ザ・ライトスタッフ(正しい資質を持つ者)|『キャプテン・マーベル』|感想【ネタバレ注意!】-Web-tonbori堂アネックス

ザ・ライトスタッフ(正しい資質を持つ者)|『キャプテン・マーベル』|感想【ネタバレ注意!】

2019年3月21日木曜日

MARVEL movie

X f B! P L

 マーベル・シネマティック・ユニバースの第21作(!)目として初の女性ヒーローが単独タイトルロール(MCU初タイトルロール女性ヒーローはその前の『アントマン&ワスプ』でしたが単独はキャプテン・マーベルが初です。)

動画はYouTubeより|Marvel Studios' Captain Marvel - Trailer 2|Marvel Entertainment|© 2019 MARVEL

 原典コミックに明るくない(毎度言ってますが)tonbori堂ですが、観るずっと前にTwitterのフォロワーさんから教えてもらったところによると、現在マーベル・コミックスでキャプテン・マーベルを名乗っている人の前のキャプテン・マーベルは男性だったとか。いろいろあって彼女がキャプテン・マーベルを引き継いだという事らしいんですがマーベル・シネマティック・ユニバース(M.C.U)では原典をそのままなぞりません。なぞる場合もありますがアントマンでは2代目スコット・ラングがアントマンとして活躍しているし、これはM.C.Uの『キャプテン・マーベル』の物語という事で鑑賞してきました。

ストーリー

スターフォース

 惑星ハラはクリー帝国の首星。その星で一人の女性が謎の夢にうなされている。彼女の名はヴァース。ヴァースはクリーの誇る精鋭特殊部隊スターフォースのメンバーだ。6年前に司令官であり実働部隊の隊長でもあるヨン・ロッグに助けられたヴァースにはその前の記憶が一切ない。しかし強大な力を秘めた彼女をロッグはスターフォースに引き入れ戦士として訓練していたのだった。衝動的で気分屋な彼女は内なる強力なパワーを秘めていたが、そのパワーを上手く使いこなせてはいなかった。ヴァースはロッグに訓練される日々が続いていたが、ある日クリーを統括するAIスプリーム・インテリジェンスに謁見し感情を抑制すれば力をつかいこなせるだろうと諭され、クリーのために任務に当たるように言い渡される。


 ヴァース達スターフォースに任務が下った。惑星トルファに潜伏しているクリーの宿敵、スクラルに潜入していた工作員の救出任務だ。スクラルはあらゆる者に擬態する事が出来る異星人。注意していたもののやっと見つけた工作員はスクラルが擬態していた。それはヴァースを捕らえるための罠だったのだ。スクラルの将軍タロスはヴァースの記憶にある秘密を探っている。それは彼女の見る夢とどうやら関係があるらしい。夢に何時もでてくる女性。その女性が秘密を知っているという。脳内を探査されている中、気が付いたヴァースは力を使い辛くも脱出するがスクラルの宇宙船は別の惑星に異動していた。その星はC-53と呼ばれるテラン。いわゆる地球だった。小型艇は破損し機体から放り出されて落下していく彼女はレンタルビデオ店「ブロックバスター」に墜落する。

1995

 現在地を確認した彼女は近くの公衆電話機を改造して超長距離通信でスターフォースに連絡を取る。すぐさま救援に向かうというロッグだったがジャンプポイントまで23時間かかるということで救援を待っていられないヴァースは掘り起こされた記憶の断片からスクラルの探しているものを見つけ先回りしようと考える。そこに通報を受けた戦略国土調停補強配備局、通称S.H.I.E.L.D.のエージェント、ニック・フューリーと新人のコールソンが現れた。ヴァースは自分がクリーのスターフォースのメンバーでスクラルを追っていると告げると一笑に付すフューリー。


 しかしヴァースを追ってきたスクラルが地球人に擬態(シェイプシフト)し攻撃してくる。スクラルを追うヴァースを慌てて追う2人。地下鉄内で別の老婆を手はじめに擬態し次から次へと姿を変えたスクラルを見失うヴァース。一方先回りをしようとしたフューリーは本物のコールソンからの電話で助手席のコールソンが偽者だと分かり車内で乱闘の末、それがスクラルが化けていたと知る。遺体を解剖したものの謎の宇宙人であること以外すべてが不明で上司のケラーは専従で捜査しヴァースを確保せよと命令されるが実はそのケラーはスクラルのタロスが擬態していたのだった。


