『ファイブスター物語/FSS』解説|「ガーランドのネーミングについて」|ファティマ・ガーランド編-Web-tonbori堂アネックス

『ファイブスター物語/FSS』解説|「ガーランドのネーミングについて」|ファティマ・ガーランド編

2018年9月28日金曜日

FSS manga

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 『ファイブスター物語』月刊ニュータイプ2018年10月号の連載でファティマ(AF)・ガーランド(旧名称マイト)でエトラムルを作ったガリュー・エトラムルの本名はエーロッテン・ニトロゲンという事が明らかになりました。AF・ガーランドも数が多すぎてよく分からなくなったからもう一人にまとめてしまえと、未登場のキャラクターにその役割を割り振ったのか?それともエトラムルは実は別人設定を用意していたけれど誰に当てはめようかと思って、エーロッテン・ニトロゲンに白羽の矢が立ったのか?

『ファイブスター物語』第2巻(2005EDITION)|永野護著|KADOKAWA刊|スリーブノートにファティマ特集がある。/リンクはAmazon
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 そもそもベルダのマイトいやガーランドはパローラ・ブラスじゃなかったのかという話もあり、全然別の理由かもしれませんが、このところ伏線回収に新たな伏線を播いている状態で何がなんだが分かりません。ということで備忘録もかねてガーランドのネーミング解説シリーズ。ファティマ・ガーランド編行ってみましょう。


ファティマ(AF)・ガーランド

 既出(未登場なれど名前は設定されている)AF・ガーランドをまとめてみるついでにGTMガーランドの元ネタネーミングエントリのようにまとめてみようかと。もっともその来歴など銃器、兵器メーカーからではなくAF・ガーランドの名前は元素や鉱物から来ています。これは名称変更まえのマイト時代からのお約束です。以下に名前をエピソード・ガイドや他の資料から拾っておいたAFガーランドとその名前の由来を箇条書きにしてみました。もしかすると間違いあるかもしれないのでその場合はご指摘いただけるとありがたく思います。名前の後の()内がその由来です。おまけでスライダーの名前もあげています。

画像はtonbori堂所有のF.S.Sエピソードガイド1986-1997|ニュータイプ編 角川書店刊|
画像はtonbori堂所有のF.S.Sエピソードガイド1986-1997|ニュータイプ編 角川書店刊|(リンクはAmazon)

バランシェの系統

アクチノイド(番号89から103までの元素の総称)・ウラニウム(U番号92)・バランス 

 バランシェの5代前の先祖にあたる。ファティマの基になる基礎理論「生体演算理論」を提唱した人物。


リチウム(金属元素番号3、Li)・バランス

 ウラニウム・バランスの孫。祖父の残した理論を基にジョーカー星団でそれまでのシン・ファイアに変わってGTMの演算を行う人口生命体ファティマを産みだした人物。クローム・バランシェの祖父。


アルセニック(ヒ素、半金属、As、33)・バランス

 フェイツ公国大公。リチウムの娘。クローム・バランシェの母。生涯で4体のファティマしか遺さなかったが、うち1体がサイレント・フローレスの称号を持ち、モナーク・セイクレッドに向かったタイ・フォンである。


クローム(クロムメッキのクロム金属元素、番号24、Cr)・バランシェ

 言わずと知れた44体のファティマを遺した、星団の偉大な頭脳と呼ばれた男。運命の3女神の産みの親であり、マッドサイエンティスト。


ミース・シルバー(金属元素Ag、47)・バランシェ

カイエンがボォス、カステポー地方ツァイハイ地区で拾った戦災孤児。バランシェの養女となり名を告ぐ。マキシの産みの親となる。他にツラック隊支隊長ナルミ・アイデルマのパートナー、ビューリーやデルタ・ベルンを産みだした。


プリズム・コークス(石炭原料の燃料、炭素純度が高い。番号6、C)

バランシェの弟子で世間では「バランシェの愛人」と言われていた。カイエンをかばってほぼ脳死状態のアウクソーを蘇生させた人。ミラージュ騎士団ルンのパートナー、クラッパやAP騎士団スキーン隊支隊長兼AP騎士団副団長シュマイスのパートナー、ウークーツの産みの親。


