やっと観ました。『プロメア』、『キルラキル』のトリガー作品、ましてやその大元にもなっている『天元突破グレンラガン』の今石監督と中島かずき脚本となれば(『キルラキル』も同じコンビ)ですからそりゃ観なくちゃならんと思いつつも公開から1か月近くも過ぎてようやく観れたという(2019.5.24公開/tonbori堂鑑賞は2019.6.22)普通なら公開が終わっていてもおかしくない感じですが根強い応炎(援)者(もの)が多かったのだと思います。全くもってその応炎者さんたちに感謝です。
というのも、完全にこの作品『グレンラガン』と『キルラキル』の延長線上にありながらもそれ以上に、より過剰に、よりパワフルに、より深くストーリを深化させた作品だったからです。スクリーンで観れたのは全くもって慶賀の極み。これをスクリーンで観ないのは一生の不覚になるところでした。
バーニッシュVSマトイテッカー
世界は突然炎に包まれた。バーニッシュと呼ばれる突然変異体(ミュータント)が現れたのだ。身体より炎を吹き出し炎を操る人たちを人類は恐れ対立した。その結果、世界は炎に包まれ地球の人口の半分は焼失したのであった。
「世界大炎上」とよばれる厄災から30年。自治共和国プロメポリスにあるフォーサイト財団製薬ビルで火災発生。火元はバーニッシュのテロリスト集団マッドバーニッシュ。その火災災害から人々を守るために結成されたのが高機動救命消防隊バーニングレスキューである。
バーニングレスキューの隊員であるガロ・ディモスは隊で一番の新人なれどその驚異的な身体能力でマッドバーニングのボスであるリオ・フォーティアと対峙。専用装備であるレスキューギア、『マトイテッカー』でリオと対決しこれを捕縛するがそれはプロメポリスを覆う秘密とやがて向き合う事になるプレリュードに過ぎなかった。
プロメポリス執政官で幼いガロを助け慕われているクレイ・フォーサイトから勲章を貰ったガロだったが、わざと捕縛され囚われた仲間を救い出したリオを再び出会い、バーニッシュの燃やさないと生きていけない彼らも炎を出す以外は普通の人間と知る。
もやもやを抱えたガロはクレイに面会しバーニッシュの秘密とプロメポリスの秘密を知る事になり一方リオも最大のピンチを迎える事に。果たして隠された秘密とは?ガロはプロメポリスに燃え盛る炎を完全鎮火できるのか?リオは完全燃焼できるのか?地球の運命を賭けた戦いが始まる。
プロメポリス完全燃焼
まさにそういうお話でした。最初キャストを聞いたときは松山ケンイチ(松ケン)か、どうかなー、大丈夫かなと思ったものですが全然大丈夫でしたね。もともとこのキャスティング脚本の中島さんの希望だったらしくてキャラは完全に当て書きではないもののイメージに合うキャスティングでした。
魂を燃やす男/ガロ・ディモス
松ケンどうよと思ったけどどんどん良くなってくるんですよ、これが。最初は素っ頓狂なはねっかえりの若造かと思ったら、心に秘めた熱い想い。そして人を思いやる繊細な部分。そこをちゃんと演じてる。ただ「アホ(褒め言葉)」ですけどね。それらをひっくるめて愛すべき火事場の纏持ち、ガロ・ディモスを熱く演じていました。
秘めた想いを凍てつかせながら燃やす男/リオ・フォーティア
リオは女性と見紛うごとき美貌の美少年。ですがその心は誰よりも凍てついています。それでも誇り高きマッドバーニッシュの首魁として殺しはせず、ただ平穏に暮らすことを望んでいた。しかしクレイ・フォーサイトの野望のため狩られていく同胞をみて闇に落ちてしまう。言わばデビルマン的な立ち位置の少年です。演じるは早乙女太一。主に舞台をメインに活動している大衆演劇出身の俳優ですが、普段のクールだけれど内面は熱い役がらそのままにリオを熱演。これまたぴったりとしかいいようのないキャスティングでした。とくに闇落ちした時の作画とその声の演技が凄かった。
燃え盛る野望を能面の下に隠した男/クレイ・フォーサイト
本作のヴィランであるクレイ。登場時ヒーロー然として出てきた彼が実は悪党…というより隠れバーニッシュであるが故に仮面を被り自ら野望を燃やしつくすことでしかバランスが取れなかった哀れな人物。これを『半沢直樹』『真田丸』などでお馴染み堺雅人が外連味たっぷりに演じています。特に豹変する様は『リーガルハイ』の古美門のテンション(笑)中島さんがクレイは堺雅人がいいなと思ったそうで、いや納得です。普段は半沢直樹的ポジションなのに実は心に古美門を飼っている。そしてそれを全開放するみたいな(笑)やはりいいストーリーには強いヴィランがいないと締まりません。そしてぶっ倒されるときもド派手にぶっ倒されないとこれまた締まりませんから。そういう最高のヴィランでした。
今石+中島コラボレーション総決算
まさにそういった内容になってて、熱血漢の主人公。クールで秘めた想いを熱く燃やすライバル。そして超巨大メカ。強大なピンチ(全地球的にヤバい)、熱い仲間たちに燃え盛る野望、肉親との情愛。『天元突破グレンラガン』や『キルラキル』でも繰り返されたモチーフで中島さんご本人も公開前のインタビューでいろいろ究極なものを突き詰めると手癖になったとおっしゃっていましたが今石監督が「最高に研ぎ澄まされた手癖」と。
そしてそれに呼応するかの如く今石演出も作画もどんどんと引き出しを最大火力で全開放していくという感じになっています。2時間で何をどうしようかという部分でてアクションのつるべ打ちになっていったとおっしゃっていましたけれど、いやこれそぎ落としたものだけで2クールのアニメ作れますよ。そんだけの高カロリー演出と作画、そしてシノプシス。とにかく出し惜しみは無しでグレンラガンにキルラキルな展開がクライマックスに襲い掛かるというまさに完全燃焼な展開。どうやって鎮火するんだこれ?ってなったときに思い出したのは『アルマゲドン』とか『恐怖の報酬』のようにより強い火力で鎮火だぜ!っていうのがなんともトリガー作品らしいという(笑)(褒めてます)
それを2時間でということはそぎ落とした結果、超高濃度圧縮されたトリガー作品になったんじゃないかと思います。『天元突破グレンラガン』や『キルラキル』好きな人はもう既に観たとは思いますけど、それ以外の方でもこの熱量は相当来ると思います。あとメイン御三方以外の声優陣に『キルラキル』組メンバーが、それぞれの役柄がまたああこれ意図的にそう配置されてる?って思うくらいにいい具合だし、中島/今石組に新規参戦のヒロイン役佐倉綾音やイグニス役小山力也。そして出オチだけど重要な役で古田新太などこのバッチリ加減はまさに劇場アニメって感じですよね。ああケンドーコバヤシも熱演でした(笑)いや本当に(笑)
いや今年度アニメのナンバー1は『スパイダーマン:スパイダーバース』でしたけど今は『プロメア』ですかね(コラッ)いや両作品とも甲乙つけがたいですけど、ともかく熱いバトルとハイテンションなアニメが観たいんやという人は是非ともスクリーンでご体験ください。まだ間に合います('◇')ゞ
ソース|今石洋之×中島かずき「プロメア」誕生秘話と見どころ、“ガロとカミナがそっくりな理由”は?【インタビュー】 2ページ目 | アニメ!アニメ!
ソース|映画『プロメア』公式サイト
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