最強ファミリー映画(笑)|『デッドプール2』|感想【ネタバレ注意!】-Web-tonbori堂アネックス

最強ファミリー映画(笑)|『デッドプール2』|感想【ネタバレ注意!】

2018年7月1日日曜日

MARVEL movie

X f B! P L
動画はYouTubeより|映画『デッドプール2』予告|20thFOXjp

 最近は続編でも十分にその最初の良さを活かして、さらに出し惜しみ無しの全部盛りな作品が多いけれど、これはその中でも超級作品ではないかと。いや大満足の続編でした。

俺ちゃん、シス?

 すみません、死すとスターウォーズのシスをかけてみました。出来心でした(^^;でも本編も割とそんな感じでした(ヲイ)あのやりたい放題、第4の壁を突破できる男、デッドプールの活躍(笑)を描く最強続編をやっと観てきました。なんかもうこれ最高の続編っていう映画でしたね。

俺ちゃんは完璧なヒーローじゃない

 デッドプールっていわゆるキャプテン・アメリカのような行儀のよいヒーローでありません。またX-MENのような生い立ちを背負って悲愴感をにじませるという感じでもありません。(ウェイド自身の生い立ちはそれなりに悲惨な幼少期だったようですが)クソみたいな世界でクソみたいな仕事をやってるが、ヴァネッサとの愛は本物。それに突き動かされて疾走したのか先の映画でした。


 今回は未来から来た男(ご丁寧に片腕はマシンアーム)ケーブルがミュータントの少年を殺そうとするのをあれやこれやで止めようと奮闘。X-MENの向うを張って、ミュータントをはじめとする能力者をリクルート。「X-フォース」を結成し少年を守ろうとします。果たしてケーブルからデッドプールは少年を守り切る事が出来るのか?これが殆どの媒体で書かれているあらすじです。何故このあらすじなのか?いや間違っていませんよ。そうなんだけどここにマジックが込められているわけです。

俺ちゃん、吹っ飛ぶ

 いきなりウェイドの部屋から物語が始まりますがタバコをすってるウェイド=デッドプール。そしておもむろにガス栓を開け放し、燃料のつまったドラム缶に火のついたタバコを放り込む、そして爆発!なんでもウルヴァリン最後の映画「ローガン」に対抗するためです。マジかよ!いったいどうなるんだとまずここでぐぃっと引き込まれます。彼はその力を作って悪い奴を掃除する(時には金をふんだくり)ダークヒーローとして世界中で暴れまわっていました。当然そんな事をしていると敵も増えるわけです。そしてあろうことか愛するヴァネッサがそれに巻き込まれ銃弾に倒れてしまうのです。


 何度も死のうと試みるウェイド。しかし能力のおかげで死ぬことが出来ません。悲しみが募るばかり。そこで最大火力で自分を焼けば死ねるのでは?というのがアバンだったわけです。そこからのOPタイトルも前作同様ふざけた感じで、デヴィット・リーチ監督は『ジョン・ウィック』の監督も務めているためOPタイトルでの紹介は『ジョン・ウィック』で犬を殺した(実際には犬は死んでないけど演出的に)監督とかもうやりたい放題。だが前作のヒロインが今回死んでしまった事から、ええっ?どうなんのという。でもヴァネッサ、やっぱりヒロインやっ!てなるクライマックスまでの流れがまた最高なのです。

未来から来た男、ケーブル

 ケーブルを演じているのは、マーベル・シネマティック・ユニバースの『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』で最強最悪のヴィラン、サノスを演じたジョシュ・ブローリン。このケーブルという男は兵士であり家族がいる父でした。彼の初登場シーン。あきらかに破壊された炎上したと思われる部屋で妻と子と思われる消し炭のような亡骸を前に慟哭し、遺品である血で汚れたテディベアをもって、タイムトラベルするシーン。そこまで台詞が無いんですが、デッドプールとは明らかに違うノリ。ブローリンがしかめっ面で演じるんですが、これまたサノスのようにはまり役。いかにもタフガイっていうイメージ。そしてマシーンっぽさや、クライマックスに向けて徐々に変化していく感じなどブローリンの良さがこれでもかと満載されているのでサノスの中の人の素の(といっても目が光ったりますが)堪能して欲しいですね。ちなみにトレーラーにあったサノスいじりもあります。