 この辺りの系統ははっきりしているというか作品集などで詳細なテキストがあがっています。もっともマキシが超帝国の純血の騎士の胚であるとか、そういう部分は伏せられいたし、タイ・フォンに至っては未だに全貌は見えず、モナークにとどまり情報を収集しナ・イ・ンのパートナーになったという事しか我々は知らないのです。


ファティマ・ガーランドたち。

 ここからはバランシェの系統以外のガーランドたちを箇条書きにしていきます。

モラード・カーバイト(炭素化合物のカーバイド。)

 黒騎士の共同開発者でありエストの産みの親。アドラーに在住。バルチック・アカデミー始まって以来の天才と謳われた人物。他にコーラス3rdに嫁いだウリクル、パイパーのパートナーであり、その後インタシティの臨終を看取ったハレーに嫁いだビルドが彼の作品。バランシェのライバルを自認しており、友人でもある。詩女ムグミカの依頼でタワーを製作する。

ソース|炭化カルシウム - Wikipedia


スティール(鋼、炭素を含む合鉄)・クープ

フィルモア皇帝のAFであるクラトーマの産みの親であり、他にベルクト、シューシャ、パラーシャ、ナールーシャもクープの作品。ほぼフィルモアの専属ではあるが他国に嫁いだAFもいる。


ギエーム・アイアン(鉄、金属元素Fe、26)

 ヤーボ―のパートナーであり、今はデプレのパートナーであるコンコードの産みの親。故人。


ナトリウム(金属元素Na、11)・シング・桜子

 フンフトの娘(コーラスの王子ピアノ・フォルティシモとの不倫の子)であり、ちゃあの学友(歳は下だが飛び級で先輩)霧姫、虹姫という姫という名前が付いたファティマとコロナを産みだす。霧姫はフィルモアのアルカナナイト、ビオレート・トライトンに。コロナはAP騎士団スバース隊支隊長から騎士団長代表となったマイケル・ジョーイ・ギラの下に嫁いだ。


サリタ・アス・ジンク(金属元素Zn、30)

 魔導大戦で枢軸連合の一角、ロッゾ帝国グラウロッゾ産業都市に居を構えるAFガーランド。パイドパイパー騎士団壊滅後、ノイエシルチスに復帰しアルカナナイトとなったイアン・ケーニヒのパートナー、オキストロを産みだす。他に星団では珍しい男性型ファティマ、アナンダの産みの親でもある。


ダスター・コバルト(原子番号27の元素。強磁性体)

 男性型ファティマのスクラープの産みの親とエピソードガイドにあるものの上のジンクと重複しているとの記述があります。これはリチウム・バランス作のインタシティを若きクローム・バランシェが再構成してハルペルとしてまた世に送り出したという感じの事が書いてありました。


ダイアモンド(炭素の同素体の一つ、金剛石ともいう。天然に存在するで鉱物で一番硬い鉱物)・ニュートラル

 騎士でありAF、GTMガーランドという10本線のガーランド。通称金剛様。GTMブランデンシリーズが後に有名となるがファティマも製作しており、イズモ・アストロシティの泰千錫華市長のパートナー、カリオペ―を産みだした。


エーロッテン・ニトロゲン(窒素、元素、非金属、N、7)

 ロッゾの筆頭騎士であるダッグナード・ボァ・ジィのパートナー、ネロスを産みだした人物というのが初出だったが、ベルダの産みの親という表記に揺らぎが何度が見られ、最近では別名をもっていたということが判明した。


アルミオン(アルミニウムか?金属元素、Al、13)・エイポス

 天照の開発用ファティマであるシシステルケスレムとパイドパイパー騎士団のケルシャーのパートナーであり彼の戦死後にウモスの青銅騎士団団長ベルミ・クローゼのパートナーとなったヴィルマーの産みの親。


ムーン・カッパー(金属元素、銅、Cu、26、コパー、コッパ―とも)

 メイユ・スカのパートナーであるリンザの産みの親。他に作中でこのAF以外にはカッパー公の作品は未登場。


パローラ・ブラス(黄銅、真鍮ともいう銅と亜鉛の合金)

