2018年夏クール『刑事7人』、『遺留捜査』最終回を迎えて【ネタバレ】|tonbori堂ドラマ語り-Web-tonbori堂アネックス

2018年夏クール『刑事7人』、『遺留捜査』最終回を迎えて【ネタバレ】|tonbori堂ドラマ語り

2018年9月15日土曜日

drama

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 テレ朝の水9と木8も去年と今年は前回クールで好評を得たようで『刑事7人』と『遺留捜査』が引き続き放映されることになりました。正直『遺留捜査』は8時からの放送なので全部を視聴できなかったんですけれど、『刑事7人』とともに安定している内容で安心して視聴できるものでした。


刑事7人第4シリーズ

 『刑事7人』は主人公天樹(東山紀之)が第1シリーズで見せた影を持ちつつも人当たりの柔らかい遺失物管理をしていた警察官が刑事に復帰し、一風変わった視点から事件を紐解くという『遺留捜査』に実は被ってるような刑事ドラマだったことを覚えておいででしょうか。続く第2シリーズで何故か機動捜査隊に異動になり2人一組のが基本の機動捜査隊任務を何故が一人で行う一匹狼と、それまでの人付き合いの良さがなりを潜め、孤高の刑事として再登場しました。特に第2シリーズでは仲間の殉職もあり衝撃的なスタートでしたが、第3シリーズでは断片的に語られていた天樹の妻子の事故死に絡む謎が設定され、臨海地区を牛耳る古豪のフィクサーが登場しました。

刑事7人第4シリーズ(2018)



 この事件の結末は苦いもので結局、それぞれが別の部署に異動になったものの第4シリーズは、第3シリーズ最終回で天樹の異動先が資料管理だったのでいわゆる『コールドケース(迷宮入り事件)』ものになるのではと読んでいたんですが…当たらずとも遠からず。第4シリーズは刑事事務課資料係に異動になった天樹が何故か運転免許センターから資料係長として警視庁復帰を果たした片桐(吉田鋼太郎)の刑事部長への働きかけによる(半ば脅迫)専従捜査班という特別チームとして、第1シリーズからの水田(倉科カナ)、第2シリーズより登場の青山(塚本高史)、このシーズンより登場の野々村(白洲迅)、海老沢(田辺誠一)ともに過去の事件と関連のある現在を事件を捜査する事に。コールドケースであった事件が現在の事件と関連し、双方の事件を解決に導くという捻った構成になっていました。

シーズン4全体の感想

 このクール、結構苦い話が多い感じがしましたね。天樹はシーズン2や3での孤高感はやや薄くなりましたが、他人と違う視点と単独捜査は相変わらずでしたが、声のデカい新人野々村と一緒に捜査に出たりなど態度もシーズン1までとは言いませんが柔らかくなった気が。片桐が何故元の13係メンバーを集めて資料係を立ち上げたのかは、スタート時に机に上に置かれた「九頭竜商店殺人事件」の関係者が殺された事件が発端で再捜査をする最終回で明らかになりましたが、シーズン3のフィクサー馬久根を追い詰めるための第11方面準備室設立と時は同僚だった刑事が尻尾を掴んだことにより殺され、今回は尊敬する先輩刑事が事件の真相を掴みかけたことにより殺されるとか、片桐と組むと碌な事が無い感じが。でも上層部にすり寄りながらも実はしぶとく組織に残って捜査が出来る環境を確保する。酸いも甘いも噛み分ける片桐があってこその13係であり、第11方面準備室であり、専従捜査班という感じが今まで以上に強く感じたシーズン4でした。

第9話

 このストーリーは実際にあった事件を下敷きにしている異色作でした。50年前の拳銃による連続射殺事件と聞いてすぐに永山則夫連続射殺事件を思い出しました。永山が影響を受けたかもしれない少年ライフル魔事件まで取り込んだ異色作で、天樹が事件にのめり込みながらも模倣犯ではなかった結末など非常に印象に残る回でした。脚本は徳永富彦。同じテレビ朝日の金曜ナイトドラマ『dile』でも実際にあった事件を想起させるストーリーを書いていて、その回は、その一つ前の回を書いた『SP』『BORDER』の金城一紀回とともにヘヴィな印象を残しています。今後もちょっとチェックです。

