「三色の娘とエストとスイレー」|ファイブスター物語/FSS第6話スプラウト・ソング~ショウメ争奪戦|月刊NT2019年7月号連載分:感想|【ネタバレ注意!】-Web-tonbori堂アネックス

「三色の娘とエストとスイレー」|ファイブスター物語/FSS第6話スプラウト・ソング~ショウメ争奪戦|月刊NT2019年7月号連載分:感想|【ネタバレ注意!】

2019年6月16日日曜日

FSS manga

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 前回の感想がざっくり目だったのと他の方の感想などなどを読んで少し気になった部分も出てきたので追記しようかとも思いましたが、思いのほか分量が増えそうなので改めてエントリをたててみることにしました。とりあえず『三色の娘』茄里周りの事、そして『エスト』ベイジにいるエストの反応とかその他の動きの事。そして『スイレー』A.R.C.H(アーク)の事ですがまあこれは先のエントリに書いたこととほぼ同じですけども改めて。ではまずは『三色の娘』から。

月刊ニュータイプ連載ファイブスター物語/ロゴはイメージです
月刊ニュータイプ連載ファイブスター物語/ロゴはイメージです



【月刊ニュータイプ2019年7月号『ファイブスター物語/FSS』の内容についてネタバレしています。】

三色の娘

 今月号の話で坊ちゃま(ダイ・グ)が言ったんですけれどバルバロッサ家に茄里が預けられたのは3家の均衡を保つためという発言がありました。これを聞いてなんとなく戦国時代とか江戸時代の参勤交代や人質のような事を思い出したんですけれど、皇位1位ともなればいざという時全てを越権出来るわけですから言わば手元に置いておけばすなわちフィルモアを統べる事にになる。もっともバシルはどこまで本当にそう思っているのか、アドーは小物らしくそういう野望ありそうですが。


 ジーク暗殺未遂の責は氷グループの暴走となりバルバロッサは監督不行き届きということで茄里はボルガ・レーダーへと預かりになりましたがボルガ・レーダーにはバジルの送り込んだモーズがいますし前の連載の事を見ると基本的にバルバロッサにいた時と扱いは変わらないもののアラン・リーが側近として付いているのはジェインの差し金と見て間違いなさそうです。しかし血が流れるのはしょうがないのなら、その血が流れるのを少しでも減らそうとするダイ・グの想い。これは『花の詩女 ゴティックメード』でベリンがトリハロンにお願いした事です。この想いはきれいごとだけでは済まない事を政治、統治をそれでも少しでも良くしたいというベリンの想いにトリハロンが応えた願いです。その後トリハロンは兄にドナウ帝国をまかせ自分は西の大国との交渉に臨み、結局は太陽王国フィルモアとの併合を実現させ長きに渡る堅牢なシステムの基礎を築いたわけです。


 この間、トリハロンはゴティックメードに騎乗することは一切なかったと言いますが場面によってはシャンディー・マーカスやルドルフ・サヤステらが表に立ったとも(一応彼らも威圧はするけれど結局その後剣をふるう事は無かったとも書かれてはいますが)なにせ「光あるところに影あり。」きれいごとでは済まないというのはベリンもトリハロンも共通の想いがロード・ヘリシオスの戦いで身に染みていたはず。だからこそ元老院直下には暗殺専門の氷グループのような騎士団もある訳です。頑強に抵抗するものは闇に葬られた事もあるかもしれません…氷グループの存在はその証左でありアラン・リーというケンタウリの血筋(レーダー王家)の者がそれを担っているというのもいろいろ思うところがあります。そしてジークやダイ・グの想いはトリハロンとベリンから連綿と続きある種の呪いのようにも感じてしまいます。(決して間違った事を使用としているわけではないけれど)

三色の血

 ベリンとトリハロンの願いは超巨大帝国と堅牢なシステムを産みだしたけれど、人が運用する限り疲弊したり腐敗してしまう。ラーンでさえ詩女を全てを入れ替えるというシステムをいれたのに、ハスハの思惑で結局ベイジにムグミカがとどめ置かれ、後に腐敗していった事を考えると永遠を生きる天照に対し人の想いは時には呪いへと容易く変貌してしまうのかとも思わざるを得ないのです。


だからこそショーカムはその呪いの沼を打破するために三色の血を遺そうとしたのではないだろうかと思います。呪いにはさらに強い呪いで対抗する。ただ最初の想いは純粋なものであったはずだし、リリとショーカムの想いもそうだった。だからダイ・グの想いやジークの想いも届けばいいのになと思うのですが…。

ハイランダー

 バシルは何故かクリスティンを目の敵にし、亡き者にせんと暗躍しているようですが(魔性の娘とまで言っている。実際に傾国の美姫という言葉がありますが…)当の茄里はクリスティンを姉さまと呼びたいといい、自らの出自も明かしている以上それをやっちまったら…。まあ年表ではクリスティンがエンペラーズ・ハイランダーになったりフィルモアそのものとも言われるようになると言ってもそれまでにどれだけの修羅場がまだ待ち受けているのか。6話のクライマックスでメロウラを駆ってセントリーとともにマグダル救出に向かうその瞬間まで茨の道が続きそうです。

エストと黒騎士と薔薇の剣聖

 なんというかあのデコースが「タスケテー」っていうのは相当な事ではあるんですが(^^;エスト「マスター、嬉しそう」への反応がいろいろあって。いやでもファティマって騎士の命が危機にさらされない限りはOKなところあるし、マドラの目的はあくまでも子種。なんで嬉しそうってのは騎士の血が(黒騎士の系譜の血が)残るって事ですからいいんじゃないかと(ヲイヲイ)😅


