超人神話創生『ジャスティス・リーグ』【ネタバレ】

超人神話が始まる


YouTube|ワーナー公式|ジャスティス・リーグ予告編
2017年も押し詰まってきてやっと『ジャスティス・リーグ』を観ることが出来ました。DCはDCエクステンデッドユニバース、DCEUという世界観をザック・スナイダーがリブートしたスーパーマン『マン・オブ・スティール』から展開しているいわば超人3部作の完結編といっていい作品です。結論からいうと「面白い!」んだけどちょっと「もやもや」するなっていうのが正直なファーストインプレッションでした。ワンダーウーマンことダイアナも今回から本格参戦のアクアマンのアーサー、フラッシュのバリー、サイボーグのビクター。それぞれキャラも立っていたのに何故?と思うんですが…まずはストーリーをひも解いてみましょう。



ストーリー

「ジャスティス・リーグ」オリジナル・サウンドトラック
画像はamazonより|「ジャスティス・リーグ」オリジナル・サウンドトラック |ダニー・エルフマン
|WaterTower Music|℗ 2017 WaterTower Music 
© 2017 Motion Picture Artwork 2017 Warner Bros. Entertainment Inc. 
メトロポリスでのドゥームズデイとの死闘から数カ月。スーパーマンの死は世界を覆い恐怖と闇がじわじわと迫っている中、闇の騎士バットマンは「何か」の侵攻を感じていた。捕えた羽の生えた奇怪な怪人は3つの箱を探していることを示して消滅。彼らがそれを未だ探していると知ったバットマン=ブルース・ウェインはルーサーの資料から超人を集め箱の正体を突き止め危機に備える事を決意する。

イギリスでテロを食い止めたワンダーウーマン=ダイアナ、北極圏の小さな島で食料に乏しい島民に魚を獲って来てやることで暮らしている孤高の男アーサー=アクアマン。セントラル・シティで目に止まらない動きで自警活動をしていたフラッシュことバリー。そしてSTARラボでチェンジ・エンジンの力により機械の身体を得て蘇ったビクター=サイボーグ。この4人を加えジャスティス・リーグを結成する。

彼らの敵は太古の昔、それぞれが違えていた人類、アマゾン族、海の民アトランティスが力を合わせて撃退した侵略者ステッペン・ウルフ。ステッペン・ウルフは過去に侵略した時に使っていたマザーボックスと呼ばれる3つの箱状の物体を探していた。

マザーボックスはそれぞれが意思を持ち恐怖が満ち溢れるとエネルギーを増しそれを使うものに大いなる力を与えその力は惑星をも創造できるほどの力をもたらすものだった。ステッペン・ウルフはその力を手にし古き神々に代わり神になろうと企んでいたのだ。アマゾン族の住む島セミッシラとアトランティスの神殿からボックスを奪取したステッペン・ウルフは残る一つを求め地上へ

ブルースはダイアナ、アーサー、バリー、ビクターだけではステッペン・ウルフの強大な力には太刀打ちするのは難しいと考えビクターを蘇らせたチェンジ・エンジン=マザーボックスの力であの男を蘇らせる事を決意する。果たしてその禁断の手段は世界の救いの一手となるのか?今超人たちの戦いが始まる。


ザック・スナイダーの世界

DCコミックスの親会社はタイム・ワーナー。ワーナーはクリストファー・ノーランのバットマン3部作、特に『ダークナイト』でDCシリーズというよりバットマンシリーズの最高傑作としての金字塔を打ち立て、その余勢をかってスーパーマンシリーズもリブートし、ライバルのマーベル・シネマティック・ユニバースのようなスーパーマン、バットマンなどDCコミックのヒーローたちが存在する世界を構築しようとしました。

