新しいけど懐かしい冒険活劇|アントマン&ワスプ|感想【ネタバレ注意!】-Web-tonbori堂アネックス

新しいけど懐かしい冒険活劇|アントマン&ワスプ|感想【ネタバレ注意!】

2018年9月2日日曜日

MARVEL movie

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 ということで早速観てきました。内容に言及するので若干ネタバレ気味だし、そしてあの作品の事も後で書くので【ネタバレ】ということで鑑賞後に読んでいただければ幸いですが、その前に…tonbori堂として、本編は本当に愉快痛快なテンポを持つストーリーで、前作からのキャストも欠けることなく、そりゃあモブかもしれないけれど基本これはスコットとホープの物語で、サイドにハンクとジャネットのストーリーが流れる。そのオチの付け方、キャシーの存在。そして逃げながらも戦う手に汗握るアクション、そしてルイス(笑)楽しい映画に仕上がっていました。


動画はYouTubeより|Marvel Studios' Ant-Man and the Wasp - Official Trailer #1|Marvel Entertainment

 なのでまだ未見の方でマーベル・シネマティック・ユニバースを追っかけてる方はご覧になって欲しい作品ですし、当然『アントマン』ファン、ワスプファンも必見です。

※以下はネタバレしております。出来ればご鑑賞後に読んでいただければ幸いです。


アントマン&ワスプパンフレット|発行㈱東宝|(c)2018MARVEL
アントマン&ワスプパンフレット|発行㈱東宝|(c)2018MARVEL

ストーリー


 シビルウォーでキャップ(キャプテン・アメリカ)側についたスコットはFBIに監視される事を条件に自宅軟禁で2年、保護観察3年をいう司法取引を受け入れた。一方、ホープとハンクの親子はソコヴィア協定違反という事でFBIの最重要指名手配となっており、潜伏していたが、その間にもスコットが量子世界から帰還したことで、1980年代のミッションで量子世界に飛び込んだ初代ワスプであるジャネットの救出作戦を立てていた。ある日、スコットは自宅で入浴中についウトウトとして不思議な夢を見た。自分が自分でない誰かになっている夢だ。それはジャネットだった。気になったスコットは禁じられていたホープに電話をかけ留守電にメッセージを残す。


 そして夕食中に虫に刺されて昏倒してしまうスコット。それは虫ではなくホープに仕業だった。自宅にいないことが分るとFBIがやってくると焦るスコットにホープは身代わりにプログラムして巨大化させた蟻をたててきたから大丈夫と告げ夢の内容を詳しく話せという。シビルウォー後、勝手にキャップに加勢したスコットはホープたちに負い目を感じていたし、ホープたちも勝手にスーツを持ち出したスコットに、特にハンクは怒っていたが、量子世界に消えたジャネットの手がかりはスコットの頭の中にある。FBIの事が気になるが、行きがかり上スコットはしぶしぶながらも協力することに。


 裏社会の売人ソニーから必要な機器を購入するため取引場所に向かうホープだったが、偽名で接触していたのにソニーからはお尋ね者のホープということがバレていた。一枚かませろというソニー。取引は決裂しホープはワスプとしてソニーの手下を倒して器機を手に入れるがそこに、物体をすり抜ける謎の敵ゴーストが現れ器機を奪おうとする。ゴーストはいったい何者なのか?ホープたちは無事ジャネットを救う事が出来るのか?そしてスコットは無事に自宅軟禁を解かれるのか?

新しいのに懐かしい

 一言で言うとそんな感じでしょうか。昔のアクション・コメディとか『チキチキマシン猛レース』とか『スーパースリー』のノリを現代にスタイリッシュにしてみたよという感じ。そこにワスプのカッコよさを加えているのが凄くいい感じです。ホープは前回、スコットのサポートでしたが、今作ではヒーローとして、スコットのバディとして独り立ちしている描写もいい感じでした。


 ビルが急激に小さくなるとかは予告編にもありますけれどピム粒子による縮小化技術によるビジュアルの面白さ。クルマ、バイク、ペッツ。そして前回ほどではないけれど程よく活躍するスコットの相棒の蟻たち。今回もいい仕事をしています。カーチェイスシーンでは縮小化技術を使っての小さくなったり大きくなったり、渋滞知らずだし相手に尾行される心配もない、しかもミニカーのようにボックスにクルマを用意しておけば別のクルマでという、こういうの凄く欲しくなりますよね(笑)サンフランシスコの坂を利用したチェイスもよかったし、ああいうつづら折りの坂のカーチェイスシーンといえばマックイーンの『ブリット』なんですが、それとは違う緊迫感がありながらもなんか抜けてる(いい意味で)のカーチェイスなどなどペイトン・リード監督はこのチェイスシーンでやはり『ブリット』を見返したそうです。やっぱりあのつづら折りの坂はそうかーってなりました。

バーバ・ヤガ

 今回のヴィラン、ゴーストの事をスコットから聞いた元強盗仲間のカートが「それはバーバ・ヤガだ」という話。スラブ民話に出てくるいわゆる鬼婆です😅でも力を借りることも出来るし、こちらがちゃんと付き合えば助力もしてくれる…。実はゴースト、原典のヴィランとしては不明なところが多い人物でアイアンマンのヴィランだったそうなんですが、この作品では男性だったゴーストを大胆にも女性として登場させました。


