『99.9』『アンナチュラル』『BG身辺警護人』2018冬ドラマ気になるもの【ネタバレ】-Web-tonbori堂アネックス

『99.9』『アンナチュラル』『BG身辺警護人』2018冬ドラマ気になるもの【ネタバレ】

2018年1月25日木曜日

drama

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 世に冬ドラマは力作揃いと申しますが、基本各局ともに冬場は視聴率を取りに行くため、ぶっちゃけて言うと、キャストで視聴率が計算できるとか、安全パイの人気作の続編案件とか、まあいわゆる話題作が多くなる感じではありますよね。とはいえtonbori堂は割と偏ったジャンルでしか観ません。出ているキャストも最重要要素ではありますが、その前にそのドラマの「設定」が気になる人なのです。

 毎度毎度書いているような気がしますが基本的に刑事ドラマ、もしくはそれに付随するサスペンス&リーガルもしくは推理系などなど。もっともあーこれはキツイと思ったら刑事ドラマでもなんでも切っちゃうのもあります。で、このクールでもそれはありましたがそれは後程。とは言え先のクールからの『相棒』『科捜研の女』以外で純粋な刑事ドラマは一本もありませんでした。(追記を最後にしています。実は1本ありました)

 で、今回続けて観ようかなと思ったのは以下の3本。TBS日曜『99.9』Season2、金曜22時の『アンナチュラル』フジテレ朝木曜21時の『BG 身辺警護人』でしょうか。ではこの3本のファーストインプレッションとまいりましょうか。

アンナチュラル/ロゴはイメージです
アンナチュラル/ロゴはイメージです



『99.9刑事専門弁護士-Season2』

 ジャニーズ事務所の人気グループ「嵐」のメンバー、松本潤が一風変わった刑事専門の弁護士を演じた人気ドラマの続編です。TBSの日曜劇場は続編が殆どなかったそうで、続編が作られたとは『JIN-仁』だったとか。割と最近の話ではありますがそれだけ異例の事と捉えられています。ですが地上波離れが言われる昨今、数字の取れるドラマの続編は局側もやりたいし、視聴者も観たいというwinwinな訳で、『99.9刑事専門弁護士』も続編が待たれていた作品の一つでした。

ロゴはイメージです。
ロゴはイメージです。

 こういった場合、前回のキャストが勢揃いするのか?そして敵役(主人公のぶちあたる壁としての)は?となるのが通例で、主演の松潤以下ほぼ前回通りのキャストが集合しましたが入れ替えもありの、一番の注目点はヒロインの交代でしょう。榮倉奈々は昨年、結婚、第一子を出産後仕事をセーブしてるようで新たなヒロインが迎えられることに。今回敵対するのは裁判官ということもあり、裁判官としてエリート街道を歩いてきたもののある事件がきっかけで裁判官を辞した尾崎舞子に木村文乃というキャスティング。そして松潤演じる深山と対立する東京地方裁判所所長代理裁判官、川上に笑福亭鶴瓶。にこやかながら目が笑っていない(コラッ)鶴瓶師匠にぴったりな役柄です。いい人も出来るけど悪い人も出来るのが鶴瓶師匠の魅力ですから、深山の前に大きな壁として立ちはだかりそうです。


 ということで初回観ました。ファーストインプレッションは、安定しているなと。前回のフォーマットを崩さず、演出の木村ひさしさんらしい、画面のお遊びや、深山のキャラもそのままで、あれから1年、香川照之演じる佐田先生は民事に戻ったけれど相変わらずの深山のやり方についていけない後任が次々と辞めて戻るまでをささっと描いて、その間に1作目のメンバーの佐田のライバル?志賀と刑事事件専門ルームのパラリーガル、戸田さんは結婚とか、前作ヒロイン立花彩乃はアメリカ留学などなどあらかた説明をしたところで今回のヒロインが依頼人を連れてくるという流れ。


 ヒロインは依頼人の幼馴染で元法曹関係者ということで付き添ってきたけれど殺人事件の容疑者となった依頼人の父親が勝ち目がなく情状酌量をという考えで依頼人は無罪を信じているのにというところで頭の固い部分が掴みどころのない深山と合う訳もなくというひきもよく、木村文乃に変わったものの元裁判官であるということと過去のフラッシュバックでしめされている事とでこれが今後のサイドラインになってきそうです。そして既に2話まで放送されたわけですけどれど2話ではSeason1での重要人物、東京地検の丸川検事(金沢地方検察庁に異動)と検察庁の大友検事正が登場。深山の父の事件で重要な証拠が出てきて26年前の事件が動き出す事に。ここで、検事と裁判官、そして弁護士はいったいなんのために裁判を戦っている?という基本的な疑問が提示され、変わらず前作からのテーマ、真実(事実)を探るということにさらに裁判官のあり方も問うというテーマの深化が見られます。