最後に

 このシリーズは安定していたように思います。ただ残念なのは沙村が顔出ししなかったことかな。そのかわりまさかの山下がそのスキルをもって拘置所から捜査に助力しました。これは意外でしたが憑き物が落ちた山下を片岡愛之助が久々に演じてて、沙村(高嶋政宏)も出ないかなと思ってただけに来シーズンに期待です。と、今後もこの路線で行くのかどうかは分かりませんが捻ったストーリーと重厚なスタイルはこの時間の『相棒』への橋渡しとしては良いのではないでしょうか。『特捜9(旧警視庁捜査一課9係)』とともに定着してきた感じがあります。来年もこの布陣で臨みそうですよね。そんなラストでした。

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『遺留捜査』第5シリーズ

 『刑事7人』とは違い糸村(上川隆也)はどこにいっても糸村というのを貫いているのが『遺留捜査』です。もっとも『刑事7人』は片桐がずっと片桐のままというのが『刑事7人』なのかもというのがシーズン4にして分かりました(笑)

遺留捜査第5シリーズ(2018)




 そんな『遺留捜査』も京都府警に糸村が転出してある意味リブートした感があります。このクールでは特別捜査対策室の桧山室長(段田安則)は警察庁へ出向となり佐倉(戸田恵子)が室長代理をつとめていましたが、刑事としてベテラン感の漂う岩田(梶原善)が加入。どこか浮世ばなれした糸村の代わりに絵に描いたデカな岩田のおかげで桧山の穴は埋められているかなと思いました。実のところ、何話かは見損ねているのでしっかりとした感想を書くことが出来ないんですけれど、フォーマットを崩さない『僕に3分間、時間をください』。お約束でもあるんですが被害者の想いを遺族に届けるという意味で被害者に寄り添う作りは場所が変わっても健在です。


 舞台が京都に移って、しっくりきている感さえも漂っているというか…。これは意外だったんですが、やはり人の機微などを描くのに京都という古都にはまっているんでしょうか…。いやどろっどろの事件が多いからこそってのもあるかもしれませんね(笑)映画の街(撮影所がある)ことから撮影所が事件の舞台になったりとか今回も地の利を得た話を展開していきましたが最終回にして『科捜研の女』から榊マリコ(沢口靖子)が登場。コラボレーションしました。合同捜査あるんでしょうかね?でも刑事部長が違う人だから違う次元のマリコさんかも(笑)(『科捜研の女』の刑事部長は藤倉、演じるは金田明夫、『遺留捜査』では氏家、演じるは益岡徹)


 余談ながら、この後のドラマが『ハゲタカ』だったんですけれど、神崎演じる栗山千明がキャストと共に『ハゲタカ』っていうのはNHK版『ハゲタカ』好きとしてはいろいろ胸熱でした。ああ、そうそうゲストキャストにライダー、戦隊出身者が多いのも水9、木8の特徴です。特に木8は『科捜研の女』を田崎竜太監督が演出している事も関係しているのかもしれませんね。でも『遺留捜査』最終回SPでも観月ありさ演じる酒井裕子の弟である高橋尚也をアンクこと三浦涼介が演じていましたから東映のカラーなのかもしれません。戦隊、ライダー好きならそういう楽しみ方も嬉しいところですね。

最後に

 そろそろテレビ朝日はスーパー刑事(デカ)大戦をライダーみたくやる時期に差し掛かってきたと思うんですがいかかでしょうか、これはtonbori堂、Twitterでも時々言ってます(笑)でもその前に来シーズンなんですが『遺留捜査』も定着してきた感があるのであるかもしれませんね。メンバーもいいのでこのまま続けて欲しいと思います。

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