毎度おなじみtonbori堂の気になる銃器を解説する「拳銃は最後の武器」シリーズという事で今回は『ザ・プレデター』を含めたプレデターシリーズ。実は『ザ・プレデター』では正直うぉっ!ってなる武器は登場しなかったんですが、これを機に『プレデター』シリーズの武器をご紹介しちゃおうかなと。なんといっても第1作目の『プレデター』は無痛ガンという名称でミニガン(ヘリコプターなどに搭載されているバルカン砲。)を個人携行兵器として使用した最初の映画なのです。
ヤツらに対抗するにはコイツが必要だ
『プレデター』はアーノルド・シュワルツェネッガーが彼の主演作である『コマンドー』のメイトリクス大佐のイメージをそのままの、軍の人質奪還チームの隊長、ダッチ・シェイファー少佐役で登場。チームメンバーには『ザ・プレデター』の監督であるショーン・ブラック監督が演じた通信兵ホーキンスの他に斥候のポンチョ(リチャード・チャベス)、同じく斥候のネイティブアメリカンのビリー(ソニー・ランダム)。分隊支援火器担当のブレイン(ジェシー・ベンチュラ)とブレインとは共に生死をくぐり抜けてきた副官ポジションのマック(ビル・デューク)という構成。
無痛ガン
この中で分隊支援火器といえば、80年代ならばベトナム戦争でも使用されていた軽機関銃。ランボーが使っていたM60軽機関銃辺りがマストなんですが(劇中ではマックの愛用銃です)、なんとブレインが使うのはヘリコプターなどの搭載火器であったミニガンだったのです。劇中では無痛ガンと呼ばれていました。なんでも痛みを感じる前に相手をあの世へ送れるから「無痛」ガンなのだとか😅
[[File:DAM134DT.png|thumb|DAM134DT|alt=DAM134DT.png]] 画像はWikipediaより|Minigun - Wikipedia |
ミニガンはパフとも呼ばれていたのは知っていましたが(パプ・ザ・マジックドラゴンから来ているそうです。ヘリから発射刷る時の銃口からのマズルフラッシュが竜の火炎に見えるかららしいとか。)無痛ガンとはこれまたなんともいかつい名前ですよね。バックパックに弾倉を背負って装弾ベルトから供給するという大層な武器がリアリティを持ちえたのはブレインを演じたベンチュラがプロレスラーでもあった頑強な男ならではでしょう。
基本的にこのような兵器はその重量と多量の弾薬を短時間で使い切ってしまうため歩兵の携行兵器とはなり得ないのですがその分映画映えするインパクトのある射撃シーンは度肝を抜かれました。もっとも姿を光学迷彩で消し樹木上を移動するプレデターにはその火力も有効な打撃を与えるまでには至りませんでしたが…。
無痛ガンは『エイリアン2』のスマートガンとともに後のゲームや映画に顕著に現れていると思います。でも遡れは同じくアーノルド・シュワルツェネッガーの『コマンドー』で過剰な武装が始まり?(4連装ロケットランチャー)いやさらに遡れば『ワイルドバンチ』の最後のヘヴィマシンガンの乱れ撃ちやマカロニウエスタンの機関銃(ミシンが機関銃になってるというトンデモもありましたが棺桶に機関銃などアイディア豊富でした)が元祖になってる気がします。
ちなみにtonbori堂がバルカン砲や機銃で掃射するというのを記憶に植え付けられたのは『地獄の黙示録』です。『ワイルドバンチ』は公開時には子供だったせいであまり興味を抱かず大きくなってから観てぶっ飛んだという。でそれが『ゲッタウェイ』の監督であったというのを知ったのも大分後になってからでしたと、これは余談でしたね(^^;
M16+M203グレネードランチャー&モスバーグM500
ダッチの使うM16はM16A1にM203グレネードを付けたタイプ、ビリーの使うM16A1にはモスバーグM500ポンプショットガンが装着されていました。M203はアクション映画、ベトナム戦争映画などでもポピュラーな武器で、歩兵用に擲弾を発射するランチャーとして開発。米軍ではM79というストック付きのグレネードランチャーがありましたが、これは元からM16とセットで運用するように設計されたものです。
[[File:M16A1 M203.jpg|thumb|M16A1とM203 グレネードランチャー]] 画像はWikipediaより|M16自動小銃 - Wikipedia |
歩兵の携行武器を減らす目的もあったのでしょうがフィクションの世界ではその威力で映画的な迫力のある場面を使うのによく用いられています。有名なところでは『スカーフェイス』の最後のクライマックスで主人公のトニー・モンタナ(アル・パチーノ)が迫りくる南米の麻薬カルテルの刺客を相手に派手に発砲するシーンで使用されました。