 この辺りアメリカのリーガルドラマと大きく違う点で、アメリカは本当に『推定無罪』がきっちりしています。トランプ大統領がいくらロシアとの間でおかしなことがありそうでも大統領を辞めさせることは出来ません。それとともにトランプ大統領がその事件を捜査するモラー特別検事を辞めさせる事も出来ないのです。それぞれの司法権とそのほかがしっかりと独立しているからです。アメドラなんかでは絶対に犯人という証拠探しが検事側のドラマでは重要になりますし、それが無い場合は証言と自白がということになりますが、翻すこともしばしば、かなり高度な心理戦になったりもします。また弁護側はその完全なる証拠を崩したりとか陪審員を巻き込んでのという風に日本の司法ドラマとはかなり勝手が違ってきます。


 それは刑事裁判での99.9%の勝率がないからで、欧米とは全く違う理屈で動いているからなのです。そういう意味では結構野心的なドラマではあるんですが前例がなかったわけではありません。日本での弁護士ドラマは基本的に依頼人(被告)が無罪という流れで出来ている話が多いので勢い検事は敵っていうのが通例です。その逆もまたしかり。また裁判官を主役にしたドラマも2時間サスペンスではよくありますが、だいたい探偵役のようなものになってきます。ですが弁護士ドラマで裁判官が敵役というか主人公の壁として立ちはだかるいうのは今回新たな視点ではないかなと。アメリカのリーガルドラマでは裁判官(判事)はかなりリーガルドラマでも重要な地位を占めるため今回のドラマは他の裁判を舞台にしたドラマとはまた違った部分が観れるのではないかなと思っています。


 3話から川上が本格的に関わってきそうなので今後が楽しみですね。脚本は『TOKYOコントロール』『TOKYOエアポート』という航空管制官を描いた2本の連続ドラマに松潤主演の探偵モノ『ラッキーセブン』NHKで放送された民間警備会社の身辺警護を『BG』よりも先に描いた『4号警備』などを書いてる、宇田学。今後も引き続き注目したい方です。

公式サイト|日曜劇場『99.9-刑事専門弁護士- SEASONⅡ』|TBSテレビ

『アンナチュラル』

 連続ドラマとしては割と珍しい法医学ミステリーの連続ドラマ。法医学ミステリーといえば名取裕子の『法医学教室の事件ファイル』シリーズがお馴染みですが、毎回検死シーンがある『科捜研の女』は複合的な科学捜査が中心ですが法医学も関わっています。

アンナチュラル/ロゴはイメージです
アンナチュラル/ロゴはイメージです


 アメリカでは『ボディ・オブ・プルーフ』『BONES』ってシリーズが有名ですね。こちらはどちらかといえば『BONES』にノリが近い感じでしょうか。ともかくテンポがいい。主人公三澄ミコトと同僚の東海林夕子の掛け合いや、エキセントリックな言動の中堂系、ミコトのチームの記録員の久部。そして不自然死究明研究所UDIの所長で元厚生労働省の官僚であった神倉など。全員のキャラが1話にしてしっかり立ってるのも好印象でした。


 これはキャストがぴったりかつ馴染んでいたからだと思うんですが、ミコトには石原さとみ、夕子には市川実日子、中堂には井浦新、久部は窪田正孝。そして神倉に『バイプレーヤーズ』『孤独のグルメ』でお馴染み松重豊。石原さとみと市川実日子は『シン・ゴジラ』でも共演していましたね。キャラクターが全然違いますけども(笑)ちなみに石原さとみは『ヴォイス~命なき者の声~』でも法医学を志す医学生役をしていたことを今回、石原さとみのフィルモグラフィみて思い出しました。さて実際見てのファーストインプレッション、1話目も最初は息子の死に納得がいかない両親が虚血性心疾患という死因になっとくせずUDIに持ち込んできた依頼が発端で、実は殺人?それとも?というぐいぐいと見させるテンポの良さが心地よいリズムでしたね。


 死んだ青年の恋人が研究員で毒物を扱っているということで「見えない毒」というのを上手くミスリードに使ってくる部分も面白いと感じました。この「見えない毒」はその後の真の死因にもかかってくる部分で死因がMERSコロナウィルスの感染という部分でパンデミックか?という流れや持って行き方も面白かったと感じました。正直『99.9』よりこちらのほうが新鮮味はあるかなと思っていますがこちらも既に2話まで放送済。久部君の裏の顔が明らかにされミコトの身の上も明かされるスピード感。まあ日本のドラマは10話が基本なのでともかくスピード重視ということなのでしょう。3話ではいきなり裁判の証言者として法廷に立つことになり結果的に検事側と対立、まさに『99.9』%をひっくり返すストーリーになるとか。コラボしても面白いかもしれませんね。まああるかどうかは分かりませんが。