 エピソードガイドではブラスはベルダの産みの親だったがエーロッテンがベルダの産みの親になったためどうなったかは分からない。追記:その後ギルフィー・ビリディンことビリジアン博士の別名という事が判明。エトラムル専門のガーランドとの事。


アーカス・マーキュリー(卑金属、元素、水銀、Hg、80)

 フローレスファティマ「湖の」オーハイネの産みの親。オーハイネはサヤステ家預かりでサヤステ家に縁が深いためマーキュリーもクバルカンに関係の深い人物か、カラミティ出身のガーランドかも知れない。


カルス(カルシウム?アルカリ土類金属元素Ca、20)・スパンコール(ちなみにスパンコールは光を反射させる服飾用の装飾、金属片やプラスチックの事)

 ミラージュ騎士団のイマラのパートナー、ソルティアの産みの親。ソルティア以外のカルスの作品は作中には未登場。


ガリュー(ガリウムか? Ga 、31)・エトラムル

 非人間型ファティマのエトラルムを最初に製作したため以降の非人間型ファティマはエトラムルと呼ばれる事になる。最近Dr.ビリジアンより彼の本名はエーロッテン・ニトロゲンと明かされた。エーロッテン・ニトロゲンはベルダの産みの親。


ガイガー(ガイガーカウンターのガイガーか?人物名)・グラファイト(炭素からなる元素鉱物)

 この人が一番難物で、甥がミラージュ騎士のヌーソード・グラファイト。しかし代表作のファティマは?という。当然これまで作中で製作者の分からない(ファクトリー製も含めて)AFがいるので誰かかもしれないんですが…。


オッペン・リード(鉛、、原子番号が82番の元素)

 これはバーシャが仮のスペックを言う時にいった名前なので実在の人物かどうかは分からないのです。鉱物、元素、化合物どの範疇にも当てはまらない…もしかすると架空の人物の恐れも。ちなみにオッペンというとオッペンハイマーという名前を連想します。オッペンハイマーは原子爆弾の産みの親としてよく知られている人物です。そこに鉛というのもちょっと考えてしまう名前ですね。


追記:20180929 T

 Twitterでリプライを頂きリードは鉛(lead)ではないかとご指摘いただきました。鉛の英名がleadでレッドと発音するそうなんですがリードとも読めるという事で名称の元ではないかともお教えいただきましたのでここに記しておきます。鉛は放射線を遮蔽するしそういうつながりもあるかもしれません。

toThanksちょびさんinTwitter

ソース|周期表 - Wikipedia

ソース|ハンス・ガイガー - Wikipedia

ソース|ダイヤモンド - Wikipedia

ソース|ロバート・オッペンハイマー - Wikipedia

ソース|鉛 - Wikipedia

 エーロッテン・ニトロゲンとガリュー・エトラムルが同一人物という話が2018年10月号で突如明かされましたが、tonbori堂が気になるのはアーカス・マーキュリーです。既に故人だと思うんですが、あのオーハイネの産みの親でクバルカンに縁が深そうなんで今後、物語になんか出てきそうな気がするんですよね。実はツバンツヒ姐さんの別名…は無いか。彼女AF・ガーランド巨頭会談に乱入した時にGTMガーランドとはっきり言ってましたからね。騎士でありガーランドってのはあっても、3つ持ちは(両方のガーランドであり、騎士)っていうのは金剛様しかいないというのが今のところジョーカー星団のお約束ですから。(天照は別ですよ、なんせ神様ですから)あとはコンコードの産みの親、ギエーム・アイアン。これはなんか出てきそうとかではなく名前がプロレスラーっぽい(笑)でキャラシートでないかなあっていうだけの話なんですが。名前からするとごつそうなおっさんをイメージしますが実は超美形かもしれないなとか(笑)


 それとモラード、カーバイト、「ト」なんですよね。カーバイドではなく。わざとだとは思うんですが(カーバイドは企業名になっていたりするからかも。エルメスがララァ専用モビルアーマーになったアレです)ネーミングは時にいろいろ透けてみえるのが面白いと思います。