ラッキーガール、ドミノ

 いやもうなんといっても最高でしょうドミノ。原典マーベル・コミックスでは白人で目の周りが黒くペインティングされているそうなんですが、そこを黒人にして片目の周りを白くペインティングというセンス。人種差別ネタ、格差ネタをポンポン放り込んでくるスタイルですが、キャラクターに関してもそこをあっさりとやってしまうところに制作陣(主演のライアン・レイノルズを含めての)バランス感覚には敬服するばかり。普通なら際どいところはうまくぼやかすのがセオリーでも、いやいやデッドプールはそうじゃないだろとばかりにぶっ込んでくるのがデップースタイル。そしてドミノは運を操作できるミュータント。どう考えても最強じゃないですか。ほぼ無敵だし、死なない。『装甲騎兵ボトムズ』の主人公キリコなみの異能生存体ですよ、ええ(笑)ただその幸運は彼女にしか作用しないんですよね。まあ周りにも作用したらヤバいですけど。続編にも是非活躍して欲しいキャラクターです。

X-MEN、コロッサス、ネガソニック、ユキオ

 今回は前回よりも出オチ感あるかなと思ったけれど、なかなかどうして重要な役回りです。特にコロッサスはデップーのその刹那的な行動や、いさかか規範から外れる言動や行動をなんとか真人間にしたいと考えていて(当然デップーは有難迷惑と思っています。)今回はそれが行きつくとこまで行ってまた帰ってきたかという感じでしたね。ネガソニックは同性愛者であると設定されました。これは原典マーベル・コミックスでは同性愛者のヒーローもボツボツ出始めているんですけれど、映画でははっきりそうですというのはいなかったはず。さすがデッドプール、本家マーベル・スタジオや他のマーベル作品に先駆けて登場させたというのは快挙といってもいいんじゃないでしょうか。ちなみにそのネガソニックの恋人がユキオ。東洋人で名前からは日本人、または日系人と思われます。ちなみに『ウルヴァリン・SAMURAI』でも同名のキャラが登場していましたよね。名前は一緒だけど同一キャラではない感じです。演じるのは忽那汐里。Netflixオリジナルの『アウトサイダー』などの海外作品に最近キャスティングされ本格的に海外でのお仕事増えそうですよね。

Xフォース

 デップーがダチで傭兵くずれがたまり場としている酒場のマスター、ウィーゼルが声をかけて集めてきたミュータント?たちで結成したチームです。ドミノもそのメンバーですが、それ以外は電磁波を操るベドラム、自称宇宙人のシャッタースター、口から強酸性のゲロを吐くツァイトガイストに透明人間、バニッシャー。そして募集広告を見てやってきた普通人ピーター。透明人間バニッシャーはある有名なハリウッドスターが演じているんですが(反転してください)ブラッド・ピットです。(※追記:コメントで教えてもらったんですが組合の定めた最低出演料と主演のライアンをパシリさせることで出演したんだとか。いい話ですよね(笑))実は大層に集められた彼ら…完全に出オチでした(^^;どう出オチかは観た方なら分かるでしょうけど、何というかある意味無駄遣いだけどデップーらしいというか。いや割と普通の(コメディタッチでないのに)アクションでも出オチ感でチームを使うってのはあるけど、これは面白いですよね。なんというかブラックコメディで有りだなって思いました。


 そうそうカメオといえばX-MENメンバーもチラリと(何時もここには他のX-MENはいないのかというネタを逆手にとったものです)それとマット・デイモン。これでM.C.UとFOXのマーベル制覇したので後はSONYのスパイディだけですね(笑)ただ何処にでてるのかはさっぱり分かりませんでした(ヲイ

動画はYouTubeより|映画『デッドプール2』予告編 最強鬼やば Ver.|20thFOXjp

俺ちゃん、正しい事が出来るか?

 ネタバレとは書きましたけど、ここだけはスクリーンで確認して欲しいですね。というかここ最近のアメコミ映画の続編では『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』に続く大当たりかなと思います。きっちりデップーのいい加減さとか無茶苦茶さとか、愛情深いとことか、でもちゃっかりしてるところとか。全部だし惜しみなしで突っ込んでる部分は非常に観ててニヤニヤできるし楽しい時間が過ごせました。前作が気に入ったならこれは絶対に観るべき作品です。ちなみにオチまで秀逸。ちゃんとテーマであるファミリーもしっかりと込められていますし。ここらは『ワイスピ』シリーズと被っていますけど(笑)そもそもX-MENシリーズもそういうところありますよね。


 あと音楽ネタも豊富でしたね。ジェームズ・ガンもそうなんですけどデヴィット・リーチ、前作の『アトミック・ブロンド』でも音楽ネタを放り込んできていました。今の一線級監督は70年代80年代からの音楽ネタの引用が多いのでそこもチェックポイントですよね。特にa-Haのテイク・オン・ミーは『レディ・プレイヤー・ワン』でもかかっていたのでまた波が来てるのかとか思いました(笑)『シグナル』も過去改変ネタだったし『ターミネーター』もそうだったけど、そう来たかあ!っていう。如何にもデッドプールらしいオチでしたね。おっとこのくらいにしてともかく観てください(笑)

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