「定冠詞「ラ」がつくファティマたち」|『ファイブスター物語/FSS』考察-Web-tonbori堂アネックス

「定冠詞「ラ」がつくファティマたち」|『ファイブスター物語/FSS』考察

2018年6月26日火曜日

FSS manga

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 Twitterで(2018:6/23~7/2まで)ファティマ総選挙の季節がやってきました。それに合わせて小ネタとしてちょっと気になってた事を。『パルスエット~プロローグ』にてマウザー教授のパートナーが、ティン(クー・ファン・シーマ王子)のパートナーであったベルダだったことで界隈がざわついていましたが、それは彼女が「クラック(ワスペン)」のパートナーで「ザームラント傭兵騎士団」にいてミラージュに出戻ったという記述があるからです。ですがもう一つ、彼女には大きな特徴があります。「ラ」です。ベルダは「ラ・ベルダ」とも呼ばれているのです。今回はこの「ラ」ってなんだろうという話です。

『DESIGNS2アドラー:ジュノー』|バランシェファティマのカタログが掲載されている|永野護 著|KADOKAWA刊|©EDIT/永野護|リンクはAmazon
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※ちなみにファティマ総選挙の詳しいレギュレーションなどなどはこちらのリンクをご覧ください。

FSS ファティマ総選挙 2018 #FSS_jp - Togetter

『ラ』とは。

 フランス語でいうところの女性名詞につく定冠詞と考えるのが、この場合もっとも一般的でしょう。ただこの定冠詞がつくファティマはそんなにいません。

定冠詞付きファティマ

 すぐに思い出されるのはリチウム・バランスの4ファッティスことニーヴ、ステート・ソリッド・ロジック、インタシティ、フォーカスライトはその名称の前に「ザ(The)」という英語の定冠詞がつきますが、これは最初のファティマということから「ザ」という定冠詞がついています。ならば「ラ」もそれに相当するものなのでしょうか?それは違うと思います。なにせそれまでシンファイア(GTM改変後の新設定)がGTMの超高速演算を担い、ウォーキャスター(現在はヘッドライナー)とともにGTMを動かしていたものが、さらにその能力が引き出せるようになったという意味合いも込めた、尊称としての「ザ」なのです。かなり特別と考えた方がいいでしょう。DESIGNSなどの説明でも最初にファティマを製作したリチウムへの尊称として「ザ」がつくとなっていたように思います。特別なファティマというだけではなく「最初」という意味合いの「ザ」なわけです。

「ラ」のつくファティマ

 では「ラ」とは?これまで「ラ」がつくファティマはベルダの他にいました。すぐに思い出されるのはフィルモア皇帝レーダーⅧに嫁いでいたラ・クラトーマがいます。スティール・クープ博士の傑作ファティマとしてフィルモアとともにあるファティマ。ある意味フィルモアを代表しているといってもいいかもしれません(それは後年、町の役割になりそうだと思うのですが)、そういえば慧茄様が魔導大戦に参戦している時のパートナーはクラトーマでしたね。フィルモア王家専属なのでしょうか。


 そしてバランシェの母、アルセニックのファティマ、風の3姉妹もそれぞれ「ラ」がついています。特殊な尊称というわけでは無さそうですがこの辺り法則性があまり見いだせないのも事実です。これが例えば王家に仕えているファティマなら分かるんですがベルダはマウザー教授のもとにいっているので特段王家に仕えているわけではないですし結果的にミラージュに戻ったとしてもそうではないという事で、「ラ」の意味はそうではない気がします。幾人もの同種の血統及びそれに近い血統には反応するのはファティマとしては自然な事であるというのは、オデットの件でもありますからね。(ただその場合はダムゲートコントロールの調整が必要でレイヤーを重ねると表現していました。そのためオデットは多重人格な部分があるファティマになったようです。)

クリアランス:フローレス

 では「ラ」とはなんだとDESIGNS3を引っ張り出してクラトーマの項目を読んでいたらあっさり解決しました(笑)「ラ」とは「フローレス」を指す言葉。フローレスとは、ファティマの格でファティマのパワーゲージ(ゲームでいうところのスペック、ライフゲージ、パワーを表すもの)とは違うものでダイヤモンドのグレードと同じ分け方がされています。クリアランスと称されフローレスは頂点を指し、VVS-1で超級ファティマなんですがそれを超える最高級というべきファティマです。

|DESIGNS3カラミティ・ゴーダーズ:ボォス|永野護 著|KADOKAWA刊
|DESIGNS3カラミティ・ゴーダーズ:ボォス|永野護 著|KADOKAWA刊

 バランシェファティマではクローソーは特殊でFF(フォーエバー・ファンタスティック・フローレス)がつけられていますが、本編ではGTM感応能力が失われたアウクソーにこのフローレスを申請して延命を図るという話がでています。ちなみにフローレスの称号はパワーゲージによらないため、スペック(演算能力や戦闘力、精神耐性)でもらえるものではないとの事。イエッタ、Twitter上で開催されるファティマ総選挙では3連覇で通称おでこちゃんことtonbori堂推しファティマのメガエラもフローレスの格を持っています。実のところ彼女たちに何かの冠詞か何かがついていれば「ラ」問題も解決なんですが、イエッタは「白のイエッタ」、メガエラは「ブルー・メガエラ」という二つ名(色ですが)を持っています。ちなみにタイ・フォンもフローレス・ファティマですが彼女の場合はクローソーと同じく特殊称号でサイレント・フローレスという特殊称号です。


 また、フローレス・ファティマのオーハイネは「湖のオーハイネ」です。つまり冠詞がつくフローレス・ファティマで特段変わった「疾風迅雷」とか「疾風怒濤」とか(これは趣味です)が付かない場合は女性名詞のLaを付けるという事でこの件はこれにて一件落着(笑)

 オイオイ!な決着ですが長くファイブスター物語を読んでいると、案外基本的な事を忘れてしまうし、こうやって書いてまとめておかないと自分でも何が何だか(笑)それとフローレスという格だけでファティマが決まるわけではないというのは本編を読んでいればよく分ると思います。


 ということでベルダはフローレス・ファティマということになるんですが、今後どれくらいの活躍をみせてくれるのか?気になる所ですね。ということで定冠詞ついてるのはフローレス・ファティマってことで間違いないということだそうなので、えっ?そうなるとモンスーンもシクローンもユリケンヌも?いやフローレスって…お後がよろしいようで。


※参考テキストはファイブスター物語/F.S.S DESIGNS(デザインズ)1-3

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