4大ガーランド

 バランシェ、モラード、クープ、そしてコークスの4人を指して星団4大ガーランドといいますがクープが桜子に引き継がせて引退、バランシェの名はミースが継いでるという状況です。

ファティマ・スライダー

 皆さんお忘れかもしれませんがスライダーは色が名前につくという事なんですが1986-1997エピソードガイドには2人しか載っていないのです。グローサリー・マゼンタ、プリンチペ・シリーズ・サリアッカー・パナフランシス・シアン公爵夫人の2人です。

 このうち本編に関りが深いのはシアン夫人ですね。高速おしゃべり奥様です(笑)この前はジークにカッコよく奢っていきましたよね。でも彼女もスライダー。ある意味最強フリーパスを持つ人材なのです。専門はファティマ・ケミカルではなくスーツの方ですが。特にファティマ・スーツの作成ではほぼ右に出る人がいなさそうなので目が回るほど忙しそうです。もう一人マゼンタさんは名前だけの方で未だ本編未登場ですが90年代からの回収がひと段落するといわれるこのショウメ編でもしかするとまさかの登場があるかもしれません。

追記20180930:

AFスライダー、泰千錫華、錫華御前を忘れておりました<(_ _)>

錫華御前、名前色じゃないじゃないかーってなりますが錫色という言葉ございます。

ソース|錫色(すずいろ)とは - 錫色の読み方・原色大辞典 Weblio辞書

DICカラーの日本の伝統色カラーガイドなどにある色で、いわゆる銀鼠色です。ただ錫華御前、初期設定というか最初は騎士でガーランドという設定があったのかもしれません。何故ならDESIGNS3の説明文にファティマ・マイトって書いてあるからです。ちなみに錫も鉱物系元素です。原子番号は50でSn。

 単純な校正ミスかもしれないけれど(笑)実はガーランド(マイト)設定の方が面白いじゃないですか。だけどガーランドで騎士設定の人がカリギュラで出てくるんでじゃあスライダーってなったのか、それともニューと一緒に行動することになるからスライダーなったのか。tonbori堂は後者かなと思っています(笑)

追記20180930:サリタ・アス・ジンクとニトロゲン

 DESIGNS3を再度チェックしていたらジンク博士はニトロゲンの弟子と書いてありました。(正確にはジンクの師匠はニトロゲン。なのでネロスのメンテナンスはジンクが面倒を見ているという記述)今はまだ点と点ですが一部では線でつながりはじめたのでこの辺りも覚えておきたいものです。

エトラムル

 前回エトラムルのエントリを書いた時にはまだ考えが上手くまとまらないので書いていなかったんですがこの語源も気になりますね。造語だと思うのですが、何か元ネタがあるような気がして。例えばファティマはホムンクルスと例えられていました。ジョーカーでも太古の昔にホムンクルスという人造人間を創ろうとした試みがあったのかもしれません。なのでその辺りからいろいろ考えてみましたが結局まとまりませんでした😅

 ただ過去のジョーカー星団では人間のサポートにデミライトというアンドロイドがつくられていました(デミライト・バーシャ)そういったところのアナグラムなのかなとも思うんですが、語感でそう思うだけでエピデンスが無いのでこれはtonbori堂の妄言として聞き流してくだされば。


 ちなみにバランシェのエトラムル・ファティマ、『ムーン・チャイルド』は稀代の魔術師、アレイスター・クロウリーの著書から来ているので何か関係があるのかも?もっともクリス(永野護)がこの名前を付けたのはキングクリムゾンの『クリムゾン・キングの宮殿』からだとは思うんですがその元ネタがクロウリーの著書ですからね。ますます沼にはまる感覚です(笑)

ソース|ムーンチャイルド - Wikipedia

ソース|クリムゾン・キングの宮殿 - Wikipedia

ソース|アレイスター・クロウリー - Wikipedia

今回は

 ガーランドのネーミング、AF編としてお送りしました。GTM編もまた近いうちにまとめたいと思います。次回あたりでDESIGNS4で表記が出てきたガーランドは網羅できそうなのでまた趣味性が高くなりますが何卒よしなに。ではではまたお付き合いのほどを。

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