巷で賛否両論らしい『ザ・プレデター』やっと観ました。なるほどなんとなく賛否両論の訳が分かったような気がします。ちなみにtonbori堂は「つまんねー」でもないですが、だからといってもろ手で「イヤァーハァー!」ってものでは無かったです。それにはいろいろと理由があるのですがそれはおいおい書きたいと思います。
【ネタバレ】このエントリでは『ザ・プレデター』の感想でネタバレをしております。ご理解の上お読みください。よろしくお願いいたします。
あらすじ
逃亡者プレデター
どこかの宇宙空間でプレデターが使用する小型宇宙船が同型機から逃れている。追われている方は一瞬の隙をついて超空間航法で地球へ逃れるが人工衛星に激突。機体を損傷し、何かを投下しつつ地表へと墜落していった。
米軍特殊部隊のスナイパーでチームリーダーのマッケナ大尉(ボイド・ホルブルック)はメキシコでカルテルの人質交換を取り押さえ彼らを制圧する任務に就いていたが、まさに人質交換のその瞬間に何かが墜落してきた。巻き込まれた彼はそこで地球外の生命体の小さな乗り物(ポッド)らしきものとヘルメット、ガントレットを発見する。証拠として部下と共にそれを持ち帰ろうとしたが返事のない部下がいきなり腹を裂かれた姿で樹木から吊り下げられる。姿は見えないがそこにいる何者かにもう一人の部下も殺されたマッケナは異星人の装備であるガントレットの力でからくもその場を離れる。
ヘルメットやガントレットをどこかに発送した後国防総省のスターゲイザーと呼ばれている異星人「プレデター」と呼ばれている彼らを追跡している部門に拘束されたマッケナは秘密保持のためそのまま精神鑑定の後、軍の医療刑務所に送られる事になる。マッケナの息子、ローリーはサヴァン症候群で記憶力と直観力に優れているが学校では浮いた存在だった。家に配達人がやってきてマッケナの私書箱の支払いが滞っているので送られてきた荷物が別居状態の自宅に送られ、ローリーは箱の中身を開けプレデターのヘルメットとガントレットを取り出して起動してしまった。
一方スターゲイザーの責任者トレーガー(スターリング・K・ブラウン)は進化生物学博士のケイシー・ブラケット(オリヴィア・マン)を招聘し、捕獲回収していたマッケナと遭遇したプレデターを調べて欲しいと要請する。ケイシーは詳しい情報を得るため護送中のマッケナを基地へ呼んで聴取したいとトレーガーに頼むが、その時、ダムに擬装した基地に警報が鳴り響く。
追跡者プレデター
逃亡したプレデターを追っていたもう1体の大柄なプレデターが大気圏に侵入。それに呼応したように麻酔で眠らされていた逃亡プレデターが目覚め、拘束を解いて警備員を惨殺しヘルメットとガントレットを取り戻しにローリーの元へと向かおうとする。基地の外で待たされていたマッケナと同じく精神を病んだとして拘置されている、ネブラスカ、コイル、バクスリー、リンチ、ネトルズ達と共に仲間を殺された仇を討とうと逃亡したプレデターを護送車を奪取して追跡する事に。そこに命からがら研究施設を抜け出したケイシーと鉢合わせし、逃亡プレデターの目的を知るマッケナ。追跡者プレデターも起動したガントレットからローリーの元へ。果たしてマッケナはローリーを守りプレデターを倒せるのだろうか?