 物語はミコトの過去がどう物語に関わっていくのか。久部を送り込んだ雑誌編集者、末次の目的とか?いやらしい目つきのフリージャーナリスト宍戸(北村有起哉がまた悪い人演技で先が楽しみです。)など。そして中堂はいったい何を探しているのか?フォレスト葬儀社の木林も怪しいしキャラがいちいち立ってていい感じです。つかみはOKだったのでどこまで話が転がるか?割と今期のドラマでは一番気になってる作品です。

公式サイト|金曜ドラマ『アンナチュラル』|TBSテレビ

『BG~身辺警護人』

 様々な職業を演じてきたキムタクこと木村拓哉が今回演じるのは…ボディガード!っていう感じで宣伝されていたような。そしてSMAP解散後の初のドラマということもあり、それまでフジやTBSと組むことが多かった木村拓哉が『アイムホーム』に続き2本目のテレ朝作品となります。


ロゴはイメージです
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 身辺警護というと『SP』を思い出す人も多いでしょうが、警視庁警備部警護課は警察官としての身分を持ち銃器の携帯が認められています。一方、民間警備会社のボディガードは威力のある武器の携帯は認められていません。徒手空拳で警護対象を護り抜くのです。


 このドラマに先立つ去年、『アンナチュラル』に出演している窪田正孝と北村一輝の主演の『4号警備』という民間警備会社の身辺警護を題材にしたドラマがありまして、玄人筋にも評価が高く、アクションも練れていた、よく出来たドラマでした。ちなみに脚本は『99.9』の宇田学ということで、この『BG』そういった観点からも割と注目していたわけです。果たして第1話のファーストインプレッションは…そうですね、丁寧に、そしてテレ朝の得意ジャンルでまとめてきたな。手堅いなって印象です。


 一般的には木村拓哉が父親!しかも離婚してる!ってのが注目の的でしたが年齢考えたら別におかしくないし大きな子供がいてもいいのではないかと。ただ自分のイメージ作りに毎度腐心している木村拓哉からしても、それは有りなのか?という時点で自ら作ったパブリックイメージの打破は新鮮に映るしそこは戦略的なものなんじゃないかなとか思いましたね。ただ前述の『4号警備』の北村一輝の役柄が妻と離婚していて娘がいるという設定を思い出し、いろいろ被りは避けたんだろうけど…そう来たかって感じです。木村拓哉が演じる島崎は元ボディガードである事からその職を去り、今は工事現場の交通誘導員をしているという設定。元一流のプロが自身のトラブルでひっそりとその能力を隠すかのようにっていうのはヒーロー映画によくある設定。まずは掴みはOKではないかと。


 務めている会社が身辺警護の部署を立ち上げるに当たり、島崎にも声がかかりチームが立ち上がるいわば初回はチームアップとライバル、そして壁としての役割となる組織。ここでは警察のSPになる感じですが絡んできての大掛かりな話となっていました。今後も何かとSPが絡んでくるのかは分かりませんけど2回目は裁判官が脅迫を受けて警察の警護が付く中、その妻には警護対象から外れるため島崎たちが警護につくという話になりそうです。


 そんな中、主人公の島崎との対極にあるライバルポジションの斎藤工演じる高梨が、初回の警護から外れ、さらには島崎の過去にも気が付いた模様です。島崎が社長にボディガードの世界に戻るように言われた時に言った台詞『ボディガードの世界では一度失敗したら去らねばならない』その失敗はなんだったのか?プロサッカー選手の身辺警護を務めていた6年間に何があったのか?プライドモンスター高梨がどう動くのか?というのは気になるところです。


 元警察官の課長、村田に上川隆也、警護課唯一の女性、菅沼に菜々緒、技術に強い現代っ子(死語かな?)沢口に間宮祥太朗。警備会社社長に永島敏行。島崎たち民間警備を見下している警視庁SPの落合に江口洋介、その上司氷川に宇梶剛士という布陣。そこに石田ゆり子演じる厚生労働大臣立原愛子がどうもシリーズを通じてかかわってきそうな気配です。脚本にはキムタクドラマを多く手掛けている井上由美子。テレ朝9時では天海祐希の『緊急取調室』の脚本を担当していました。こういった骨太系もかける人ですが…さてさて真価は2回目の視聴率で問われるでしょうね。ちなみに『99.9』は2回目の放送で数字を上げてきました。だいたい初回から2回目で数字は落ちるのがパターンではありますが『BG~身辺警護人』の数字もかなり注目されていると思います。