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ビリーのモスバーグM500装着型M16もインパクトがありました。近距離やブッシュ(藪の中)で多人数を相手にする時はアサルトライフルよりもショットガンが有効な場合が多く、古くは第一次世界大戦時に塹壕戦でもショットガンが制式武器として採用された例もあります。また、特殊部隊やSWATではテロリストや犯人制圧のため部屋への突入時にドアの鍵や蝶番を破壊して侵入するのにも使われます。このタイプの武器としてはM16アーマライトライフルのストーナーの弟子であるナイトが創設したナイツ・アーマメントのM16(AR15)系のオプションシステム、『マスターキー』が有名です。
[[File:KAC MasterKey.jpg|thumb|KAC MasterKey|alt=KAC MasterKey.jpg]] 画像はWikipediaより|Knight's Armament Company Masterkey - Wikipedia |
しかしそれらも当たらなければプレデターに致命傷を与える事は出来ません。ちなみにマスターキーというのはドアノッカーとかと同じで先ほどのSWATや市街戦での歩兵のパトロール任務中に怪しい家屋に侵入する事に使われる事からついたニックネームでしょう。ちなみに米のビルによくある据え付けの斧の事をそういうとも聞いた事があります。他にもサンチョのリボルバーグレネードランチャー(調べると航空機のフレアランチャーにH&Kのグリップなどを付けて作ったそれっぽいオリジナルプロップガンのようでした。)とかがありました。
ソース|Predator (1987) - Internet Movie Firearms Database - Guns in Movies, TV and Video Games
デザートイーグル .50AE
続編の『プレデター2』の主人公ハリガン警部(ダニー・グローヴァー)のメインアームです。ハリガンはそれにレーザーサイトを装着(上部に!)したステンレス仕様のデザートイーグルを使用していました。レーザサイト(ポインター)は『ターミネーター』以後映画でも効果的に使われるようになったガジェットです。ポインターから伸びる赤い光線、犯人を捕捉する時、追い詰められたヒーローが身体じゅうに赤いダット(点)となって身体を纏ったりとか印象的な使い方をするのに非常に便利な道具として使われている感があります。
ちなみにハリガンの部下たちはレーザーポインターやフラッシュランプをスライド下に装着しているのに何故かハリガンだけが上というのは見た目じゃないかなと思っています(笑)今では銃に多目的マウントであるレイルが既に組み込まれていたりし普通にそういうシステムになっていますが、この当時(『プレデター2』は1990年公開)はまだ普及しているとは言い難くマウントをカスタムメイドで製作している感じでした。
AA-12
『プレデターズ』で主人公で傭兵のロイス(エイドリアン・ブロディ)が使うメインアームがこのAA-12です。ショットガンでありながらフルオートで射撃できる軍用もしくはロー・エンフォースメント(法執行機関)向けに開発された銃です。その火力の凄まじさは筆舌に尽くしがたいものがあります。そして弾頭はショットシェルに収まる大きさならグレネードから非致死性のゴム弾まで多目的に使用できます。弾倉は箱型の8発と32発入りドラム式弾倉の2つが用意されています。
[[File:AA-12.jpg|thumb|AA-12|alt=AA-12.jpg]]画像はWikipediaより|AA-12 (散弾銃) - Wikipedia |
劇中でもロイスのAA-12はドラム式弾倉に銃本体は迷彩を施したカラーリングでした。最近映画でよく見る気がしていましたが記憶をたどると、殆どが『エクスペンダブルズ』シリーズのシーザーの愛用銃でした(笑)これも押し出しの強い武器だと思います。
ザ・プレデターでは
メキシコの森で待機中の主人公マッケナが構えていたのはM14の民間モデルM1AにJAE-100 G3というストックを装備したものだそうで、初見時はてっきりM14のスナイパーモデルかと思っていました。元になったM14ライフルは口径が7.62mmで、米軍制式ライフルであるM16などに使用される5.56mm口径弾より大きく、打撃力(マンストッピングパワー)があるということで、現在でも海兵隊の長距離偵察部隊や一部の特殊部隊に愛用されています。
