選ばれし者、その名は「警官」『ブライト』【ネタバレ】

ネットフリックスオリジナル

新年あけましておめでとうございます。これが本年2018年の初エントリとなります。この正月3が日は元日と2日こそ外出していましたが3日、そして初出前の4日は引きこもり状態でネットフリックスやAmazonプライム、ひかりTVのビデオサービスなどで観たかった、観逃した映画を観ておりました。

youtubeより|『ブライト』予告編|NetflixJapan

その中でもネットフリックスオリジナル映画として昨年の22日に配信から配信が始まった『ブライト』これまでのオリジナル映画と違い監督にもハリウッドのメジャーシーンでも名前の通ってる有名監督デヴィット・エアーを起用した現代を舞台としたファンタジー・アクションです。言うなれば現代版『ロード・オブ・ザ・リング』、彼らが中つ国からさらず人間と共存したままだったら?という舞台設定のアクション映画が『ブライト』です。

もっとも『ロード・オブ・ザ・リング』のような壮大な仕掛けはあってもデヴィッド・エアーがそういう壮大な話をやるかといえば…答えはノーです。あくまでもそれは仕掛け。そこに今、そこに生きている者たちの足搔き、戦いを描くのがエアー監督。この『ブライト』もエアー監督の作法に則った映画でした。



ストーリー

ロサンゼルス市警の警官、ウォードは市警初のオークの警官であるジャコビーの相棒。パトロール中にオークに銃撃され負傷した事からジャコビーに不信を抱きパートナーを変えて欲しいと訴えるが、上層部の方針による多様性の受け入れのため、却下される。

そのジャコビーもオークの中でもオークの特徴が薄く、その上警官になり、人間におもねった裏切り者として一族から認められない雑種扱い。そんな2人がパトロールするのはオークの多く住む不穏な地区。

この世界は2000年前に9種族が団結しダーク・ロードと呼ばれる存在を封印し、その事からいつの日かダーク・ロードが復活し魔法の世界が世界を支配する混沌とした世の中を復活させるという伝説がつたわっているが殆どの人々、種族はそれは都市伝説に過ぎないと思い、光の楯というカルト集団のみがそれを信じていた。

通報によりパトロール中のウォードとジャコビーはある民家へ向かうが建物の中は人が消し炭になっていたり切り裂かれたりなど惨たらしい惨状。そして屋内には多数の武器が散乱しエルフとおぼしき人が壁になんらかの力で埋め込まれていた。

この惨状は魔法が使われたと判断したウォードは本部に応援を要請し、現場にいたエルフの少女、ティッカと魔法の杖(ワンド)を確保する。やがで到着した巡査部長と同僚たちはなんでも叶うワンドを横取りしようと企みウォードにジャコビーを射殺させてウォードを殺そうと算段したが、反対にウォードが彼らを射殺、騒ぎを聞きつけてきたアルタミラという人間のギャングやワンドの本来の持ち主、ダーク・ロードの復活を企むインファーニの冷酷なエルフ、レイラたちに追われる事に。

途中、パーティをしていたオークのギャング、フォッグティースのシマを荒らしてしまった事により彼らにも追われる事になり、またFBIの魔法捜査官たちもインファーニとワンドの追跡に乗り出したことによりウォードたちは四面楚歌に追い込まれてしまう。

信頼できないパートナー、迫りくる敵、果たしてウォードたちは生きて朝を迎えることができのだろうか?

ウォリアーズ+エンド・オブ・ウォッチ+エイリアン・ネイション

脚本を担当したのはジョン・ランディスの息子マックス・ランディス。彼の仕事は『クロニクル』と『エージェント・ウルトラ』しか観ていないのですが、かなり中二病な作風です。

今回の『ブライト』もようするに現代で『ロード・オブ・ザ・リング』やったらどうなんだよっていうのがあったんでしょうが、それが結果的に人種差別や民族間問題、貧富の格差などなども浮き上がらせる結果になったのはやっぱり時代がそれを呼んでいるからでしょうか。

で、この映画の印象を言うと見出しにつけた『ウォリアーズ』『エンド・オブ・ウォッチ』『エイリアンネイション』という感じです。『ウォリアーズ』は名匠ウォルター・ヒル監督の言わば出世作のような作品で社会現象も起こした映画です。ストーリーは単純で、ギャング同士の集会でリーダーが暗殺、ウォリアーズというチームが濡れ衣を着せされ、縄張りまで戻るというお話でワンナイト(一晩)の話です。周りは全て敵、追跡者というのはこの『ブライト』におけるウォード、ジャコビー、ティッカの置かれた状況に似ています。

『エンド・オブ・ウォッチ』はこの作品の監督、デヴィッド・エアーが撮った主観カメラを使ったLAの警察官の日々を描いた作品で、LAの事情に明るいエアーだからこそのギャングの実態やギャングの生態、警官の仕事の描写など評価の高い作品です。今回も異世界の融合している世界なれど警官という仕事やギャングをよく知っているエアーならではの描写が多く入っていました。

そして『エイリアン・ネイション』はジェームズ・カーンとマンディ・パティンキンが主演した刑事モノの映画ですが人間の刑事と異星人の刑事が組むという一風変わったものでした。当時も話題になり1988年のサターン賞(SF映画に贈られる賞)を受賞しています。『ブライト』との共通項は人と人ではない種族の刑事(警官)のバディムービーという点です。