 ヴァースは少ない手がかりから砂漠にある酒場に行きつきそこに待ち構えていたフューリーと対面する。そして互いの手札を見せ合った上で今は協力しスクラルの求めるライトスピードエンジンの謎を解くためウェンディ・ローソン博士を探す事になる。

プロジェクト・ペガサス

 ローソン博士の所属していた研究施設はプロジェクト・ペガサスと呼ばれており砂漠地帯に設けられた大きな地下基地だった。研究所内に通された2人だったが軟禁状態にされたため部屋を抜け出し資料室へ向かう。資料にはローソン博士は既に亡くなっており、死亡原因は博士の開発した新型機のテストの失敗によるとあった。


 そのパイロットは女性。自身はクリー人だと思っていたけれどもしやその女性が自分なのではと思い始めた矢先ケラーに擬態したタロスがS.H.I.E.L.D.を引き連れてやってきた。フューリーが知らずにバックアップを要請していたのだ。フューリーを疑いきれないコールソンが見逃してくれたこともあり追手を振り切り施設で出会った猫のグースとともに基地を試作クインジェットで脱出するヴァースとフューリー。次の行き先はその女性パイロットとローソン博士が最後に接触した同僚であった。


 元空軍パイロット、マリア・ランボーの元を訪れる2人。マリアは驚き2人にヴァースは誰なのかを告げる。そして待ち受ける驚愕の展開。ヴァースの正体は?そのパワーはどこから?正しい資質を持つ者がヒーローになる瞬間を私たちは知る事になる!

エースコンバット

 最初はあまりそう思ってなくてどちらかと言えば『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』っぽいぞと思いました。そりゃ『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のクリー人が出てきて、スターフォースはその一党な訳ですから。クリー帝国を指導しているというか、その総体としての意思決定はAIスプリーム・インテリジェンスが行っているというのはスマートフォンゲーム『マーベル・ストライクフォース』で知ってたんですがそれが登場してそこから1995年につながっていくのはどうするんだろうと興味津々でした。

 予告編でも印象的に使われているあのアメリカのレンタルビデオ店「ブロックバスター」への墜落。落ちてきたヴァースがいきなり飛び起きてフォトン・ブラストで吹っ飛ばしたのが『トゥルー・ライズ』のアーノルド・シュワルツェネッガーの立て看板(笑)

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 ヒロインのジェイミー・リー・カーティスの部分は残ってシュワルツェネッガーの顔だけがきれいに吹っ飛ばされていたのは笑っちゃいましたね。そして手に取ったのは『ライトスタッフ』のパッケージ。実は『ライトスタッフ』割と関係が深くてその辺りからエースコンバットっぽいなって思い出したんですけどヴァースが思い出したパンチョスって単語から酒場へ向かうってのは『ライトスタッフ』に出てくるクラブ(酒場)の事なんですよね。


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 この辺りちょうど『ファースト・マン』とか観てたし『エースコンバット7』がそちらのネタもあった事から、ああ、これエースコンバットやんって一人で興奮してました。いや、製作陣はそんなことを一ミリも思ってなかったでしょうが(笑)こういうのはなんというのでしょうね?シンクロニシティ?プロジェクト・ペガサス基地から脱出とかエースコンバット味があって、とにかくその部分で一人でうけてました。

ヴァースの正体(ネタバレ)

 あっさりバラすと彼女の本名はキャロル・ダンヴァース。元アメリカ空軍パイロット。ファイターパイロットを目指していたけれど厚い壁に阻まれてローソン博士の誘いを受けテストパイロットとして新型機に搭乗し事に巻き込まれてしまったのです。その際にローソン博士の建造したライトスピードエンジンの爆発に巻き込まれエネルギー・コアのエネルギーをその身に宿す事となったのですが、このテスト機をあやつるシーンも効果音がエースコンバットに出てくる無人機っぽくて、うわーまたエースコンバットやってまた興奮してました(笑)しかしそんな事ってあるんでしょうかね?(笑)


 それとスターフォースの司令官の名前が隠されていたのは原典マーベル・コミックス好きならヨン・ロッグの名前が既にネタバレなんだからそうです。tonbori堂は疎い人なので知りませんでしたが。なぜそうだったのかは映画を観ればわかると思います。

