円卓の鬼神|『エースコンバット・ ZERO ザ・ベルカン・ウォー』|tonbori堂『ACE COMBAT』語り-Web-tonbori堂アネックス

円卓の鬼神|『エースコンバット・ ZERO ザ・ベルカン・ウォー』|tonbori堂『ACE COMBAT』語り

2018年11月30日金曜日

ACE COMBAT airplain GAME

X f B! P L

 エースコンバットシリーズでは外伝的位置付けでナンバリングタイトルとして並んでいますがZEROの名が指し示す通りストレンジリアル世界のプリクエルとしてベルカ戦争を戦い抜いたウスティオ空軍のパイロットの視点でベルカのエースと渡り合う。それが『エースコンバット・ZERO』です。5の後で発売され5を踏襲した設定も多く、またプレイヤー機の僚機として登場するガルム隊2番機、片羽の妖精ピクシーことラリー・フォルクや敵機として登場するベルカ空軍の個性的なエースたちが人気を呼んだシューティングゲームです。今回はこのエースコンバットZEROについて若干ネタバレを交えて語ってみたいと思います。

F-15Cサイファースキン/ACE COMBAT7/(c)バンダイナムコ/PROJECT ACES/#PS4Share
F-15Cサイファースキン/ACE COMBAT7/(c)バンダイナムコ/PROJECT ACES/#PS4Share
※写真はACECOMBAT ZEROの主人公(プレイヤー)であるサイファーのF-15Cカラーリング(ACE COMBAT7でのF-15Cスキン)

よう相棒、まだ生きているか?

 『エース・コンバット・ゼロ ザ・ベルカン・ウォー』はオーシア大陸の北側にある小さな国、ウスティオ共和国のさらにベルカとの国境にある基地ヴァレー空軍基地から始まります。このストーリーは『エースコンバット5ジ・アンサング・ウォー』で語られた先の戦争、いわゆるベルカ戦争をメディアの取材という体をとっていて、幕間に出てくるキャラクターたちの当時の回想をインタビューするというかたちになっています。ブレッド・トンプソンというOBC(オーシア・ブロードキャスト)というTV局が製作した報道番組ということで、取材対象はプレイヤー機であるウスティオ空軍のエース、ガルム隊一番機TACネーム、「サイファー」と、彼と渡り合ったベルカのエースや関係者からの証言でその正体に迫るという作りになっています。


 正直、既にもう10年はこのゲームできていません。何故ならPS2が故障してしまったため、そのまま廃棄してしまったんですね。(PS3やX-BOX360に移行したこともある)でもソフトは処分していないのは何時かまたやりたいなという想いからです。とにかくこのゲーム、カッコイイんですよ。ゲームシステム自体はそれまでのエスコンを踏襲しています。別段変わった事はありません。それこそ6でのみかNPCへの支援要請やアサルト・ホライゾンのCRAシステムのようなドッグファイト時のカウンターマニューバとかではなく、いわゆるプリミティブなエスコン本来のドッグファイトを楽しめる作りになっていました。このゲームの特異な点は異常に没入度が高かった事です。といってもこのtonbori堂がですが(苦笑)3以来にやり込みました。

知っているか?エースは3つのスタイルの分けられる。

 やり込み要素の一つがエーススタイルです。エーススタイル・ゲージシステムとよばれるこのシステムはミッションのクリアの仕方でミッション前後の映像が変わったり、戦う敵エースが変化するというもの。そのためクリアの仕方を変えていかないと全ての映像と、全ての敵エースと戦う事が出来ないのです。そのスタイルは『強さを求める奴 プライドに生きる奴 戦況を読める奴 この3つだ』

  1. 強さを求める=マーセナリー、これはいわゆるミッションクリアのためのレッドターゲットだけではなくステージに現れるイエローターゲットも全て根こそぎ叩くことで達成できます。
  2. プライドに生きる=ナイトはレッドターゲットのみで無益な殺生は避け、ミッション途中のアップデイトによる味方への救援任務などをこなすことでそのスタイルへ。
  3. そして戦況を読める=ソルジャーはイエローターゲットもそれなりに減らし、任務は遂行。戦況に合わせて敵を叩くスタイルです。

 実はこの中でもナイトとマーセナリーは達成しやすいスタイルなんですがソルジャーは意外と難しい。やりすぎてもダメだし残し過ぎてもダメ。まさに戦況を読み的確に敵を叩かないといけないので苦労しました。ちなみに一番やりやすかったのは意外とナイトでしたね。でも知らないうちにソルジャースタイルになっていたりとかこの辺りは進め方でよく変化していました。マーセナリーも根こそぎなんで簡単そうに見えて時間勝負なところがありそこを上手くするためにコース、位置取りなどを研究したりもしました。

敵エースたち

 『エースコンバット・ゼロ』の好きなポイントのもう一つが、この個性的なベルカ空軍のエースたちです。彼らだけでもエントリが書けちゃうくらいにかたるべき言葉がいっぱいあるんですが、このエースたちとの戦いとミッション中の無線、映像がすごくシンクロしてくるんですよ。それぞれのエース部隊には隊のエンブレムやそれぞれのカラーリングもあり見た目にも派手で盛り上がる要素です。これらはこのトレーラーで一部を観る事が出来ます。この中でtonbori堂が好きなのはベルカ空軍のグリューン隊とクーデター軍「国境無き世界」のベルカ空軍ゴルド隊、オーシア空軍ソーサラー隊でしょうか。PS3の『ACE COMBAT INFNTY』でもこの辺りのエース部隊の機体スキンを手に入れて使っていました。