3つも混ぜたらわちゃわちゃになりそうなところを種族間の軋轢なども今の世界での人種間と同じ描写でぐいぐい押してくエアー監督の手腕によりテンポも良くクライムサスペンスとしてもアクション・ムービーとしても面白くなっています。


デヴィッド・エアーという男

デヴィッド・エアー。物語の舞台となったロサンゼルスでチカーノの多い治安の悪い地区で育ち、海軍に入隊。潜水艦乗組員となったという異色の経歴を持つ人物。ワーナーのDCEUに連なる『スーサイド・スクワッド』では、得意のハードな演出を若干マイルドにされたようなという話で、tonbori堂は浪花節な部分(ウェットなお前のために俺がやるみたいな)はしっかりエアー節だったと思っていたんですが、まあいろいろ忸怩たる思いがあったようです。

で、実際に成績も振るわなかったし評価もいまいちにとどまったことにエアー監督はショックを受けていたとかで実際作り直したいとまで。現在登場キャラクターのハーレイ・クインがDCの女性ヴィランとチームアップする映画の企画が進んでいるようですが実はこの『ブライト』の主演ウィル・スミスも『スーサイド・スクワッド』に出演。デッドショットという凄腕のスナイパーで出演しています。彼には一人娘がおり、その前では善きパパという部分がこのウォードにもだぶり、案外この作品も彼らにとっての『スーサイド・スクワッド』のリベンジなのかとも思ったり。

とは言えラストのオチなどはエアーの脚本ではないためここ最近の(『スーサイド・スクワッド』を除く)厳しい感じではなく『エージェント・ウルトラ』的なオチでした。とは言えらしいオチでちょっとだけバディになった感じを醸しだしていったし、まだまだ世界は混とんとしているので続編への引きもあるものになっていたと思います。

ちなみに視聴回数が好評だったため続編がすぐさま決定し製作にグリーンライトが点灯したそうです(製作開始という意味です。)次作の脚本はランディスではなくエアー監督が執筆するということで大団円になるにしてもさらに厳しいものになるかもしれないですね。

キャスト

主人公のダリル・ウォードにはウィル・スミス。日本では人気の俳優ですがハリウッドのゴシップでは超がつくほどの俺様キャラとかでいろいろ噂もありますがだからこそ一匹狼で誰もウォードとは組みたがらないっていう設定に説得力が出ていました(笑)

その上警官で隣人たちとも折り合いが悪く、孤立しているというのもウィルのために書かれたんじゃないかと。但し妻が白人という設定がこれまたエアーの発案なのか脚本からの設定なのか気になる所です。

オークのニック・ジャコビーはジョエル・エドガートン。スター・ウォーズプリクエル3部作でルークの叔父であるオウェン・ラーズを演じてた人です。『ゼロ・ダーク・サーティ』ではSEALsから派生した特殊部隊DEVGRUのチームリーダーを演じていました。幅広く映画に出てる人だけど『ザ・ギフト』という映画では監督・脚本・出演という3役をこなした人だそうです(それは未見)特殊メイクで顔出しではないにも関わらずがんばってましたね。表情が分からないしそもそもオークの感情って謎ですからね。でもほぼ抑圧層の人間という感じでした。

インファーニのリーダーのエルフ、レイラは『プロメテウス』のノオミ・パラス。キレッキレの演技を披露してしますけど元々『ミレニアム/ドラゴン・タトゥーの女』でリスベットを演じた人ですから、全然はまっていましたね。

ティッカを演じていたのはルーシー・フライ、あまりフィルモグラフィぐぐっても英語版のところしかでてこないので新人さんのようですが、素の写真が既にエルフっぽいのが凄いですよね。(オーストラリア出身で『ヴァンパイア・アカデミー』っていう映画に出演しているそうです。ソースは|ルーシー・フライ - 映画.com

選ばれし者、ブライト

この名称は魔法の杖(ワンド)を使える者を指し、そのほとんどがエルフですが、稀に人間も扱える者が存在するとか。ほぼいない少ない確率だそうですが。ジャコビーがワンドを核兵器に例えていましたが、それを扱える者も非常に危険な存在です。ウォードもそのブライトの一人でしかも人であるために今後もトラブルに巻き込まれていくのは必至でしょう。

その設定を活かすのか?それともエアー監督お得意のゴリゴリの地べたを這いずり回る者たちの泥臭いアクションになるのか?気になります。あ、気になると言えば今回は全然ドワーフの出番が(FBIの魔法捜査官の一人が太った髭のおっさんだったからドワーフ?にしてはデカいなと思ったらただの太ったおっさんでした)無かったので次は出てくるんでしょうか?設定が面倒そうだけど。

あと上では書き忘れていましたけどフェアリーが完全に使い魔っぽいのでロリなフェアリーはいないのか?とかもちょっとだけ気になりました(笑)いやあの世界観でロリなの出てきたらめっちゃ浮きそうですけどね(笑)

時間も2時間弱なので夜にじっくり観て楽しむのに最適ですのでネットフリックスに加入しているならおススメできる1本です。






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