「ツバンツヒとマウザー」|ファイブスター物語/FSS第6話アクト4スプラウト・ソング~ショウメ争奪戦|月刊NT2019年6月号連載分:感想|【ネタバレ注意!】-Web-tonbori堂アネックス

「ツバンツヒとマウザー」|ファイブスター物語/FSS第6話アクト4スプラウト・ソング~ショウメ争奪戦|月刊NT2019年6月号連載分:感想|【ネタバレ注意!】

2019年5月18日土曜日

FSS manga

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※【月刊ニュータイプ2019年6月号『ファイブスター物語/FSS』の内容についてネタバレしています。】

 今月号(2019年6月号)の第6話「時の詩女 スプラウト ソング ショウメ争奪戦」においてすっかり身も心も女子高生のツバンツヒ姐さんを見て、マウザー教授「洗脳か?」と漏らしていましたが、そのちょっとひっかかりを覚えるんですよね。重合人間(ポリメリゼーション・キャスター)ってそない簡単に洗脳される?って。

 天照とラキはツバンツヒ姐さん洗脳したみたいな感じには言ってたけど(ベラにて)あれはもともとそういう傾向があった事をブーストしただけでカリギュラから転向させた訳ではない気がするので余計にそう思うのかもしれませんが…。Twitterのファイブスター物語/FSSタイムラインや他の方の感想でもこの件が上がっていたので、今回は其の辺りの事をシステム・カリギュラの事とか含めて書いてみたいと思います。

動画はYouTubeより|コミックス『ファイブスター物語』第14巻(月刊ニュータイプ2018年3月号)|
|KADOKAWAanime|©EDIT/永野護|ツバンツヒ役三石琴乃ナレーション。


ツバンツヒとマウザー

 マウザーは写真を見てなにやってんだと思ったとは思うんだけど何故洗脳という言葉がでてきたのか?重合人間(ポリメリゼーション・キャスター)でありそもそも知識欲のためだけに動いているシステム・カリギュラのメンバーが、強制力があってもそう易々と洗脳されるものかとちょっと疑問に思いまして、考えられるのは自らの知識欲を満足させるために自ら出向き収まったとしか考えられないんじゃないかなと思ったんですが…。強制力を以って思想、信条を変えた訳でもなく愛するが故のって話だしもともと薄っすらあんた(マウザー)もそう思ってて「食われた」って言ってたやんって思うんですけど…女子高生ルックがそんなに衝撃だったのかな(笑)


 とは言え齢、4000歳を超えて女子高生は確かに痛々しい…のか?そもそも外見を変化させることも可能なポリメリゼーション・キャスターは4000歳でも150歳くらいの見た目いやなんなら10歳…は無理なのか?まあとにかく見た目の操作は難しい話ではないと思うんですよ。まあそれって天照LOVEなツバンツヒとしても普段の彼女の行動から大きく逸脱しているからこそ、「洗脳」というワードがマウザーから出てきたのではないかということならそうかもねと思い至りました。もっともシステム・カリギュラ自体が仲良しクラブではなく目的だけのために繋がっている組織のようでその空気感は『花の詩女 ゴティックメード』でもツバンツヒとマウザーのやりとりからみても明らかです。また最初に消息を絶ったと聞いたときはせいせいしたとも言ってたし、どちらかと言えば鬱陶しい奴と思っていたようにふるまっています。


 でも本当にそうなんでしょうか?実は嫌い嫌いも好きの内、好きな人には意地悪しちゃうってことは…分からんけども少しある?いや無い?ともかくカリギュラの人たちって永遠に近い時を過ごしているから専門馬鹿みたいなところがあってちと読みにくいところがあります。(もっともtonbori堂だけかもしれませんけど)なのでマウザー、殺す気満々でもあるけど割とツバンツヒの事は好きかも知れないとちょっと思っています。あとカリギュラにも上下関係みたいなのはあって、シオの門番の一人であるEV-3はツバンツヒの事を慕っていた様子が以前に描かれていました(これは今月号を見るとそういう事は無かった事になりそうですが。というのも同行のシステム・カリギュラのメンバーは興味なさそうだったのに対し口惜しいというような感情を出していたので。)基本的にはそれぞれの欲求に従って動いているがその傍らで歴史に干渉する(本人たちはお手伝いと称しています。)ことをしているのではないかという事なので基本的には自分の興味だけで動いていると思われます。


 そんなカリギュラでもやはり組織の中枢に居た者がその調査対象でありアンタッチャブルを許さない性格上、アンタッチャブルそのものである不可侵の偶像である天照の元にいる事はゆゆしき事態でありもともと気に食わない相手であったツバンツヒを自らの手で始末できるチャンスをマウザーが逃すはずもなくシャルデファーで激突する流れになるのかなと。もっとも気に喰わないけど気になる人物であり自身もガーランドである以上、天照の作るGTMには興味津々だろうし(カイゼリンをボケーっと見ててあの戦いをボルドックスの援護もほったらかしという)あ、やっぱりカリギュラ、いろいろ実力者揃いだけどやっぱりネジが抜けてるなっていう事が(笑)