グリューン隊スキン換装時F-18|ACE COMBAT INFNTYより|(c)バンダイナムコ/PROJECT ACES
グリューン隊スキン換装時F-18|ACE COMBAT INFNTYより|(c)バンダイナムコ/PROJECT ACES
ソーサラー隊スキン換装時F-15S/MTD|ACE COMBAT INFNTYより|(c)バンダイナムコ/PROJECT ACES
ソーサラー隊スキン換装時F-15S/MTD|ACE COMBAT INFNTYより|(c)バンダイナムコ/PROJECT ACES

 また敵ターゲットにもそれぞれ名のあるエースがおり、(イエローターゲット)TACネームからそれが判別できます。敵エース部隊を含め撃墜するとアサルトレコードにそれが登録され彼らの経歴などを確認することが出来るのも良かったですね。やはり名前が付いていると、それだけ思い入れが深まります。

B7Rー円卓ー『円卓の鬼神』

 『円卓の鬼神』とはプレイヤーであるTACネーム「サイファー」がやがて呼ばれるようになる二つ名です。とある場所で鬼神のような戦いぶりを発揮したことから呼ばれる事になります。その場所とは幾度かのミッションに渡って登場するベルカ絶対防衛戦略空域B7R、通称「円卓」ベルカの国境線近くの空域で幾度となく激しい空中戦が行われた空域で、地下に眠る豊富な鉱物資源が上空の電波障害を引き起こし、撃墜されるとビーコンなどが阻害され救出されるのが困難と言うパイロット殺しな空域という設定です。プレイヤー機はそこでの激戦を戦い抜生き、生き残りやがては「円卓の鬼神」と呼ばれるようになっていくのですが都合3回もおなじ空域で飛ぶために実は…飽きます…嘘です(笑)


 いや飽きるというより実はちょっと狭いというか。ゲームステージであるB7Rの範囲が他のミッションと比べても少々小さい感じがするんですが、それは広大でもジェットのスピードで飛び交っていると狭く感じるという事かもしれません(笑)INFNTYでも米国にある空域という設定でB7Rが登場し、オンラインのチームデスマッチのステージになったり、CO-OPミッションのステージとして散々お世話になりました。このB7Rという名称にエスコンファンは反応することが多いと思います。それほど特別な地域、円卓と言う通称、それがエスコンファンの心を揺さぶるのだと思います。

無線

 エースコンバットをエースコンバットたらしめる要素の一つに無線があります。空中管制機からの指示のみならず僚機とのやりとり、または敵エースパイロットとの交信などなど、ゲームを豊かにしている要素の一つなんですが、『エースコンバット・ゼロ』の無線は後にネットでもネタにされるほど名台詞が多いのです。少し抜き出してみると、

「よう相棒、いい眺めだ、ここから見ればどの国も大して変わらん」
「ガルム隊へ、撤退は許可できない」
「だろうな、報酬上乗せだ」
「お財布握りしめてまってろよ」
「ここは『円卓』 死人に口なし」

 とにかく痺れる台詞がてんこ盛りです。ネットでもそのセリフだけを抜き出したテキストサイトもありました。この辺りの台詞は簡易無線としてINFNTYで使えたものです。(一番上の台詞はトレーラーから)この辺りの無線がまた気分を乗せてくれるという訳です。

エリア88

 これはtonbori堂の私見なんですけれど、山間部の基地ということもあり、部隊も傭兵部隊ということでエリア88っぽいのですよね。さらにそれを加速させるのが初期プレイアブル機体にサーブJ35ドラケンがある事。ドラケンは『エリア88』で風間真が使用した機体として今も一部で非常に人気の高い機体です。ちなみにINFNTYでも追加機体で登場。tonbori堂の愛機でございました。このゲームに登場した『国境無き世界』のサピン空軍エスパーダ隊1番機エスパーダ1のカラーリングスキンで飛んでしましたが、後にエリア88のサンドカラー迷彩に近いスキンがリリースされコラボイベントアイテムで獲得したエンブレムを付けて飛んでいました。


J35ドラケン、スペシャルスキン&ユニコーンエンブレム|ACE COMBAT INFNTYより|(c)バンダイナムコエンターテインメント/PROJECT ACES/新谷かおる/小学館
J35ドラケン、スペシャルスキン&ユニコーンエンブレム|ACE COMBAT INFNTYより
|(c)バンダイナムコエンターテインメント/PROJECT ACES/新谷かおる/小学館

 『エースコンバット・ZERO』でもイーグルがメイン機体なんですが、ドラケンはその次の使用率を誇っていました。特殊兵装は使いづらいものの何故か使ってしまうのですよね(笑)こういうのをエリ8おじさんと言います(笑)

音楽

 フラメンコギターがフィーチャーされたものでこれがまた良いんです。5のBGMや6のBGMも戦争映画のように壮麗で重厚で良いんですけれど、ゼロのフラメンコはなんというか郷愁、そういった切なさもあって戦争の後の何とも言えない感じをよく表現していると思うのです。是非ともテーマ音楽でも聴いてほしいと思います。

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交戦規定は唯一つ「SURVIVE”生き残れ”」

 実際のところナンバリングタイトルとしては外伝なあつかいであるもののエースコンバット・ストレンジリアル世界の正史であり、全ての始まりともいえるある意味鬼子なこの『エースコンバット・ゼロ ザ・ベルカン・ウォー』ですが、5からの敵エース部隊、名台詞な無線勲章、アサルトレコードなどなどその後のエースコンバットにもしっかりと引き継がれていった要素も多く。04、5とともに今の基礎とも言うべき『エースコンバット』ではないかと思っています。出来ればこのゲームもまたやりたいんですが…PS4でも出来るようにならないですかね。5も出来るようになったんだし、密かに期待しています。

※Amazonだと新品並みに中古ゲームが出てますが、中古ゲーム販売店を回ればそこまで高くないかもしれません。

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