 あ、そういえばナオもロードス・ドラグーン公の血をその身体に宿しているんだけど覚醒しちゃったら…星団去りそうなので黒騎士の血はそこでってなりそうで。でもまあツーリー・パイドルの血もクライマー・パイドルがいるしな。なんだかんだで受け継がれていく事を是とするならばエストが止める道理もなくという。そして割と裏腹な言葉を吐くのもエストだし…まさに魔性のというならエストにはそれがもっとも相応しいファティマだと思います。


 で、薔薇の剣聖殿は子作りにいそしんでおられるわけですが、シャデルファーではなんかヤバい事を起こりそうですよというので天照がスパークを呼び出そうとしたらトンズラこいてて東の君が探していたと。そこで、スパークがマドラってのはどこまで「今」の天照は知っているのか。デコースはスパークがマドラと知りませんでしたけども、ミマスは知っている。詩女様は知っているというかミマスからの要請で人格を2つに分けた訳ですから知ってて当然、東の君はスパークがマドラと知っているのか?マドラをスパークとして認識していても剣聖級だと分かっているのか。そこが気になるんですよね。天照としてはレンダウトはミキータ・オージェと認識しているからサンダルとソックスを貸与し彼女のその力でないと対処できない状況を理解していた。

その前にはスパークを探していたというのはやはりラキシスの警護という意味でスパークを寄こそうとしてたとしてその力を知っていたからなのか、魔導大戦初期の普通に先発メンバーで出すだけの意味合いで、黒騎士追ってどうもカステポー辺りでうろうろらしいから東の君に探させただけなのか?このショウメ争奪戦でどうやらマドラは剣聖マドラとなりミス・マドラとしてラキシスガードナーになる訳ですから(片腕もっていかれるけど)どういうストーリーが隠されているのか?気になります。

A.R.C.H(アーク)/ウォータードラゴン

スイレーって確かCHARACTERS3ウォータードラゴンで設定が明らかに?いや8のドラゴンクラインだったかな?ともかくスイレー「A.R.C.H(アーク)」は別名ウォータードラゴンと呼ばれドラゴン(現設定ではセントリー)を産み出しし存在であり、彼女もまたジョーカーの産みだした異界の全能神であるという設定です。


CHARACTERS8DRAGON KLEIN
画像はtonbori堂所蔵品より|CHARACTERS/DRAGON KLEIN|トイズプレス刊
|スイレー/ウォータードラゴン掲載

その姿はL.E.Dミラージュのようなロングホーンを持った女性の上半身のみで足はなく二股にわれた尾を持つ異形の姿をしています。今までにもデモンズタワーでのサタン出現時にその姿を現しましたが、そういう事でしたかと。

そうスイレーの正体というか仮の姿はファティマ、ポーターでした。もっとも前にも触れましたが『放浪のアトロポス』の時カステポーでの戦闘が終了して戻ってきた天照とラキシスの後ろに神々としてのスペクターとポーターのシルエットが映し出されていました。(リブート第5巻298ページ、ジョーカーの姿もスイレーのようにホーンがでており300Pに正面からの絵がある。)

ファティマ・ポーター

 ポーターの設定もモラードファティマとしてはビルド級の能力を持ってたとからはじまりジョーカーの僕になったときよりARCH(スイレー)と等しい力を与えられたとありましたが、(リブート4巻P244)まさかARCHそのものになってたとは。

いや先に書いたように『放浪のアトロポス』での表現があったからそれほど驚いてはいないんですが、それにしてもポーターってのはジョーカーの世界からは外れた存在でDESIGNS1でもその解説に生きてた頃にA.K.Dのファティマのケミカルとメンタルチェックをしていたバランシェや、それを引き継いだコークスはポーターが壊れている事に気が付いているけどあえて放置していると書いています。

実際彼女からはGTM(当時はモーターヘッド)の制御能力は失われているとあり、その状況はアウクソーと同じです。それでも不問なのはA.K.Dのミラージュの一員であり、さらには宮廷道化師として免責されている?かどうかは分からないけれどヤバいので放置って事なんじゃないかなと睨んでいるんですが…。さらに言えば彼らの出会いの時に既に傍観者であり観察者であると明言していますから、実質アンタッチャブルな空気を纏っていたんでしょうね。(あくまでも妄想ですが。)

ラキシスガード

 今回スペクターとポーターもシャデルファーに向かうとしても彼らが戦うのではなく代わりにということで「器」としてレンダウトが戦うのかなと思っています。

天照が「体」が必要といったのはそういうことで、結局全能神といえどこの世界に多くは干渉できません。やると理が崩れてしまう。あくまでも傍観者、観察者であるけれどラキシスを付け狙っているのは別の次元の者たち。でもジョーカー星団で戦うとなればある程度まで吹っ飛ばせてもということで星団でも最強、超帝国剣聖がその肩代わりってのはまあ納得できる流れかなと。


 そしてそれはシャデルファーの地にてラキシスガードが揃うってことですよね。ポーター(スイレー)もマドラもラキシスガード(守護者)としての役割を持たされているので。天位持ちやバイターをあしらえるラキシスにガードがいるのかという話もありますが、なんせサタンは別の世界のヤバい人達ですから。

あといかなる犠牲を払ってでもと天照に言い含められているARCH(ポーター)が惑星を割るほどの力を行使する事は無いとは思うんですがどんな反則ワザいれてくるのか。スペクターにしろ、お笑いなのにその力、最強みたいな所があってまったく読めません。横紙破りも自由自在ですからね。でもそれこそが『ファイブスター物語』おとぎ話の面目躍如という気もします。この夏、本当に暑くなりそうです。


ソース|ファイブスター物語リブート4巻(リンク先はAmazon)リブート5巻(リンクはAmazon)DESIGNS1(リンクはAmazon)

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