 そんなマウザー教授がラキシスを彼女と認識していない部分で、実際にあった彼女をAFとして認識した時にどういう反応を示すのか。また普通のAFではないと見抜けるのか?(ビリジアン博士なら見抜けそうな気がするんですけど。)次元回廊に吹っ飛ばされるのか?(シャフトみたいに)ともかくこれがミラージュ入りの話に繋がるのだと思いますが読者の予想を斜め上に持っていくのが永野流まだ分かりませんね(笑)

システム・カリギュラの目的

 あとついでに気になるので書いておくと、システム・カリギュラの存在意義とは?です。モラードは知識欲にまみれた饕餮(なんでも喰らう神、中国の昔の神話にでてくる)と評していました。全てを知りたい、知っていないと気が済まない。そういう頭でっかちな集団だと指摘していました。もともとはシステム・カリギュラもラーンのダリ・キアのようにガーランドのギルドのようなものでAD世紀のGTMやGTM制御システムであるガス生命体シン・ファイアの製造組織だったことはデザインズ4のガーランドの項に記載されいます。また本拠地はスタント遊星にある事も『花の詩女 ゴティックメード』にてマウザーが帰還すると言っているのでそこにあると分かっています。何故にスタント遊星に本拠地があるのかはまだ明確に描かれていませんがそこに大きな何かがあるのは間違いなく「炎の女皇帝」ことナ・イ・ンも星(シング)とともにスタント遊星に向かって、またスタント遊星が星団に大接近したときに帰還しスパチュラー国を消し去りました。


 年表では3225にミラージュ騎士団、そして星(シング)も出現しGTMツァラトゥストラ・アプター・ブリンガーとGTMシュッツィエンが共に戦う事になると明記。相手は書いていませんが、星団最強ロボットとAD世紀最強ロボットにセントリーもとなれば相手は奴らでしょう。実はどこかでカリギュラも参戦すると書いていたように思うんですが…これは想い違いかな…。どちらにしてもスタント遊星には何かがある。それは間違いないのです。


 そして今のところスタント遊星とダイレクトにつながっているのは彼らという事になります。もしかして懐園剣を狙ったりするのはスタント遊星から来る何かと対抗するため?まだまだ謎が多いです。あ、ちなみに「シオの門番」ってのはパワーバランス表だとカリギュラの代表騎士団ってなってますけど実質的にシステム・カリギュラ=シオの門番って思っていたのであまり騎士っぽくないビリジアン博士が出てきた事によりシステム・カリギュラというシステムがあってその中で「シオの門番」が実働部隊として動いてるという感じにtonbori堂の中では最近やっとそういう感じになりました。


スタント遊星

 スタント遊星って最初から設定されているものの殆ど語られている事が無い星で本編でも第5話『ザ・シバレース』のエピソード3で出てきたくらいです。でも最初からこの星には重大な秘密があると仄めかされたままそのまま時が過ぎてたわけですが、このエピソードでナ・イ・ンはこの星に行ってスタント遊星が星団に戻ってきたことによりまた戻ってきたと、ヨー・タイインが今わの際に言っていましたが、星団暦3225年に現れる不確定惑星バスターには何かしらのゲートがあるのではとtonbori堂は思っています。それはクラウン銀河中心のモナークに至るとともにサタンやオーピクルたちの世界のゲートにもなっているのかもと考えられます。ちなみにデザインズ2と3の冒頭部分にジョーカー太陽星団各惑星世界地図ってのがあるんですが、スタント遊星は真っ黒なんですけれど第3惑星ナインの第2衛星ネードルには何かしらのものがあると示唆されています。


 ちなみに第3惑星ナインは太陽のように輝いている星で、木星のようなガス惑星が内部で核分裂と融合が起こって発光している?との事。実は木星って太陽になりそこねた星という話もあるくらいで、この辺りの話は小松左京の『さよならジュピター』の大元のネタになった話でもあります。そのナインの第2衛星ネードルには「エレキフォート・アズデビュート、ラミアス、ホルテート、他」という国家?かなにかがあることが示唆。これらはカリギュラと縁があるにしても分派組織名としてもまだまだ隠された謎がある事には変わりありません。ちなみにデザインズ4にで明かされるはずでしたが…ただデザインズ1から一貫してスタント遊星はAD世紀につけられた名称なので別の名前があることだけはずっと残っています。その真の名が分かった時、カリギュラの真の目的も明らかになるのかもしれないですね。

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