ニック・フューリー

 今回のフューリーは煙に巻いたり、嘘をついて騙したりしながらも裏でたちまわるというのではなく、当時の映画作品によくあったボヤキながらも任務や仕事に立ち向かうヒーロー映画のタイプキャスト的な造形になっています。つまり陰謀術数を巡らす古強者になる前のフューリーです。ショルダーホルスターをつけて拳銃を構えるあたりはまさにそう。


 あ、そう言えば中の人であるサミュエル・L・ジャクソンも当時のヒットシリーズ『ダイ・ハード3』に出演していました(笑)ちょっとマクレーンっぽいよねって思ったのは(スタイルが)秘密です。でも女性に振り回されるってことで『ロングキス・グッドナイト』を思い出した人も多かったのでは?何せ相手が記憶喪失で凄腕ですってのまで一緒なんですから(笑)

 ちなみにこんな記事がでてました。

ソース|『キャプテン・マーベル』若きニック・フューリーはいつのサミュエル? - シネマトゥデイ

 どうやら『交渉人』の頃だとか。言われてみると確かにってなりますね。ちなみにtonbori堂も『交渉人』はマストムービーとしてエントリをたてております。

ソース|ネゴシエーター対決!|tonbori堂映画語り『交渉人』|Web-tonbori堂アネックス

 後、さらにエースコンバット味を増す要素としてキャロルのコールサインがあの事に関係しているのかという驚きの事実が。コールサイン(TACネーム的な)に反応するのはエースコンバット好きにとってはもう常識です(笑)あと片目になった理由は賛否分かれているようですが私はOK派です。むしろ面白かったと思ってるくらい。ここからはさらに致命的なネタバレなんですが書いておきたいので未見の方はネタバレ上等!な方のみ、出来れば鑑賞後にお読みいただければありがたいです。








-------------------------------------------------------------------------<ネタバレ>

エネルギーコア(超ネタバレ)

 ライトスピードエンジンに使われているエネルギーの元、エネルギーコアなんですがこれね、四次元キューブなんですよ。そう、M.C.Uではソーの父親オーディンがノルウェーのトンスベルグにもたらし、ヒドラのレッドスカルがそれを奪取し、キャプテン・アメリカがレッドスカルの野望を打ち砕き北極海に沈んだ後、トニー・スタークの父ハワードがサルベージして保管していたものです。


 プロジェクト・ペガサスとS.H.I.E.L.Dと米空軍、NASAの共同研究計画でドラマ『エージェント・オブ・シールド』では084と称されるオーパーツよりも非常に危険かつ重大なオーパーツ?として認識されていたであろう四次元キューブを研究しそのエネルギーを利用できないかと開発する施設だったようです。(『アベンジャーズ』でも登場していたあの施設です。)


 そこに現れたのがウェンディ・ローソン博士。博士の開発したライトスピードエンジン(光速エンジンか?)のエネルギー源として実用化まであと一歩になっていたようですが、四次元キューブはスクラルもクリーも欲してた事が作中で明らかになっていきます。つまりM.C.Uのファーストオリジンは『アイアンマン』だけど、tonbori堂が思っていた全ての発端は『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』であるというのがまた一つ補強されたと思いました。ちなみにこの四次元キューブ、敵中突破する時にある安全な場所に隠されるんですがそれは…本編を観てのお楽しみってことでよろしくお願いいたします。

最後に/ライトスタッフ(正しい資質を持つ者)

 ポストクレジットも含めて今後は彼女が重要なキャラクターとなってM.C.Uを回していく。そんな予感を受けました。それほどにパワフルでカッコいい。そういう、まごうことんき正しい資質を持つヒーローの誕生譚(オリジン)だったと思います。ただクリーとの事は完全に解決していない気もするので(スクラル含めて)今後の展開に期待ですね。しかしエースコンバットっぽい話だったなあ(笑)あ、もう一つエースコンバットライクなシーンがあるのでエースコンバットファンはそこも絶対にエースコンバットやん!ってなるのでそこも注目ポイントですよ(笑)

追記:201900331

 トレーラーにでてくるクインジェットが実験機のカラーリングでオレンジ入っているのもエースコンバット味を増してます(笑)

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