かじ取りを任されたのが『300』、『ウォッチメン』でグラフィックノベルの世界観をそのままにフィルムを作り上げたザック・スナイダーです。『エンジェル・ウォーズ』という作品では否定的な評価を受けてしまったスナイダーですが世界観と画面の構築にかけてはtonbori堂は当代一と思っていますが、ワーナーの首脳陣もそう考えたのでしょう。特に『300』は原作を余すところなく映像化してみせたことにより評価も高く映像に強いと評判の監督です。
『300』
画像はamazonより|『300』|ザック・スナイダー監督|主演:ジェラルド・バトラー
Rating R15 (C) 2007 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
そんなザック・スナイダーのDC超人神話の集大成になるはずでしたが、身内の不幸により追加撮影中に急遽降板することになりその後を引き継ぎしたのがマーベル・シネマティック・ユニバース、フェイズ1の集大成である『アベンジャーズ』を監督したジョス・ウェドンでした。とは言え大きな違いというのはあまり気になりませんでした。ジョスも作風は陽性というわけではないし、それは『アベンジャーズ:エイジ・オブ・ウルトロン』を観れば明らかです。ワーナー側が求めたのは『アベンジャーズ』でみせた奇跡のまとまりを期待したのでしょうが…。

ここまで書いてなんとなくもやもやの正体が分かった気がします。それはザックの世界がきっちりと彼のトーンで語られていないという事なんじゃないでしょうか。いやジョスはいい仕事をしていると思います。最終のところでポンと渡されても、普通は困るものですがザックの残したものでちゃんと引き継ぎしてみせた訳ですから。最大の問題点はワーナー側の要求で時間を切った事です。

tonbori堂は長大な上映時間は是としません。基本映画は90分がベストと思っています。とは言えこの『ジャスティス・リーグ』は語られるべき映像があっさりしやすぎていないかと感じました。それはザック・スナイダーが映像のタペストリーを紡ぐタイプでストーリーよりも映像を映し出す事に傾注しているからです。その映像がストーリーを語るといった事を是としています。だから『300』のようなグラフィックノベルが飛び出してきたかのような映像や『ウォッチメン』のコミックと同じカットをスクリーンにという事に高い評価が集まる訳です。

当然ストーリーが残念な感じになったりビジュアルのみで語られる事にもなりかねない場合もあり『ウォッチメン』でもそこが問題になったりもしましたが『マン・オブ・スティール』『バットマンvsスーパーマン:ジャスティスの誕生』での彼の貫かれたビジュアルがなんだかざっくりとした早送りで見せられている感があったのがこのもやもや感の正体かなと。今後のザックのDC復帰は全く未定のようですが…これが集大成となるとするとちょっと残念な気がします。もっともDCキャラ紹介としては非常にいい作品ではありました(ヲイ)

超人集合

リーグのメンバーたちは全員キャラが非常に立っており、先に映画が公開されたダイアナ=ワンダーウーマンは当然なんですけれどほかの3人もいいキャラでした。ダイアナはその人となりが既に『ワンダーウーマン』で描かれているので『バットマンVSスーパーマン』での美味しい感じからさらに滋味を増した感じだったんですが、アクアマンは今後単独作がソウシリーズでお馴染み、最近は『ワイルドスピードSKYMISSON』でアクションもいけるということを知らしめたジェームズ・ワンがメガホンをとることに。楽しみです。ワイルド、粗野だけど実は人情味のあるっていうと、ちょっとソーみたいですよね(笑)なんとなく観てる間はこいつソーとは気が合いそうだなとずっと思っていました。演じたジェイソン・モモアもゴツイ人ですごくマッチしていました。

フラッシュは思いの他人気の高いキャラクターのようです。DCは映画より実はCWで展開している『ARROW』(億万長者で市長だけど実は街の悪党を退治する自警ヒーロー、バットマンと設定がかぶっている)を中心としたバースが展開中で人気も高く、その第2弾として放送されたのが『フラッシュ』です。フラッシュも米では人気の高いヒーローで過去にもドラマ化されたりしている人気ヒーローですがTVとはまた違ったキャラ設定、どちらも基本オタクなんだけど映画は早口でまくしたててちょっと人とはリズムが合わないマイペースキャラを押して来ててそれが功を奏していたようです。実際バットマンが導師のようになり彼を導き、ダイアナが見守るみたいなそんな感じが上手くはまったんでしょうね。演じたエズラ・ミラーもルーキーっぽさが良かったです。