ソース|M1A - Wikipedia
画像はWikipediaより[[File:SA M1A NM.jpg|thumb|SA M1A NM|alt=SA M1A NM.jpg]] |
M14ライフルは『ブラックボーク・ダウン』でも墜落したヘリ搭乗員を救出に向かったデルタの隊員が使用していたことで有名です。それ以外では特殊機関スターゲイザーの隊員がG36を使用していたり(基地を警備していた兵士はM4カービン)、護送車を奪ったルーニーズが集めた武器(マッケナが自宅に隠していた武器かも?)にはTDI VectorサブマシンガンやH&KMP7など珍しいものもありました。
[[File:Kriss Vector SMG Realistic.png|thumb|Kriss Vector SMG Realistic|alt=Kriss Vector SMG Realistic.png]]画像はWikipediaより|劇中ではサプレッサー(消音機)はついてないタイプを使用していました。 |
画像はWikipediaより[[File:H&K MP7.jpg|thumb|H&K MP7|alt=H&K MP7.jpg]] |
Vectorはちょっと変わったサブマシンガンでクリスUSA社とアメリカが共同開発。.45ACPの強力な反動を吸収するシステムを搭載したサブマシンガンです。特徴的な外観を持ち、その機構も独特です。また見た目も未来感あふれる形状ですので、近年映画などで使われる事も多くなってきました。H&K MP7は傑作サブマシンガンMP5を作ったH&K社のサブマシンガンです。使用弾薬は4.6x30mm弾という小口径、高速弾を使用します。これは近年のカウンター・テロや紛争では相手も防護ベストなどをつけているため従来の弾薬が通用しなくなったことから作られたものです。
FNハースタルがP90とFNFive-seveNいう小型高速弾薬5.7x28mm弾を使用するウェポンシステムPDWを開発し、それに危機感を覚えたH&K社が開発したものです。ちなみにP90とはSAOオルタナティブ/ガンゲイル・オンラインの主人公レンが使用しているピンクのPちゃんのことです。(ちなみに実物はピンクではありません(笑)
ソース|TVアニメ ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン公式サイト
しかし全体的に先行作品ほどのインパクトのある武器は無かったですね。プレデター用に用意されケイシーがスターゲイザーのダム擬装基地から逃亡プレデターを追っかけた時にもってたCo2ガス使用の麻酔銃はちょっとストームトルーパーの武器っぽくてかっこよかったですが(笑)この作品でも無痛ガンに匹敵するのは難しくともなんか強いヒキのあるウェポンを出して欲しかったですね。
とは言えプレデターを倒すにはこういう武器より、知恵なんですよ。そこは『プレデター』シリーズの根幹でそれは『ザ・プレデター』でもしっかり受け継がれていたし、『プレデター』ではほぼシュワルツェネッガーの知恵と肉体で倒しましたけど、今回はチームの(犠牲も大きかったけれど)ってのもあって(割と雑だったけど)そういう根幹はきっちりと守ってきたなと思います。あと今回は『エイリアンvsプレデター』2作は割愛しました。そちらもグッとくるウェポンがなかったもので<(_ _)>
※『プレデター』は本当に80年代の代表するアクションムービーだと思います。アーノルド・シュワルツェネッガーの代表作としても『ターミネーター』『コマンドー』にならぶ1本です。また『プレデター2』も80年代から90年代初頭のアクションムービーに欠かせない顔ぶれがそろった作品でした。『プレデターズ』はロドリゲスらしいアクションムービーとして良い作品でしたね。特にハンゾーは忘れ難いキャラクターです。
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※A-12ショットガンは東京マルイから電動エアソフトガンが出ています。
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※M16のエアソフトガンに取り付けるグレネードランチャーもあります。
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