ワイズクラックとナイスガイズ
70年代~80年代はそういう作品が多く作られました。軽口を叩きながら強大な敵に立ち向かう。そういう話です。あのベイ監督の『バットボーイズ』もその系譜です。アーノルド・シュワルツェネッガーの主演した1作目『プレデター』もダッチ少佐のチームの隊員、ホーキンスがビリーに下ネタジョークを飛ばしたというのがありましたが、そういう感じです(笑)ちなみにホーキンスを演じてたのがこの『ザ・プレデター』の監督のシェーン・ブラックです。ちなみにホーキンスは一番最初にプレデターに殺されたんですけども、冒頭にそれにオマージュ捧げたシーンがあります。
で、軍から機密保持のためPTSDとなって精神鑑定で医療刑務所送りで処理されそうになったマッケナが知り合った、訳あり元軍人受刑者たち、ネブラスカ(トレヴァンテ・ローズ)、コイル(キーガン=マイケル・キー)、バクスリー(トーマス・ジェーン)、リンチ(アルフィー・アレン)、ネトルズ(アウグスト・アギレラ)をルーニーズと呼ぶのですが、オフィシャルサイトにそう書いてあるんですけどなんでルーニーズ?って呼ぶのか書いてなくて割と悶々としています(ヲイ)で調べるとルーニー(looney)って狂人の意味があるそうで、彼らはPTSDや薬物依存で精神的に問題を抱え拘置された問題児ばかり、なるほどルーニー達だからルーニーズなのかと。
でもこういったルーザーズ(負け犬集団、ダメ人間、同名のヴァーティゴコミックスの実写映画もあります)が、俺たちはまだポンコツじゃないと、それぞれの技能や技を使って戦う話は嫌いじゃありません。いやむしろ大好物です(笑)だからルーニーズが奮戦するところは素直にいいなと思ったし、くだらない話をしているところも好物でしたね。まさにシェーン・ブラック監督の前作『ナイスガイズ』な連中でした。
プレデターズ
今回、またもやプレデターが2種類出てきました。最初の逃亡プレデターは人の遺伝子が組み込まれた改良種で、その逃亡プレデターを追ってきた追跡者プレデターは『アルティメット・プレデター』と呼ばれているそうです。彼らが狩場とした星から採取した最強生物や高度に進化した生命体の因子を組み込んだ最強プレデターで身長3.3mともはやハルクでないと無理なレベル。それを人の知恵で戦うっていうのは確かにプレデターの則に則っている気がしますが…どうも彼らは戦う場合に最強と戦った時、その相手にも敬意を払うし、敗れた時には自爆しちゃうというなんだかよくわからないけどそういう彼らのルールがあったと思うんですよね。
そこがブレブレで。これ『プレデター』では敗れたら周りをぶっ飛ばしたり、『プレデター2』では死闘を演じたハリガン(ダニー・グローヴァー)に大昔のフリントロック(火打石)銃を渡して勇者と称えて去っていくとかあるんですが、基本女子供(武器をもっていないことが重要)を殺さないのが信条なのに…子供を攫うかーってなったんですよ。そこが凄く引っかかって、ケイシーが言う通り優れた遺伝子を、進化した遺伝子をという意味ではローリーを攫うのは理にかなってるんだけども、いやなんか釈然としないわーって感じですね。そこがtonbori堂には一番の残念ポイントでした。
プレデターキラー
まあ残念というかアイアンマンのプレデターアーマーかよってちょっと突っ込んでしまいました。シェーン・ブラックは『アイアンマン3』の監督ですしね(笑)全くダメではないけど未来が舞台の映画ならああいうガジェットはありなんでしょうけどね。
ワイズキッズ
tonbori堂が観た3本のシェーン・ブラック監督作品には全て「賢い」子供が登場しています。『アイアンマン3』のハーレー・キーナー(タイ・シンプキンス)、『ナイスガイズ!』のホリー・マーチ(アンガーリー・ライス)、そしてこの『ザ・プレデター』のローリー・マッケナ(ジェイコブ・トレンブレイ)です。彼らは大人顔負けの行動力と知恵を持ち、大人たちを時には助けたりします。確かに守られるべき存在ではあるんですが、子供だからってバカにすんなよと。でも守られる対象でもあるという事は(子供は守る)というのはしっかりと通底していますよね。シェーン・ブラック監督は子供がキーなのかなとちょっと思いました。
プレデター映画として
全体的にイイとは思うんですが、なんかtonbori堂が思うプレデターじゃないなーってのがひっかかっているのでちょっと評価的には微妙です。あと割と雑いところがあるし、残酷描写とかプレデターのインフレ化とかつまらないって思う人もいるのも分かります。一方、絶賛勢のも分かります。tonbori堂もほぼその絶賛勢の意見には頷ける部分多くありましたしある一定の年齢層やある特定の映画ファンにはツボにはまるんじゃないかというのは凄く分かる話でした。
とは言えtonbori堂的には無痛ガンや『プレデターズ』のAA-12のような印象的な武器が出なかったのが少々残念でしたね。麻酔銃はストームトルーパーの銃っぽくて良かったですけどね(笑)圧倒的な何かは無かったけどそこまでダメとも言えずちょっと微妙感の残った『ザ・プレデター』でした。
<ノヴェライズ>
※1作目の『プレデター』はジョン・マクティアナン監督、アーノルド・シュワルツェネッガーの今やアクション・クラシックですが面白いので是非ご覧になっていただきたい1本です。
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