 そしてその出自もアントマン所縁のキャラクターを配して創造してあるのが面白いです。tonbori堂はしつこいようですがアメコミ原典に明るくない人ですが、ちょっと調べただけでも色々出てきてなるほど、そうなってんのかーと、こういうお楽しみも出来るわけです。ただ日本だと原作準拠、いや原作聖典派とかいますけど、こういう改変どうなんでしょうね?マーベル・シネマティック・ユニバースではヴィランやヒーローもそれぞれ映画用に成り立ちは原典を尊重しながらも改変されているとか、でもここまで大胆にヴィランとはいえ性別の変更とかは…。でもtonbori堂はそれまでのマーベル・シネマティック・ユニバース、特にアントマンのラインにしっかりと関わっているヴィランとしていいキャラクター造形だったと思いました。


 ゴースト一人だけすごくガチなのは『銀魂』(今2が公開中ですね。)の高杉を思い出しました。ああ言う一人だけガチな人がいるから物語が締まるし、サブで出てきたビル・フォスターが思いのほかチョイ役なんだけどここでまたモーフィアスことローレンス・フィッシュバーンがいい味を出してるわけです。ちなみにゴーストを演じているハナ・ジョン=カーメンは『レディ・プレイヤー1』に出てきた前髪パッツン姉ちゃんです。今回前髪はパッツンしていませんが陰影の深い役柄でした。非情に魅力のあるヴィランだったと思います。もしかすると次はちょっと違った形で戻ってくるかも?

ソース|Bill Foster (comics) - Wikipedia

ソース|Ghost (Marvel Comics) - Wikipedia

ソース|Egghead (Marvel Comics) - Wikipedia

インフィニティウォー【ネタバレ】

 問題はこの部分なんですよね。本編はとにかくアントマンらしいカラーに貫かれているし「父と娘」の部分がヴィランにも適用されて筋が入っている。で、そこで終わっていればほんわかといい気分でシネコンからの帰路につけたかもしれません。でもポストクレジットでやっぱりあの事が起こるわけです。そうインフィニティウォーで狂気のタイタン人、サノスのインフィニティ・ガントレットによる指パッチンです。インフィニティウォーを観た人ならもうご存知でしょうがマーベル・シネマティック・ユニバースの全生命体の半分が消えてしまった訳なんです。


 誰が消えたかはまあポストクレジットを見て頂ければ分る訳ですが、ともかくこの流れでやっぱりインフィニティウォーの衝撃かよーってなるわけです。当然衝撃には備えていましたけどね、どうなるかは分からない訳じゃないですか…でこれでこうなるんかいーと。そしてその後にスコットの家でスコットの代わりをしている蟻がドラムを叩いてる時に電話のツーツー音が鳴ってるように思いました。これまたえっ誰が掛けてきてたの?でやっぱり?とかね。ペイトン・リード、ライトタッチのコメディセンスだけじゃなく黒ペイトン、隠れとるなと(苦笑)。何故ならこのシークエンス彼が考えたそうです😅しかもご丁寧に最後のお決まりの『アントマンとワスプは帰ってくる』に?をつけてるんですよ。アメリカ人のジョークですよ(^^;日本人はガチな人が多いから笑えないんですよ(苦笑)。

ソース|'Ant-Man And The Wasp' Director on Shocking Post-Credits Scene

量子世界

 ということでアントマン(スコット)は量子世界に置き去りにされてしまいました。30年間量子世界の底にいたジャネットに時間の渦に気を付けてと言われたことから、タイムトリップキター!ってなってる評論サイトやファンもいらっしゃいますが、この世界が多元世界を開く鍵ってのはほぼ間違いないんでしょうね。実はスコットが写ってるアベンジャーズ4のスクープ画像は幾つかネットを検索すれば出てきますがトニーとキャップ、ハルク(のマーカーをつけてるラファロ)が一緒にいてキャップは最初のアベンジャーズの頃のコスチュームだったんです。となれば時系列を飛び越えるかなんかのイベントにスコットが絡んでくるのは間違いないかと。ちなみにトニーがちょっと老けメイクでもあります。

ソース|Google画像検索結果アベンジャーズ4 - Google 検索

最後に

 本当に本編は最高の続編でした。ワスプの活躍といい、ガジェットの面白さといい、そしてジャネットの救出といい。まあ本編も完全無欠の穴が無いとは申しませんが、アントマンの核の部分は保持しながらのこの続編は大変満足できるものだと思います。そして引っかかったポストクレジットも、いやまあそれは分かる、分かるけど…その決着は来年のアベンジャーズ4まで持ち越しで、しかしマーベル・スタジオの無茶ぶりだとは思うんですが、じゃあこうしますと入れたペイトン・リード。そうですね、彼にジェームズ・ガンが離れた後の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』を任せるの結構ありかもって少し思いました。とまあそれは置いといて本当にエンドクレジットまでは最高の気分で観れる作品なのでtonbori堂は満足しています。

※前作もいいですよ。特にルイス(笑)

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