公式サイト|BG~身辺警護人~|テレビ朝日

これ以外のドラマもございますが

 警察官が主人公のドラマは2本あって1本は『もみ消して冬 ~わが家の問題なかったことに~』です。これ初回はなかなか好発進だったそうですが…すみません途中で飽きちゃってチャンネル変えてしまいました。いや山田涼介が悪いとかそういうことではありません。実際、姉兄に波留や小澤征悦。父親に中村梅雀、執事に浅野和之に新人執事に千葉雄大。キャストは申し分ないんですが…なんだろうな、どうにも水が合わないというか…。ということで今回は残念ながらスルーとなりました。


 もう1本は『ファイナルカット』マスコミの過剰な取材で自殺した母親の復讐をする青年をこれまたジャニーズの亀梨和也が演じる復讐サスペンスで彼の職業が警察官という(総務課勤務で刑事ではないです)もの。これ面白そうだし初回もなかなかのもでしたが…割と週に3本以上もドラマ観てるとこんがらがって時には観れない時も。そして録画するとほぼ…観ません(ヲイ)そしてハードディスクに溜まっていく一方なので今回は見送りました。ただ栗山千明と橋本環奈の美人姉妹とそれぞれ名前を変えて接近する亀梨和也が今後どうなるのか?(修羅場は必至)怪しい佐々木蔵之介とか、エキセントリックなカリスマ司会者役藤木直人とこちらもキャストは十分でしょう。


 でも今季のドラマジャニーズ事務所のタレントが主演のが多くありませんか?これは毎度言われることでもありますが、まずジャニーズありきのキャスティングでドラマがつくられているんじゃないかとか。まあその中でも『アンナチュラル』は非ジャニーズ系でつくられているんですが…にしても多いですよね。若手俳優は数多いというのに。『アンナチュラル』にも出演している窪田正孝、竜星涼、朝ドラの松坂桃李や高橋一生。高橋一生は先のクールでも篠原涼子主演ドラマの助演で存在感を放っていましたが、そういったメンバーがいるにもかかわらず7本から6本あると半分か三分の一はジャニーズというのもってなる人がいるのも分かる気がします。


 ベタに言えば数字が計算できるというのもあるんでしょうが、最近のドラマ離れは深刻で固定ファンのいるジャニーズ所属タレント主演のドラマでも数字が取れないことも。課と思ったら安定した数字をたたき出す『ドクターX大門未知子』や最近はマンネリ化も指摘されつつも安定している『相棒』。そして先のクールでは池井戸潤原作の『陸王』も好調だったとか。演出、役者、脚本が揃えば数字は出る…はずなんですが、必ずしもそうではない事もあります。そこが難しいところですね。


 あと本当に普通のドラマ、面白そうでも観ていないのもあります、筆頭は坂元裕二脚本の『anone』でしょうか。かなりドラマ通からは評価が高いような印象を受けてるんですが…3本視聴でお頭がオーバーフロー起こしておりますので見送っております。しかし早くもドラマ通からは今期№1のような評価がぼつぼつと。あとは月9の『海月姫』もですね。あんまり観たいという気が起こらない。いやつまらないという訳ではないです。キャストも興味あるメンバーが揃っているし、能年玲奈が主演した映画版との比較も面白いかもしれないんですけど。そして名取裕子の『カクホの女』も2月から始まる『バイプレーヤーズ』のため今回は見送っています。刑事ドラマ番とはしては気になるんですけどね。


 tonbori堂は基本サスペンス&アクション系にマインドセットされているので普通のドラマよりそういうのを観る傾向がありますので市井の人が困難云々よりはどうしてもボディガードが体を張ってというのに目が向いてしまいます。というわけで今期はこの3本を継続視聴しようと思っております。もっともキャストだけではなく先に書いたように演出、脚本の三位一体がそのドラマが面白いかどうかの決め手。この3本も最後まで面白く観られれば。特に『アンナチュラル』は期待しておりますので今後の展開も注目していきたいですね。

追記20180209*テレ東さんで名取裕子の『カクホの女』がありましたので訂正いたします。正調スタイルでありながら2時間サスペンスやテレ朝での検事、刑事、法医学者など経験豊富な名取裕子と最近おっちょこちょいな役もこなし幅を広げている麻生祐未との変則バディモノでした。それこそテレ朝のキソウの女とかとかの。元々『マルホの女』という生命保険調査員のドラマの主演コンビの2作目という位置づけのようです)

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