でtonbori堂一推しがサイボーグことビクター。彼のボディはマザーボックスという未知のテクノロジーの技術がはいっているために日々自分が元の自分でなくなっていく恐怖があります。実のところ彼がこの作品での重要なキーマンなんですが、その分の描写がいろいろあっさりなんですよね。彼を見守るのもダイアナの今回の役割なんですが…ザックが最後までやっていたらここもっと力が入ったんじゃないかなと。それもあっての一推しなんですが、それは彼の描写がもうちょっと欲しかったという意味合いなんです。彼も単独作が予定されているようですが…ザック印とは違うし…それでも元は人として、でも人外として生まれ変わったの苦悩という部分では非常に重いテーマを持つ良キャラになりそうな予感があるのです。演じたレイ・フィッシャーも陰影のあるよい演技でした。STARラボ関係なんでフラッシュ単独作にも絡んでくるかも?

キャスト

今回キャストではメインは前回を引き継ぎベン・アフレックがバットマン(彼はフラッシュ単独作で最後になるという話が、割と合ってると思うんですけどね)ガル・ガドットがダイアナ・プリンス=ワンダーウーマン。スーパーマンはヘンリー・ガヴィル、ロイスにはエイミー・アダムス。マーサはダイアン・レイン。そして新加入としてJ・K・シモンズがゴードン本部長を。他に脇の脇で面白いキャストが。冒頭にバットマンに捕まる武装窃盗犯にホルト・マッキャラニーが。CSI:マイアミのカリーの恋人ヘイゲン刑事役の人です。他にも数多くの映画のサイドを固めてる人で日本ならバイプレーヤーって言われる事間違いなし(笑)

ビクターの父親で彼を蘇らせた科学者サイラスにはジョー・モートン。これ公開後にTwitterで何人かの人が突っ込んでましたけど『ターミネーター2』で初代のT-800のチップからスカイネット作ったマイルズ・ダイソン役の人です。またあんたは制御不能なもんを作ったのか!と(笑)

そしてバリーの父親で妻を殺した罪で刑務所に収監中のヘンリーには『ウォッチメン』ドクター・マンハッタンのビリー・クラダップ。っていうかtonbori堂マイケル・マン監督『パブリック・エネミー』に彼が出てた時分からなくて後でドクター・マンハッタンの人としって二度見しました(笑)やっぱりザックが推したのかな?

最後に

DCエクステンデッドユニバースが今後どうなるかは分かりません。リブート『猿の惑星』シリーズのマット・リーブスによる『バットマン』もベンが降板するとなると再度再起動するかもしれませんし、それでもワンダーウーマンはガル・ガドットにお願いしたいところですけどね。

実はそう考えると今回マーベルよろしくポストクレジットシーンが挿入され、ベン・アフレックが主演し監督もするとアナウンスされていた時のヴィラン、デスストロークと脱獄したルーサーが会見するシーンがありました。これ…正直いるかなと思ったんですよね。ルーサーが脱獄しましただけで良かったような。

どうもDCもマーベルに負けたくないと思っているようですがマーベル・スタジオのファイギはこういうアドバイスを送っています。
鶴原顕央さんのツイート: "他のスタジオがユニバース構築で失敗しているが? マーベル映画ケヴィン・ファイギ「唯一の助言としては、ユニバースを気にするな、映画についてのみ気を。我々はユニバースを構築しようとして始めていない。いい映画を作ろう。観客の皆さんが興味を示せば、その結果として」… https://t.co/EoLItnIjQz"
ツイートで言及されているソース|An Extended Conversation with Kevin Feige | Vanity Fair

もともとのこの作品は『マン・オブ・スティール』を起点としたザックのDC超人神話の創造にあったと思うので…いささか画竜点睛を欠くことになったんではないかなと思っていますが、新たな種はしっかり播かれたし、パティ・ジェンキンスのストーリーとしての『
ワンダーウーマン』がしっかりと大地に立ち上がった訳ですから。DCヒーローの神話はまだまだこれからも私たちを楽しませてくれると思っています。

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