取り出しブリクストンを倒すことができるのか?
最強のふたりのスーパーコンボ
原題名は『Hobbs & Shaw』といってもその前に『Fast & Furious Presents:』がついてるんですが、いやこれ『エクスペンダブルズ』のスピンオフでも成立するんじゃないの?とかGIジョー2のロードブロック外伝でも通じるみたいな(笑)
脳筋とはよく言いますがほぼほぼ脳みそ筋肉で作られた作品はここ最近ではあまり例がないのでは?それなりに、例えば『ジョン・ウィック』のガン・フーやM.C.Uのように肉弾戦もあるけど、それを盛るCGとか(キャップは結構リアルファイト凄いんですけれども)、当然この作品でもCGで盛ってきますけど、それを上回るマッスルファイトで押し通す圧が半端ないと申しましょうか(笑)また肉弾メガトンなドウェインとドウェインのようなマッスルと並ぶと細身に見えるけど、鍛え上げた俊敏なステイサムのコンビネーションはそれぞれのキャラ付けも正反対でいいバディ(相棒)モノ映画として仕上がっていました。というか2人が並べばごちゃごちゃ言うな拳で来い!ですよね(笑)
ホブスの外伝が作られた経緯
実はこの前の作品である『ワイルド・スピード ICE BREAK』の撮影時、ワイスピシリーズの中心人物であるドム役ヴィン・ディーゼルとホブス役ドウェイン・ジョンソンとの確執が伝えられ、ワイスピ続編にホブスの登場は難しいと伝えられました。
ドウェイン・ジョンソン、『ワイルド・スピード9』への出演は「ない」 | cinemacafe.netただ彼の演じるホブスはシリーズでは比較的新参キャラクターながらドウェイン自身のキャラクターと相まってシリーズの人気キャラクターとして初登場したMEGA MAX以降常連となりました。そんなわけで彼をあっさり手放すことは惜しいと考えた映画会社とヴィンとは確執があってもホブスというキャラクターに愛着のあるドウェインとの思惑が一致して制作されたのかと思うのですが果たしてこの先ホブスが本筋ワイスピに復帰することはあるのか?そこも気になるところです。
またシリーズでヴィランとして登場したデッカードはICE BREAKでホブスと刑務所のシーンなどで共演し、この時の流れから考えるとホブスの相棒としては彼しかいないチョイスでしょう。何より彼にはヴィランとして登場したもののバックグラウンドが深いものを感じさせます。今回はその一端もストーリーに組み込まれていました。
シリーズのテーマ『ファミリー』は?
ワイスピシリーズの肝はマッスルカー(フォード・マスタングやニッサンR34スカイライン)によるカーアクションとともに重要なのが「ファミリー」です。実のファミリーというより結びつきの強い仲間という意味合いで疑似家族とも言えるシリーズを貫くものなんですが、今回ワイスピシリーズのスピンオフということでマッスルカーによるアメリカンなカーチェイスは鳴りを潜め(カーチェイスが無いというわけではないです、かなり激しいバイクとスーパーカーのロンドン市街でのカーチェイスがあります)ホブスとショウのバディアクションに振り切った作りになっているものの、ワイスピの肝であるファミリー要素はありました。
しかしワイスピシリーズの血のつながりではなく絆の部分でのファミリーではなくガチのファミリービジネスな話になっててスピンオフとはいえそこまでアンチテーゼ打ち出してくるかと少しびっくりしました。とは言えスピンオフとしていいスパイスになったんじゃないかなと思っているんですがどうでしょう。とくにステイサム演じるデッカード・ショウの母親マグダレーン・ショウ(演じるは名優ヘレン・ミレン、ICE BREAKで初登場)と妹であるハッティ。それにEURO MISSIONのヴィランでICE BREAKにも登場したオーウェン。この家族のファミリー・ビジネスだけで一本撮れるやん!って思いました。今後是非にショウ・ファミリーのさらなるスピンオフを希望したいところですね。
ホブスも実家がファミリー・ビジネスで盗難車をやってたというのがこれまたワイスピ本編への当てつけかいと(ドムも当初は盗難車のビジネスに手を染めていて、第1作目は脚本のデヴィット・エアのシナリオの色が濃いいわゆるアウトサイダーとロウマン(警官)であるブライアンの奇妙な友情物語だった)思う設定。まあサモアの肝っ玉母ちゃんがそれを全部ふっとばすほどパワフルすぎてあの母ちゃんいわゆるデウスエクスマキナじゃねえかと思うくらいでした(笑)
哀愁漂うヴィラン、ブリクストン
今回のヴィランの属する組織、エティオン。なんか最初エディオン(家電量販店)みたいな名前やなと思いましたがいわゆる007のスペクターみたいなもので、もしかするとこの後本編ワイルド・スピードにも関わってくる?のかな?というくらいにかなりの資本力と組織力をもっているように描写されています。その実行隊長としてホブスとデッカードの前に立ち塞がるブリクストン。彼は肉体を強化されたいわゆるサイボーグで、バスとぶつかっても平気だし敵の攻撃を予測して回避し強烈なパワーで相手を倒す最強のヴィラン。
実は元MI6のエージェントでデッカードをリクルートしようとして撃たれたという設定です。演じるのはイドリス・エルバ。英国出身の俳優で『マイティ・ソー』シリーズでビフロストの番人で全てを見張るヘイムダル役でお馴染みです。実は彼ジェームズ・ボンド役にも名が挙がったことがありますがそんな彼が台詞で強化された肉体を誇示し黒いスーパーマンと言うのはもう確信犯としか思えません。そしてその余裕さは完全にホブスとデッカードを上回っています。ただの肉弾ヴィランではこの余裕、そして哀愁は出せません。イドリスならではのものだと思います。素晴らしいヴィランでした。
ワイスピスピンオフ
先にも書きましたけど、既にワイスピシリーズでなくても通用しそうなんですがだからといってこれがワイスピキャラクターでなかったら…というのも少し思ってしまうんですよね。キャラクターたちが創造されればやっぱりバックグラウンドというものがあってそこを掘ればさらなるユニバースの拡張になる。アメコミヒーローだと既に発表されているキャラクターをとかヴィランをそっちから持ってくることも出来るけど一般的なアクションシリーズで脇役の人気が出てもなかなかユニバースの拡張にはつながりません。
例えばハリソン・フォードの『逃亡者』で彼を追うジェラード保安官(トミー・リー・ジョーンズ)の人気が出たので『追跡者』というスピンオフが作られましたがユニバースの拡張にはなりませんでした。それは映画の『逃亡者』の主人公キンブルの乗り越えるべき事件は既に片付いてしまってそれ以上に世界の拡張が望めないからです。なにせキンブルは普通の外科医だったから(笑)これがドラマなら(『逃亡者』はもともとドラマでした)アメコミではないユニバースの拡張を望むなら脇役は法執行機関かアウトローの方がいいのです。なにせ世に争いの種は尽きぬっていう事ですから😅それとともにショウ・ファミリーは家族全員が裏街道なので話が作りやすい。あと1本はいけますよって感じです(笑)となれば『ホブス&ショウ』2は十分にあり得るんじゃないでしょうか。今後の展開ちょっと楽しみです。
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